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2004/04/26

ローレン・ブッシュに気づいて欲しいこと

2004年4月20日、国連の食糧援助機関、世界食料計画(WFP)が新たに立ち上げた発展途上国の飢餓問題を米国の中高校生向けに啓蒙するキャンペーン(the Friends of The World Food Program Student Campaign)で、19歳のファッションモデル、ローレン・ブッシュが名誉報道官に指名されたというニュースが配信された


ローレン・ブッシュ。ブッシュ現大統領の弟、ニール・ブッシュ氏の愛娘で、ニュージャージー州のプリンストン大学に在学中。米国アパレルブランドのトミー・ヒルフィガーコレクションで人気を博した、有名エージェンシー「エリート」所属のスーパーモデルで、英国のウイリアム王子とはメル友(プリンス候補?))というセレブなお方だ。

アラブ人のような服装は着たくないという、プロのモデルらしくない態度でブッシュ家の人々を慌てさせたこともあるが、ジョージの双子の娘達ほど人騒がせでないというわけで、共和党の広告塔としても活躍中のようである。

ローレン・ブッシュは国連の活動に関心があるのだろうか?本人の発言を引用してみよう。

「飢餓に直面すれば、誰も無関心ではいられないのです。」
(No human being can remain indifferent in the face of starvation.)

「学生として、私はこの(飢餓)問題についてもっと学び、仲間にも飢餓に対して行動するよう呼びかけます」
As a student, I intend to learn more about the issue and hope to encourage my peers to take action against hunger.”


なるほど。彼女がその言葉どおり本気で飢餓問題に取り組むなら、アメリカ国内で飢えている人々にも直面する機会があるかもしれない。

例えば、ミシガン州のローカル新聞GRAND RAPIDS PRESSの2004/04/21付け記事によれば、ミシガン州の全世帯の9%---359,444世帯では、次の食事の手配ができないことがあり、その内1/3の人々は飢餓に陥る可能性があるという。

ミシガン州の失業率は6.9%。合衆国の平均失業率(5.7%)に比較して、かなり悪い状況である。食料補助プログラムであるフードスタンプ利用者数についていえば、2002年の750,037人から、2003年には837,629人となり、過去3年間のうちに(つまり現ブッシュ政権誕生から今日まで)39%増加しているという。そして、2004年2月の時点で、ミシガン州のフードスタンプ利用者は917,969人になったそうである。

食糧配給を受けなければならないようなアメリカ人は、当然ながらブッシュ減税の恩恵もほとんど受けることができない。民間調査団体The Center on Budget and Policy Priorities の試算によれば、収入ランク上位1%の世帯の平均減税額は世帯あたり約35,000ドルで、ミドルクラス世帯の平均減税額647ドルの約54倍。年収100万ドルを超える257,000世帯のスーパーリッチに対する平均減税額は約126,000ドルにもなるという。

結局のところ、「思いやりある保守主義Compassionate Conservatism)」を掲げるブッシュ減税の正体は、露骨な金持ち保護政策に過ぎないのである。

その金持ち優遇税制のおかげで税収入は落ち込み、教育事業を筆頭に公共事業の予算が大幅削減され、庶民は基本的な公共サービスさえ奪われることになる。公立の小中学校では図書館の蔵書が追加されることもなく、古びた校舎には教室が増設されることもない上、トイレも故障したまま。人件費削減のため教職員はクビになっていく

失業保険が危機に陥っても国からの助成は期待できない。ホームレス支援も打ち切られ、行き場を失った失業者は、ミシガン州の例のように、食糧支援を求めて地元ボランティアの炊き出しの行列に並ぶことになるのだ。

教育環境の悪化により、大学進学も就職も望めない高校生は、ブッシュ大統領のおかげであらかじめ彼等の個人情報を自由に活用できることになった米軍リクルーターの勧めに従い、わずかばかりの生活費を稼ぐために軍隊入りして、イラクで市民に銃を向ける。

国連食糧援助の名誉報道官となったローレン・ブッシュは、発展途上国の飢餓問題と同じように、アメリカ国民の貧困問題に向き合ってくれるだろうか?見通しは暗い。外交政策でトラブルが多いブッシュ叔父さんの再選キャンペーンにとって、国連の活動に参加する姪の存在は良い宣伝材料だが、(ブッシュ叔父さんが引き起こした)国内問題には注目してほしくないだろう。では国連はローレン・ブッシュをイラク援助に駆り出すだろうか?彼女のエージェントはそれを許さないだろう。なにしろ、ローレンはアラブ風の衣装を着たがらないのだから。

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