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2004/06/30

主権移譲前倒しの裏側:イラク再建用の石油収益200億ドルが行方不明に

Antiwar.com2004/06/29付記事より。

イラクで活動中の、イギリス・アイルランド系ボランティア団体「クリスチャン・エイド」の2004年6月28日付け最新レポートによると、イラク暫定占領当局(CPA)が管理していたイラクの石油収益資産の内、少なくとも200億ドルが、会計処理されないまま、行方不明になっているという。

イラク石油収益は、イラク再建基金(the Development Fund for Iraq:DFI)として、独立会計の下で管理されているはずだった。クリスチャン・エイドは、昨年10月から、イラク暫定当局のズサンな資産管理に警告を発している

イラク主権移譲手続きの直後に、大急ぎでヘリに乗り込み帰国の途についたブレマー元CPA代表。そのタイミングは、クリスチャン・エイドの報告書がメディアに伝達される直前だったという現地の愛人問題以外にも、ブレマー氏には隠し事がたくさんありそうだ。

2004/06/29

チェイニー副大統領から民主党議員へ:「Go fuck yourself!」

ロイター通信2004/06/24付記事より。(CommonDream転載

バーモント州上院議員のパトリック・リーヒー氏(民主党)が、米上院議会での議員集合写真撮影の際、チェイニー副大統領に対してハリバートンのスキャンダルを巡り批判すると、チェイニー氏は「Fで始まる」卑猥な言葉で議員を侮辱したという。(上院規則では、上院施設内で卑猥な言葉を使うことは禁止されている)

副大統領はよほど虫の居所が悪かったんだろうなCNNのインタビューでパトリック・リーヒー氏は話している。一方で副大統領の広報担当者は「確かにそのような言葉は副大統領が通常使うにふさわしくないが、率直な意見交換をしただけ」と弁護しているという。しかしフォックスニュースのインタビューによれば、チェイニー本人は言動について後悔することもなく「スッキリした(felt better)」と話しているらしい

チェイニー副大統領が怒ったというだけで、なぜ大きなニュースとしてメディアが扱うのかといえば、かつて同じように副大統領に罵られた民主党議員、ポール・ウェルストーン氏の件があるからだ。ミネソタ州上院議員だったポール・ウェルストーン氏は、米上院でのイラク戦争決議に議員として唯一反対を唱えた人物で、民主党リベラル派の旗手と呼ばれていた。

イラク侵攻に反対票を投じただけでなく、ブッシュ大統領の国土安全法案や最高裁判事任命についても反対していたポール・ウェルストーン氏は、「ブッシュ・チェイニー両氏が2002年に最も落選させたい議員」として話題になり、民主党リベラル層から注目を集めていた。もっとも、ウェルストーン氏がブッシュ陣営を怒らせたのはそれが初めてではない。1990年に議員として初当選してから、湾岸戦争へ急ぐジョージ・H・W・ブッシュ大統領を批判したウェルストーン氏は、ブッシュ父から「臆病者」と罵られていたことがあるという

「ホワイトハウスには、毎朝目覚めると、どうやってウェルストーンを潰してやろうかと考えている連中がいる」共和党の上級議員の補佐官が匿名でネイション誌に語っている。「連中にとっては(ウェルストーン氏は)政治的にも個人的にも問題だった」

2002年の上院選挙の際には、民主党から共和党に鞍替えしたノーム・コールマン候補が、ミネソタ州でのウェルストーン氏の対抗馬として、ブッシュ大統領から個人的に支援されていた。しかしウェルストーン氏の人気は高く、再選は確実視されていたという。

2002年10月25日、ポール・ウェルストーン氏と妻、娘と三人のスタッフを乗せた飛行機は、離陸直後に突然飛行コースを変え、ミネソタ州の森林に墜落。搭乗していた全員と二人の操縦士は、その飛行機事故で死亡した議員選挙(11月5日)を直前に控えての悲劇であった。

私はここに、ポール・ウェルストーンという人物を支持するためにやってきました。」2002年10月26日、ミネソタ州セントポールで行われたウェルストーン氏追悼反戦集会で、ジョシュ・ハートネットは、追悼スピーチを行った。高校時代をミネソタ州で過ごし、ウェルストーン氏を支持していたこのハリウッド俳優は、突然の悲報に急遽スケジュールを変えて集会に参加した。「今でも彼の政策を支持することは可能です。立ち上がり、投票に行きましょう。現状を変えるんです」だが、彼等の言葉も虚しく、その後の米国はイラク戦争に急降下していくことになったのである。

飛行機事故で死亡する数日前、ミネソタ州ウィルマー郡で行われた退役軍人会に出席したウェルストーン氏は、イラク侵攻に反対票を投じた際に、チェイニー氏から罵られた言葉を聴衆に聞かせている。ウェルストーン氏によれば、チェイニー副大統領は以下のように話したという

もしイラク戦争に反対票を入れたりしたら、ブッシュ政権は貴様を潰すためにどんなことでもするだろう。ミネソタ州に対しても深刻な影響があるかもしれないぞ
"If you vote against the war in Iraq, the Bush administration will do whatever is necessary to get you. There will be severe ramifications for you and the state of Minnesota."

2004/06/28

「華氏911」大ヒットにカーライルグループも動く

先週末から公開されている「華氏911」が、米国内で大ヒットしているのは誰でもすでにご存知のことだろう。ボックスオフィスの売り上げランキングによれば、週末(金・土・日)の売り上げは上映館(868館)の合計で2,180万ドル(約23億4,561万6,549円)2,390万ドル(約25億9,073万2,300円)で、もちろん1位。2位の「White Chicks」の同時期の売り上げ合計(2,726館で上映)が1,960万ドルなので、いかに「華氏911」の上映館が混雑しているかが想像できる。作品の買取金額が約600万ドルで、配給費用がプリント・広告費含めて1,000万ドル以下(通常のハリウッド映画の1/3のコスト)というから、ビジネスとしても良い結果になりそうだ。

ドキュメント映画史上最大のヒット記録というだけでなく、普通のハリウッド映画以上に売り上げを伸ばす可能性は充分にある。1000館以下の上映館でスタートした映画としては史上最大の売り上げとなったそうで、来週から上映館を増やすことがすでに決定され、さらに7月9日から上映館を大幅拡大する予定とのこと。作品買取に奔走したワインスタイン兄弟の勇気ある判断に拍手を送りたい。(ボックスオフィスの特集ページ

さて、「華氏911」の大ヒットによって企業PR費用を大幅節約できたのが、作品中に登場したカーライルグループである。映画の前評判に気を良くしたのか、さっそく映画界に投資を開始しているのだ。映画公開に先立つ6月21日には、世界で三番目に大きいシネマコンプレックス企業Loews社14億6,000万ドルで買収している

同シネマコンプレックスチェーンは世界で200のシネマコンプレックス施設、 2,200以上のスクリーンを所有しており、米国では同チェーンに属する59館が、「華氏911」を上映中である。今回の買収で、カーライルグループは、系列に属するアメリカとカナダのシネコンに加えて、韓国で最大の映画館と、スペイン国内の21の映画館の運営を握ることになる。もちろん、買収したシネコンチェーンとイラク戦争派兵国が一致しているのは、単なる偶然であろう。

「華氏911」ではブッシュ家とカーライルグループの関係が取り沙汰されているが、現在のカーライルグループCEOは、IBMのCEOとして辣腕(?)を振るったルイス・ガースナー氏である。ガースナー氏が映画ファンであるとは知らなかったが、ひょっとしたら他の「ドキュメンタリー作品」の上映にご興味をお持ちなのかもしれない。
(同氏の有名な著作「巨象も踊る」というタイトルは、肥大した企業のことかと思っていたが、別の象のことだったのか?)

まあとにかく、外資系企業ではCEOの嗜好は無視できない。東京・大手町のカーライルジャパンの日本人役員の方々が、恵比寿方面に契約書を持ってご来場されることもあるかもしれない。なんともロマンチックで暑い夏になりそうだ。

(注:「華氏911」初日3日間の売り上げ第一報は映画会社の推定値でしたので訂正しました。)

