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2004/08/31

ゾグビー社世論調査:ニューヨーク住民のほぼ半数が「政府は故意に911テロ防止を怠った」と考えている

ゾグビー社2004/08/30付けレポートより。

2004年8月24日から26日にかけてゾグビー社が行った調査によると、ニューヨーク住民のほぼ半数(49.3%)が「政府はテロ発生が近づいていることを知りながら、故意に防止策を怠った」と考えていて、66%の住民がさらなる調査を求めていることが判明した。

驚いたことに、共和党員の30%近く、自身を保守系と申告する住民の38%以上が、「政府が故意に防止策を怠った」ことに同意している。

他にも、30歳以下の若者の内62.8%、アフリカ系アメリカ人住民の内62.5%、ヒスパニック系住民の内60.1%、アジア系住民の内59.4%、さらにキリスト教再生派、福音主義派住民の内47.9%が、「政府が故意に防止策を怠った」という意見に同意しているという。

2004年5月26日にカナダのトロント・スター紙が行った調査によれば、カナダ国民の内63%が「米国政府はテロ発生が近づいていることを知りながら、故意に防止策を怠った」と考えているという。

日本の新聞社は非常に内気なので、高度に政治的な問題に関しては、国民に対しても政治家に対しても質問や報道を避ける傾向にあるが(その代わりライバル社のスキャンダル報道には非常に大胆だ)、そろそろ国内で上記のような国民意識調査を実施すべきではないだろうか。

2004/08/30

元テキサス州副知事の懺悔:「航空隊にジョージ・ブッシュを裏口入隊させたのは私だ」

アメリカ国民にとっては幸いなことであるが、ブッシュ家にとって、元テキサス州副知事ベン・バーンズは最悪の裏切り者となった。

ブッシュ脱走兵騒動が再燃している今年、バーンズ氏はジョン・ケリー支持運動に加わり、自身の過去の悪事についてスピーチし、謝罪している。謝罪シーンを収めたビデオ

1968年にジョージ・W・ブッシュがベトナム逃れのためにテキサス州兵航空隊への裏口入隊をした際、実際に航空隊幹部に口利きをした人物こそ、ベン・バーンズである。テキサス州副知事で民主党員でもあるバーンズ氏に、地元石油企業有力者を通じて口利きを依頼したのは当時テキサス州下院議員(共和党)だったブッシュ父であった。

それから30年後、テキサス州知事となったジョージ・W・ブッシュは、テキサス州の巨大な宝くじ市場を、懸賞企業Gテック社に一任した。Gテック社のロビイストを務めていたベン・バーンズは、この契約の成果として2,300万ドルを手にする。ブッシュ家への長年の奉仕(とりわけベトナム時代の)に対する、ジョージからバーンズへの感謝の印というわけだ。(source:グレッグ・パラスト「金で買えるアメリカ民主主義」)

おそらく今頃は、ブッシュ家の管理する「偶然死」リストの最上段が、マイケル・ムーアからベン・バーンズに書き換えられていることだろう。

(ブッシュ家の周辺で起こる偶然死に関するもうひとつの偶然:先日ブッシュ大統領によってCIA長官に任命されたポーター・ゴス議員(フロリダ・共和党)は、ブッシュ同様イエール大学出身者で、同大学のもうひとつの秘密結社「Book & Snake」の会員であり、60年代のCIA暗殺専任チーム「Operation Forty」出身者という疑惑がある)

2004/08/29

元陸上王者カール・ルイス、ブッシュ大統領を痛烈批判

英ガーディアン紙2004/08/29付記事より。

オリンピック金メダリストの陸上王者カール・ルイスが、ブッシュ再選チームがアテネオリンピックを選挙広告に利用した件について、地元アテネのメディアで痛烈な批判を展開している。以下にその発言を引用しておこう:

「(ブッシュの広告を)とても腹黒く感じたね。おかしな話だよ・・・私達(アメリカ)が1980年の大会(モスクワ)をボイコットしたのはアフガニスタンのためだったのに、今ではそこを爆撃してるんだから」

「私の国はイラク侵攻をして、駐留して、政治的利益のためにイラクを利用している。まったく呆れるよ。イラクの選手たちが怒るのも無理もない」

"I felt that was disingenuous. It is funny that we boycotted the 1980 Games [in Moscow] in support of Afghanistan, and now we're bombing Afghanistan"
"'Of course, we've invaded Iraq and are in there and are using it for political gain. It bewilders me, and I understand why the Iraqi players are offended."


カール・ルイスはアラバマ州バーミンガム生まれで、父親はフットボール選手として活躍、母親は陸上選手(ハードル)としてオリンピック出場経験(ヘルシンキ大会)がある。後に両親は共に教師となり、マーチン・ルーサー・キング牧師の活動に触発され公民権運動に加わったという。

しかし、デモ活動で日増しに警察の暴力がエスカレートする毎日に嫌気が差した両親は、活動を諦めて南部を去ることを決意し、苦渋の思いでニュージャージーに引越したということである(公式サイトでの本人の説明)。

おそらく、こうした家族の歴史---米国での黒人の権利をめぐる運動の歴史そのもの---が、カール・ルイス自身の現在の思想に大きく影響を与えているのだろう。

2004/08/27

共和党全国大会の影で・・・(3)共和党支持者が隠したい経済効果

8月30日からニューヨークで開催される共和党全国大会は、開催地にどのようなメリットがあるのだろう?市の観光当局が「約2億6,500万ドルの経済効果」といえば、市会計検査当局は「3億900万ドルの損失」と愚痴をいう。しかしニューヨークの地元新聞によれば、党大会開催によって売り上げが確実に急上昇する職種があるという。

・・・というわけで、ニューヨーク・デイリーニュース2004/06/28付け記事の一部を以下に翻訳して掲載する。
(デモクラシー・ナウ!のエイミー・グッドマンはこの件の後追いとしてインタビューを実施している)

「性のプロフェッショナル、党大会に準備OK」
( Sex pros get ready for party )

ニューヨーク・デイリーニュース2004年6月28日付記事:ホセ・マルティネス記者


何千もの共和党員と支持者がニューヨークにやってくるこの夏、高級エスコートサービス女性とストリッパー達は党大会に向けて準備を進めている。

8月30日から9月2日の間にマジソン・スクエア・ガーデンで開催される共和党大会に向けて、参加者のあらゆる嗜好にあわせるために、「代理店」は世界中から売春婦を集めるために奔走しているのだ。

「(党大会の週には)ロンドン、シアトル、カリフォルニアから女の子達を呼び寄せてますわ」マンハッタンのエスコートサービス業の女主人は語る。「稼ぎ時ですからね」

「大変な売り上げになると思います」ミッドタウンのエスコートサービス受付担当者も同意している。

1時間の付き添いからそれ以上のサービスを取り扱い、300ドルから1,000ドル以上の料金設定をしているエスコートサービス提供業者にとって、党大会はいつも稼ぎ時だという。

