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2004/08/02

「ジョニーはいい奴だったか?」byグレッグ・パラスト

調査報道記者、グレッグ・パラストの2004/07/31付け最新コラムを以下に全文翻訳掲載。

ボストンで開催された全米民主党大会。保守派が支配したその内容に、民主党内の分裂は一層拡大したかのように見える。クシニッチ候補は選挙戦から撤退し、反戦活動家は会場から叩き出され、「招かれざる客」マイケル・ムーアは民主党大会会場では無視され、代わりに近所のリベラル系講演会でスピーチ。(同じ講演会で彼の直前にスピーチしたのはハワード・ディーンだった)厳戒態勢の会場では、遅刻したオクラハマ選出の代議員が手錠をかけられ退場させられる始末

そもそも今回の民主党大会の費用9,500万ドルのほとんどは大企業の寄付で賄われていて、その中には軍事企業レイセオンも含まれているとあって、「反戦」は禁句だったようだ。(大会参加者の名札にしても、献金額によってデザインが異なるのだ)

ブッシュ再選は絶対に避けるべきだが、民主党がこのまま保守化・分裂していけば、2008年には再びブッシュ家が政権を握ることになるかもしれない。いや、そもそも、本当にケリーで勝てるのか?


ジョニーはいい奴だったか?(Johnnie been good?)

by グレッグ・パラスト

ボストン。金持ちどもの宴だ。ジョン・ケリー、ジョン・エドワーズとその核家族に風船が舞い踊る。

デカいスピーカーから流れるのは「ジョニー・ビー・グッド」。民主党員達は喜び、ぴょんぴょん跳ねる・・・まるでJFKがダラスに立ち寄ることもなく、ビル・クリントンが決してヘマをやらなかったみたいに振舞ってる。まるでイラクに派遣された息子たちを、生きたまま故郷に連れ戻せるチャンスがあるかのように。まるで、アメリカがディック・チェイニーの穴倉から這い出して、再びお日様を拝めるかのようだ。

民主党大会エンディング風景

だが、「ジョニー」ケリーはそんなにいい人物だったのだろうか?

今夜、ケリーは、オハイオの哀れな連中の話---会社が工場を閉鎖して南米に移転したという連中のことを話してくれた。でもちょっと待てよ、ジョニー、君はNAFTA(北米自由貿易協定)に賛成票を入れたんだろう?

ホワイトハウスは教師や生徒を司法からの逃亡者みたいに扱って、退学を促していると批判したケリーを、観客は賞賛した。でもジョニー、君は、公共教育を攻撃する政策であるジョージ・W・ブッシュの「落ちこぼれゼロ法案」に賛成したじゃないか。

それから、党の政策に関して、まるでどのようなときでも頼りにできる男性であることを示すようなステキな話を聞かせてくれた。「党内でも多くの人と袂を分かつこともあった」ケリーは言った。「財政均衡法に賛成したのは、それが正しいと思ったからだ」それは違うだろう?ジョン。反政府主義的ヒステリーの流れに沿って、泣かせるプログラムの最中にナイフをかざして見せるような、へっぴり腰の臆病政策だったじゃないか。

ケリーは、ホワイトハウス前で膝を抱えてうずくまる哀れなホームレスの悲しいお話も聞かせてくれた。これがクリントンの金持ち改革法案に賛成票を入れた人物と同じ口から出た言葉だろうか?その法案はフードスタンプ(食料配給制度)に5年の制限を設けて、合衆国法の名の下に子供を飢えさせることになったのだ。レーガンだってケチャップを野菜として分類しただけだったのに。

貧乏人を食べさせるために、ケリーは貯めてきた現金を最大限活用してくれたそうだ。「10万人の警官を街頭に配備するためにがんばった」そうかい、ありがとうよ、ジョン。

私が今夜のショーで傑作と思ったのは、ケリーがこう話した時だ。「イラクに大量破壊兵器があることが証明できないという話だ。大統領として、私なら厳しく質問して確固たる証拠を求めるだろう。」

しかしなあ、上院議員の時はそうしなかったんだろう?質問なんて何もしなかったじゃないか。目をつぶって、嘘に投票したんだ。誰でも知ってるし、君だってよくわかってるはずだ。

それから、今夜君は国家を守るために闘った事を何度も話したね。勲章も受け取ったんだろ?悪いけど、自分の国を護るために闘っていたベトナムの若者を背中から撃ったような人物が英雄になれるわけないよ。

昨日、友人のマイケル・ムーアと私はボストンで記者会見を行った。何人かの間抜けな記者が「ミスター華氏911」にケリーのイラク駐留継続方針について質問した。マイケルはそわそわして質問をはぐらかした。彼が回答を偽ったことにはちょっと居心地の悪い思いがしたよ。「ケリー大統領なら我々を戦争に送りこんだりしなかっただろう」しかし上院議員のケリーは、それをやってきたんだぜ。

私はマイケルよりも楽な立場にある。ジャーナリストとして、どの候補も擁護する必要はないのだ。そうは言うものの、民主党員の友人なら、私をギュンタナモ刑務所に送って尋ねたいところだろう:「君はケリーを信じるだろうが、ケリーは君を信じるかな?」

憶えといてくれよ、兄弟。私は質問をしているだけなんだ。もし回答が君たちの金持ち仲間にとって気分を害するものなら、お気の毒さま。

皆さんの言いたいことはわかるよ。「ブッシュのほうがずっと悪党じゃないか?」

そりゃ間違いない。ケリーがブッシュと同じくらい悪いかどうか尋ねることは、ビンタされることが頭蓋骨をレンガで叩かれるのと同じくらい苦痛なのかどうか尋ねるようなもんだ。

でも、偽善の塊のような特権階級の政治屋連中に酷い目にあわされておきながら、そいつらを賞賛するなんてことにはもうウンザリじゃないか?どんなにステキな風船が頭上で舞っていても、気分のいいものじゃないだろう。



Bush Family Fortunes

グレッグ・パラストのドキュメンタリー最新作、「Bush Family Fortunes(ブッシュ家の財産)」は2004年9月28日DVDとして発売される。ブッシュのベトナム逃れから2000年大統領選挙の不正、911テロとの関係をもっとも早くから映像として暴露し、「華氏911」の下地となった英BBCのドキュメンタリー作品に追加再編集した内容らしい。必見である。

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