シュレーダー元ドイツ首相、ロシア・ドイツ間パイプライン事業体の取締役会長に就任
シュレーダー元ドイツ首相が、世界最大の天然ガス企業で、ロシア・ドイツ間の天然ガスパイプライン開発を担当するロシア・ガスプロム社の共同事業体取締役会長に就任したという。詳細を伝えているワシントンポスト紙2005年12月10日付記事を以下に抜粋:
今年9月、シュレーダーとプーチンはロシア・ドイツ共同事業として47億ドルの天然ガスパイプライン開発計画に署名した。それから10日後、このドイツ指導者は選挙に破れ、先月に辞任した。シュレーダー氏は議会でのポストも辞していたので、それ以来ドイツ政界は元首相の去就に注目していた。(中略)
シュレーダー氏が7年間政権運営をする間に、ベルリンとモスクワは第二次大戦時代のナチス・ドイツとソ連の戦闘以来最も友好的な関係になり、シュレーダー氏と、ドイツ語に堪能なプーチン氏は、政治的・個人的な関係を強化していた。両氏は個人的にしばしば懇談しており、2004年には、シュレーダー夫妻は3歳のロシア人少女を養女として迎えている。
他のヨーロッパ諸国が民主・自由体制への抑圧を進めるプーチン氏の政治姿勢を批判する中、シュレーダー氏はそうした懸念に立ち入ることなく、ドイツ・ロシアの貿易・政治関係強化に努めている。
ガスプロム社関係者が匿名を条件に語ったところでは、シュレーダー氏の会長就任は政治的見返りではないという。「このポジションはロシア側の意向とは関係ありません。」というこの人物は、シュレーダー氏ほど重要人物であれば仕事を見つけるのに困ることもないでしょうと話した。
ガスプロム社は世界最大の天然ガス企業で、ロシア政府により運営されている。同社会長はロシア副大統領ディミトリ・メドベジェフ氏で、最近までプーチン大統領補佐官を務めていた人物である。
ロシア・ドイツ間パイプライン共同事業の責任者はマシアス・ワーニグ氏で、ドイツ人である同氏はドレスナー銀行ロシア支社の頭取であり、プーチン大統領とも古くから友人関係にある。ウォールストリートジャーナル紙の今年の報道によれば、ワーニグ氏は元シュタージ(東ドイツ秘密警察)要員であり、プーチン大統領がかつてKGB要員として東ドイツに駐留していた頃に知り合ったという。
シュレーダー氏の報酬についてガスプロム社は言及を避けている。ガスプロム社はパイプライン事業体の51%の株を保有し、残りを2つのドイツ企業、BASF社とE.ON社がそれぞれ保有している。
(中略)
シュレーダー氏はスイスの出版大手Ringier社と政治顧問契約を交わしており、ベルリンに弁護士事務所を構えている。ドイツ国内の報道によれば、最近シュレーダー氏は英会話スキル向上のためにウェールズの語学学校で12日間研修を受けており、今後の活動について憶測を呼んでいる。
(以上)
ガスプロム社ひとくちメモ
- ソ連時代のガス工業省が1992年に民営化され現在に至る。
- 最大株主はロシア政府。
- 天然ガス市場における国内シェアは95%、ヨーロッパ全体の25%を占める。(以上source:『2時間でわかる図解 ロシアのしくみ
』)
12月 12, 2005 ヨーロッパ関連 | Permalink | トラックバック (0)