「どの党派なんてのは関係ないんです」1時間に500ドルを課金するカリフォルニア女性のロビン・フューは語る、彼女は現在、労働者擁護団体「性労働者福祉計画(Sex Workers Outreach Project)」を率いている。「買いたいときはいつでもどうぞ」

エスコートサービス業者達は、好色な共和党員からの予期せぬ利益へ期待を膨らませている。

「なんでも用意できますよ。ホテル、飛行機、広告でもなんでも」別のエスコートサービス業者が言う。「普段は30人の女の子も、党大会の週は60人に増やしますよ」

政治集会は、長きに渡り性風俗産業にとって恵みをもたらすイベントとなってきた。

1992年にニューヨークで行われた民主党大会では、マジソン・スクエア・ガーデン前に停められたトラック上でビキニを着た女性によるオイルレスリングが実施され、女性たちはトップレスとなっていた。

1996年にサンディエゴで開催された共和党大会では、代議員たちの懐を探るエスコートサービス業者が共和党に新たな呼び名を与えたという。曰く、「共和党:古き良き快楽の党(GOP: Good Old-Fashioned Pleasure)」。
(以下略)

ニューヨークのエスコートサービス業界が売り上げ上昇を期待するのも無理はない。共和党全国大会には、「古き良き快楽」に関して数々の逸話を残すアーノルド・シュワルツェネガー知事がブッシュ応援のためにやってくるからだ。(ガバネイターがブッシュ応援の見返りに何を期待しているかは、誰でも想像できよう。最近のシュワルツェネガー氏は、メディアに登場するたびに、カリフォルニア州の話題から話を逸らして、外国人でも合衆国大統領になれるよう、合衆国法の改正(ブッシュ流に言えば「規制緩和」)をひたすら主張している。)

さて、経済効果の話はともかく、党大会で乱痴気騒ぎをするアメリカの政治活動と、首相が料亭で芸者と戯れながら政策を決めている日本の政治活動では、どちらが自国民の信任(あるいは軽蔑)を集められるだろうか?

2004/08/25

共和党全国大会の影で・・・(2)ブッシュの成果自慢は逆効果?

「全ての児童に優れた教育を施すために学校の改革に取り組むとなれば、成果が大切だ。 家族がより多くの手段と選択肢を得られるよう医療保障改革に取り組むとなれば、成果が大切だ。 わが国の経済状況の改善と雇用の促進に取り組むとなれば、成果が大切だ。 私たちの国をより安全にしてテロの脅威と闘うならば、成果が大切だつまり大統領を選ぶとなれば、成果が大切なのだ。」

---ジョージ・W・ブッシュ(2004年7月30日、ミズーリ州スプリングフィールドでの遊説にて)

現在、ブッシュ選挙チームは「成果が大切(results matter)」というキャッチフレーズを前面に、キャンペーンを続けている。ブッシュがホワイトハウスを乗っ取ってから、良い成果が出ているかのように大衆をミスリードすることを意図して作られた見事な標語だが、「成果」を数字で評価する米国社会にあって、これほど反論を導きやすい戦略はないだろう。ブッシュ政権の「成果」について、ブッシュ自身のスピーチに沿って以下に記してみた。(source:The Progressive TrailThe Center for American Progress Claims vs. Facts Database

教育:
  • ブッシュ政権が誕生してから、4年制公立大学の学費は35%上昇した(平均年額1,207ドルの増加)。
  • ブッシュの「落ちこぼれゼロ法」の施行により、合衆国内の学校予算は2004年度だけで94億ドル(約1兆316億円)も減額された
  • 2004年度予算で、ブッシュは3万人分の教師訓練プログラムを削除し、自身の提案した「落ちこぼれゼロ法」で要求されている9万2,000人分の教師の訓練プログラムも予算不足で実施されていない
  • ブッシュの2004年度予算では、若者向け職業訓練プログラム(Youth Opportunities Grants)予算は全額(4,800万ドル)削除されている。
  • 全米州議会議員連盟によれば、ブッシュの「落ちこぼれゼロ法」の内容に23の州が異議を申し出、連邦政府の補助を全面的に拒否してでも同法に従わないと決定する州もあるという。
  • ブッシュは、自身が法制化した「落ちこぼれゼロ法」の予算を、署名時に比べ270億ドルも減額している。
  • ブッシュ政権の2004年度予算によれば、児童の課外プログラム予算は40%減額されている。
  • ブッシュの2005年度予算によれば、パーキンズローン(大学生向け連邦学資貸付制度)の支出は4億2千700万ドル減額される予定である。
  • 「私の提案により最も予算が増額された省庁は教育省だ」とブッシュは語っているが、実際に最も予算が増額された省庁は国防総省であった。(142億ドル増加)

医療保障:
  • ブッシュ政権誕生後、医療関連の個人負担額は、平均25%上昇した。
  • 現在米国では4,400万人以上(ブッシュ政権誕生後に400万人増加)が医療保障を受けられない状態であるが、ブッシュの提案する2005年度予算では、低所得者向け医療扶助制度(Medicaid)予算は10年間でおよそ160億ドル減額される予定である。

景気と雇用対策:
  • 2001年から2002年の僅か1年間で、貧困家庭に属する18歳以下の児童の割合は、15.8%から16.3%に上昇した。
  • ブッシュ政権誕生から現在まで、新たに210万人以上が失業したままである。2004年の任期満了までに、ブッシュ大統領はフーバー大統領(第31代:1929-1933:共和党)以来最悪の失業率を記録する見込みである。
  • 一般教書演説で、ブッシュ大統領は5億ドルの雇用計画予算を宣言したが、その後同じ計画予算から7億ドルを削減した。
  • ブッシュは演説の度に米国の失業率を5.6%と主張し、「悪くない数字」と自画自賛して国民をミスリードしている。実のところ、現在米国では870万人が積極的に雇用先を探す失業者で、正社員になりたいがパートの仕事しか見つけられない労働者は490万人(過去10年で最大数)。仕事をしたいが「個人的に経済状態が悪すぎて」積極的に雇用先を探す余裕がない失業者は150万人。これら3つの層を合わせると、現在の合衆国の実質失業率はおよそ9.7%。ホワイトハウスの発表する「5.9%から5.6%に失業率が低下した」という内実は、積極的に雇用先を探していない失業者数を省いている。

国土防衛・テロ対策:
  • イラク戦争に触発された結果、アルカイダの組織力は以前より強大になり、現在では世界60カ国に18,000人のアルカイダ構成員が潜伏していると見られている。(国際戦略問題研究所の2004/05/25付けレポート)
  • 国防総省予算増額のために、合衆国内322地区の都市警備予算は25%以上減額されている。
  • 911テロ発生時に活躍した消防員達は英雄と呼ばれたが、ブッシュ政権の提案により合衆国内の消防署の予算はテロ後に1/3ほど減額された。約2億5千万ドルの地域消防署向け予算が削除された結果、アメリカ国内の防災体制はきわめて脆弱になっている。合衆国全土の消防署員はブッシュ政権の施策に猛烈に反発している。