2004/06/26

韓国人人質殺害事件:事件の経過と疑惑

韓国人人質殺害事件の報道が韓国国内で過熱し、混乱している。とりあえず、現時点で判明している情報を以下に整理してみたので、ご覧いただきたい。

韓国人人質殺害事件の経過(概要)
5月31日
  • 韓国企業カナ貿易の通訳担当社員金鮮一(キム・ソンイル)さんが、バグダッドからファルージャ付近の米軍基地に向かう途中で、行方不明になる。
  • 金鮮一さんは、キリスト教一家に育ち米軍PX(売店)に就職しているイラク人女性と知り合い、結婚する予定であると友人に語っていた。
  • カナ貿易のキム・チョンホ社長は社員が不明であることに気づいた。(25日の報道)
6月03日
  • カナ貿易のキム・チョンホ社長が金鮮一さんの失踪事実を認識。10日までに現地警察や病院に問い合わせる(25日報道での証言)
  • 人質拉致のビデオテープを入手したAP通信記者が金鮮一さんの拉致事実について韓国政府外交通商部に問い合わせたところ、政府担当者は拉致事件を知らないと回答。この時、韓国政府内部ではAP通信記者から知らされた事実が周知されず(?)調査も行われていない。(この事実の発覚により、後に政府側の大幅な対応の遅れが批判されることになる)
6月14日
  • カナ貿易のキム・チョンホ社長、拉致事実を「明確に知る」(25日報道での証言
  • 23日の聯合通信バグダッド特派員とのインタビューでは、キム社長は「6月10日頃、金鮮一社員が武装勢力により拘束中であることを知った」と話していた。
6月15日
  • キム・チョンホ社長、イラク武装勢力(人質を拘束している組織ではない)と人質交渉を開始。
  • キム・チョンホ社長は現地大使館への報告を怠ったと証言。(25日報道)
6月16日
  • イラク駐留米軍がカナ貿易のキム・チョンホ社長と接触、金鮮一さんの拉致事実を伝えたとされる。(キム・チョンホ社長の証言)
  • この時点で米軍は韓国政府当局に事件発生を知らせていないとされている。22日の報道
6月18日
  • 韓国政府、イラクへの3,000人追加派兵を決定。
6月20日
  • カナ貿易のキム・チョンホ社長、イラク駐留米軍に拉致事件交渉について相談。
  • (現地時間)午後11時、カタールの衛星テレビアルジャジーラが、キム・ソンイルという名前の韓国人1人が拘束され、助けを訴えながら韓国政府にイラクでの撤退を求める姿を撮影したビデオテープを放映。犯行グループは韓国政府に、同日夕から24時間、時間を与えると主張。
  • 任洪宰(イム・ホンジェ)在イラク大使は、20日の時点でキム・チョンホ社長に身元を確認するまで拉致事件を知らなかったと証言(25日報道)
6月21日
  • 午前7時頃までに韓国国内でアルジャジーラの第一報が確認され、韓国メディアによる人質事件の報道スタート。
  • 大使館関係者は「アルジャジーラに放映された韓国人は、確認の結果、カナ貿易の職員 キム・ソンイルさんであることが分かった」とし、「ただ、キムさんが実際に拉致されたかどうかは、まだ確認できていない」とした。
  • 韓国外交通商部(外交部)の張在龍(チャン・ジェリョン)本部大使を団長とした政府対策班をイラク現地に派遣。
  • 国家安保会議(NSC)常任委員会を開き、予定通り派兵を進めることを決定。また、日本の川口順子外相と緊急会合を行い、先日日本人がイラク武装勢力に拉致され釈放された過程について説明を聞いた。
  • 午後3時頃(現地時間午前10時)韓国政府、任洪宰(イム・ホンジェ)イラク駐在韓国大使を窓口に、イラク現地で多数のチャンネルを通じた釈放交渉を試みる。
  • 午後7時、釜山市民団体、イラク派兵撤回要求デモ開始
6月22日
  • 韓国の私設警護会社「NKTS」のチェ・スンガプ社長の証言:「現地人の同業者 モハメド・アル・オベイディさんに金さんの所在地の把握と安全帰還に向けた方法を模索してくれるよう要請した結果、金さんがまだ生存していることを確認した」「現在、イラクの宗教指導者を通じて救出作業を展開している」
  • 金さんを拉致した団体が釈放交渉の過程で、派兵撤回と関連した要求事項を提示。
  • アルジャジーラTV・アル・アラビアが「韓国人を拘束中の拉致実行犯たちが要求時限を延長した」と報道。
  • 金鮮一さん家族、盧大統領に面会要求、大統領側は面会を回避。
  • 午後10時20分、イラク駐留米軍がバグダッドからファルージャ方向へ約35キロ離れた地点で東洋人と推定される遺体を発見し韓国軍に連絡。
  • 発見された遺体は頭部を切り落とされ、爆発物(ブービートラップ)が仕込まれていた米CNNの報道
  • 午後10時半、韓国政府当局者と盧武鉉大統領が、イラクで金鮮一さんの死体が発見された事実を知る。
6月23日
  • 午前2時、申鳳吉(シン・ボンギル)韓国外交通商部スポークスマンが、記者会見で金鮮一さんの死亡を確認したと発表。
  • 金さん殺害の情報を最初に(韓国)メディアがつかんだのは23日午前1時40分ごろだったが、各社ではすでに印刷を始めていた。その前に現地で、金さんの目撃情報が流れたため「人質金鮮一氏は生きている」(東亜日報)、「元気だ」(朝鮮日報)など、事実と正反対の断定的な大見出しが1面に載った。
  • 午後8時から光化門で「金鮮一さん追悼」キャンドル集会、一般市民ら3,000人が参加。
6月24日
  • 午後7時40分、安秉永(アン・ビョンヨン)副首相兼教育人的資源部長官と全国の市・道の教育監が24日夕、蔚山(ウルサン)で最高級の食事と高級ウィスキーの宴会を開いた。(どこの国にも世情に疎い閣僚はいるものである。)蔚山の最高級韓国料理店で1人4万ウォンの食事と高級ウィスキー12本を注文したという。(後に国民の怒りを買う
  • 「金鮮一さん殺害映像」 米サイト通じ国内に拡散、韓国政府と市民団体が映像の流布を阻止するために奔走中
  • 故・金鮮一さんの追悼集会が開催される。

韓国政府の対応がズサンなのはいうまでもないが、全体としてはむしろ人質事件が関係者によって必死に放置されていたような印象を受ける。以下に疑惑のポイントをいくつか挙げてみよう:

  • 殺害された金鮮一さんの上司の証言が(人質交渉の当事者なのに)今ひとつ信頼性に欠けているのはなぜか?拉致の事実を知ってから、人質交渉をしている間にも韓国大使館に相談していないとは信じがたい。彼は部下の拉致事実を誰から知らされたのか?
  • AP通信記者から拉致事件を知らされたのに、韓国の外交通商部担当者は政府に知らせなかったとして、韓国政府も(アルジャジーラの報道まで)事件を知らなかったというのは信じがたい。AP通信記者側も、韓国政府の他部署に問い合わせなかったのだろうか?
  • アルジャジーラで人質テープ報道があってから、韓国大使館側で人質の身元確認が遅れた理由は?(現地の上司に聞けば判明したはず)
  • 被害者と親しかったという「キリスト教一家に育ち米軍PX(売店)に就職しているイラク人女性」とは、(おそらく英語を話すのだろうが)どのようなバックグラウンドを持った女性なのか?
  • 米軍が、「韓国の追加派兵を邪魔させないために意図的に事件発覚を遅らせた」という疑惑も重大だが、それより先にAP通信記者が韓国政府関係者に事件を知らせている事実は見逃せない
  • イラク駐留韓国軍は事件をいつ知ったのか?
  • 犯人グループは人質ビデオを6月3日以前にAP通信記者に渡してから、人質の上司と交渉しつつ3週間近くもジッと放送を待ち続け、シビレを切らした犯人が(キチンと放送してくれる)アルジャジーラにあらためてテープを送り、放送後も交渉期限を延長している。テロリストの交渉の手順としては無駄が多すぎるのではないか?追っ手が迫るというのに。
  • ビデオに撮られた殺害はいつ行われたのか?
韓国メディアは事件の真実に迫れるだろうか?今後の報道に注目したい。


ところで余談だが、「日本の人質事件の政府負担は1,815万円」というニュースには呆れた。外務省職員の出張関連経費が1,370万円ということだが、報道機関は内訳を聞いたのだろうか?(連中はアンマンのマリオットホテル:Marriott Petraにでも泊まったのか?それならせめてソファーで寝てほしい)

そもそもあの有名な外交機密費からの支出はなかったのだろうか?それとも、人質交渉関連の経費は発生しなかった(つまり、タレコミへの報酬もなく、捜査もなにもしなかった!)ということだろうか?だいいち、プールされている機密費で人質帰国用のチャーター機費用なんてすぐ払えたのに、なぜ外務省は(国民から評価されるかもしれない)重要な局面でケチになるのか?

2004/06/25

フランス生まれの反ブッシュドキュメンタリー「Le Monde Selon Bush」

イスラム・オンライン2004/06/24付け記事より。

どうやらジョージ・W・ブッシュは(その愚かさ加減から)映画の素材として引っ張りダコらしい。

マイケル・ムーアの「華氏911」の成功が世界中で大きな話題となっているが、フランスでは、チュニジア生まれのスイス国籍というウィリアム・カレル(?)という監督の「Le Monde Selon Bush」(英語タイトルはTHE WORLD ACCORDING TO BUSH/ブッシュの世界)というドキュメンタリー映画が6月中旬から公開され、大きな話題となっているという。(同作品の公式サイトで予告編を観ることができる)

「Le Monde Selon Bush」は、主にブッシュ家の系譜とナチスとの関係から、ビン・ラディン、フセインの関係、ネオコン、キリスト教原理主義者たちとイスラエルの関係に焦点をあてた内容とされているが、予告編を観るかぎりでは、マイケル・ムーアの作品に負けないくらい、ブッシュの悪辣さと間抜けさをストレートに批判しているようである。例えば、インタビューのシーンでは、作家のノーマン・メイラーがブッシュをこんな風に評している:

「(ブッシュは)アメリカの歴史上、最悪の大統領だ。無知で、傲慢で・・・」

これから日本でも巻き起こる「華氏911」ブームに便乗して、この作品も早めに国内で配給されることを期待したいが・・・

米国防副長官:「イラク国民は囚人虐待事件をあまり気にしていない」

AP通信2004/06/22付け記事より。以下に記事の一部を引用。

ウォルフォウィッツ米国防副長官は、囚人虐待事件はイラク国民にとってたいした懸念事項になっていないと話した。

ウォルフォウィッツ氏は、先週のイラク訪問の際に、虐待事件がたいして問題になっていないことに非常に感銘を受けたという。

米下院軍事委員会において、国防副長官が説明したところによれば、イラク国民は虐待事件よりも「どうやって暴徒を鎮圧するか」という課題をはるかに重要視しているという。

イラクでは毎日暗殺事件が起きている状況なので、「イラク国民は優先事項というものを心得ているのだ」とウォルフォウィッツ氏は話している。


どうやら米国防副長官は、数字に弱いということをアピールするだけでは物足りないらしい。

2004/06/24

「スパイ貸し出し中」byジェームズ・バムフォード

ニューヨークタイムズ2004/06/14付けコラムより。(ABC-CBSNEWS.com転載

諜報機関の専門家、ジェームズ・バムフォード氏の最新コラムを以下に全文翻訳して掲載。(文中リンクは訳者による)

バムフォード氏は、最新著作「A Pretext for War: 9/11, Iraq, and the Abuse of America's Intelligence Agencies」の中で、911テロ事件直後に、チェイニー副大統領が隠れていた場所「サイトR(メリーランド州とペンシルバニア州境にある極秘の地下軍事拠点)」の場所と施設概要を暴露、話題となっている。当然ながら、ホワイトハウスはこの暴露に激怒しているようだ



「スパイ貸し出し中」(This spy for rent)

by ジェームズ・バンフォード


米中央情報局(CIA)にとって、スパイ人材の査定、育成、採用は重要な業務である。しかし今、CIA職員自身が---時には、情報局の食堂で---査定され、育成され、採用される対象となりつつある。政府との契約をとりつけるために、いくつかの私企業が、政府の情報局から高度に訓練された職員を積極的に採用しており、それが国家の諜報機関で高度な訓練を受けた情報部員の流出を引き起こし始めているのだ。

今週、ジョージ・テネットのCIA長官辞任に加えて、911超党派調査委員会の最後の公聴会により、この10年間で最初の、情報組織大改革の条件は整えられた。組織の移動や「情報専門家」の創出が議論される中、スパイの民営化問題は大部分がずっと忘れられたままである。

911テロ後の予算増加によって、CIAにはお金が有り余っている。しかし組織の将来が不確実であることから、新世代スパイとアナリストの採用、教育、人材開発は大幅な遅れに直面している。そこで、情報部員の確保を「情報複合企業」に依存する状況が発生している。

これら企業は、フォーチュン500企業のブーズ・アレン・ハミルトンノースロップ・グラマンのような巨大企業から、元CIA職員で構成された、バージニア州マクリーンのアブラクサス社のような小さな企業までさまざまだ。例えば、アブラクサス社のエキスパート、メアリー・ナヤックは、元々は南アジア圏の情報活動を指揮していた人物だ。現在、彼女はコンサルタントとして、CIAの911テロ再調査グループで働いているという。

私企業は、かつては高度に訓練された組織従業員のしていた仕事を引き継いでいる。世界中で秘密工作を管理していた局地事務職員、危機管理センターで24時間職員を監視していた者、大量の諜報データを精査していたアナリスト、対諜報活動工作員で、海外の工作員と現地スパイのやりとりを監督していた人物、局地ではエージェント間の連絡員として振る舞い、本部ではアナリストとして勤務していた報告担当者等々。

情報組織と緊密に活動する私企業との間には本質的な間違いはないものの、監視がないかぎりトラブルが起こる可能性は常にある。業務内容はCIAの秘密の下に隠されているので、議会ですら費用や人員について正確な情報を知ることは困難である。しかし組織の内外の専門家たちは、何億ドルもの金と何千もの取引先が絡んでいると察知しているようだ。

