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2004/07/29

戦争アクションゲームで若者の入隊を促進するアメリカ陸軍

America's Army画面

米陸軍公式ゲーム「America's Army」プレー画面

日本ではテレビゲームに夢中になる子供を問題視することが多いが、米国陸軍にとって、子供にゲームをさせることは「愛国的若者」の育成につながると期待されているらしい。

デモクラシー・ナウの2004/07/28付レポートによると、米国陸軍は新兵募集キャンペーンに2億ドルを投入し、8万人の新規兵士獲得を目標に地方イベントを開始しているという。どうやって入隊希望者のリストを集めるかというと、陸軍の公式PCゲーム「America's Army」のプロモーションという形で、地方でゲーム大会アトラクションを開催し、集まったゲーム中毒の若者に「クールな陸軍」をアピールして入隊登録を促す仕組みだ。

このPCゲームトーナメントにはオンラインからも参加できる仕組みで、すでに370万人以上がユーザー登録しているという。ゲーム内容は、単純に中東地域での戦闘を疑似体験できるアクションゲームらしい。米軍の公式サイトに陸軍主催のゲームイベントの模様を捉えた写真が掲載されているのでいくつか以下にピックアップしてみよう。(写真コメントは勝手な創作です)

会場入り口

イベント会場外観

広告ポスター

イベント告知屋外広告「頑張って自由を護るのだ!」

アトラクション写真

広告壁面を降りてくる陸軍特殊部隊の隊員。凝ったアトラクションだ

隊員と客

フレンドリーな隊員に魅了されるパンクな10代

特殊部隊装備

特殊部隊の装備を披露する隊員。「ゲームよりスゴイだろ?」

トーナメント優勝者

ゲームの優勝者(もちろん子供)には賞金。

イベント風景

女性にも優しい突撃銃。エリート軍人との思い出にパチリ。

陸軍宣伝風景

「入隊すればステキな武器があるし奨学金で大学だって行けるし病院もタダだ」

このような米陸軍のイベントでは、悲惨なはずの軍隊生活が、ユニバーサルスタジオのアトラクションのように映る。これに比べると、プラカード持って通りを行進する反戦イベントは、皮肉にも退屈で苦痛に満ちたものに見えることだろう。これじゃあ戦争はなくならないわけだ。

しかし、軍人が集まるイベントには、地味なものもある。例えば、マサチューセッツ州ノーザンプトンで開催されたthe Veterans Education Project (退役軍人教育計画)と the American Friends Service Committee(アメリカの友・奉仕委員会)が主催するイベントでは、ゲームで戦場を疑似体験してもらう代わりに、戦場から帰還した兵士の実際の戦闘体験を聞かせている地元の新聞The Republican紙2004/07/26付けの記事が講演の雰囲気を伝えているので以下に引用してみる:

・・・米海兵隊員としてイラク戦争に赴いたジミー・マッセイ軍曹は、ガムをゆっくりと噛みながら150人の聴衆をじっくり眺めた後、イラクでの体験を話し始めた。

手を揚げていた(降参した)男を撃ったよ。女子供でさえ撃ったんだ

ノースカロライナ出身で、12年の経験を持つベテラン戦闘員のジミーは、イラク戦争前には「殺し殺される準備は完全に整っていた」という。しかし、今のジミーは、心的外傷後ストレス障害(PTSD)を抑えるために、抗鬱剤と抗不安薬の錠剤を5種類づつ飲んでいる。

住民へ発砲することや、石油採掘地域の保安業務は、入隊時の契約にはなかった、とジミーは言う。

「どういう理由で海兵隊員が石油の油井の閉鎖法を覚えなきゃならないんだ?俺たちは環境保護団体か?(中略)アメリカ国民の税金は戦場で活用されてる。あいにく、皆さんの税金は大勢のイラク市民の体にぶち込まれてるんだ。俺はそこに居た。俺は引き金を引いた1人さ」

「12年間、俺の人生の目的は、戦場で敵とぶつかって殺すことだけだった。イラクに出発したときだって、死んでもかまわないと思っていた。戦闘で死ねれば、名誉だからな」・・・


米陸軍公式の能天気な戦争ゲームには、ジミー軍曹が体験したような、兵士の苦悩というシナリオは含まれそうもない。戦場の苦悩を伝えるために使われるお金よりはるかに多くの金額が、武器や銃弾の購入に費やされるのも残念なことだ。退役軍人の言葉も、地方の小新聞の片隅で、忘れ去られてしまうのだろうか?

・・・ここまで読まれた読者の方は、暗い気分で思考を凍らせる前に、苦悩の先に残された小さなメッセージを受け取るべきだ。ジミー軍曹の記事は、以下のように締めくくられている。

「今日は死ぬには良い日だ」名誉除隊してから、ジミー軍曹にはそう思う日が続くこともあった。しかし講演の日、ホールに人が集まっていくのを見て、午後の日差しを頬に感じた時、ジミー軍曹はさらにもう一度悟ったのだ。「日のあたる場所に出られて嬉しい」

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