まさしく、「大統領を選ぶとなれば、成果が大切」という言葉どおり、ブッシュ政権の4年間の成果を有権者が正確に知ることになれば、そして正常で民主的な選挙が実施されるとすれば、ブッシュは絶対に再選されないだろう。

そうした「無残な成果」に関する正確な事実が有権者の間に知れ渡ることを防止するために、ブッシュ陣営と共和党は様々な趣向を凝らしてマスコミを煙に巻こうとしている。

例えば、ブッシュとチェイニーの地方選挙遊説イベントの際に、マイケル・ムーアやその他「政治的に立場の偏った(by小泉首相)」ジャーナリストが取材に来ることを恐れたブッシュ選挙チームは、一風変わった入場制限をしている。演説チケットを入手するには、ブッシュ政権を支持するという誓約書にサインしなければならないのだ

しかし、共和党全国大会でそんな報道制限を設けたらすぐ話題になってしまうので、この方策はうまくいかないだろう。

そこで、ブッシュ政権の「無残な成果」を攻撃するヒマをケリー陣営に与えないように、ブッシュ陣営と共和党は「ケリーの軍歴は嘘」という虚偽情報に基づく無謀なPRキャンペーンを開始して、政策論議から国民の目を遠ざけようとしている。

なぜこのキャンペーンが無謀なのかといえば、お金で引っ張りだしてきたベトナム退役軍人の中には、ケリーと同じ時期にベトナム戦争に従軍していたことを「ケリーと共に闘った」と誇張する者がいたり、「嘘をついた」と謝罪する者もいたり、また実際にケリーと一緒にベトナムで高速艇チームに居た退役軍人もケリーの証言を裏付けているなど、ケリーを攻撃する当事者たちの嘘があまりにも簡単に暴かれてしまっているからだ。

しかも、このケリー攻撃キャンペーンの出資者であるボブ・ペリーという人物はテキサス州で最大の共和党献金者で、「ブッシュの頭脳」カール・ローブ大統領上級顧問の個人的な友人であることが暴露されている。さらに、ケリー攻撃騒動により再びブッシュ大統領自身の脱走兵騒動が再燃し始めている。(しかもブッシュの脱走兵騒動は事実に基づいている)まさしくブッシュ再選キャンペーンにとって逆効果なのだ。

このような失敗を繰り返している中、共和党全国大会後にブッシュ陣営が活動方針をどう変えていくかが、おおいに注目されている。やはり政府内で検討されているとおり「テロによる選挙の延期」を目指すのだろうか?

2004/08/23

共和党全国大会の影で・・・(1)復活したCOINTELPRO(敵対情報活動計画)

スプリングスティーンを攻撃するテレビ広告画面キャプチャ

「ブルース・スプリングスティーンはレーガンを批判し、ニューヨーク警察を非難し、ブッシュ大統領を弾劾しています。彼は歌で何百万ドルも稼いで、選挙への参加を呼びかけています。だから私も投票させてもらうわ。ボスをボイコットしましょう私はマリリン・オグレディ。保守派の上院議員候補です。私はブッシュを支持します。」(・・・つまり彼女は市民に選挙参加されては困るというわけだ)

8月30日からニューヨークで始まる共和党全国大会は、正式に共和党大統領候補として党から推薦される予定のブッシュ再選チームにとって大事なイベントだ。しかし党大会の警備という重責を担うブルームバーグ・ニューヨーク市長(共和党)をはじめ、共和党関係者が現在もっとも懸念している問題は、国土安全保障省が発するテロ警告ではなくて、「反ブッシュ」というキーワードらしい。

もっとも、共和党大会と同じ期間に近所で開催され、ブルース“ザ・ボス”スプリングスティーンが出演予定という「反ブッシュ」コンサートについては、すでに共和党の上院議員候補であるマリリン・オグレディスプリングスティーンを攻撃するテレビ広告に投資しているので、ブッシュ政権にとっては「対策済みの脅威」だ。

ブッシュ陣営が反ブッシュコンサート以上に警戒しているのは、共和党大会会場周辺での、反戦団体、環境保護団体、中絶権利擁護団体等による反戦デモ行進の勃発だ。ニューヨーク市長率いる警備当局は、先手を打ってセントラル・パークでの市民団体による反戦デモを禁止しているが、「合衆国憲法違反だ」と市長を訴える市民達に、共和党関係者は安心できないのである。(過去に触れたとおり、ブッシュ政権率いる共和党員とその支持者にとって、市民団体による反戦活動は「テロリズム」と定義されている)

そうした状況にあって、「民主主義との闘い」を得意とするアッシュクロフト司法長官は、共和党大会に市民団体が押し寄せることを防止するために、司法組織を総動員して、効果的な「対テロ活動」を開始することにしたらしい。

現在、FBIは反戦運動に参加経験のあるアメリカ市民の自宅へ片っ端から突撃訪問を実施している。FBI捜査官は訪問先の市民に夕飯のメニューを尋ねる代わりに、共和党大会に向けて反対運動を行う予定があるかどうか尋問し、活動を止めるよう威圧しているというのだ。この件をいち早く伝えたニューヨークタイムズ紙の2004/08/16付け記事を以下に引用しておこう:

「FBI、政治的に問題ある市民の住居へ個別に訪問を実施」

ニューヨークタイムズ紙2004/08/16付け記事より抜粋)

現在、FBIは、共和党大会での暴力的なデモ活動の発生を未然に防ぐための積極策として、合衆国全土にわたり、政治活動に参加する市民へ職務質問をするだけでなく、まれにそうした市民を当局へ召喚する活動を展開している。

FBI幹部は、捜査員たちを各地域住民宅へ個別訪問させて、共和党大会の開催地での騒乱を招く行為を計画に関する情報を捕捉し、騒動を引き起こす可能性のある市民のリストを作成していると話している。民主党大会にあわせて先月から開始されているこの捜査活動では、政治的意向の相違ではなく犯罪の可能性がある事例のみに注目して活動していると当局は説明している。

しかしFBIによって訪問された市民によれば、捜査当局の意図は明らかにされず、政治的活動に対して質問されたのは嫌がらせではないかと感じている。

21歳のサラ・バードウェルは、デンバーの反戦団体に所属し、2週間前に6人の捜査官から訪問されている。「(FBIの訪問で)感じたのは・・・当局はデモに参加しないよう私たちを脅して、こう言いたいのよ。“監視されてるんだぞ”ってね。」