アブグレイブ刑務所のスキャンダルによって、慎重を要する情報活動に私企業が絡むことが災難を生む可能性があることが明白になった。現地の情報部員だけの時ではなく、彼らの上司と監督者が私企業の勤務者である場合には、災難の可能性はより高くなる。

もうひとつの問題は、納税者に対する費用負担の増加である。儲けに走る企業は、しばしば連邦政府職員の倍以上の給与を(ヘッドハンティングのために)提示することがある。スカウト担当者はセキュリティ上の許可を取得しているので、時にはラングレーにあるCIA本部の施設内部で採用活動をすることもある。そして採用された多くの職員は、結局はかつて働いていたオフィスに戻ることになるのだ---ただし、今度は私企業の社員として。このように、情報部職員になるために何百万ドルもの金が訓練につぎ込まれた結果、納税者は2倍の金を、今度はスパイをレンタルするために支払うことになるのである。

「金というのは不思議なもんだ」海外でスパイを管理していたという、ある情報部の元職員が話してくれた。「組織の職員を辞めてから、(企業に採用され)また元どおり同じ仕事をしているのに、給与は倍になったんだ」しかし、元職員の何人かは、自分たちの才能が洗練されていない業務のために無駄になっていると警告している。「やりっぱなし」状態の仕事が急増するにつれ、情報組織の仕事の質は疑わしいものになっているのだ。「問題は、こうしたやりかたは分別に欠けるということだ」中東で経験を積んで職員から私企業社員になった人物が吐露した。「私たちはただそこに座って、お互いを見つめているだけで、呆れるくらいの大金を稼ぐことになるんだからな」

別の元情報部員が言うには、彼はイラク、アフガニスタン他の国で入手したコンピューターのハードディスクに残った電子メールの解読チームの要員として雇われていたという。「ほとんどのメールはアラビア語だったけど、チームにアラビア語を話す者はいなかった。問題だろ?」彼は言った。「私たちの誰も、自分がやっていることを理解できなかったが、上司連中だって自分が何をしているかわかってなかったんだ」

合衆国がテロとの闘いやイラク戦争に深く関わることになって、ますます私企業のスパイは増加するだろう。悪いことばかりでもない。よく訓練された連邦職員と、役割に拘束されない革新的な企業が一緒になれば、古い問題に取り組むためのより効果的な方法を見つけることができるだろう。

しかし、過失が増えることは深刻な問題である。議会がCIAの契約している企業を知らないというなら、その企業が何をしているか(そしてどれだけの費用が支払われているか)を、一体だれが精査できるというのか?情報活動を立て直すことに決めたのだから、「外套と短剣」を作る者と、それを使う者との間の最適なバランスというものを、我々は見つけなければならないのである。


2004/06/23

「華氏911」賛成派と反対派のトップが公開対決?

アル・フランケンのトークラジオ番組「O’Franken Factor」6月24日(木)生放送内で、反ブッシュサイトの大御所「MoveOn.org」主宰者エリ・パリサー氏と、「華氏911」上映妨害活動サイト「Move America Forward」主宰者ハワード・カルージアン氏が公開ディベートを開催する予定であることが番組公式サイトでアナウンスされている。

資金難にもかかわらず(反ブッシュ局に広告を出す企業は少ない)、インターネット放送によってリスナーが急増しているというリベラル系ラジオ局AirAmericaRadioの看板番組「O’Franken Factor」。アル・フランケンは、局の存続を賭けて今のところノーギャラでホストを務めている。電話出演のゲストも毎回すごくて、例えば今夜(6/23)はビル・クリントン元大統領が本の宣伝を兼ねてしゃべりまくる予定だ。昨日は元CIAのロバート・ベア氏だった。放送はインターネットライブで聴くことができるので、ご興味のある方はどうぞ。(要リアルプレイヤー)

2004/06/24追記:「華氏911」日本版公式サイトが登場。

2004/06/22

ビッグブラザーがアメリカ人を24時間監視する場所

Capitol Hill Blue2004/06/07付けコラムより。記事全文を以下に翻訳掲載しました。(文中リンクは訳者による)


ビッグブラザーがアメリカ人を24時間監視する場所(Where Big Brother Snoops on Americans 24/7)

by テレサ・ハンプトン & ダグ・トンプソン

バージニア州アーリントン、フェアファックス通り3625にあるバンク・オブ・アメリカ支店の客たちは、隣のブロックにいつも駐車しているアーリントン警察の車両を不審に思っていた。客たちは、キャントウェル・セキュリティ・サービスの二人のガードマンが、武装して銀行の前の通りをパトロールし、用心深く通行人を監視しているのも気づいていた。

「通りの向こうで何かあるの?」ある婦人が、前の週に振り込まれた給与を出金するために、銀行窓口の列に並びながら、尋ねた。

「さあね」彼女の前に並ぶ男性が答えた。「何か政府に関連してるらしいよ。警察もガードマンも911テロの後からずっとあそこに居るんだ」

「そう」彼女は答えた。「たいしたことじゃないのね」

もしもご婦人が、フェアファックス通り3625の、その特徴のないビルの中で何が行われているかを実際に知ったなら、おおいに問題があると感じるだろう。そのビルは、ペンタゴンの国防高等研究所計画局(DARPA)の「全情報認知」(Total Information Awareness: TIA)計画---議会が却下したはずの「ビッグ・ブラザー・プログラム」を収容しているのだ。

列に並ぶご婦人が、バンク・オブ・アメリカ支店でお金を引き出すと、通りの向こうにあるオフィスのコンピューターには、瞬時に出金内容が表示される仕組みだ。口座内容も、旅行記録も、他のアメリカ人が日に何百万回も行う個人的な取引内容も同様の仕組みで記録されている。

議会が資金拠出を却下し、計画の中心人物である悪名高き退役司令官、ジョン・ポインデクスターが辞任したにも関わらず、DARPAのTIA計画は未だ実施されており、毎日24時間休みなく、アメリカ国民の個人取引を覗いている。

「議会が資金拠出を却下したとき、国防総省は、長官の承認の下で、単に計画を“秘密勘定”にまわしただけだったんです」DARPAの元職員は明かした。「“秘密勘定”扱いのプログラムは議会の承認を必要としないので、通常の監督体制から除外されているんです」

DARPAはまた、計画を実施するために、私企業を使い、議会の監視を逃れることに一役買わせている。連邦防護局の協力を求める代わりに、キャントウェル社のようなセキュリティ企業と契約し、TIA計画を監視の目から逃れさせているのである。

911テロ事件の直後、ブッシュ政権の要請と愛国法の下にTIA計画は承認され、DARPAはアーリントン郡のビルに移転した。

TIA計画の使命は、銀行取引記録やクレジットカード企業のデータ、航空企業や他の旅行会社データ、信用機関他監視が必要なデータ、金融取引や外国人旅行者のデータを関係機関からリアルタイムで取得することを可能とする巨大なコンピューターデータベースを確立することである。

米国愛国法の規定によれば、銀行や他企業は、通常ならプライバシー違反で退けられるような、DARPAによるデータ参照への協力を強制されている。

2002年、TIA計画が表面化してから、イラン・コントラ事件の中心人物であるポインデクスター氏が責任者として着任すると、市民監視グループや他の議員たちは計画内容を見直し始めた。そして、イラン・コントラ事件の際に議会に嘘をついたポインデクスター氏の辞任を求める騒動から、TIA計画への資金拠出は打ち切られていた。

しかし議会は、TIAの代わりにデータ蓄積を認める調査費用をDARPAに拠出できる抜け道を残しておいたので、ブッシュ政権は国防総省にTIA計画を秘密勘定に移行するよう指導し、議会は計画から締め出されることになったのである。

DARPAの計画管理者であるダグ・ダイヤー中佐は、TIA計画はテロとの戦争における必要な犠牲と擁護している。

「アメリカ国民はプライバシーと安全を秤にかけるべきだ」中佐は語る。「911テロで3,000人が死んでいるんだ。テロ攻撃によって国民全体のプライバシーが影響を受けることを懸念しているのなら、妥協も必要だろう」

その妥協とは、実質的にすべてのアメリカ国民のあらゆる金銭取引が記録され、連邦政府によって監視される社会を意味している。あらゆる銀行取引、クレジットカードの支払いから通話記録、信用調査、旅行記録から健康診断記録までリアルタイムにDARPAのコンピューターに捕捉されることになるのである。

「基本的には、TIAは、銀行に口座を持ち、クレジットカードを使い信用情報を保持するあらゆるアメリカ人をプロファイリングしている」セキュリティ専門家のアラン・バンクス氏は指摘する。「プロファイリングにより、普通の個人の支出と旅行習慣のパターンが解析される。そうすると次にシステムは、通常と違うやり取りを探す出すのだ。例えば、テロ活動に用いられる懸念がある物品の購入や、特定地域への渡航や支出パターンの変化とか」

あらかじめ定義された基準に合致するパターンが発見されれば調査警告が発信され、その個人は司法省と国土安全保障省が言う「要注意人物」と見なされることになると、バンク氏は説明してくれた。

このようなデータ蓄積は「データベースプロファイリング」とも呼ばれ、合衆国憲法修正第4条で保障される個人のプライバシーを侵害するとして禁止されているはず---米国自由人権協会・テクノロジーと自由部門の責任者であるバリー・シュタインハルト氏は指摘する。

シュタインハルト氏によれば、蓄積された情報はすでに「搭乗拒否リスト」として活用されているが、情報内容の正確性に関する保障措置が未整備のままであるという。

「搭乗拒否リストに登録されたら、どうやって削除を依頼したらいい?」シュタインハルト氏は問いかける。

下院の政府技術情報政策政府間関係改革小委員会の少数派に属するミズーリ州議員ウィリアム・クレイ氏は、DARPAが私企業にデータ管理を任せていることにより、法律問題を回避していると疑っている。

「データ管理に属する組織は、プライバシー保護法を回避するために、データを保有していないと主張する」クレイ氏は説明した。その代わりに、組織は私企業にデータを移行し、管理を委託していると彼は指摘している。

「技術的には、そのやり方ならプライバシー保護法には抵触していない」彼は答えた。「もちろん、倫理上は違反しているがね」

2003年に、TIA計画への資金拠出の却下を支持したとき、オレゴン州議員ロン・ワイデン氏のような議員は問題は解決されたと思っていたという。

「法を遵守するアメリカ国民を監視するような仕組みが存在しないように議会は念を押したのだ」ワイデン氏は投票後に言った。

しかしそれは間違いだった。ブッシュ政権は---すでに近代でもっとも秘密を好む政権と広く認知されているが---単に計画をラップに包んだだけで、継続させたのだ。

議会が資金拠出を停止したとき、フェアファックス通り3625の作業は停止され、アーリントン郡は職員を通常業務に戻すはずだった。しかしながら、警官たちはその場所にとどまり、警備は一層強化されることになったのである。

