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2004/07/20

「正直な話し合い」byハワード・ディーン

Cagle Cartoons2004/07/05付けコラム記事より。ハワード・ディーンの人気コラムを以下に全文翻訳しました。米国の人種差別がいかに深刻な問題であるかについては、グレッグ・パラストのコラム「消えていく投票」も参照してください。



「正直な話し合い」

by ハワード・ディーン


合衆国建国記念日となるこの週末、私たちがアメリカ人としてどれほど誇ることができるかを考え直してみた。その誇りには確信がある。これまでの228年間、アメリカは世界中で正義と民主主義に力を注いできた。しかし、単に成果を褒め称えるのではなく、未来に向かって考えるのもアメリカ人気質というものだ。そこで、私はアメリカの白人の1人として、7月4日の建国記念日を祝うにあたり、人種問題について正直に話したい。50年間、さらには遥か150年間かけて、私たちは長い道のりを歩いてきた。しかし、まだまだ先は遠いのである。

昨年、ウォールストリートジャーナル紙の伝えたところでは、何らかの資格を持ち、過去に犯歴のないアフリカ系アメリカ人の求職者が二次面接を受ける確率は、同じくらいの資格を持ち、薬物犯罪で有罪判決を受けた経験のある白人求職者よりも、はるかに低いという事実が調査で判明したという。ヒスパニック系アメリカ人の子供が、他のどの層の子供よりも医療保険加入率が低いことはすでに知れ渡っているし、アフリカ系アメリカ人は幼児死亡率が最も高いことも周知の事実である。

白人の全てが人種差別主義であるとは信じたくない。しかし、白人は人種問題に関して無関心であることが多く、それが非白人にとっては人種差別と受け取られていると思う。元来、人類は自民族中心主義的な存在なのだ。誰でも、同じ境遇で育ってきた人々同士で寄り添うことを好むものである。同じ宗教、同じ文化、同じ言語に肌の色も同じ人々同士のことである。

残念ながら、雇用の際にも、以上と同じような理由で、我々は自分と同じ境遇の人材を採用する傾向にある。我々全て---白人、黒人、ヒスパニック、男性、女性、同性愛者、異性愛者---誰もが無意識のうちに、同じ境遇の人材を雇用しがちだ。白人が多数を占める社会では、通常は雇用側でも多数派を占めることから、白人はしばしば優遇されることになる。雇用における人種差別が発生する理由は、意識的に人種差別をしているのではなく、無意識のうちに同じ人種を採用している事実に気づかないことが原因なのだ。

アファーマティブ・アクション(マイノリティー優遇措置)は、反対論者が言っているような、白人に対する差別とはならない。アファーマティブ・アクションは割り当て措置ではないのだ。大企業の人事担当者なら理解しているだろうが、アファーマティブ・アクションとは、無意識のうちに自民族中心主義的バイアスに陥り、それが採用場面で異なるバックグラウンドを持つ求職者への面接に影響を与えていることを雇用者側に対して理解させることに重点を置く措置なのである。

アメリカの有色人種は、制度化された人種差別と批判し、白人は自分達が不当に非難されていると思っている。制度化された人種差別とは、雇用する側が常に人種差別主義者であるという意味ではない。制度化された人種差別とは、私たち自身の、自分達と違う集団に対するバイアスへの無関心によって、人種差別が慣習となってしまう状態を意味する。

まだまだ道のりは遠い。人種に関わる不愉快な事態に、立ち止まってみる必要もある。人種問題に関しておおっぴらに話すことは、難しい上に感情的になりがちである。しかし、そうした話し合いこそ、アメリカが常に目指している変化へと我々を導くのである。課題は解決されていないのだから、この重要な話し合いを、さらに継続していくべきなのである。


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