サラ・バードウェルと仲間達

FBIから訪問を受けたサラ・バードウェルと仲間達。仲間と歩く姿はいかにも危険なテロリストに見える・・・と司法省は考えているらしい



司法省に率いられた、この異例ともいえる捜査活動では、インターネットを通じて資金集めや参加者募集をしている市民団体の情報等も、捜査資料として当局に蓄積されているという将来トラブルを起こす可能性がある(といっても反戦デモだ)というだけで犯罪者扱いなんて、スピルバーグの「マイノリティ・レポート」みたいじゃないかという批判もあるが、アッシュクロフト司法長官が「テロ対策」のためと言い張れば、合衆国愛国法の下、国民に逃げ道はない

強大な権力を託されたアッシュクロフト長官は、政敵への攻撃方法も一味違う。米航空業界のテロ容疑者リストである「搭乗拒否リスト('No Fly' List)」には、議会でのブッシュ批判の急先鋒として知られる民主党の重鎮、エドワード・ケネディ上院議員の名前も掲載されているのだ。おかげでケネディ議員は、地元ボストンからワシントンへ飛行機で往復するたびに「あなたには搭乗券を販売できません。理由は言えません」と空港職員に止められたという

もちろん、アッシュクロフトに「商用航空機に乗るな」と言われても、自家用機に切り替えるほどケネディ議員は馬鹿ではない。ケネディ議員は知っているのだ。ミズーリ州の上院議員選挙で、アッシュクロフトと席を争った民主党候補メル・カナハン氏は、投票日が間近に迫る2000年10月16日に、息子の操縦する小型飛行機に搭乗して選挙キャンペーンに向かった。しかしカナハン親子を乗せたセスナ335モデルは、離陸直後に操縦不能に陥り墜落カナハン親子と同乗者の三人は死亡したのである
(それから2年後の同じ時期、ミネソタ州上院議員選挙でも同じような事故が発生しているが、いずれもブッシュの周辺で起こる偶然の一部であろう)

後日ミズーリ州で実施された選挙で、死亡したカナハン氏に得票数で負けたアッシュクロフトは、2001年に誕生したブッシュ政権によって拾われたわけで、史上最悪の不人気閣僚といってもいい。

映画「華氏911」で、「鷹よ舞い上がれ(Let the Eagle Soar)」という自作の歌を聞かせてくれたアッシュクロフト長官。曲のタイトルからしてすでに充分狂っているが、この曲の歌詞カードは司法省内部で配布されていて、司法省職員は長官と共に職場で合唱する栄誉を与えられているそうだ。司法省の或る女性職員は、英ガーディアン紙の取材にこう語った。「あの歌を聞いたでしょ?本当に最悪よ

しかしアッシュクロフト長官は国民を感動させるために歌ったのではなく、国民に警告してくれていたのだ。今、彼の愛する鷹は、空高く舞い上がり、アメリカ国民を民主主義という敵から守るために、上空からジッと監視している

2004/08/20

「ウォルマート星人、地球を侵略」byバーバラ・エーレンライク

Nickel and Dimed

「Nickel and Dimed:On (Not) Getting By In America」(公式サイト

ニューヨークタイムズに掲載され、おおいに話題となったバーバラ・エーレンライクのコラム記事を以下に翻訳掲載。こんなコラムがメジャーな新聞に掲載されるあたり、米社会も少しは流れが変わりつつあるかもしれない。

バーバラ・エーレンライクは、著者自らウォルマート他米国の一般的なサービス業に体験取材した著作「Nickel and Dimed:On (Not) Getting By In America」がベストセラーになり、一躍有名になったジャーナリスト。今回のコラムでメタメタに批判されているウォルマート星人は、出資相手である西友の経営スピードが気に入らないのか、ダイエー支援を足がかりに日本国内での本格展開を目指しているようだ。しかし同社の自慢する「低コスト経営」は人類に馴染まない・・・



「ウォルマート星人、地球を侵略」


by バーバラ・エーレンライク(ニューヨークタイムズ紙2004/07/25付けコラム

カリフォルニア州イングルウッドからシカゴまで都市を引き裂き、バーモント全州は飲み込まれてしまった。衝突は全国家レベルになり、大統領選挙の争点となっている。ジョン・ケリーが、その超大型小売り業の底抜けに安い賃金について激しく攻撃すれば、ディック・チェイニーは「計画性、公正さと完全主義の象徴」として彼等を賞賛。これは21世紀における紛争の中心的存在になるかもしれない。「地球人対ウォルマート星人」の闘いのことである。

その船団がいつの間に地球に降り立ったか、正確には誰も知らない。しかし、初期の頃は紳士的な拡大戦略により、普通の生物と見られていた。考えてみれば、その笑顔と赤、白、ブルーの旗のせいで、人類の皮をかぶっているときの彼等は、50年代のSF映画に出てくる宇宙からの侵略者のようにあまりにも普通すぎたのだ。

その後成長は始まり、2000年までに、ウォルマート星人は見たこともないサイズに拡大していった・・・その規模はゼネラルモータースよりも大きく、スイスよりも金持ちだ。大きさに関する話はそれで充分。現在注目すべきはその成長速度だ。毎週2つのメガストアが開店するたびに、10億ドル相当の米国の土地が買い上げられている。およそ60万人のアメリカ人従業員が1年でごっそり入れ替わる(従業員の離職率は44%に及ぶ)。簡単な計算をすると、西暦4004年には、合衆国の全ての土地はウォルマートのスーパーセンターで埋め尽くされ、新規開店は既存店の上階に作らなければならなくなる。(訳注:2003年度のウォルマート全店の総従業員数は140万人)

もちろん、そんな事態になる以前に、ウォルマートはトラブルの的となるだろう。なぜなら、同社の店舗で働く地球人のうち、ほとんどの者は自分の店で買物することもできなくなるからだ。ウォルマートは大衆に消費者主義をもたらしたが、同社の抱える「仲間」---従業員という意味の遠まわしな表現だ---その半数以上の人々は、企業が提供すべき医療保障もなく、「色落ちジーンズ( Faded Glory jeans)」ほどの気遣いすら受けられない。

経済状況に沿って時給が下がるにつれ、地球上で最大の雇用数を誇るウォルマートの売り上げ成長率はすでに鈍化している。

私自身、2000年度の同社での勤務の際、着用が義務付けられる7ドルのポロシャツに身を包む女性と一緒に働いたが、それもまた適わぬ夢だった。従業員がその制服を買うとしたら、1時間分の勤務に匹敵する値段だ。

ウォルマートの各店舗では従業員にフードスタンプ(食糧配給制度)と生活保護を申請するように指導している。多くの従業員は他にも仕事を掛け持ちしている。ウォルマートに批判的な人々は、同社が公共の助成金を10億ドル浪費しているというが、それは従業員の生活のために申請されているわけではない。どうやらウォルマート星人は、地球に降り立つ前に、人類が生存に必要とする生理的条件を調査し忘れたらしい。