アーリントン郡のビルと地域事務所の建設記録によれば、18ヶ月間で20以上の高速回線が設置されたという。マイクロ波通信アンテナも屋根に設置された。

国防総省の広報官は、「国土の安全に関わる」という理由から、ビルで何が行われているかについて説明を避けている。

TIA計画が問題にされた初期の頃、DARPA幹部はデータ被害に対する防護策があることを主張したが、記録は別の事実を伝えている。

「軍部によるプライバシー侵害の名残があるから、そんな曖昧な保障はさっぱり慰めにならない」ワシントン・ケイト研究所の上級編集者ジーン・ヒーリーは語る。

「第一次大戦時代、ドイツの破壊工作員への懸念から、米陸軍情報部は国内監視を無制限に拡大してきた」ヒーリー氏は語る。「陸軍スパイは破壊分子の可能性がある個人の情報の集めることに支配権を持ち、特別警察官として逮捕権も与えられることがあった。場合によっては、公的機関の職員を装うための偽職員証を持ち、西部情報局員がそれを手配することもあった。標的の居るオフィスや住居に入り、データを取得するためだった」

著作「Army Surveillance in America」の中で、歴史家のジョアン・M・ジェンセンは強調している。「敵側工作員から政府を保護するためのシステムとしてスタートした仕組みは、法を遵守しながら戦時政策や戦争そのものに反対する市民を監視する諜報システムに変化したのだ」

陸軍の最近の大失策であるイラクでの囚人の扱いは、アメリカの軍事システムが、自身を監督する能力も制限もないことを露呈している。

「この国には長きにわたる軍部諜報問題の歴史がある」ヒーリーは付け加えた。「歴史は私たちに、国防総省が個人情報にアクセスすることを嫌悪すべきであると教えてくれている」

TIA計画が政府にアメリカ市民の監視を許している状況にあって、データ管理の専門家は、それがテロ対策には役に立たないと言っている。

「テロリズムは順応性がある」データ管理会社Two Crows社の社長ハーブ・エデルシュタイン氏は語る。「次のテロ攻撃でも(以前と同じ)航空機ハイジャックとビル突入が起こる可能性は低い」

「Database Nation: The Death of Privacy in the 21st Century」の著者、サイモン・ガーファンクル氏もそれに同意する。

「データの蓄積は、売り上げ増進や売り場管理目的には威力を発揮するが、その効果はテロリストの行動分析とは全く異なる」ガーファンクル氏は言う。

他の専門家も失敗の可能性が高いことを指摘している。

「有意なパターン分析をもってしても、推測から生じる失敗の規模は大きい」情報企業グロクス社役員で「The Ecology of Commerce」著者のポール・ホークン氏は語る。「たったひとつの正しい予測のために、間違い情報を何千も監視することで莫大な犠牲が生じるだろう」

DARPAはグロクス社にTIA計画への参加を促したが、計画の実効性と倫理性の欠如を考え、同社は申し出を辞退した。ホークン氏によれば、倫理上の懸念から、NSA職員でさえTIA計画への参加を拒否した人物も居るという。

TIA計画の危険性は思わぬ副産物も生み出している。米国自由人権協会は、保守派のフィリス・シュラッフリー氏が主催するイーグル評議会やヘリテージ基金と協力して、TIA計画以外にも、愛国法による他の人権侵害に対抗している。保守派の扇動者であるボブ・バー元議員も活動に参加している。

しかし、これらの注意にもかかわらず、TIA計画は今でも存在し、アーリントンのフェアファックス通りのビルから、24時間365日、アメリカ国民を監視している。そのビル内に勤務する職員は、勤務事実を秘密にしているはずだが、DARPAのID証を誇らしげに首からぶら下げながら、ビル近所のレストランで日常的に食事を楽しんでいる。バッジをぶら下げる紐にも「DARPA」の文字は大きくプリントされているのだ。

「ああ、連中はそこのビルで働いているスパイだよ。」フェアファックス通り3701傍の食料品店の店員、アーニーが教えてくれた。「連中はあれで秘密を守ってるつもりなんだから、オレたちは心底不安になるよ」


2004/06/21

オライリー:「イラク人は原始人、爆撃しろ!」

Media Matters for America2004/06/18付け記事より。

イラクの連合国暫定当局が行った最新調査で、米軍を解放者として歓迎しているイラク国民はわずか2%で、55%のイラク国民が米駐留軍の早期撤退を望んでいるという結果に、おおいにご機嫌を損ねたビル・オライリー氏が、自分のラジオ番組で以下のような発言をしている。(2004年6月17日放送分)

オライリー:
「(イラク人全体の)たった2%しか米軍に感謝していないなんてことは・・・止めとこう。これはもうだめだ。無理だな。もうイラク国民なんかに全く敬意は感じないね。全く尊敬できない。思うんだが、連中は原始人だからな。それが理由だろう。

確かに連中は怖がっているんだ。連中は自由ってものを知らないからな。わかるね。もうイラク国民に敬意を払うなんて必要ないね。アメリカ人たちが民主主義的な社会を根付かせようとして死んでるってのに、2%の国民しか喜んでくれないんだ。そろそろもっと賢くなる時期だよ。

今回は大きな教訓になった。もうイスラム世界に我々が干渉するのは止めにしよう。我々に出来ることは、連中を爆撃して徹底的に痛めつけることだ。バルカンでやってやったように。徹底的に爆撃しろ。地上軍の展開はもうやめたほうがいい。連中の心をつかむなんてうまくいくはずがない。連中は原始人なんだから。(They're just people who are primitive)」


オライリー氏がどれだけの米国民の声を代弁しているかは定かではないが、米駐留軍がオライリー氏と同じ考え方をしているのは間違いなさそうだ。この発言が放送されてから2日後の6月19日、イラクのファルージャで駐留米軍による大規模な爆撃が再開された。米軍は「原始人」を狙ったつもりかもしれないが、そこで死んだのは普通のイラク人家族だったのである

オライリー氏の言う「原始人」も、司法長官のいう「国際的テロリスト」も、オーバルオフィスを捜索すれば見つけることが出来るというのに・・・

2004/06/20

「アッシュクロフトは史上最悪の司法長官」byポール・クルーグマン

ニューヨークタイムズ2004/06/15付けコラムより。

人気経済学者ポール・クルーグマンのニューヨークタイムズ連載コラム最新版を以下に全文翻訳掲載しました。(文中リンクは訳者による)



歪曲された司法(Travesty of Justice)


by ポール・クルーグマン


もはや疑問の余地はない。ジョン・アッシュクロフトは史上最悪の司法長官だ。

今回は、アッシュクロフト氏のテロとの闘いについて焦点をあわせてみよう。911テロ事件以前、彼はテロの危険についてほとんど関心を示していなかった。2001年5月の司法省の優先事項に関するメモによれば、テロ対策について言及することさえなかった。911テロ独立調査委員会が彼にそのことを尋ねたところ、アッシュクロフト氏はクリントン政権を非難し、委員会のメンバーに対して個人攻撃を試みた。

アッシュクロフト氏の911テロ以降の政策が、テロリズムから合衆国を守ることになっているかどうかを直接判断することはできない。しかし多くの証拠から、それを推測することはできる。

まず第一に、大きな訴追がひとつも成功していない。重大にみえたテロ嫌疑訴訟も---「デトロイトの三人組」の件である---検察の違法行為に対する批判を巡り崩壊寸前だ。(訴訟を台無しにしたということで、検察官はアッシュクロフト氏を警告の意味を込めて告訴した。そのお返しに司法省は、検察官への捜査を開始している。復讐?それは読者の判断に委ねよう)

それに、大捕り物が何もない。どこかで、炭素菌事件の犯人は笑っていることだろう。しかし司法省は---皆さんもこれを知ったら嬉しくなるだろうが---ニューヨーク・バッファロー地区の美術教授を、無害のバクテリアがペトリ皿に含まれていたという件で、バイオテロリズム容疑で起訴するかどうか決定しようとしている最中なのだ。

おそらく、アッシュクロフト氏の性質を示すもっとも明白な事例は、仕事振りを批判された際のアッシュクロフト氏自身の対応だろう。彼の最初の行動は、証拠を隠すことだ。そして次に、ドラマティックにテロの危険性を宣言することで、話題を変えようとする。

アッシュクロフト氏が公的な検証を凍結した例として、例えばシーベル・エドモンズの件がある。彼女は元FBIの通訳官で、捜査当局の通訳部門が無能さと堕落に蝕まれていることや、FBIがテロ警告を無視した件で当局を告発した人物だ。2002年に、彼女は組織内部で行われた非公開の聴聞会で証言している。チャールズ・グラスレイ議員は彼女のことを「とても信頼できる・・・なぜならFBI内部の他の職員が彼女の証言の大部分を裏付けているからだ」と評していた。

しかし、司法省は滅多に使われることのない「国家守秘特権」を行使して、エドモンズ嬢が証拠を提出することを妨害した。そして先月、当局はFBIによって行われた2年前の聴聞に遡り、グラスレイ議員が言及した聴聞会の記録までを極秘扱いにした。

話題を変えるという事例では、ホセ・パディラ事件(アブダル・アル・ムジャヒル事件)を考えてみよう。2002年5月にパディラ氏が逮捕されたことについて公的な報告は何もされていなかった。しかし2002年6月6日、コリーン・ロウレイが議会証言で911テロ以前のFBIの失策について暴露し(アッシュクロフト氏にも報告済みだ)問題になった。4日後、アッシュクロフト氏はドラマティックな記者会見を開き、パディラ氏が国内テロ計画に関わっていたと報告した。ロウレイ嬢の告発の内容が注目される代わりに、ニュース誌は一斉に、アッシュクロフト氏が報告した「ダーティーボマー:放射性爆弾魔」が何千人もの人を放射能で殺す計画を立てていたという話題を報道した。

パディラ氏は「敵戦闘員」として拘束され、全ての権利を剥奪されていた。しかしニューズウィークがレポートしたところでは、「政権内の幹部が認めたところによれば、パディラ氏の拘束された際の容疑は---合衆国内で放射性爆弾を設置する専門家としてテロ組織から派遣されたという容疑---全くの間違いで、法廷にまで持ち込まれることもないだろう」とのことだった。

しかし最も重要なのは、あのメモのことだ。先週、アッシュクロフト氏は、明らかに議会を軽視すべく、2年前に用意されたという虐待に関するメモを公開することを拒否した。あいにく、彼の隠蔽作業は効果がなかった。ワシントンポストがメモのコピーを入手してウェブサイトで公開したからだ。

メモの大部分は虐待を認める内容だった---囚人を苦しめる痛みが「臓器の障害など、深刻な肉体上の損傷を与えるものでないかぎり」それは虐待ではないという内容である。とにかく、メモが表現していることは、虐待を禁じる連邦法は、敵戦闘員の尋問の際には適用されず、最高司令官の指示に従うべきであるということだった。言い換えれば、大統領は法律よりも上位に君臨しているわけだ。

メモの内容は日曜日(6/13)遅くに明らかになった。すると、アッシュクロフト氏は昨日(6/14)、記者会見を開いた。内容は、オハイオのショッピングモールを爆破しようと計画したという容疑で、ある人物を告発したというものだった。そのタイミングは・・・いや、全く、なんという偶然だろう。

2004/06/17

保守系タレント、オライリー吼える:マイケル・ムーアはナチ宣伝相ゲッペルスで、彼を支持するハリウッド有名人はナチス支持者・・・

Media Matters for America2004/06/14記事より。

保守系タレントとして米国で絶大な人気を誇るビル・オライリーが、「華氏911」プレミア上映に合わせて、例によってムチャクチャな発言をしている。オライリーにかかれば、マイケル・ムーアもアル・フランケンも、皆ナチスにされてしまうのだ。(ユダヤ人のアル・フランケンは自分の番組でこの発言をとりあげ笑い飛ばしていたが・・・)以下にその発言を引用しておこう。

