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2004/06/20

「アッシュクロフトは史上最悪の司法長官」byポール・クルーグマン

ニューヨークタイムズ2004/06/15付けコラムより。

人気経済学者ポール・クルーグマンのニューヨークタイムズ連載コラム最新版を以下に全文翻訳掲載しました。(文中リンクは訳者による)



歪曲された司法(Travesty of Justice)


by ポール・クルーグマン


もはや疑問の余地はない。ジョン・アッシュクロフトは史上最悪の司法長官だ。

今回は、アッシュクロフト氏のテロとの闘いについて焦点をあわせてみよう。911テロ事件以前、彼はテロの危険についてほとんど関心を示していなかった。2001年5月の司法省の優先事項に関するメモによれば、テロ対策について言及することさえなかった。911テロ独立調査委員会が彼にそのことを尋ねたところ、アッシュクロフト氏はクリントン政権を非難し、委員会のメンバーに対して個人攻撃を試みた。

アッシュクロフト氏の911テロ以降の政策が、テロリズムから合衆国を守ることになっているかどうかを直接判断することはできない。しかし多くの証拠から、それを推測することはできる。

まず第一に、大きな訴追がひとつも成功していない。重大にみえたテロ嫌疑訴訟も---「デトロイトの三人組」の件である---検察の違法行為に対する批判を巡り崩壊寸前だ。(訴訟を台無しにしたということで、検察官はアッシュクロフト氏を警告の意味を込めて告訴した。そのお返しに司法省は、検察官への捜査を開始している。復讐?それは読者の判断に委ねよう)

それに、大捕り物が何もない。どこかで、炭素菌事件の犯人は笑っていることだろう。しかし司法省は---皆さんもこれを知ったら嬉しくなるだろうが---ニューヨーク・バッファロー地区の美術教授を、無害のバクテリアがペトリ皿に含まれていたという件で、バイオテロリズム容疑で起訴するかどうか決定しようとしている最中なのだ。

おそらく、アッシュクロフト氏の性質を示すもっとも明白な事例は、仕事振りを批判された際のアッシュクロフト氏自身の対応だろう。彼の最初の行動は、証拠を隠すことだ。そして次に、ドラマティックにテロの危険性を宣言することで、話題を変えようとする。

アッシュクロフト氏が公的な検証を凍結した例として、例えばシーベル・エドモンズの件がある。彼女は元FBIの通訳官で、捜査当局の通訳部門が無能さと堕落に蝕まれていることや、FBIがテロ警告を無視した件で当局を告発した人物だ。2002年に、彼女は組織内部で行われた非公開の聴聞会で証言している。チャールズ・グラスレイ議員は彼女のことを「とても信頼できる・・・なぜならFBI内部の他の職員が彼女の証言の大部分を裏付けているからだ」と評していた。

しかし、司法省は滅多に使われることのない「国家守秘特権」を行使して、エドモンズ嬢が証拠を提出することを妨害した。そして先月、当局はFBIによって行われた2年前の聴聞に遡り、グラスレイ議員が言及した聴聞会の記録までを極秘扱いにした。

話題を変えるという事例では、ホセ・パディラ事件(アブダル・アル・ムジャヒル事件)を考えてみよう。2002年5月にパディラ氏が逮捕されたことについて公的な報告は何もされていなかった。しかし2002年6月6日、コリーン・ロウレイが議会証言で911テロ以前のFBIの失策について暴露し(アッシュクロフト氏にも報告済みだ)問題になった。4日後、アッシュクロフト氏はドラマティックな記者会見を開き、パディラ氏が国内テロ計画に関わっていたと報告した。ロウレイ嬢の告発の内容が注目される代わりに、ニュース誌は一斉に、アッシュクロフト氏が報告した「ダーティーボマー:放射性爆弾魔」が何千人もの人を放射能で殺す計画を立てていたという話題を報道した。

パディラ氏は「敵戦闘員」として拘束され、全ての権利を剥奪されていた。しかしニューズウィークがレポートしたところでは、「政権内の幹部が認めたところによれば、パディラ氏の拘束された際の容疑は---合衆国内で放射性爆弾を設置する専門家としてテロ組織から派遣されたという容疑---全くの間違いで、法廷にまで持ち込まれることもないだろう」とのことだった。

しかし最も重要なのは、あのメモのことだ。先週、アッシュクロフト氏は、明らかに議会を軽視すべく、2年前に用意されたという虐待に関するメモを公開することを拒否した。あいにく、彼の隠蔽作業は効果がなかった。ワシントンポストがメモのコピーを入手してウェブサイトで公開したからだ。

メモの大部分は虐待を認める内容だった---囚人を苦しめる痛みが「臓器の障害など、深刻な肉体上の損傷を与えるものでないかぎり」それは虐待ではないという内容である。とにかく、メモが表現していることは、虐待を禁じる連邦法は、敵戦闘員の尋問の際には適用されず、最高司令官の指示に従うべきであるということだった。言い換えれば、大統領は法律よりも上位に君臨しているわけだ。

メモの内容は日曜日(6/13)遅くに明らかになった。すると、アッシュクロフト氏は昨日(6/14)、記者会見を開いた。内容は、オハイオのショッピングモールを爆破しようと計画したという容疑で、ある人物を告発したというものだった。そのタイミングは・・・いや、全く、なんという偶然だろう。

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