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2004/07/18

独裁者の後任に独裁者:イラク新首相、主権移譲直前に自ら反政府活動家を撃ち殺す?

シドニー・モーニング・ヘラルド紙2004/07/17付け記事より(Common Dreams転載

イラクの新首相、アヤド・アラウィが、主権移譲直前に、6人の反政府活動家を自ら銃をとって撃ち殺したという目撃情報が報道されている。(時事通信の記事もあり

殺害されたとされる反政府活動家は、バグダッド警察署爆破テロの件で拘束されていた容疑者達で、目隠しされ手錠をかけられた状態でアル・アマリヤ・セキュリティセンターの中庭の壁に立たされ、イラク警察官と4人のアメリカ人ガードマンの目前で、アラウィ首相自ら手にした銃によって射殺されたという。目撃者の証言によれば、アラウィ首相は集まった警官たちに「反政府活動家たちの扱い方について明確なメッセージを警官たちに伝えたかった」と語ったらしい。処刑現場にはイラク内相ファラハ・ナキーブ氏も同席し、アラウィ氏の行動を讃えたという。

この報道について、アラウィ氏・ナキーブ氏の両者とも「単なる噂」と疑惑を否定している。また、米イラク大使のネグロポンテ氏は同紙の取材に対し「噂にいちいち対応していたら他のビジネスを行う時間がなくなってしまう。米大使館の広報にとってみれば、この件は解決済みだ」とメールで回答したという。

他のビジネス」?・・・もしネグロポンテの主張を「ビジネスライク」に解釈するならば、こういうことである:「ホワイトハウス.incの「イラクの自由キャンペーン」は6月末で終了しました。米国政府は「民主主義ブランド」のライセンスを販売しただけで、FC店である新イラク政権が7月から独自に行っている「アラウィの恐怖キャンペーン」については(選挙準備に忙しい)本部としては関知しておりません!」

ところで、イラク新首相アヤド・アラウィとは何者なのか。その経歴について伝える報道はいくらでもあるが、毎日中学生新聞(2004年6月3日)「ニュースの言葉」で、アラウィ氏の経歴を大変わかりやすく説明してくれているので以下に引用する。

(アラウィ氏の経歴)1945年生まれの58歳(さい)。精神科医。イスラム教シーア派で旧イラク王室に近い名家の出身。アラブ社会主義政党「バース党」の党員だったが、同党で勢力を強めていたサダム・フセイン元大統領に反発し70年代半ばに離党(りとう)。英国に亡命した。

 91年には、米中央情報局(CIA)の支援(しえん)で反政府組織「イラク国民合意」を結成。96年、クーデター(武力による政権奪取(だっしゅ))を試(こころ)みたが失敗した。

毎日中学生新聞の記事にサダム・フセインの経歴が併記されていないのは残念だ。そうすれば中学生読者もすぐに「イラク主権移譲」の本質を理解できるだろう。つまり、アラウィ氏とサダム・フセインはライバル関係で、どちらの経歴にもホワイトハウスとCIAが支援者として登場する。二人とも権力を誇示するために虐殺を奨励する。アラウィとフセインの違いといえば、フセインは貧困層出身ということぐらいだろうか。

そこで、フセイン、アメリカ、アラウィの活躍を中心に、イラク戦争の経緯を「暗いニュースリンク」流に以下に要約してみた。(毎日中学生新聞に負けないくらい分かりやすくしたつもりである。)

  1. 米国政府の支援の下でサダム・フセイン政権が確立
  2. フセインがアメリカ製の武器でイラク住民を虐殺し、ホワイトハウス承認の下でクウェートに侵攻
  3. 米軍が(約束どおりクウェート侵攻してくれたお礼に?)イラクを爆撃し、フセインと米国の関係がイラクの経済状況と同じくらい悪化する
  4. アメリカ国内で同時多発テロ勃発、自身の不手際を隠したい米ブッシュ政権は身近な敵を求めてフセイン政権に標的を絞る
  5. 「イラクが大量破壊兵器を自主開発するのはケシカラン!」と妙な言いがかりをつけた米ブッシュ政権は、フセイン政権を(米国製品のコピー商品を開発した)特許違反で訴える代わりに、本物の大量破壊兵器(Made in USA!!)の威力を誇示するためにイラク本土に侵攻(戦費をハリバートンに横流しした米軍は兵士の防弾チョッキが不足しても知らんぷり)
  6. 米国民の税金と世界各国から強請り獲った支援金で、イラク石油油田施設を最優先で復興(イラク住民の生活基盤は崩壊したまま放置するか、戦争下請け国家に一任)
  7. 湾岸戦争を仕込んだ人物の「フセインの作った借金は返せないけど、イラクの石油の売り上げは全部アメリカのものだよ」というムチャクチャな主張に、なぜか日本の首相が大喜び
  8. CIAが仕込んだ刑務所での虐待シーンに世界中が釘付けになっている隙に、ブッシュの友人ブレマー氏は、エンロン社仕込みの不正な会計操作により、イラク産石油の売り上げ200億ドルと、イラク女性のハートを盗み出すことに成功する
  9. 「主権移譲」されたイラク新首相アラウィ氏、CIAとの素敵な思い出を活かすために旧フセインイラク情報部を再開あらためてイラク住民の弾圧を開始、米新任イラク大使ネグロポンテは(前任者に倣い)アラウィ氏の独裁体制を黙認。イラクの大量破壊兵器開発疑惑がアラウィ氏のでっち上げだった事実があまり注目されぬまま、現在に至る・・・

結局のところ、国外に逃げていたアヤド・アラウィは、CIAのセールストークに誘惑されて、イラクの石油資産と引き換えに、独裁権を買い取ったようなものである。これが「イラク主権移譲」の本質といったら、言いすぎだろうか。

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