「ヨゼフ・ゲッペルスはナチスドイツの宣伝大臣だったが、こんな有名な言葉を残している。“嘘でも充分に繰り返し続ければ、真実になる”いいかな?“嘘でも充分に繰り返し続ければ、真実になる”。これはまさしく、スチュアート・スマイリー(アル・フランケンがサタデーナイトライブで演じたキャラクター)やマイケル・ムーアとか、その取り巻き連中のことを表してるんだよ。連中は今も忙しく動き回ってる」

「ところで昨夜の(華氏911)プレミア上映会には、誰が行ったのかな?準備は良いかね諸君?さあ、これからプレミアにやって来た有名人たちを紹介するぞ。ヨゼフ・ゲッペルスが、ポーランドが第三帝国に侵攻したと大衆を説得するのを観に来たような連中だ。同じようなもんだよ。プロパガンダはプロパガンダだ、そうだろ?・・・ビリー・クリスタル、マーチン・シーン、レオナルド・ディカプリオ、エレン・デジュネレス、デビッド・ドカブニー、シャロン・ストーン、メグ・ライアン、アシュトン・カッチャー、デミ・ムーア、ノーマン・レア、ロブ・ライナー、ジョディ・フォスター、クリス・ロック、ラリー・デビッド、ジャック・ブラック、マシュー・ペリー、ダイアン・レイン

---ビル・オライリー、自らの番組The Radio Factor with Bill O'Reilly2004/06/10での発言---

ブッシュ政権を強力に支持し、「大量破壊兵器は絶対にある」とがんばって、結局テレビで謝罪に追い込まれたオライリー氏。今度はハリウッドで謝罪することになるだろう。

レオナルド・ディカプリオ、スパイク・リー、「華氏911」を熱く語る

ニューヨークデイリーニュースの記事より。

マイケル・ムーアの「華氏911」プレミア上映会に参加したハリウッドの人々の中で、とりわけ同作品に入れあげているスターがいる。レオナルド・ディカプリオだ。自らの公式サイトを環境保護活動と選挙啓蒙に塗り替えているディカプリオは、先週末のロスアンゼルスでのプレミア上映会にも、今週のニューヨークでのプレミアにも参加して、マイケル・ムーアを追っかけているという。本人の言葉を以下に引用してみよう。

「(次回大統領選挙で)誰に投票するかで静観している人たちは大勢居ると思うけど、この作品(華氏911)を観た後なら、決心できるんじゃないかな。若い人たちは前回選挙に参加しなかったけど、問題だね。次回の選挙はそれが最大の課題になるだろうな。若い人はできるだけ大勢の仲間を誘って、投票に連れて行って自分の支持する候補者にきちんと投票するといいよ」

ディカプリオはインタビューでジョン・ケリーに投票すると堂々宣言している。

同じくプレミアに参加したスパイク・リーは、全米映画協会(MPAA)が「華氏911」をR指定(17歳以下は成人の同伴が必要)したことについて、以下のように語っている。

「年齢制限なんてずるいよ。とにかく子供もこの作品を観るべきだ。ジョン・タットゥーロなんか、今夜は息子を連れてきたぞ。規制したがる連中はバイオレンスシーンにこだわっているけど、子供たちはもっとすごいバイオレンスをビデオで観てるんだから・・・もっとも、この作品は架空の話じゃない。銃を撃ったら、弾丸がどんなことになるか、子供でも観ておくべきだよ」

2004/06/15

マイケル・ムーア「華氏911」全米上映を妨害する大規模キャンペーンと、その背後にあるもの

Alternative Press Review2004/06/13付記事より。

マイケル・ムーアの「華氏911」の全米公開を妨害する大規模な運動がアメリカ国内で開始されている。保守系団体サイト「Move America Forward」がアメリカ国民に呼びかける「STOP MICHAEL MOORE」キャンペーンサイトを見れば、上映妨害活動の概要が理解できる。

この運動の中心は、「華氏911」を上映する予定の映画館に直接抗議をすることにあるらしく、ご親切にも全米の上映映画館の連絡先をリストアップしている。皆さんのご想像されるとおり、リストに掲載されている映画館のオーナーの何人かは、すでに「死刑宣告」の電話メッセージを受信しているという。

この「華氏911上映妨害キャンペーン」に協賛しているのが、フロリダ州を拠点とする保守系ニュースサイトNewsMax.com」というのも面白い。このようにニュースメディア企業が堂々と言論封鎖活動を宣言するあたり、いかにも現代アメリカらしい出来事である。(ちなみに、NewsMax社自身の調査によれば、同ニュースサイト読者の86%が「アメリカがサポートすべき国」としてイスラエルを挙げている。これまた興味深い調査結果だ)

ところでこの「Move America Forward」というサイトを支援している別の企業がある。上映妨害キャンペーンにいち早く気づいた「WhatReallyHappened.com」サイト管理者が、さっそくドメイン所有者をDNS登録から調べてみると、カリフォルニア州サクラメントのPR企業、ルッソ・マーシュ&ロジャース社(Russo Marsh & Rogers)であることが判明した。

ルッソ・マーシュ&ロジャース社は共和党をクライアントにしているPR企業で、同社の代表であるサル・ルッソ氏カリフォルニア州知事グレイ・デイビスのリコール活動にアドバイザーとして参加していた。「Move America Forward」サイト上にも名を出しているルッソ氏は、なぜか(ドメイン申請をした)自身のPR企業については伏せている。(この情報が流通した直後に、Move America Forwardのドメイン情報はハワード・カルージアンという個人名義/サイト主宰者に変更された。この人物もカリフォルニア州知事リコール活動に従事していた人物で、共和党から議員に立候補している。その後さらにDNS登録内容は変更され、現在はドメイン所有者を参照できなくなっているようだ。)

ひとくちメモ:

カリフォルニア州知事リコール運動の背後にいたのが、エネルギー企業エンロン社。(他のエネルギー企業も含めて)エンロン社は、デービス知事&ブスタマンテ副知事のカリフォルニア州から、電気供給量と価格操作の件カリフォルニア電力危機事件の原因)で不正に得た収益90億ドルを返還するよう訴えられていた

この訴訟に対抗するために、エンロン元CEOのケネス・レイが誘い出したのが、アーノルド・シュワルツネガーである。このステロイド漬けヒーローは、州知事に就任して三日後に、カリフォルニア州のエンロン社に対する訴訟の進行を事実上停止させた。

果たしてアメリカ国民は、無事に911テロの真相に近づくことができるだろうか?それとも、「アメリカを前進させよう/Move America Forward(「前だけ向いてろ!とも読める」)」という不気味なメッセージに、またしても惑わされてしまうだろうか?

2004/06/14

「電子投票---表舞台にはまだ早い」byハワード・ディーン

政治風刺漫画サイトCagle Cartoonsの2004/05/31付けコラムより。民主党大統領候補ハワード・ディーンの連載コラム第1回分を、以下に全訳掲載。

大手メディアからの執拗なバッシングと、選挙チームの資金難から、大掛かりな選挙キャンペーンを中止しているとはいえ、ハワード・ディーンは再び注目を集めつつあるようだ。民主党リベラル派および中道派にとっては、相変わらずジョン・ケリー以上に影響力を持っているという見方もある

Democracy for America」として生まれ変わった草の根支持団体の活動も順調で、「ディーン世代」と呼ばれる若い政治家を次々と誕生させている。ディーン候補のド根性溢れる(無鉄砲な)スピーチと草の根活動は、民主党が忘れかけていた気骨を呼び覚ましはじめたのかもしれない。



「電子投票---表舞台にはまだ早い」
(Electronic Voting - Not Ready For Prime Time )

by ハワード・ディーン


2000年12月、連邦最高裁の5人の判事は、フロリダ州大統領選挙投票の数えなおしは是認できないと結論するに至った。この決定により、フロリダ州最高裁が州内全ての投票の数えなおしを要求したにもかかわらず、僅か537票差で勝敗を決定する大統領選挙を生み出すことになったのだ。州内での選挙不正に関する明確な情報に直面して、合衆国の最高司法の決定は、全てのアメリカ人の投票が実際に数えられるかどうかについて重大な不信感を作り出した。フロリダ州で起こったことを今更ひっくり返すことはできないが、同じ事態が再び起こることを防ぐために、私たちは民主主義に対する責任を負っている。

政治家の中には、この問題を解決する答えは電子投票にあると信じる者もいるようだ。最近、連邦政府は、「タッチスクリーン」投票機の利用を促進する法案を成立させたが、当の電子投票システムは票集計内容を記録する機能を持たないために、票の再集計ができない。さらに、その電子投票機は、投票者が本当に希望する候補者に投票したかどうかを確認する機能すら持たないのだ。あいにく、今年11月には、アメリカ国民の内28%、約5,000万人が、その電子投票システムを利用することになるわけで、信頼できない不確実な投票結果が生じる可能性がある。

2000年に利用されはじめたばかりのタッチスクリーン式電子投票システムは、利用が拡大するにつれ、信頼性の欠如による問題を発生させている。例えば、ノースカロライナ州ウェイク郡では、2002年に、ソフトの不具合により436票が消失している。ミシシッピー州ハインズ郡では、投票機のトラブルが多すぎて有権者が投票できず、選挙そのものをやり直すことになった。ヴァージニア州フェアファックスの選挙管理担当者によれば、最近の選挙では100人につき1人の票が消失していたそうだ。多くの州では、ニューハンプシャー州やメーン州の例のように、紙の記録を残さない(ペーパーレス)タッチスクリーン投票機の利用を禁止することになり、他の州でも同様の決定を行う計画であるという。

信頼性も透明性も欠如している状況では、いくら機械が動作しても、正しく動作しているのかどうかを検証することができない。アメリカ国民は、少なくとも進行中の不具合と技術的失敗の防止に必要な時間を確保するため、2006年度選挙までは、ペーパーレス電子投票機の利用を容認すべきではないのである。なんとしてでも、全ての有権者が、投票が集計される前に、自分の投票内容を、正確な紙の記録を残すことによって確認できるようにすべきであろう。

民主党支持者も共和党支持者も、この民主主義に対する重大な打撃となる可能性を修正することに、真剣に取り組もうとしている。ラッシュ・ホルト議員(ニュージャージ州議員/民主党)の提出した超党派の法案は、紙の記録を求める法案のひとつだが、できるだけ早く議会で承認されるべきであろう。VerifiedVoting.orgなどの組織によって活発化している、確認可能な投票システムを支持する草の根活動は、国民全体の機運に適ったものなのである。

私たちの民主主義や分別を存続することは、党派には無関係である。国民と国家全体の価値以上に、片方の党派の成功を優先するようなことはできないし、してはならない。50州をまとめる政府として、共和党員・民主党員のどちらに対しても、2006年まで、あるいは充分に信頼できる状態で再集計が可能になる日まで、ペーパーレス電子投票機を箱に収めたままにしておくことをお願いしたい。誰が勝利しようと、民主主義の下では全ての票は数えられるべきなのである。その基本原則を廃止することは、アメリカを捨てることと同じだ。



2004/06/13

マイケル・ムーア、次回作のターゲットは英ブレア首相?