しかし、飢えたハイエナのような欲求にあがく生物は、物事に配慮する余裕もない。ウォルマートは、性差別と残業代未払い(全く給与を払わないという意味)の件で集団代表訴訟を起こされているが、深夜シフトの従業員は店に閉じ込められ、救急車も呼べないという件でも、同じくらいの批判が湧き上がっている。そういった状況は、私たちが提携する第三世界の搾取工場にもみられる労働環境だが、実際にウォルマートは、大学のロゴ入り衣料を製造する企業を監視している労働者権利コンソーシアムの提示する、10の条件のうち少なくとも5つの条件を満たしていない。ウォルマートが世界最大の搾取工場といわれる所以だ。

企業の犯罪性が指摘されていても、、アーカンソー州ベントビルの本部は「会社があまりにも大きくなったので・・・」(つまり管理不能となったということだ)と説明し、泣き言をいいながら助けを求める始末。しかし誰が一歩前に出て、ウォルマート星人に人類との共存の方法を教えてやれるだろう?推進派であるジョージ・ウィルやナショナル・レビュー誌のジェイ・ノードリンジャーには期待できない。彼等はウォルマートへの批判を、「リベラルなインテリ」はウィリアム・ソノマ(米国の高級生活用品店)をお好みなのだ、と一蹴している。(白状すると、私はコストコのほうが好みだ。コストコは従業員にきちんとした給与を払うし、従業員の90%は健康保険で守られているし、通説によれば、きちんとした人類によって経営されている)

ウォルマートの望みは天敵に委ねるしかない。カリフォルニア州イングルウッド市でのウォルマート出店に反対し、成功を収めたマデリン・ジャニス・アパルシオのように。

「店を崩壊させるのが目的ではないの」彼女は言う。「説明責任を果たさせるのよ」

世界サービス業従業員組合の会長アンディ・スターンは、「ウォルマートに人類の生活基準を遵守させる」ための全国的な運動をもうすぐ開始する予定だ。彼は、すでにウォルマートの猛烈な拡大と戦い続けている組合、教会、地域コミュニティや環境団体と共同で、全国的な潮流を起こすつもりでいる。

どこから来たのか知らないが、ウォルマート星人に告ぐ:人類と共存する道を選ぶか、さもなくば母船に戻りたまえ。


2004/08/17

他人に戦争を奨励する人々

ジョージア州の民主党上院議員マックス・クリーランドは、25歳の時にベトナム戦争に従軍し、戦友が足元に落とした手榴弾によって両足と右腕を失った。ベトナムで手足を失って帰還した兵士は6,878人、そのうち52人は三肢を失っている。クリーランド議員もその1人として、青銅星章と銀星章を叙勲している人物だ。

そして、クリーランド議員はブッシュ大統領をストレートに批判する数少ない議員でもある。

さて、アメリカにはビル・オライリー、ラッシュ・リンボーに代表される、極右評論家(Ultra right-wing pundit)という奇妙な職業がある。フォックスニュースチャンネルや保守系ラジオ局を根城にする彼等は、メディアに登場するたびに「イラクを爆撃しろ!」「反戦を唱える奴はテロリストか共産主義者だ」「大統領を批判する奴は恥を知れ!」「民主党員はアルカイダの味方」などと繰り返す。そして、驚くほどの視聴者を抱え、彼等の書く本は飛ぶように売れる。

彼等は報道済みの情報を歪曲し、他人を攻撃する際には実在しない発言を捏造する。また、「イラクとアルカイダは911テロの主犯」という誤解をアメリカ国民に信じこませる際に、彼等はブッシュ政権と共に重要な役割を果たしている。(このあたりは米メディア操作監視サイトMedia Matters for Americaに詳しい:わかりやすい動画もある

アン・カルター

アメリカの極右アイドル:アン・カルター

極右アイドルのアン・カルターもそうした扇動家の1人だ。従軍経験がない彼女は、ブッシュのベトナム逃れを批判するクリーランド議員を攻撃するために、自らのコラムで以下のように書いた。(2004/02/12付けTownhall.com(ヘリテージ財団の広報サイト)掲載コラムより抜粋)

「クリーランド議員が手足を失ったのは、日常業務である非戦闘任務中、戦友とビールを飲もうとしたときに発生した事故のせい。クリーランドは地面にあった手榴弾を見つけ、拾い上げただけ。フォート・ディックス(米陸軍訓練基地)でも起こりそうなことよ。実際、クリーランドは州兵(彼は“週末兵”と馬鹿にするけど)の時に手榴弾を落としたかもしれないわね。クリーランド自身の経歴とブッシュ大統領への尊大な態度は、ラッキーなことに、ベトナムに居る間にそうした出来事に遭遇したおかげよ。」

(Cleland lost three limbs in an accident during a routine noncombat mission where he was about to drink beer with friends. He saw a grenade on the ground and picked it up. He could have done that at Fort Dix. In fact, Cleland could have dropped a grenade on his foot as a National Guardsman ・or what Cleland sneeringly calls "weekend warriors." Luckily for Cleland's political career and current pomposity about Bush, he happened to do it while in Vietnam. )


もちろん、カルターが言うクリーランド議員の事故内容は全くの嘘である。実際には、クリーランドは敵が包囲するベトナムの戦闘地域にヘリで降り立った際、他の兵士が落とした手榴弾を発見し、自軍の被害を防ぐために自ら拾い上げたのだ

アメリカの保守派論客や、いわゆるネオコン陣営はメディア上で盛んに戦争を賞賛し、反論するものには暴言を吐き、戦争に反対するものを「裏切り者」と呼ぶ(アン・カルターの得意技)。「兵士を助けろ(Support our troops)」と人に言いながら、実際に戦争に従軍した兵士が反戦を主張した途端、平気で(嘘に基づく)人格攻撃を行う。そして、戦傷を負った兵士を中傷する。

現在も、ブッシュ陣営はベトナム戦争の退役軍人をお金で集めて、ジョン・ケリーの軍歴を侮辱させる選挙活動を行っている。(第三者団体をでっちあげてケリーを攻撃する周到さは、まさしく“ブッシュの頭脳”カール・ローブのやり方だ)それに沿う形で、ラッシュ・リンボーやオライリー、アン・カルターはケリーへの人格攻撃を同じセリフで毎日実施している。

なぜこれら「米国右派」の人々は、自国の兵士を平気で人格攻撃し、人が死ぬ戦争を賞賛できるのか?答えは簡単。彼等にとって戦場は他人事でしかないからだ。

米国では、戦争を賞賛・扇動しながら自らは従軍・戦場経験がない人々を「Chickenhawks」と呼ぶ。

以下に、米国の政治舞台に登場する共和党有名人達の軍歴を「ブッシュ脱走兵サイト」から引用しておこう。誰がChickenhawksに該当するかよく覚えておいて欲しい。

