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2004/01/19

骨抜きにされたアメリカ最高裁:判事とチェイニー副大統領の危険な関係

ボストン・グローブ紙2004/01/18の記事より。

イラク戦争のきっかけのひとつと言われている米国エネルギー政策会議。それを指揮したチェイニー副大統領は、会議資料の一部、ケン・レイ(元エンロンCEO)との会談記録や、イラク石油資源に関する情報を検討した議事録の一般公開を拒否している。これに対しいくつかの市民団体がこれらエネルギー計画書類の公開を求めて訴訟を展開しており、アメリカ最高裁は2003/12/15に、参考人聴取の目的でチェイニー副大統領に出廷を求める判決を下した。

それから3週間後、保守系で知られる最高裁判事のアントニン・スカリアとチェイニー副大統領は、揃ってルイジアナ州南部の湿地で狩猟を楽しんだ。二人は狩猟仲間というだけでなく、長年の友人同士であるという。ひとつの訴訟の判事と参考人が、判決前にプライベートな交流をもつというのは、誰の目から見ても怪しい行動である。当然ながら米国内の司法関係者は、スカリア判事が、友人が関わる裁判について公平さを保てるかどうかおおいに疑問を抱いている。

しかし司法関係者は最高裁判事について、間違った期待をしているのかもしれない。そもそもスカリア判事にとっては、法の公正さなど最初から眼中にないからだ。彼は2000年大統領選挙で、ゴア=民主党が求めた、手作業によるフロリダ州での投票数えなおし要請を却下した最高裁判決の「異例の決定」に関わった判事の1人である。アメリカ国民の選挙権を公式に否定した同判決により、結果としてジョージ・W・ブッシュは、アメリカ建国史上はじめて、選挙の投票数ではなく最高裁の判決によって選ばれた「大統領」となった。ブッシュがチェイニーと同じように、スカリア判事の息子が絡んだ「友人」であることは、決して偶然の出来事ではない。

アントニン判事は、伝統的な権威を内容を問わず嫌悪するという意味で、反抗精神旺盛である。最近では、カソリック教徒であるにも関わらず、彼は自身を「ローマ法王よりも聖なる存在」と捉えているという

アメリカの「法の正義」も、1人の判事の野心的な人間関係に対しては、あまりにも無力なのである。

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