華氏911ポスター1

アルジャジーラ2004/06/12付記事より。

マイケル・ムーアは、最新作「華氏911」の主役(?)にブッシュを選択したが、英ブレア首相についてもおおいに関心があるという。記事中からムーア本人の発言を以下に引用してみよう。

「個人的には、ブッシュよりもブレアのほうが、イラク戦争に関してより責任を負っていると思うね。その理由は、ブレアのほうがより事情に通じていたはずだからだ。ブレアは馬鹿じゃないからね。(ブッシュと)仲良くしたところで、一体ブレアに何の得があるんだろう?(中略)ブレアに関する別の作品を作る必要があると思っているんだ。ブレアとイギリスに対しても何かしてやらなくちゃな
華氏911ポスター2

ところで、作品の公開に先立って、マイケル・ムーアのオフィスでは、ビル・クリントンとアル・ゴアの政策アドバイザーだったクリス・レーン(Chris Lehane )とマーク・ファビアニ(Mark Fabiani)を雇い入れて、ブッシュ支持層とホワイトハウス周辺(及び“ブッシュの頭脳"カール・ローブ)からのメディアを使った攻撃に対抗する「メディア対策本部」を立ち上げたということである。(まるで選挙キャンペーンだ!)

全米公開に先だって行われた米映画芸術科学アカデミーでの試写会でも、「華氏911」は600人のアカデミー会員からスタンディングオベーションと共に絶賛されたという。一年前のアカデミー授賞式でのブーイングも記憶に新しいが、今年はどんな騒動となるか楽しみである。

(2004/06/14追記:ムーア公式サイトの本人メッセージに「脅かしてごめんよ、トニー。」というタイトルで、次回作についてのコメントがジョークであることが告白されている。)

2004/06/11

ラムズフェルド妻、ベッドで夫に「ビン・ラディンは何処?」

英BBC2004/06/04付け記事より。

シンガポールで、米艦船エセックス艦の乗組員達を前に、ラムズフェルド米国防長官がスピーチで意外なノロケ話を披露した。

「朝、ベッドルームから出ると、妻が寝返りながら言うんだ。“UBL(ウサマ・ビン・ラディン)は何処?”」
("When I walk out of the bedroom in the morning, my wife frequently rolls over and says, 'Where's UBL?'" he said, referring to the spelling "Usama".)


世界の批判を無視することに慣れているラムズフェルド氏も、妻の声だけは耳に届くようである。国防長官は真面目にウサマ・ビン・ラディンを追跡するつもりなのだろうか?以下に発言を引用してみよう。
「奴(ビン・ラディン)はプレッシャーを感じているだろう。しかし、彼が何処にいるか、我々は知らない。もし知っていたとしたら、捕まえに出かけるだろう。(しかし)彼が見つかるまでは、彼は捕まっていないのだ。」
("He is under pressure, but where he is, we don't know. If we knew, we would go find him. [But] until he's caught, he's not caught." )

「彼(ビン・ラディン)を見つける唯一の方法は、関係者に十分なプレッシャーを与えて、彼が隠れている場所を知りうる人物について知っている人物が何処に居るかについて誰が掴んでいるかを見つけることである。」
("The only way we ever found him is finally somebody put enough pressure on enough people to find out that somebody had an idea where somebody might know somebody who might know somebody who would know where he might have been," )

相変わらず人を馬鹿にしたスピーチだ。ところで、米国防長官が愚かな言葉遊びで失笑されている間に、追われているはずのウサマは新たな資金を調達できそうである。ドバイで計画中の、世界一背が高いビル建設業務を受注したのは、ビン・ラディン建設グループであった。

一方で米国防総省は、職員用に購入したまま未使用だった航空チケット代金の支払いで約1億ドルを無駄にしたという

おそらくラムズフェルド国防長官は、防衛予算を無駄遣いしている悪者達の捜査(もしくは隠蔽)で忙しいので、駐留軍の装備やビン・ラディンの行方やイラクの刑務所の管理など構っていられないのだろう。

ビン・ラディンとラムズフェルド。テロとの闘いにスコアがあるとしたら、リードしているのは・・・

2004/06/10

「大脱走」by クレイグ・アンガー

ニューヨークタイムズ2004/06/01付けコラムより。(CommonDreams転載

イギリスで発禁処分となった問題作「House of Bush, House of Saud: The Secret Relationship Between the World's Two Most Powerful Dynasties」の著者、クレイグ・アンガー氏の記事を以下に全文翻訳掲載。同氏はマイケル・ムーアの「華氏911」にも情報提供している注目のジャーナリスト。しかし扱っている内容が危険すぎる・・・



「大脱走(The Great Escape)」


by クレイグ・アンガー


911テロ独立調査委員会が、あのテロ攻撃についての全ての疑問の答えを提示すると考えているアメリカ人たちは、---特に、テロ直後の、サウジアラビア人たちの極秘渡航に興味のある方々は---痛ましくも失望しかけているのではないだろうか?

19人のハイジャック犯のうち、15人がサウジアラビア人であることはご存知と思う。サウジアラビア人であるオサマ・ビン・ラディンが、911テロの背後にいることも承知している。しかし、我々は、出国したサウジアラビア人たち---24人のビン・ラディン近親者を含む---に対して、捜査をしなかったのである。もちろん、彼等がテロに共謀していたなどと言っているわけではないが。

残念ながら、我々が真実を知ることはないのかもしれない。調査委員会はすでに、「サウジアラビア国籍の特別チャーター機が航空機の航行再開前に米国を飛び立ったという信頼に足る証拠は存在しない」と結論づけている。しかし実際には、サウジアラビア人たちの航空機が脱出を始めたとき、アメリカ領空域の航行はまだ大部分禁止されていたのだ。

また、新たな証拠が示すところによれば、142人以上のサウジアラビア人が6機のチャーター機に分乗して米国を脱出しているが、これについて委員会は調査中である。さらに、新たに発表された記録によれば、160人のサウジアラビア人が55便の航空機で911テロ直後に米国を脱出している---つまり、合計で300人ほどが、明らかにブッシュ政権の承認の下、出国しているわけで、当初報告された人数をはるかに上回っているのである。その記録は国土安全保障省によってリリースされたが、情報公開法を盾に当該記録の公開を請求したのはワシントンの超党派監視団体、Judicial Watchであった。

新たに発覚した航空機の圧倒的多数はチャーター機ではなく商用旅客機であり、たった2、3人のサウジアラビア人を搭乗させただけの便もいくつかあった。飛び立った場所はシカゴ、ダラス、デンバー、デトロイト、ヒューストンなど、20以上の地区に及んでいる。或るサウジアラビア航空機は46人のサウジアラビア人を搭乗させて、9月13日にケネディー空港を飛び立った。次の日には、別の便が13人のサウジアラビア人を乗せて飛び立っている。

委員会は、FBIがサウジ航空機の搭乗客をテロ監視リストに沿って照合したことを示す証拠をまだ何も見つけていないと主張している。新たに発覚したサウジ航空機の件は、調査委員会にさらなる課題を残すことになった。元テロ対策責任者のリチャード・クラークがザ・ヒル紙に最近語ったところによれば、脱出した航空機のいくつかは、彼の責任において承認されたことになっているという。しかし、その決定にブッシュ政権が関わっていたかどうかは、今のところ定かではない。

乗客たちは、オサマ・ビン・ラディンと何らかの関係があるかどうか、あるいは資金提供しているかについて尋問されるべきであった。サウジ王家がイスラムテロリスト組織に資金提供していた事実は、随分以前からわかっていたのだから、迂闊だったといわねばならない。アルカイダとサウド王家の仲介人として批判されていたアハムド・ビン・サルマン王子は、ケンタッキーから離陸した航空機のひとつに搭乗していた。脱出前に、彼はFBIの尋問を受けただろうか?

もし委員会が思い切ってこの問題をとりあげることになれば、アメリカの歴史上もっとも重要な国家安全調査として、政策上非難されることは間違いない。大統領選挙の年となれば、なおさらである。

しかし調査しなければ、事態をはるかに悪化させる危険性があるだろう。何百万人もの真実を求める人々のことは言うまでもなく、あの日命を失った何千もの人々を裏切ることになるからだ。


(補足情報)政府当局者は911テロ直後のサウジ関係者の脱出疑惑を3年間に渡り否定しているが、例えばテロ発生から2日後に、(ジェブ・ブッシュが知事を務める)フロリダ州タンパのタンパ国際空港から、元FBI捜査官と元タンパ警察官に付き添われて、3人のサウジアラビア人---1人は王室関係者---が離陸した事実が、タンパ国際空港の記録によって正式に確認されている。(St. Petersburg Times2004/06/09付記事より)

2004/06/09

クイズで考える奇妙な世界

BuzzFlash.com2004/06/08付け記事より。

モウリーン・ファレル氏(Maureen Farrell)の秀逸なコラム「いかにおかしなことになってしまったか?クイズで確認してみよう」を一部抜粋して翻訳したので、お試しあれ。私たちはこんなにも奇妙な事実を目にしているのである・・・



<問>:2003年4月、ニューヨークタイムズは、ブッシュ政権はイラクの4拠点に米軍の永久基地設置を計画中であると報じた。ドナルド・ラムズフェルドは疑惑をきっぱり否定しているが、2004年5月、作家のチャルマーズ・ジョンソン氏(訳注:「The Sorrows of Empire」著者)の語ったところによれば、米国政府が計画しているのは・・・:
  • a...約束どおり、イラクに永久基地は建設しない。
  • b...ドナルド・ラムズフェルドの正直さと率直さを褒め称える。
  • c...バグダッドに一箇所だけ米軍永久基地を建設する。
  • d...イラク国内に米軍永久基地を14拠点建設し、維持する。
正解:d
「もしイラクの人々に国を返すつもりならば、なぜ米軍は14拠点もの永久基地をイラクに現在も建設しているのでしょう?」(元記事)

<問>クリスチャン・サイエンス・モニターの記事によれば、米軍がイラクを占領してから、バグダッドの多くの大学教授、科学者、知識人たちは・・・
  • a...サダム・フセイン体制が消滅しておおいに安心した。
  • b...はじめて言論の自由を楽しんだ。
  • c...注意深く練られた連続暗殺計画により、処刑された。
  • d...マカレナダンスの方法を学んだ。
正解:c
「昨年4月から、40人ほどのイラク人科学者や大学教授達が殺されている。」(元記事

<問>ビレッジ・ボイス誌の記事によれば、ブッシュ大統領は「これまでの米国の政策を翻し、ヨルダン川西岸地区でのイスラエルの主権を支持することにした」のは、以下の出来事が発生して1週間後の成果であった:
  • a...中東地区におけるアメリカ政策の歴史を徹底的に調査。
  • b...「終末論者」(訳注:キリスト教原理主義者)達との2時間にわたる会談。
  • c...自転車で転んだ。
  • d...プレッツェルを喉に詰まらせた。
正解:b
「ブッシュは、イスラエルとの会談の前に、キリスト教原理主義者達に相談した」(元記事

