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2004/02/19

ジョン・ケリー快進撃の真相(1)大手メディアとの協力関係

民主党大統領候補、ジョン・フォーブス・ケリーの快進撃は、マット・ドラッジの慌てすぎたスキャンダル記事にも今のところ影響を受けていないように見える。このあたりで、そろそろこの「次期大統領候補」の快進撃の理由を考えてみたい。

ケリー人気の理由その1:メディアはケリーを支援している

2003年6月2日、FCC(Federal Communications Commission:連邦通信委員会)は通信業界の規制を大幅緩和した。この規制緩和により、クリアチャンネル、ニューズコーポレーション、ヴァイアコム、ディズニーなどの巨大メディア連合による地方メディアの買収が一気に加速され、アメリカ国内メディアの横並び報道に拍車をかけることになる。

ジョン・ケリーはFCCの監督局、Commerce Subcommittee on Communication(通信商工小委員会)の委員であり、その規制緩和の立役者である。ジョン・ケリーの最大支援企業、ミンツ・レビン法律事務所は通信業界・メディア企業のロビー活動が主事業であり、同事務所の設立者の一人、チャールズ・D・フェリスはカーター大統領時代にFCC委員長を務めた人物。彼は在任中にケーブル通信、衛星通信、電話、ラジオの規制緩和に努めている。さらに、ジョン・ケリーの実弟であるキャメロン・ケリー氏(弁護士)はミンツ・レビン法律事務所のお抱えロビイストで、FCCの規制緩和に貢献した人物の一人である。

ミンツ・レビンだけではない。下記に記した「ジョン・ケリーのスポンサー企業」を見てみれば、メディア企業向けロビー活動を行う企業が並んでいることがおわかりになると思う。

ジョン・ケリーのスポンサー企業上位10社
The Buying of President 2004より抜粋
企業名業務内容
ミンツ・レビン・コーン・フェリス・グロフスキー、ポペオPC(ボストン)AT&T他通信、メディア企業のロビー活動(ケリーの実弟キャメロンも勤務)
フリートボストンファイナンシャル(ボストン)ニューイングランドで最大の総合銀行サービス
AOLタイムワーナー(ニューヨーク)総合メディア企業
ヘイルアンドドールLLP(ボストン)通信、バイオ企業のロビー活動
ヒル・ホリデイ・コナーズコスモプロス(ボストン)総合マーケ企業
ハーバード大学教育機関
スケイドン・アープス・スレイト・メガー・フロムLLP(ニューヨーク)米最大の法律事務所、ニューズコーポレーション、AOLタイムワーナー他のロビー企業
バーナー・リップフェルト・バーンハード・マクファーソン&ハンド・パイパールドニック通信、ハイテク企業のロビー活動
シティグループ総合金融サービス
ゴールドマンサックス総合金融サービス

表の他にも、AOLタイムワーナーが134,960ドル、ディズニー(ABC)ヴァイアコム(CBS)ニューズコーポレーション(FOX)が300,000ドルを、ケリーに献金している

メディアから見れば、ジョン・ケリーは、ハワード・ディーンとは正反対のポジションにいたわけだ。メディアが積極的にケリーの弱点を報道する心配は(民主党候補者選びの段階では)あまりないといえよう。(もちろん、これら巨大メディア企業はブッシュ政権にも献金しているので、ブッシュVSケリーの際には、各候補からの見返りの有無によって報道内容は影響されるだろう)

加えて、ケリー陣営の隠れた味方が、メディアを利用してハワード・ディーンを攻撃していたことが判明している。元ニュージャージー州民主党議員のボブ・トリチェリとディーン自身の支援団体であるはずの労働組合のいくつかがハワード・ディーン個人を攻撃するテレビCM(アイオワ、ニューハンプシャーとサウスカロライナで放送されていた)に投資しているのだ。(このCMにはゲッパート議員も出資している)

ハワード・ディーン陣営が弱体化すると、彼らはさっさとジョン・ケリー陣営に加わっている。つまりディーン陣営は最初からケリー陣営のスリーパーによって監視され、罠をかけられていたわけだ。

これがジョン・ケリー陣営のメディア戦略である。ビル・クリントン率いる民主党保守派(リーバマン、ゲッパート、ヒラリー・クリントン)は最初からジョン・ケリーを候補者に推していたようなものだ。

この抵抗を肌で感じ取っていたハワード・ディーンは、自身の選挙活動を「民主党を民主化する運動」と表現している。しかしそれは叶わぬ夢だった。立候補当時から、ハワード・ディーンは民主党内部において「リベラルすぎる」と敬遠されていた。ディーンはそうした批判に以下のように答えている。

「私の政策はちっともリベラルではない。もし私をリベラルと感じるとしたら、それはアメリカという国がいかに保守化してしまったかを示している」

ハワード・ディーンやデニス・クシニッチなどのアウトサイダー(民主党進歩派)が、深く保守化した現状の民主党から大統領候補推薦を受けることは、あまりにも困難だったのだ。(続く)

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