名前・肩書き軍歴と発言
ジョージ・W・ブッシュ大統領ベトナム逃れのためテキサス航空隊に親のコネで裏口入隊、成績が悪いために特別に個人講習を受けるが、コカイン所持がバレるのを恐れ脱走、給与のみ受け取る。「私は戦時大統領だ!
リチャード“ディック”チェイニー副大統領ベトナム徴兵拒否。「他に優先事項があった」と本人談。「もしイラク戦争に反対票を入れたりしたら・・・」
ドナルド・ラムズフェルド国防長官海軍飛行教官として三年勤務。戦場経験なし。「アフガニスタンはいい標的がないからイラクに爆弾を落とせ」
ポール・ウォルフォウィッツ国防副長官軍隊経験なし。「イラク国民は囚人虐待事件をあまり気にしていない
ジョン・アッシュクロフト司法長官軍隊経験なし
フロリダ州知事ジェブ・ブッシュ軍隊経験なし
カール・ローブ大統領上級顧問ベトナム徴兵拒否
ロナルド・レーガン元大統領(故人)第二次大戦中、入隊するも視力障害のため兵役免除。代わりに陸軍のプロパガンダ映画に出演。「爆撃隊に居た」と嘘をついたり、キューブリックの映画「博士の異常な愛情(Dr. Strangelove)」に憧れて大統領就任時に「WAR ROOMへ案内してくれ」と言うなど、現実と映画の区別がつかなかった。(source
コリン・パウエル国務長官ジャマイカ移民でブロンクス育ち。軍隊経験30年以上、ベトナム、朝鮮戦争に従軍。「金持ちの子息がベトナムを逃れるのは許せない」と自伝で告白。
下院・院内総務トム・ディレイ議員ベトナム徴兵拒否。「貧乏な少数民族の若者が金を稼ぐために軍隊を溢れさせたので、私のような愛国者が入隊することはできなかった」と語る。(source
ラッシュ・リンボー(極右タレント)軍隊経験なし。(アブグレイブ刑務所虐待事件について)「俺は連中がお楽しみしただけだといってるんだ。息抜きしただけさ
ビル・オライリー(極右タレント)軍隊経験なし。「もうイスラム世界に我々が干渉するのは止めにしよう。我々に出来ることは、連中を爆撃して徹底的に痛めつけることだ
ショーン・ハニティ(極右タレント)軍隊経験なし。「ジョージ・ブッシュの再選を神に祈りましょう
マイケル・サベージ(極右タレント)軍隊経験なし。「アメリカ国民の大部分はブッシュ大統領にアラブ世界に核爆弾を落として欲しいと願ってる。(中略)イラク戦争を、日本との戦争と同じようにして終わらせてやりたいんだ
ジョン・マケイン上院議員海軍戦闘機パイロットとしてベトナム戦争に従軍。母艦から離陸時に友軍の誤射で負傷。帰国する代わりに再度出撃し、撃墜されて5年間を捕虜として拘束された。銀星章、青銅星章、パープル・ハート勲章を叙勲。民主党大統領候補ジョン・ケリーは盟友。
アーノルド・シュワルツェネガー加州知事1965年にオーストリア陸軍入隊、脱走してボディビルディング大会に出場。優勝トロフィーを持って陸軍に戻りそのまま刑務所へ。軍事訓練を免除されボディビルダーの道に進む。戦場経験なし。(source)「どこかの国で独裁者となるか、イエスのような救世主になることを夢見ていた

2004/08/15

映画に何ができる?・・・何でもできる!

恵比寿ガーデンプレイス「華氏911」初日の行列

恵比寿ガーデンプレイス「華氏911」初日の行列(写真をクリックすると拡大表示します)

2004年8月14日、マイケル・ムーアの「華氏911」日本国内上映がついに開始された。私も恵比寿ガーデンプレイスで待たされた観客の1人だ。ラーメン以外で行列に並ぶのは滅多に経験していないが、有意義な時間だった。

「華氏911」の批評などとてもできない。この作品は批評されることを最初から必要とされていない。映画を観てから、劇場を出て、観客の頭を支配するのは、例えばこんな考えだろう。:「自分は何を知っている?自分には何ができる?」

マイケル・ムーアは身をもって映画の可能性を世界に知らしめた。ブッシュ政権にとって、今や映画は大量破壊兵器となってしまった。恐怖ではなく、知性によって大衆を動かすことが出来る武器は、独裁者にとって最大の脅威となる可能性がある。驚いたことに、マイケル・ムーアは単に「質問をする」という行為によって、この驚くべき潮流を作り出してきたのだ。

さて、私には何ができる?

僅かばかりではあるが、「華氏911」に登場した事実に関連する情報をあらためてリンクとして紹介しよう。「ニュースリンク」としてはこれが精一杯。

2000年大統領選挙の不正については、グレッグ・パラスト氏の記事や、英BBCのドキュメンタリー(動画)を参照してほしい。もちろん選挙不正はフロリダ州に限ったことではない。これについては後日お伝えしよう。

ブッシュ大統領の怠慢な仕事ぶりについてはこちらの投稿を参照してほしい。リチャード・クラークの言うとおり、ブッシュはテロ対策をしなかっただけではなく、ビン・ラディンとサウジに関わるFBIの捜査を中止させた。最近ではアルカイダ捜査のタイミングを選挙に積極利用している

911テロの直後にサウジ関係者が米国を脱出した事実は、クレイグ・アンガー氏の記事を参照。サウジ王家とブッシュ家のつきあいについては最新情報もある。

「愛国法」の問題とアッシュクロフト司法長官についてはこちらの投稿、米国のテロ警告システムについてはこちらの投稿を参照。

マイケル・ムーアがブッシュを「脱走兵」と呼んだ件は以前の投稿「大統領選挙とベトナム戦争」を参照してほしい。

米軍の巧みなリクルート戦略はこちらの投稿を参照してほしい。

米国の報道関連企業がいかに戦争を翼賛しているかについては、「臭い報道大賞(P.U.-Litzer Prizes for 2003)」関連記事(その1)(その2)(その3)(最終版)を参照。

米国政府が貧困層を戦争に送り出す仕組みについては、ナオミ・クラインの記事や、米国の地方新聞の翻訳記事を参照。

米軍によるイラク市民の虐殺についてはアルジャジーラの記事を参照。

ブッシュ政権の支持基盤である米国南部の教育状況についてはこの投稿を参照してほしい。

作品中に登場するハリバートンの広報ビデオ内容に反して、実際にはハリバートンは米兵士に腐った食事を提供したり、ブッシュ政権自身の法律を堂々と破ったり賄賂をばら蒔いたりと忙しい。破綻した電力企業エンロンは、ハリバートンにひけをとらない悪徳企業だ。カリフォルニア電力危機、シュワルツェネガー加州知事、イラク戦争等を背後で操ったりしている。またこうした米国の多国籍企業は(ブッシュがエリートと呼ぶ人たちだ)税金をほとんど払っていない

ブッシュ父の悪行については「ブッシュ犯罪家族・総覧(1)」を参照。これは妄想でも陰謀論でもなく、全て事実である。ホワイトハウスから追い出すだけでは、ブッシュ家が引き起こす世界の危機を防止することはできない

2004/08/12

ジョージ・W・ブッシュとスポーツマンシップ

This Modern World by Tom Tomorrow2004/08/10付記事より。

イエール大学の1969年版卒業アルバム内で発見された、ジョージ・W・ブッシュのスポーツマンシップ(の欠如)。

1969年のジョージ・ブッシュ

当時の写真説明:「ジョージ・ブッシュ、ルール違反だが満足げな右フックをボールを持った相手に振舞う

ところでこの件には別の謎がある。ジョージ・W・ブッシュがイエールを卒業した年は公式には1968年なのだ。


2004/08/11

パウエル米国務長官、共和党大会欠席?

