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2004/01/29

ウォルマートの奇妙な自主規制

MetroWestDailyNews2004/01/22のトム・モロニーのコラムより。

世界最大の流通企業、ウォルマートはデジタルカメラなどに使われているリチウム電池を客ひとりあたり最大4つしか販売を認めていないという。(ミズーリ州では3つまで)

同社の広報担当者ダネット・トンプソンによると、ウォルマートは社内で商品販売制限リストを作っていて、各店舗のレジにプログラム済みだという。そのリストの内容は公開されている類のものではなく、広報担当者もどういう制限基準なのかはよく知らないらしい。

ウォルマートはなぜリチウム電池の販売を自主規制しているのか?この回答は同社の広報窓口が用意していた。電池で使われているリチウムはメタンフェタミン(覚せい剤)・クリスタル・メタ(興奮剤)の製造に利用される危険があるらしい。1997年、覚せい剤中毒者がクリスタル・メタを製造していた事実により、米司法省はウォルマートに協力を求め、結果としてリチウム電池が販売制限リストに追加されたというわけである。

同じ理由で、偽エフェドリンを含有する冷却剤も興奮剤の材料となる危険があり、販売個数が制限されている。

購入制限リストに加えて、ウォルマートは店員にそうした制限商品を買う客の監視を推奨しているが、その「顧客監視サービス」は2年前に成果を挙げている。ケンタッキーのウォルマート店員がスゥーダフェッド(鼻づまりの薬)を4パック購入しようとした女性客のことを、ウォルマートのスーパーバイザーに報告した。警察がその客を調査してみると、彼女は覚せい剤を自宅で製造しており、自宅の製造設備の爆発で息子を死なせていたことが判明、女性客は殺人罪で起訴されたのである。

だが、ウォルマートの「販売制限リスト」には、テロ関連製品は含まれていないらしい。例えば化学肥料。ティモシー・マクベイがオクラハマシティ連邦ビル爆破(一般市民168人死亡)で使用した爆弾は化学肥料を材料にしている。(もちろん、ウォルマートは銃も弾薬も販売しているのでリストそのものがナンセンスではある)

ウォルマートの回答によると、化学肥料の販売制限はしていないという。

トムのコラムの結びは辛辣だ。以下に引用する。


ウォルマートのこうした販売制限は「売り上げのためではなく、正しい行いのため」だと広報は話す。しかしウォルマートの言う「正しい行い」は、せいぜい制限商品リストを作ることぐらいのようだ。例えば従業員の労働環境を考えてみよう。世界最大の売り上げを誇るウォルマートでは、従業員はぼろ雑巾のように扱われている。医療保障のある従業員は38%しかおらず、平均時給は8.23ドルで、同業態の組合労働者の給与には遠く及ばない。正しい行い?ご冗談でしょう。

ウォルマートの「正しい行い」以外の企業活動については、同社が従業員の組合活動を一切禁止していることや、違法移民を(違法移民という弱みを利用して)不当な時給で大量雇用している件(裁判中)以外にも、例えばこんなリストがある。(Top 10 Wal-Mart Worst Actionsより)
  • ウォルマートの駐車場で誘拐された女性が起こした裁判の判決で、ウォルマート側は証拠を捏造したとして、判事はウォルマートに1800万ドル(約18億9千万円)の賠償金支払いを命じている。
  • ウォルマートの店長にセクシャルハラスメントを受けた二人の女性従業員が、230万ドルの賠償金を勝ち取った裁判の中で、判事は「店長の行為はウォルマートのスーパーバイザーも目撃しており、本社側も承知の事実だった」と批判している
  • ウォルマートの店内で発生した犯罪の被害者の情報や傷害事件の証拠や関係書類を廃棄した疑いで、3つの州の連邦裁判所が同社を告訴している
  • 1998年の裁判で、ウォルマートは白人女性の従業員を「黒人男性と交際した」という理由で解雇した事実が判明している
  • ウォルマート店舗に14年間務めていた女性従業員に、経営者が「商品を盗んだ」と非難した件で、裁判により女性従業員が勝訴し、判事はウォルマート側に275万ドルの賠償金支払いを命じた
  • ウォルマートが従業員2人を採用する度に、地域の雇用が3人分減少する
  • 企業自身がアメリカ星条旗を掲げて愛国を訴えているにもかかわらず、ウォルマートで販売されている商品のほとんどはメキシコ、中国産である
  • 裁判で販売差し止め決定された後でも、ウォルマートはトミー・ヒルフィガーの偽物を販売していた
  • 米国内の企業の被医療保障労働者の平均比率は60%だが、ウォルマートでは医療保障のある従業員はわずか38%である
  • ウォルマートがウェブサイトでラベルのない(生産国表示のない)衣料品を販売していた件で、FTCが是正勧告したところ、こっそり商品を削除し、生産国の表示を拒否した

さて、こうしたウォルマートの「正しい行い」以外の活動に多大な貢献をしたにもかかわらず、その事実を隠している人物がいる。元ファーストレディのヒラリー・ロダム・クリントンである。彼女は元々ウォルマートの雇われ弁護士で、同社の役員でもあった。

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