ジョン・フォーブス・ケリーの母ローズマリーの父親(ジョンの祖父)は、マサチューセッツ州でもっとも古いWASP(プロテスタント系白人アングロサクソン)家系で東部有数の名門財閥、フォーブス家のジェームス・グラント・フォーブス氏であり、したがってジョン・ケリーはフォーブス家資産継承者のひとりである。ジョンの父親、リチャード・ケリーはユダヤ教から後にカソリックに改宗した人物で、第二次大戦ではアメリカ陸軍航空隊のパイロットであったが、戦後はフォーブス家の事業、ヨーロッパとの貿易ビジネスに加わっている。
ジョン・ケリーの妻、テレサ・ハインツ・ケリーは、ケチャップで有名な食品財閥ハインツ家の子孫ジョン・ハインツ議員(共和党、1991年に飛行機事故で死亡)の未亡人であり、ハインツ家の遺産相続人である。ハインツ未亡人が相続した資産額は5億ドル程度と噂されている。ハインツ家の伝統にならい、テレサも熱心な共和党員だったが、夫の立候補に合わせて2003年1月に民主党支持に切り替えている。
以下の大統領候補達の申告資産ランキングをみれば、ジョン・ケリーがいかに恵まれているかが理解できるだろう。
| 候補者名 | 所有資産額 (最大額概算) |
| ジョン・ケリー | 885億1,683万円 |
| ジョン・エドワード | 38億5,067万円 |
| ジョージ・W・ブッシュ | 23億1,420万円 |
| ハワード・ディーン | 5億3,392万円 |
| デニス・クシニッチ | 337万円 |
米国の選挙法では、妻個人名義の資産を直接選挙活動に使うことはできない決まりなので、妻の豊富な資産を選挙用に持ち出すには法律の抜け道(たくさんある)を探す必要がある。ケリー自身、金持ち候補と言われることを嫌い、自費の選挙資金分は自宅を担保に借金をして捻出している。そのケリー夫妻の自宅の評価額は700万ドルといわれている。
ジョン・ケリー夫妻は共同名義の自宅のほかにも、妻のハインツ名義で4つの私邸を所有している。ジョージタウン(ワシントン)に大邸宅、ピッツパーグにハインツ家代々の屋敷、ナンタケット島とアイダホに別荘があるという。
また、ケリーが選挙に利用する自家用ジェット機(ガルフストリーム2)はハインツ家の航空ベンチャー企業の所有である。
ケリー夫妻のレジャーは誰でも真似できるものではない。冬はコロラド州アスペンの、テレサ・ハインツ個人が所有する保養地でスキーを楽しむ。夏はナンタケット島の別荘で、マーサ・スチュワートも同じタイプを所有するという、ヒンクリー製パワーボートに乗るという。(ボートの販売価格は最低でも695,000ドル。ジョンはもちろん現金で購入している)
ジェイ・レノのトゥナイト・ショーに出演した際に、ジョン・ケリーは自慢のバイク、ハーレーダビッドソンに乗って登場している。しかし、ジェイ・レノのショーに出演する以前には、ジョン・ケリーはイタリアの高級バイク、Ducati Paso 907 IE(8,600ドル相当)に乗っていたとのことである。
テレサ・ハインツ・ケリーは実業家として忙しい日々と送っているが、派手な投資活動(と強面な発言)でも知られている。以下の表はテレサ個人の投資活動の状況(一部)である。
| テレサ・ハインツ・ケリー個人が運用する有価証券資産の推定評価額(概算/最大値)souce:The Buying of President 2004/print edition | |
| 国債、地方債 | 420億円 |
| 通信系企業株 | 48億円 |
| 金融サービス企業株 | 20億円 |
| 医療サービス企業株 | 6億円 |
| 製薬企業系株 | 6億円 |
| 保険企業株 | 8億円 |
| メディア企業株 | 8億円 |
これらの投資内容が、夫であるケリー自身の議員活動と密接に関係することはいうまでもない。前回投稿で紹介したケリーとFCC(連邦通信委員会)の関係は、テレサの4,700万ドルに及ぶ通信企業株への投資に貢献していることは否定できない。
ケリーは他にも銀行取引委員会(住宅ローン監査業務)財務委員会(医療保険調査業務)に席をおいている。妻のテレサは不動産業界と医療業界に700万ドルから3,500万ドルを投資している。あらゆる業界にまんべんなく投資しているので、ケリー議員が法案を通す度に、彼の妻の資産は増えてしまうのである。まさに財閥流錬金術だ。ジョージ・W・ブッシュやチェイニー等ネオコン連中の軍産企業との露骨で下品な取引に比較しても、はるかに洗練されているではないか。
ハワード・ディーンが苦悩しながらも選挙活動をストップしたのは、活動資金の枯渇が原因といわれる。大量に残された未払いの費用を個人で負担することになるので、ディーンはおそらくこの先しばらく借金に苦しむだろう。ジョン・ケリーの選挙活動には、(テレサ・ハインツが夫のスキャンダルに腹を立てないかぎり)そんな心配は無用である。
日本の平均的サラリーマンと同程度の資産しかもたないクシニッチ候補は、まともに広報活動も実施できないばかりか、テレビ討論会でも発言シーンがカットされるというヒドイ扱いである。無理もない。資本主義社会では金がモノをいうのである。

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