カテゴリー

アクセスの多い記事

« 米国テロ対策事情:2件の最新事例 | トップページ | マイケル・ムーア「華氏911」の見どころは・・・ »

2004/05/22

「詩の授業で得られた厳しい教訓:政府を批判しなければ、言論は自由」

The News-JournalOnline2004/05/15付コラムより。全文を以下に翻訳掲載しました。(文中リンクはDeepthroatによる)


詩の授業で得られた厳しい教訓:
政府を批判しなければ、言論は自由


by ビル・ヒル


ニューメキシコの高校教師で、私の友人であるビル・ネビンスは、昨年解雇され、彼の主催するリオ・ランチョ高校の詩の授業と詩の朗読クラブは永久に閉鎖されました。いかがわしい事件があったわけではありません。全ては過激な政治施策に関わることでした。

10代の詩人グループが、ネビンスに彼等のクラブの指導教官になってもらうよう依頼しました。ネビンスは、その内気な若者達に、自分の詩を聴衆の面前で、大きな声で読むように指導しました。リオ・ランチョ高校はそのクラブを、週一回校内放送に出演させることにし、詩の朗読は成果をあげていました。

2003年3月、コートニーという名の女の子が、アルバカーキのバーンズアンドノーブル書店に集まった聴衆の前で、自作の詩を披露しました。それから校内放送に出演し、その詩を朗読しました。

程なくして、高校の米軍連絡委員と校長が、彼女のことを「反アメリカ的」と非難しました。彼女の詩はイラク戦争と、ブッシュ政権の「落ちこぼれゼロ」教育政策を非難する内容だったからです。

校長は、教師をしている少女の母親に、娘の詩を破棄するように命令しました。母親は命令を拒否した結果、職を失うことになりそうです。

ビル・ネビンスは、生徒の詩の内容を検閲しなかったという理由で停職処分となりました。言っておきますが、いかがわしい詩などひとつも存在していなかったのです。後日、校長はビルを解雇しました。

ビル・ネビンスが解雇され、学校内で詩の朗読と指導が停止されてから、校長と米軍連絡委員は、校舎に国旗を掲げて、自分たちが書いた詩を読み上げました。校長は国旗を拡げながら、米軍連絡委員との協調関係を自画自賛しました。

そして、校長と政治的に相反する全ての生徒と教員に、校長は「黙れ」と怒鳴りつけたのです。ニューメキシコで最大の公立高校で、3,000人の生徒に向かって、校長はなんと素晴らしい授業を実施したことでしょう。校長の心の中では、特定の意見しか許されないわけです。

しかし事態はこれだけで収まりませんでした。美術部の生徒が描いたポスターは、いかがわしい点は全くないにも関わらず、戦争政策を風刺した内容ということで、破り捨てられることになりました。教室に張られたポスターを剥がすように命令され、拒否した美術の先生は、学期内に教室に戻ることを許されませんでした。

そのメッセージはとてもわかりやすいものです。批判的な考えや、公的政策への疑問、言論の自由は、校長と意見が合わない人間に対しては一切許可されないということなのです。

ニューヨークに本拠を構える全米記者組合(NWU)は、この学校を相手取って訴訟を起こし、教員組合がこれに加わりました。NWUの全州代表、サマンサ・クラークはアルバカーキに居住しています。

アメリカ自由人権協会(The American Civil Liberties Union)も連邦政府で係争中の同訴訟に加わりました。

一方、ネビンスは他校での教員の仕事に申し込み、働き口を紹介されましたが、リオ・ランチョ高校の校長が信任状を送付しない限り、働くことができません。校長は信任状を書くことを拒否しており、その件でも新たな訴訟案件として裁判の日を待つことになりました。

生徒たちは詩の朗読、詩のクラブと授業を禁じられているので、ネビンスは他の場所で自身の詩を書いています。

イランや北朝鮮、スーダンの書き手のエッセイ、映画、詩、科学記事、著作などを長年翻訳してきた作家や編集者は、米国財務省から活動を止めるよう警告を受けており、違反者は罰金、あるいは収監される恐れがあります。出版社や映画プロデューサーは、そうした国の作家の作品を編集することを禁止されています。1988年の法令により、出版物は貿易制裁措置から除外されているにも関わらず、ブッシュ政権は、そうした編集翻訳活動が敵国との取引に影響を与えると主張しているのです。

米国化学会出版部門部長のロバート・ボウェンシュルト氏(Robert Bovenschulte)は、イランの科学資料を英文翻訳することにより、この法解釈問題に挑戦しています。

次は、禁書ということになるのでしょうか?


« 米国テロ対策事情:2件の最新事例 | トップページ | マイケル・ムーア「華氏911」の見どころは・・・ »

米国の教育問題」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/1730/635561

この記事へのトラックバック一覧です: 「詩の授業で得られた厳しい教訓:政府を批判しなければ、言論は自由」:

« 米国テロ対策事情:2件の最新事例 | トップページ | マイケル・ムーア「華氏911」の見どころは・・・ »

2016年5月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31