AP通信2004/08/10付記事より。

共和党内で慎重派として人気の高いパウエル米国務長官が、8月30日からニューヨークで開催される共和党全国大会を欠席する予定であるというニュースに、共和党関係者が動揺している。

共和党全国大会では、ブッシュ大統領が共和党の大統領候補として正式に指名される大事なイベント。それに欠席するとなれば、「ブッシュ再選不支持」と党内で受け取られかねない。

そういえば、11月の米国大統領選挙に欧州安全保障協力機構(OSCE)の選挙監視団を受け入れると国務省が発表した件も、民主党議員団の説得を受けて、パウエル長官が決定したものだ。(事実上ブッシュ政権誕生が選挙不正によるものであったことを国務省が認めたようなものだ)

パウエル長官は、ブッシュと違い、アファーマティブアクション(差別是正措置)と女性の中絶権利に賛成しているわけで、政策的にはケリー陣営により近い。コリン・パウエルはダンス以外に、世間をアッといわせる秘策を用意しているのだろうか?

2004/08/10

「I Love You, Madame Librarian」byカート・ヴォネガット

現代アメリカ文学の代表的作家カート・ヴォネガットの最新コラムを以下に全文翻訳掲載。(文中リンクは訳者による)

同氏の作品の中で、個人的には「スローターハウス5(カート・ヴォネガット・ジュニア名義)がいちばん好きだ。それはともかく、憧れだった作家の言葉をリアルタイムに知ることができるのは嬉しい。残念ながら当のヴォネガット氏は、このところ大変不機嫌なご様子だ。その理由は・・・



「愛しの図書館員さん」
I Love You, Madame Librarian


In These Times誌2004/08/06付けコラム

by カート・ヴォネガット

皆さんの大半がそうしたように、私もマイケル・ムーアの「華氏911」をすでに観ている。作品タイトルはレイ・ブラッドベリの偉大なるSF小説「華氏451」のパロディである。ついでながら、この華氏451という温度は、書籍を作る紙の発火点のことだ。ブラッドベリの小説中のヒーローは、本を焼くのが仕事という公務員である。

本を焼くといえば、図書館員の方々に祝辞を言いたい。肉体的にはそれほど剛健でもなく、政府とのコネもなく、金持ちでもない彼等は、民主主義に反する横暴な連中が、書棚からある種の書籍を取り除こうとするのを断固として阻止し、その書籍を借りた顧客の個人情報を思想警察に受け渡すことを拒否している

私の愛するアメリカは未だ存在しているが、それはホワイトハウスや最高裁や上院や下院、メディアの中にはもはや見当たらない。私の愛するアメリカは、公立図書館の受付デスクに存在しているのだ。

書籍についてもう少し。私たちの毎日の情報源である新聞、テレビなどは昨今あまりにも臆病で、アメリカ人を代表するにしてはあまりにも気が緩んでいて、情報価値もほとんどないので、実際に何が起きているかを知るには書籍に頼るしかない。実例を示そう:クレイグ・アンガーの著作「House of Bush, House of Saud」は、屈辱的な、恥ずべき血塗られた年となる今年度の初頭に出版されている。

まだお気づきでない方のために言っておくと、フロリダの恥ずべき不正な選挙により何千ものアフリカ系アメリカ人の公民権が恣意的に剥奪された結果として、私たちは自らを、高慢で、にやついて顎を突き出した、無慈悲な戦争偏愛者として、ゾッとする兵器と反論を許さぬ姿勢でもって世界中に自己紹介しているのである。

まだお気づきでない方のために言っておくと、私たちはかつてのナチと同じくらい、世界中から恐れられ嫌われるようになっているのだ。

それには充分な理由がある。

まだお気づきでない方のために言っておくと、選挙で選ばれていないわが国の指導者は、ただ単に宗教と人種を理由にして、何百万もの人類から人間性を奪ってしまった。私たちは思いのままに彼等を傷つけ、殺し、拷問し、収監した。

そんなの朝飯前さ。

まだお気づきでない方のために言っておくと、私たちは宗教や人種という理由ではなく、下層階級の出身というだけで、自らの兵士達から人間性を奪ってしまった。

どこにでも兵隊を送り出せ。何でもやらせればいい。

朝飯前さ。

オライリー・ファクターだ。

そんなわけで、私は故郷を持たぬ男になった。ただし図書館員と、あなたが今読んでいるシカゴを拠点とした雑誌「In These Times」は例外だが。

イラク侵攻の前、偉大なるニューヨークタイムズ紙は、大量破壊兵器の存在を保障していた。

アルバート・アインシュタインとマーク・トウェーンは人生の終わりに人類に絶望したが、トウェーンは第一次世界大戦を見ないで済んだ。今や戦争はテレビ娯楽の典型例になった。第一次世界大戦が特に娯楽向きだとしたら、アメリカの二つの発明品、有刺鉄線とマシンガンのおかげだ。 手榴弾はそれを発明したイギリス人(シュラプネル)にちなんで名づけられた。あなたも何かの名前になりたいでしょう?

比類なき先達であるアインシュタインとトウェーンのように、私もまた人類には絶望しはじめている。そして、お気づきの方もあるかもしれないが、私が冷酷な戦争機械に降参したのは、これが初めてではない。

私の臨終の言葉?「人生とは動物一匹、ネズミ一匹にすら役にたたないものである。」

ナパーム弾はハーバード出身だ。Veritas!(ラテン語:本当だ!)

我等が大統領がクリスチャンだって?アドルフ・ヒットラーだってそうさ。

気違いじみた人々が、つまり良心なき連中が、情けや恥の意味もわからず、政府や企業から金を持ち出して、自分たちのものにしてしまうという時に、若い世代の人々に何というべきだろうか?

