Alternative Press Review2004/06/13付記事より。
マイケル・ムーアの「華氏911」の全米公開を妨害する大規模な運動がアメリカ国内で開始されている。保守系団体サイト「Move America Forward」がアメリカ国民に呼びかける「STOP MICHAEL MOORE」キャンペーンサイトを見れば、上映妨害活動の概要が理解できる。
この運動の中心は、「華氏911」を上映する予定の映画館に直接抗議をすることにあるらしく、ご親切にも全米の上映映画館の連絡先をリストアップしている。皆さんのご想像されるとおり、リストに掲載されている映画館のオーナーの何人かは、すでに「死刑宣告」の電話メッセージを受信しているという。
この「華氏911上映妨害キャンペーン」に協賛しているのが、フロリダ州を拠点とする保守系ニュースサイト「NewsMax.com」というのも面白い。このようにニュースメディア企業が堂々と言論封鎖活動を宣言するあたり、いかにも現代アメリカらしい出来事である。(ちなみに、NewsMax社自身の調査によれば、同ニュースサイト読者の86%が「アメリカがサポートすべき国」としてイスラエルを挙げている。これまた興味深い調査結果だ)
ところでこの「Move America Forward」というサイトを支援している別の企業がある。上映妨害キャンペーンにいち早く気づいた「WhatReallyHappened.com」サイト管理者が、さっそくドメイン所有者をDNS登録から調べてみると、カリフォルニア州サクラメントのPR企業、ルッソ・マーシュ&ロジャース社(Russo Marsh & Rogers)であることが判明した。
ルッソ・マーシュ&ロジャース社は共和党をクライアントにしているPR企業で、同社の代表であるサル・ルッソ氏はカリフォルニア州知事グレイ・デイビスのリコール活動にアドバイザーとして参加していた。「Move America Forward」サイト上にも名を出しているルッソ氏は、なぜか(ドメイン申請をした)自身のPR企業については伏せている。(この情報が流通した直後に、Move America Forwardのドメイン情報はハワード・カルージアンという個人名義/サイト主宰者に変更された。この人物もカリフォルニア州知事リコール活動に従事していた人物で、共和党から議員に立候補している。その後さらにDNS登録内容は変更され、現在はドメイン所有者を参照できなくなっているようだ。)
カリフォルニア州知事リコール運動の背後にいたのが、エネルギー企業エンロン社。(他のエネルギー企業も含めて)エンロン社は、デービス知事&ブスタマンテ副知事のカリフォルニア州から、電気供給量と価格操作の件(カリフォルニア電力危機事件の原因)で不正に得た収益90億ドルを返還するよう訴えられていた。
この訴訟に対抗するために、エンロン元CEOのケネス・レイが誘い出したのが、アーノルド・シュワルツネガーである。このステロイド漬けヒーローは、州知事に就任して三日後に、カリフォルニア州のエンロン社に対する訴訟の進行を事実上停止させた。)
果たしてアメリカ国民は、無事に911テロの真相に近づくことができるだろうか?それとも、「アメリカを前進させよう/Move America Forward(「前だけ向いてろ!とも読める」)」という不気味なメッセージに、またしても惑わされてしまうだろうか?