<問>:UPI通信の報道によれば、軍の内部告発者であるジュリアン・グッドラム陸軍予備兵は、医療スタッフが解放を指示しているにも関わらず、鍵付きの精神科病棟に閉じ込められていた。彼が解放された際には・・・:
  • a...陸軍は謝罪した。
  • b...陸軍は彼を仕事に復帰させた。
  • c...陸軍は彼に6,000ドル余りを請求した。
  • d...陸軍は彼に一か月分のゾロフト(抗うつ剤)を処方した。
正解:c
「会計記録によると、陸軍は、(ジュリアン氏を2週間拘禁した後に)ワシントンのウォルターリード陸軍医療センター(訳注:拘禁された病院)の入院費用である6,000ドルを請求した」(元記事

<問>ニック・バーグ事件(訳注:イラクで活動していた民間人ニック・バーグ氏が、アブグレイブ刑務所事件の報復として、首を切断され処刑されたとされる映像がネットで公開された事件)の時系列順記録の矛盾点を調べていて、シドニー・モーニング・ヘラルド紙は、5月11日に撮影されたという「首切り処刑映像」はとりわけ奇妙だと結論付けた。その理由は・・・:
  • a...5月11日はイスラム教の安息日であった。
  • b...ニック・バーグの首を切られた死体は5月8日に発見されていた。
  • c...テロリストは11日にはすでに撃たれていた。
  • d...映像ファイルはハリウッドからアップロードされていた。
正解:b
「バグダッドの道路沿いに遺棄されていたバーグ氏の首無し死体が発見されたのは5月8日の土曜日、映像の中でアル・ザルカウィという名前と共に表示されている日付は5月11日・・・」(元記事

<問>:最新の記者会見で、ブッシュ大統領は「(アフマド・チャラビとは)一般教書演説の際に会っただけ」と語り、それ以上の話し合いの機会はなかったとしている。しかし、2月のテレビインタビューで、番組ホストのティム・ラセールにブッシュ大統領自身が語ったところによれば、チャラビ氏は・・・:
  • a...「オーバルオフィス(訳注:ホワイトハウスの大統領執務室)で、大統領と共にイラクの憲法について話し合った。」
  • b...「偶然にも何百万ドルもの米国民の税金を受け取った。」
  • c...「一般教書演説の最中に偶然にもローラ・ブッシュの後ろに座った。」
  • d...「黒ベレー帽をかぶっているところを、写真に撮影された」
正解:a
2004年2月13日付けのNBC放送「MEET THE PRESS WITH TIM RUSSERT」インタビュー記録で確認できる。

<問>:ロイター通信によれば、「ジョージ・W・ブッシュとジョン・ポール(ローマ法王)が、バチカンで平和について会談している最中、同行した米軍補佐官が手に提げていた分厚くて黒いアタッシュケースには、ある行動のために米国大統領が必要とするコードが内蔵されている。そのコードとは・・・:
  • a...「核戦争を開始するためのもの」
  • b...「ディック・チェイニーと連絡するためのもの」
  • c...「自由勲章の箱を開錠するためのもの」
  • d...「ホワイトハウスの電子メールにアクセスするためのもの」

「デモクラシーナウ!」のインタビューの際、CIAのベテラン、レイ・マクガバン氏の談話によれば、「(私は)これまでの(現ブッシュ政権の)3年半よりも、これからのほうがもっと怖い、というのは、ブッシュ政権は」・・・:
  • a...「シリアに侵攻するかもしれないから」
  • b...「イランに侵攻するかもしれないから」
  • c...「大量破壊兵器の発見に失敗するだろうから」
  • d...「大統領任期を4年間延長するために、超法規的な手段に訴えるべく何かをするつもりだから」
正解:d
デモクラシーナウ!の2004年6月3日付け放送分「ジョージ・テネット辞任特集」での談話。

<問>:2003年4月、ポール・クルーグマンはイラク戦争について調べていた時に「なにか奇妙なことが起こったにちがいない」と感じ、MSNBCのウェブサイトに掲載された「ホワイトハウス:ブッシュ、イラクについて虚偽の報告をする」というニュースが、数時間で削除されたことを指摘した
ニック・バーグ事件が報道され始めると、リンダ・S・ハードは、「ニック・バーグはイラクに滞在している時はアラビア語に苦労し、夜はアブ・グレイブで働いていた・・・」というMSNBCのニュースを見つけた。しかし、直後にMSNBCは・・・:
  • a...ニック・バーグとイラクに関する全ての情報を説明なしに削除した。
  • b...アブ・グレイブに関する部分を説明なしに削除した。
  • c...ニック・バーグがCIAエージェントであることをほのめかした。
  • d...ニック・バーグはアラビア語に堪能であると訂正した。
正解:b

「An MSNBC report read: "During his (Berg's) time in Iraq, he struggled with the Arabic language and worked at night on a tower at Abu Ghraib, a site of repeated attacks on US convoys and the location of the notorious prison where US soldiers abused Iraqi inmates". For some reason, MSNBC later removed this reference to Abu Ghraib from its article without explaining why.」
リンダ・S・ハードのブログ「Linda S. Heard: Conspiracy theories surround Berg 」より。

<問>:AP通信の報道によると、「アメリカ人が合衆国国内の燃料価格の記録的な高値に支払いを渋っている時、イラク人は1ガロンあたり5セントでガソリンを買うことが出来る」これは以下の事情のおかげである・・・:
  • a...「ついにイラク人は自分達の石油を管理することができるようになった」
  • b...「石油食料交換計画により、復興は順調である」
  • c...「アメリカ人の税金が何百万ドルも肩代わりされている結果である」
  • d...「イラクの給油所が“金曜日は5セント”セールを実行したおかげである」

<問>:USAトゥデイの記事によれば、14ヶ国調査(ベルギー、中国、コロンビア、フランス、ドイツ、イタリア、日本、レバノン、メキシコ、オランダ、ナイジェリア、スペイン、ウクライナ、アメリカ合衆国)において、アメリカ合衆国が最も高い数値を示したのは
  • a...識字率
  • b...離婚率
  • c...精神疾患率
  • d...自動車泥棒
正解:c
「不安障害とうつ病を含めた精神疾患は、発展途上国と先進国における共通課題だが、14ヶ国のうち、精神疾患率が最大なのはアメリカ合衆国であることが調査で判明した」(元記事

2004/06/07

グレッグ・パラスト、レーガンの死に贈る強烈コラム

ジャーナリスト、グレッグ・パラスト氏の2004/06/06付けコラムより。以下に全文を翻訳掲載。

美談だけが語られているレーガン元大統領の死に関する報道に対して、パラスト氏は強烈な怒りを表明しているようである。無理もない。レーガン政権はブッシュ政権の原型といわれ、イラン・コントラ事件は今日のアメリカ政府の暗黒面を象徴する先駆的な事件だった。(イラン・コントラ事件の闇の部分に関してはドキュメンタリー「COVERUP:Behind The Iran Contra Affair」が詳しい)
2004/06/10追加アルフランケンのラジオショー6月8日放送分にゲスト出演したパラスト氏の話「このコラム記事を公開した後、“オマエを殺してやる”っていうメールをゴマンと受け取ったよ


「殺人者で、臆病者で、詐欺師のレーガンの死にひと安心。
早死にするのは善人だけという証明がまたひとつ」

by グレッグ・パラスト

誰でもやりたくないことだ。死んだ人間のことを悪くいうべきじゃあないだろう。しかし今回は、誰かがそれをやらなきゃならない。

ロナルド・レーガンは詐欺師だった。レーガンは臆病者だった。そして、レーガンは殺人者だった。

1987年、私はニカラグアのチャグイティロ(Chaguitillo)という安っぽい小さな町で立ち往生していた。人々は腹を空かしていたが、充分親切だった。ただ1人、或る不機嫌な若い男を除いて。彼の妻は結核で死んだばかりだった。

抗生物質がいくらかでも手に入るなら、人は結核で死なずに済む。しかし、ロナルド・レーガンは---広い心を持つといわれた男だが---地元の人間によって選ばれた政府が気に入らないという理由で、ニカラグアへの医薬品の輸出を禁止したのだ。

若い女性の肺が詰まり、呼吸が止まっていく間、ロニー(レーガン)はにやにや笑って、ジョークを口にしていた。そして、三人の子の母親であるその女性が埋葬されている間、レーガンはお得意のB級映画の笑顔を見せたのだ。

ヒズボラのテロリスト達が、レバノンに居たアメリカ海兵隊の寝込みを一斉攻撃し、何百人も殺した時、テレビ向け兵士のレーガンは鞭を打たれた犬のように逃げ出し、それからくるりと向きを変えてグレナダに侵攻した。あの地中海のちっぽけな戦争は、レーガンが空港建設中のキューバ人達を撃ち殺す行列を維持するための残忍なPRスタントだった。

それに、私はナンシー夫人---デザイナードレスを着て意気揚々と歩く骸骨---のことも憶えている。レーガン家に流れ着いた贈り物のいくつかは---帽子から百万ドルの邸宅まで---政府の略奪品で充分な報酬を得た仲間たちから贈られたものだ。それは、かつては賄賂と呼ばれていたものである。

そして始終、おじいちゃんは笑顔で、自分の孫達の面倒すら見ようともしないのに「家族の大切さ」を繰り返し唱えて見せたのだ。

ニューヨークタイムズは、そのお決まりの死亡記事の中で、レーガンは「アメリカの小さな町の信条」「古きよき時代の価値観」が投影された人物だと書いた。「価値観」とは聞いて呆れる。それは組合つぶしであり、貧乏でデザイナードレスも買えないような連中に対する戦争宣言であり、億万長者がより多く稼ぐためにアメリカに飢餓を持ち込むことになった新しい下劣さの象徴だったのだ。

「小さな町」の信条だって?カリフォルニアの映画スターで、マリブの大御所が?いいかげんにしてくれ。

四六時中ホワイトハウスの地下にいて、脳みそが蒸発していった彼の最後の意識行動といったら、議会に対するクーデターの容認だった。レーガン政権の国防長官、キャスパー“ザ・ゴースト”ワインバーガーと発狂したオリバーノース大佐は、中東の怪物、アヤトラ・ホメイニ氏に武器を与えることを企んでいたのだ。

レーガンの子分達はジミー・カーターのことを嫌われ者の意気地なしと呼んだが、カーターはアヤトラ政権に一歩も譲らなかった。映画のファンタジーに生きるカメラ前だけのタフガイペテン師のレーガンは、怖気づいたゴキブリみたいにホメイニ氏に跪いて、人質解放を懇願したのだ。

オリバー・ノースはイランに飛び、狂信的な宗教指導者のための誕生日ケーキを持参した。それは鍵の形をしていた。レーガンのハートを開く鍵だ。

それから、レーガンは自らの臆病さに犯罪をミックスさせた。人質を獲られた相手から金を受け取り、「コントラ」のための銃を買ったのだ。コントラはニカラグアで自由の戦士を装っていた麻薬密売人たちのことである。

バークレイで学生時代を過ごした者として、拡声器でがなりたてられていた言葉を私は憶えている。「カリフォルニア州知事、ロナルド・レーガン、ここにデモの解散を命令する」そして、催涙ガスと警棒の登場だ。その間ずっと、毒牙が隠れた笑顔を浮かべるレーガンが居た。

チャグイティロでは、一晩中、レーガン仕込みのコントラテロリスト達から子供達を守るために、農民たちは眠らずに見張っていた。頭の壊れた合衆国大統領言うところの「共産主義者」である農民たちは、サンディニエスタ支持者でないというだけでなく、テキサスから車でわずか48時間の場所にいたのだ。連中はテキサスにとって一体なんだというのだ?

