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2003/12/30

狂牛病の感染源は本当にカナダの農場なのか?

連日マスコミを賑わせている米国狂牛病問題だが、非常に気になるのは、ほとんどの報道内容はアメリカ側の発表内容をそのまま配信しているという報道姿勢だ。日本のマスコミは小泉首相の米国追随姿勢を批判するが、自らの米国追随報道には気づいていないようである。

アメリカ農務省はBSEの感染牛はカナダのアルバータ農場出身であるといち早く発表した。例によって「カナダが悪い!」という論調を作り上げ、国内問題から大衆の目を逸らそうと躍起である。しかしここにはミスディレクションがある。感染した牛の検査はまだ始まったばかりで、アメリカ農務省の発表内容は連日コロコロ変わっている。しかも、その牛の感染ルートについてはあまり言及していない。実のところ感染源は、アメリカ国内の可能性もあるのだ。

カナダ側では、今回のBSE騒動をどのように報道しているか。例えば、カナダのトロントスター紙の取材記事の中で、カナダ食品検査庁の主任獣医ブライアン・エバンズ氏は以下のような冷静な説明をして、アメリカ農務省のミスディレクションを批判している。もちろんカナダ寄りの説明になるだろうが、耳を傾ける価値がある内容だ。(参照記事12

・BSE感染牛にはブルセラ症(牛の病気)ワクチン投与を示す耳タグが付いていた。カナダではブルセラ症を80年代中期に根絶しており、それ以降ワクチン投与を行っていない。従って問題の牛はアメリカ産である可能性がある。(筆者注:ブルセラ症の資料

・感染牛の年齢について、アメリカは当初処理場職員の発表を引用して、9歳から12歳と発表していた。しかし直後に、牛が飼育されていた農場の発表した4歳という結論に変更している。しかし、カナダ・アルバータ州農場産であることの論拠となった牛の耳タグにある記録を元にカナダ側の記録を調査すると、正確な年齢は6歳半---1997年4月生まれと判明している。(筆者注:アメリカ農務省は結局3回目の訂正をして、カナダの調査どおり6歳半と発表した)BSE感染源とされた混合飼料は1997年にアメリカとカナダ両国で廃棄されている。(つまり、混合飼料以外の感染源の可能性がある)

・カナダ側の記録では、問題の牛はアメリカへ出荷する前に2匹の子牛を生んでいる。しかしアメリカ側の発表では、感染牛は子牛を生んだことのない雌牛とされている。

カナダ側の発表にあるとおり、感染牛の出身地特定はDNA検査の結果発表すべきものだが、アメリカ農務省はカナダ産と発表してからDNA検査に着手し、検査結果については未だに発表していない。フセイン拘束の際のDNA検査に比較すると随分のんびりしたものである。
参照リンク:日本のカナダ大使館のプレスリリース

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