チェイニー副大統領から民主党議員へ:「Go fuck yourself!」
ロイター通信2004/06/24付記事より。(CommonDream転載)
バーモント州上院議員のパトリック・リーヒー氏(民主党)が、米上院議会での議員集合写真撮影の際、チェイニー副大統領に対してハリバートンのスキャンダルを巡り批判すると、チェイニー氏は「Fで始まる」卑猥な言葉で議員を侮辱したという。(上院規則では、上院施設内で卑猥な言葉を使うことは禁止されている)
「副大統領はよほど虫の居所が悪かったんだろうな」CNNのインタビューでパトリック・リーヒー氏は話している。一方で副大統領の広報担当者は「確かにそのような言葉は副大統領が通常使うにふさわしくないが、率直な意見交換をしただけ」と弁護しているという。しかしフォックスニュースのインタビューによれば、チェイニー本人は言動について後悔することもなく「スッキリした(felt better)」と話しているらしい。
チェイニー副大統領が怒ったというだけで、なぜ大きなニュースとしてメディアが扱うのかといえば、かつて同じように副大統領に罵られた民主党議員、ポール・ウェルストーン氏の件があるからだ。ミネソタ州上院議員だったポール・ウェルストーン氏は、米上院でのイラク戦争決議に議員として唯一反対を唱えた人物で、民主党リベラル派の旗手と呼ばれていた。
イラク侵攻に反対票を投じただけでなく、ブッシュ大統領の国土安全法案や最高裁判事任命についても反対していたポール・ウェルストーン氏は、「ブッシュ・チェイニー両氏が2002年に最も落選させたい議員」として話題になり、民主党リベラル層から注目を集めていた。もっとも、ウェルストーン氏がブッシュ陣営を怒らせたのはそれが初めてではない。1990年に議員として初当選してから、湾岸戦争へ急ぐジョージ・H・W・ブッシュ大統領を批判したウェルストーン氏は、ブッシュ父から「臆病者」と罵られていたことがあるという。
「ホワイトハウスには、毎朝目覚めると、どうやってウェルストーンを潰してやろうかと考えている連中がいる」共和党の上級議員の補佐官が匿名でネイション誌に語っている。「連中にとっては(ウェルストーン氏は)政治的にも個人的にも問題だった」
2002年の上院選挙の際には、民主党から共和党に鞍替えしたノーム・コールマン候補が、ミネソタ州でのウェルストーン氏の対抗馬として、ブッシュ大統領から個人的に支援されていた。しかしウェルストーン氏の人気は高く、再選は確実視されていたという。
2002年10月25日、ポール・ウェルストーン氏と妻、娘と三人のスタッフを乗せた飛行機は、離陸直後に突然飛行コースを変え、ミネソタ州の森林に墜落。搭乗していた全員と二人の操縦士は、その飛行機事故で死亡した。議員選挙(11月5日)を直前に控えての悲劇であった。
「私はここに、ポール・ウェルストーンという人物を支持するためにやってきました。」2002年10月26日、ミネソタ州セントポールで行われたウェルストーン氏追悼反戦集会で、ジョシュ・ハートネットは、追悼スピーチを行った。高校時代をミネソタ州で過ごし、ウェルストーン氏を支持していたこのハリウッド俳優は、突然の悲報に急遽スケジュールを変えて集会に参加した。「今でも彼の政策を支持することは可能です。立ち上がり、投票に行きましょう。現状を変えるんです」だが、彼等の言葉も虚しく、その後の米国はイラク戦争に急降下していくことになったのである。
飛行機事故で死亡する数日前、ミネソタ州ウィルマー郡で行われた退役軍人会に出席したウェルストーン氏は、イラク侵攻に反対票を投じた際に、チェイニー氏から罵られた言葉を聴衆に聞かせている。ウェルストーン氏によれば、チェイニー副大統領は以下のように話したという。
「もしイラク戦争に反対票を入れたりしたら、ブッシュ政権は貴様を潰すためにどんなことでもするだろう。ミネソタ州に対しても深刻な影響があるかもしれないぞ」
"If you vote against the war in Iraq, the Bush administration will do whatever is necessary to get you. There will be severe ramifications for you and the state of Minnesota."
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