それでもなお、農民とその家族たちは、レーガンにとって標的だったのだ。

チャグイティロの閑散とした闇の中、TVは踊った。奇妙なことに、それは「悪党兄弟」というタイトルの三流ギャング映画で、主演はロナルド・レーガン!というわけだ。

まあ、皆さん、今夜は少しだけ落ち着いて眠れるでしょう。悪党は死んだのだから。

殺人者、臆病者、詐欺師のロナルド・レーガンよ、グッドバイ。いなくなって清々したよ。



2004/06/04

イラク戦争費用で何が買えたか

AP通信2004/06/01付記事(informationclearinghouse転載)より。

ブッシュ政権は、すでに1,194億ドル(約13兆2,564億6,000万円) をイラク戦争費用として投入しているが、それは一般的にどれぐらいすごい金額なのかをわかりやすく説明している。以下に一部を引用してみよう。

  • 1,194億ドルあれば、74万8,495人分---フロリダ州ジャクソンビルのほぼ全ての住民数に匹敵---のハーバード大学の4年間の費用を支払うことができる。(ハーバード大学の2004年度の学生の費用:授業料、雑費、家賃、食費の合計金額は1人あたり1年間で39,880ドル/約442万6,489円)
  • あるいは、280万6,506人分---シカゴの全住民数に匹敵---の平均的な4年生公立大学の4年間の費用を支払うことができる。(米大学入試センターの見積では、公立大学の1年間の費用は10,636ドル/約118万954円)
  • あるいは、米国で中流レベルの住宅(全米不動産業協会によれば、一件あたり174,100ドル/約1933万4,145円)を68万5,813人---テキサス州オースチンの住民数を少し超える人数---に与えることができる。
  • あるいは、キャディラック・エスカレードESVスポートモデル(定価58,360ドル/約648万1,110円)を204万5,922人分---テキサス州ヒューストンの全住民---に買い与えることができる。
  • あるいは、クイーン・メリー2号のスイートを借りて、英国サウザンプトンからニューヨークまでの6日間ツアー(4,699ドル/約52万1,807円)に、2,540万9,661人---アメリカ国民11人に1人---を招待することができる。
  • あるいは、ニューヨークのトランプ・ワールド・タワーの、4つのベッドルームがあるペントハウス(1700万ドル/約18億8,742万円)を7,024人分購入できる。
  • 1,194億ドルとは、バーモント州、ノース・ダコタ州、ワイオミング州、アラスカ州、サウスダコタ州、モンタナ州の、2003年度における全世帯収入金額の合計額に匹敵する。----バーモント州(190億ドル)、ノース・ダコタ州(185億ドル)、ワイオミング州(164億ドル)、アラスカ州(218億ドル)、サウスダコタ州(223億ドル)、モンタナ州(226億ドル)
  • 1,194億ドルをイラクの国民で均等に配分したとすれば、一人当たり4,776ドル(約53万108円)となる。これはイラクの一人当たり国民所得(600ドル)の8倍近い金額である。

つまり、ブッシュ政権が本気でイラク国民を助ける気があったなら---もちろんそんなつもりは毛頭ないのだろうが---武器を持たない女子供に銃弾を浴びせる代わりに、イラク戦争予算を札束にして、駐留軍兵士とハリバートン社員が総出で、イラクの全国民に直接手渡しすればよかったのかもしれないのである。その際、自衛隊は、日本での駅前ティッシュ配りの手順を彼等に指導するだけで済み、わざわざ国会で政治家が無駄な嘘を闘わせる必要もなく、イラクの人たちは以前と同じく水道が使えたかもしれない。

しかし実際には、ブッシュ政権は1,194億ドルで世界の怒りを買うことに決めたのである。その愚かな買物にショッピングバッグを持って付き添っている小泉政権は、日本人にとって誇りだろうか、恥だろうか?あるいは、日本人は判断することを放棄してしまったというのか。

2004/06/03

自由の為に戦場に赴き、帰還すれば路上生活者:米国で深刻化する退役軍人ホームレス問題

ロサンゼルスタイムズ2004/05/30付け記事(TheSunHerald転載)より。要約するには重過ぎる内容なので、以下に全文を翻訳掲載しました。



何千もの退役軍人が路上で眠り、ホームレスの英雄が溢れている


---問題解決に苦慮する退役軍人局と国防総省---

無事帰還を果たし、黄色いリボンが片付けられた後、かつてアメリカ合衆国陸海空軍に所属した者の多くは、最終的には舗道で眠ることになるかもしれない。

これは兵役についての、滅多に知られることのない追記事項である。連邦政府の報告によれば、アメリカでは兵役経験者は全国民のうち9%を占めているが、ホームレス人口のうち兵役経験者の占める割合は23%であるという。ホームレスの男性に関して言えば、兵役経験者は33%にもなるのである。

その集団には、ピーター・スタークスやカルビン・ベネットのような人々も含まれている。彼等は30年間近くをロサンゼルスの路上で過ごしているホームレスで、薬物中毒者である。

あるいは、ボストン在住のヴァネッサ・ターナーのような、昨夏イラクで負傷し、帰還してから医療保障を受けることが出来ず、住む場所を見つけられない人もいる。

ケン・サックスは枯葉剤作戦の結果、合併症で足を失い、カリフォルニア州サンタバーバラの格安アパートの隣人が車椅子用のスロープに文句をつけたことから、住居を失ってしまった。

「私は56歳になった」サックスは語る。「路上では死にたくないね。・・・これが(イラク駐留軍兵士が)戻ってくるべき故郷なのかね?連中も私みたいな人生を送ることになるんだろうか?彼等に神の祝福があらんことを。」

調査によれば、兵役についた男性は、そうでない男性より1.3倍ホームレスになる可能性が高く、兵役についた女性の場合では(ホームレスになる可能性は)3.6倍も高い。退役軍人局によれば、ベトナム戦争から帰還した兵士でホームレスになった人数は、ベトナムで死んだアメリカ兵の人数の2倍を超えるという。

過去には、退役軍人のホームレス調査データは存在すらしなかったと、米国庁間ホームレス協議会を率いるフィリップ・マンガノ氏は語っている。

「ずっと調査不足だったので、暗闇を手探りであたっているような状態です」

しかし1996年に、広範囲なホームレス調査が米国勢調査局と退役軍人局、その他連邦政府関係機関によって共同実施され、かつて制服を着ていた男女についての憂慮すべき外郭が浮かび上がることになったという。

ホームレスになった退役軍人のうち47%がベトナム戦争従軍兵ではあるが、調査では、はるか過去の第二次大戦従軍兵から最近の湾岸戦争従軍兵までがホームレスに陥っている実情が明らかになっている。

ホームレスになっている退役軍人の人数を正確に知ることは大切であるが、専門家によれば、約30万人もの退役軍人が日常的にホームレス生活を送っていて、1年の内に住居のない状態を経験している退役軍人は50万人ほどいるということである。

さて、イラクとアフガニスタンで戦闘が継続している状態で、社会福祉事業提供者たちは、この世代の兵士たちが帰還したら、どんなことになるか懸念している。

「兵士達が帰還したら、(社会福祉事業の人たちは)どうするつもりだろうね?旗を振ったりビールをおごったりする他に何ができる?」ポール・カマチョ氏は問いかける。彼はボストンのマサチューセッツ大学社会科学部教授で、ベトナム戦争従軍兵だ。

退役軍人がホームレスになる単一の原因を指摘することはできない。兵役を経験していない者に関しては、ホームレスになる理由は様々だ。高額な住居費用、失業、薬物乱用、教育不足等々。退役軍人の場合は、これら原因の他にも、戦傷、心的外傷後ストレス症候群、家族との亀裂などがあるだろう。

叩き上げの軍人から都会の放浪者への移行は、人生に何が欠けていて、何が足りているかということと同じくらいの問題を抱えている。厳格で、規則正しい軍隊生活では、全ての兵士に住居と食事と医療保護が提供されているので、必ずしも退役後に外の世界で経験する不規則な生活への準備ということにはならないのである。

住居の購入を助成するという退役軍人借入助成策は、極度に困難な生活を送っていて収入がほとんどない者にとって何の救いにもならない。

退役軍人のホームレス問題は、今のところ国防総省と退役軍人局の共通議題であると、退役軍人局ホームレス対策室の責任者、ピーター・ダファティ氏は話している。

「従来どおりに言えば、兵士が軍を去ってから経験する事柄については、軍部の懸念することではないのです。」

国防総省は、移管助成プログラムを創設し、軍隊生活から市民生活へのスムーズな移行を促進しているが、専門家の話では、そうした努力も問題解決には程遠いとのことである。


2004/06/02

「華氏911」:ブッシュ父の頭が沸騰する温度

New York Daily Newsの記事より。

ジョージ・H・W・ブッシュ第41代大統領が、第43代大統領を批判する映画に怒りまくりというニュース。マイケル・ムーアの「華氏911」の前評判がいいことにご立腹のようで、こんなことを言っている:

「ムーアを本当に軽蔑するよ

「私たちの息子に対する卑劣な攻撃だ」

「自由な国だから、何を言うのも自由だが、歓迎されるものではないね。気に入らないな」


作品中では、イラク戦争開始直前のバーバラ・ブッシュ(ブッシュ現大統領の母)の発言も引用されているとのこと。これに対してもブッシュ父は激怒している。
「(妻の)バーバラを引き合いに出すなんて、奴は常軌を逸している。彼女はキチンとした、素晴らしい人物だ。あの低俗な男(slimeball)が話すことに対して答えるのはもうたくさんだ」

これを聞いたマイケル・ムーアはこんなことを言っている:

「ブッシュ家からの作品に対する批評は全て歓迎するよ。どうやら観る前から気に入ってくれてるみたいだから、実際に作品を観た後の連中の評価が楽しみだな。もしも、ホワイトハウスで上映できるようなことになったら尚嬉しいね。(中略)バンダル・ブッシュも呼んでほしいもんだ」

ちなみに、ムーアが引用しているというバーバラ・ブッシュの(結構有名な)発言とはこれである:

「なぜ死体袋とか死人とか、何人とか、いつ始まるのかとか、聞かれなきゃならないの?そんなの・・・関係ないでしょ。なぜそんなことで私の美しい心をすり減らさなきゃならないの?(息子が)苦しんでるのを見たり---」
"But why should we hear about body bags, and deaths, and how many, what day it's gonna happen, and how many this or what do you suppose? Or, I mean, it's, it's not relevant. So why should I waste my beautiful mind on something like that? And watch him suffer"

---バーバラ・ブッシュ、イラク戦争直前の2003年3月18日、ABC放送「Good Morning America」の番組中インタビューで、イラク戦争について聞かれた際の発言

いかにも、現大統領の母らしい発言ではないか。そういえば、この元ファーストレディはラリーキングライブでも不気味な発言をしている

美しい心?息子が苦しんでる?あのブッシュが?苦しんでるとしたら「アブグレイブ刑務所」の発音だけだろう

(注:「華氏911」の全米公開日6月25日(金)に決定したらしい。)

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