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2004/06/03

自由の為に戦場に赴き、帰還すれば路上生活者:米国で深刻化する退役軍人ホームレス問題

ロサンゼルスタイムズ2004/05/30付け記事(TheSunHerald転載)より。要約するには重過ぎる内容なので、以下に全文を翻訳掲載しました。



何千もの退役軍人が路上で眠り、ホームレスの英雄が溢れている


---問題解決に苦慮する退役軍人局と国防総省---

無事帰還を果たし、黄色いリボンが片付けられた後、かつてアメリカ合衆国陸海空軍に所属した者の多くは、最終的には舗道で眠ることになるかもしれない。

これは兵役についての、滅多に知られることのない追記事項である。連邦政府の報告によれば、アメリカでは兵役経験者は全国民のうち9%を占めているが、ホームレス人口のうち兵役経験者の占める割合は23%であるという。ホームレスの男性に関して言えば、兵役経験者は33%にもなるのである。

その集団には、ピーター・スタークスやカルビン・ベネットのような人々も含まれている。彼等は30年間近くをロサンゼルスの路上で過ごしているホームレスで、薬物中毒者である。

あるいは、ボストン在住のヴァネッサ・ターナーのような、昨夏イラクで負傷し、帰還してから医療保障を受けることが出来ず、住む場所を見つけられない人もいる。

ケン・サックスは枯葉剤作戦の結果、合併症で足を失い、カリフォルニア州サンタバーバラの格安アパートの隣人が車椅子用のスロープに文句をつけたことから、住居を失ってしまった。

「私は56歳になった」サックスは語る。「路上では死にたくないね。・・・これが(イラク駐留軍兵士が)戻ってくるべき故郷なのかね?連中も私みたいな人生を送ることになるんだろうか?彼等に神の祝福があらんことを。」

調査によれば、兵役についた男性は、そうでない男性より1.3倍ホームレスになる可能性が高く、兵役についた女性の場合では(ホームレスになる可能性は)3.6倍も高い。退役軍人局によれば、ベトナム戦争から帰還した兵士でホームレスになった人数は、ベトナムで死んだアメリカ兵の人数の2倍を超えるという。

過去には、退役軍人のホームレス調査データは存在すらしなかったと、米国庁間ホームレス協議会を率いるフィリップ・マンガノ氏は語っている。

「ずっと調査不足だったので、暗闇を手探りであたっているような状態です」

しかし1996年に、広範囲なホームレス調査が米国勢調査局と退役軍人局、その他連邦政府関係機関によって共同実施され、かつて制服を着ていた男女についての憂慮すべき外郭が浮かび上がることになったという。

ホームレスになった退役軍人のうち47%がベトナム戦争従軍兵ではあるが、調査では、はるか過去の第二次大戦従軍兵から最近の湾岸戦争従軍兵までがホームレスに陥っている実情が明らかになっている。

ホームレスになっている退役軍人の人数を正確に知ることは大切であるが、専門家によれば、約30万人もの退役軍人が日常的にホームレス生活を送っていて、1年の内に住居のない状態を経験している退役軍人は50万人ほどいるということである。

さて、イラクとアフガニスタンで戦闘が継続している状態で、社会福祉事業提供者たちは、この世代の兵士たちが帰還したら、どんなことになるか懸念している。

「兵士達が帰還したら、(社会福祉事業の人たちは)どうするつもりだろうね?旗を振ったりビールをおごったりする他に何ができる?」ポール・カマチョ氏は問いかける。彼はボストンのマサチューセッツ大学社会科学部教授で、ベトナム戦争従軍兵だ。

退役軍人がホームレスになる単一の原因を指摘することはできない。兵役を経験していない者に関しては、ホームレスになる理由は様々だ。高額な住居費用、失業、薬物乱用、教育不足等々。退役軍人の場合は、これら原因の他にも、戦傷、心的外傷後ストレス症候群、家族との亀裂などがあるだろう。

叩き上げの軍人から都会の放浪者への移行は、人生に何が欠けていて、何が足りているかということと同じくらいの問題を抱えている。厳格で、規則正しい軍隊生活では、全ての兵士に住居と食事と医療保護が提供されているので、必ずしも退役後に外の世界で経験する不規則な生活への準備ということにはならないのである。

住居の購入を助成するという退役軍人借入助成策は、極度に困難な生活を送っていて収入がほとんどない者にとって何の救いにもならない。

退役軍人のホームレス問題は、今のところ国防総省と退役軍人局の共通議題であると、退役軍人局ホームレス対策室の責任者、ピーター・ダファティ氏は話している。

「従来どおりに言えば、兵士が軍を去ってから経験する事柄については、軍部の懸念することではないのです。」

国防総省は、移管助成プログラムを創設し、軍隊生活から市民生活へのスムーズな移行を促進しているが、専門家の話では、そうした努力も問題解決には程遠いとのことである。


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