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2004/02/17

ウェズリー・クラークは大統領選撤退で本業に復帰するか?

マイケル・ムーアの(はた迷惑な)支持にもかかわらず、あっさり大統領選から撤退したウェズリー・クラークは、早々とジョン・ケリー支持を表明して周囲を驚かせた。何しろクラークはケリーについて「私は司令官、彼は中尉」と失言し、自らの支持層である退役軍人達からも顰蹙をかったことがある。

はじめから選挙活動に馴染めなかった「司令官」は本業に戻る道を選んだに違いない。ウェズリー・クラーク氏は、大統領選への出馬宣言をした直後の2003年10月まで、地元アーカンソー州のデータベース企業、Acxiom Corporation (アクシオム社)の役員を務めている

1969年設立のアクシオム社の業務はダイレクトマーケティング用の顧客データベースの構築と管理(Customer Data Integration:CDI)である。(正確に言えば、管理に失敗したこともある

アクシオム社は商業データベース企業として成功しているが、近年では政府向けサービス「CAPPS2」の提供により脚光を浴びている。CAPPS2(Computer Assisted Passenger Pre-Screening System:旅客事前調査システム)とは、米国内の空港で搭乗客がチェックインした際に、テロリスト容疑者かどうかを判別する際に利用される、悪名高き個人情報管理システムであり、この航空テロ対策システムが、米国人の自由を大幅に制限していることは以前書いたとおりである。(同社の日本オフィスの事業展開は今後注目を集めるだろう)

ウェズリー・クラークは、このシステム導入のためにブッシュ政権の各部署に積極的に働きかけた張本人であり(チェイニー副大統領にも個人的に面談している)このロビー活動に対してAcxiom社からクラーク氏に、83万ドル(約8,700万円)以上が支払われている。これはどう考えても、反ブッシュムードと相反するビジネスである。

ウェズリー・クラークが立候補を表明し、マイケル・ムーアが支持宣言をした時、リベラル系ジャーナリスト達は一斉に首をかしげた。「なぜ戦争屋なんかにムーアが入れ込むんだ?

彼らが懸念したのも無理はない。ウェズリー・クラークはNATO時代に旧ユーゴスラビア紛争で、意図的に一般市民の居住エリアに対してクラスター爆弾、劣化ウラン弾を打ち込み、地元の放送局を破壊して従業員のジャーナリスト16人を殺害した作戦を指揮している。ムーアは許しても、一般ジャーナリストはこれを許容するわけにはいかないだろう。

大統領選を続ければ、必ずこれらのネガティブ情報がアメリカ国内に知れ渡ることになる。有名になってしまうと、本業であるロビー活動に戻れなくなるのだ。選挙からの早期撤退は悪評を防ぐためであり、ケリー支持は次のロビー活動のポジションを確保するための準備である。ジョン・ケリー自身も大企業スポンサーのために政策上の便宜を図ることには慣れっこなので、すぐに「友好的関係」が築けると踏んだに違いない。ケリー政権の閣僚になれば恩の字。仮にポストがなくても、ロビー活動はずっとやりやすくなるのだ。

軍事作戦を遂行する上で大切なのは、人的資源、適切な装備、脱出ルートの確保であるという。ウェズリー・クラークがいかに優秀な軍人であるか、今回の大統領「作戦」で充分アピールされているではないか。

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