2004/08/09

サウジ王家からローラ・ブッシュに1千万円を超える宝石の贈り物

Knight-Ridder紙2004/08/05付記事より。(Common Dreams 転載)以下に記事を要約。



サウジアラビア王家のアブダラ王子が、ブッシュ家族に多額の贈り物をしていることが判明した。

2003年度に、アブダラ王子からブッシュ家族に贈られたプレゼント(宝石その他)の総額は12万7,600ドル(約1,409万9,800円)。この中には、ファーストレディのローラ・ブッシュ宛てに贈られた、ダイヤとサファイアをちりばめた宝石セット(時価95.500ドル/1,055万2,750円)が含まれている。

合衆国の連邦法では、海外政府から連邦政府職員に贈られるプレゼントは全て報告が義務付けられており、大統領、副大統領とその家族は、285ドルを超えるプレゼントに関しては所有を禁止されている。(連邦の所有とされる)

記録によれば、上記のほかにもアブダラ王子は、ダイヤモンドと白金をあしらったイタリア・ブルガリ製の宝石を2セットと、「金銀メッキが大胆にあしらわれた」8,500ドルの置時計を、ブッシュ家に贈っているという。

また、アブダラ王子は、ブッシュ政権の重鎮アンドリュー・カード主席補佐官とライス補佐官にそれぞれ1,500ドル相当の装飾付き短剣、パウエル国務長官にも1,500ドル相当の銀製ミニ短剣、ラムズフェルド国防長官には700ドル相当の小さな金の馬の置物を贈っている。

単品として2番目に高額なプレゼントは、ロシアのプーチン大統領からブッシュ大統領に宛てたもので、赤いベルベットと宝石をちりばめた表紙の、水彩で描かれた43人の合衆国大統領の肖像画本で、45,000ドル相当とのこと。(過去の大統領を思い出せというわけだ。プーチンらしい皮肉に満ちた贈り物である)

ペン、時計、祝いの衣装から絵画まで、各国要人からブッシュ大統領へ贈られたプレゼントは大小様々であり、小さな美術館ができそうな勢いであるという。アフガニスタンのカルザイ大統領からはアフガン風ラグ(4,500ドル相当)、アルゼンチン共和国のネストル・カルロス・キルチネル大統領からは300パウンド(約135キログラム)のラム肉(1,500ドル相当)、フランスのシラク大統領からは、クリスチャン・ディオール製のコロン、アフターシェイブローション、石鹸のセット(133ドル相当)を含め、総額1,900ドル分のプレゼントがブッシュ大統領宛てに贈られている。

1972年には、戦略兵器制限交渉記念として、ニクソン大統領が旧ソ連のブレジネフ書記長に、キャディラック・エルドラドを、1996年には、クリントン大統領がフランスのシラク大統領にテレプロンプター(スピーチを表示する装置)を贈っている。クリントン大統領は、辞任の際にホワイトハウスに19万ドル分のプレゼントを保管していることが発覚し批判を浴びた。最終的にクリントンは8万6,000ドル分の贈り物を自費で買い取った。

2004/08/08

移民、市民権、戦争・・・アメリカ。

Knight Ridder Newspapers2004/08/03付け記事より。全文を以下に翻訳掲載しました。



米国で急増する移民兵士の市民権取得
U.S. fast tracks immigrant troops' citizenship


by フランク・デイビス、Knight Ridder Newspapers

ヒルバート・シーザー

イラク戦争で片足を失くしたヒルバート・シーザーは、合衆国市民認定を迎えるべくシートに案内された

バージニア州アーリントン----ヒルバート・シーザー氏にとって、市民権への道は長く困難なものだった。彼は11歳でギアナからニューヨークの街に来て、米国陸軍に入隊し、4ヶ月前には勤務地のイラクで、地雷により右足を失った。

今週火曜日、義足で早く歩く方法を身につけたシーザー氏は、シートから杖なしで身を起こし、忠誠の誓いをして、市民権の証となる証明書を受け取った。

「ずっとアメリカ人になりたかったんだ」26歳のシーザー氏は、誇りと緊張に震える声で言った。「今日よりもずっと前からアメリカ人という意識はあったけどね」

シーザー氏は流行の一部だ。市民権獲得に有利となる米軍に入隊して、「国外、国内の全ての敵から」合衆国憲法を守る誓約を行うよりずっと以前に、戦場で多大な犠牲を払う若い移民は急増している。

140万人の現役米軍兵士の内、およそ3%は米国市民ではない。移民局によれば、(米軍に所属する移民の内)16,000人余りが、過去2年間で市民権を申し出て、半数が申請資格を取得している。

火曜日には、アーリントン(バージニア)郊外の無名の連邦オフィスで、27ヶ国---グアテマラからカザフスタン、イラクまで--からやってきた34人の新しい市民が、宣誓を行ない、親類を抱きしめながら、たどたどしい英語で、合衆国国家を歌った。

その集団のうち、5人は現役の軍人で、内2人はジャマイカ、1人はエルサルバドル、もう1人はドミニカ共和国の出身者だ。

「ニュージャージーで高校生だった頃には何をしたいかわからなかったけど、軍隊に家族がいたおかげで機会に恵まれたよ」22歳の技術兵、レイズ・ハーナンデスは言う。彼は子供の頃エルサルバドルから移住し、イラクに15ヶ月間駐留した。

ヴォネサ・ロビンソンは、ジャマイカ生まれの19歳で、陸軍憲兵隊の警官だ。市民権を獲得したのは「意味のあることに思えたから」だと言う。

「長い間考えてきたけれど、米軍の仕事をするようになって、(市民権獲得が)他より簡単だとわかったの」と言うロビンソンは、ドイツに駐留する補給専門官で、8ヶ月間をイラク勤務で過ごしている。

シーザー氏の話では、軍隊への道は子供の頃ニューヨーク市に居た時に決まったという。そこでは今でも、彼は父親と暮らしている。「兵士か警官になるのが夢だった」

4月18日、イラクのバグダッドで、シーザー氏の車輌は爆発物により爆破された。ワシントンのウォルター・リード陸軍医療センターで、他の義足利用者と同じように、彼は懸命のリハビリテーションを経験した。

「お互い助けあったよ」シーザー氏は戦友について語った。「私は彼等を励まし、彼等も私を励ましてくれた」

彼は軍隊に残るか、警察官になって、自分の犠牲については軽く扱うつもりで居ると言う。

「私は兵隊なんです」記者に彼は話した。「こんなこともあるんです」

子供の頃キューバから移住し、市民権・移住サービスに勤務するエドワルド・アグイラ氏は、市民権獲得セレモニーは感動的で楽しいものだと言い、シーザー氏に目を留めた。

「あなたはすでに、アメリカ国民が愛し慈しむ自由を守るために闘ってくれた」アグイラ氏は言う。「あなたを同胞と呼べることを、私は誇りに思います」

現役の兵士の市民権取得手続きが簡単で早くなったのは、2002年度にブッシュ大統領の発した大統領命令と議会の働きによるものである。

通常なら3年間待たねばならないところを、市民権を持たぬ現役兵士は、米軍入隊と同時に市民権取得手続きを始めることが出来る。米軍兵士にとって、市民権取得手続き全体にかかる期間は、現在のところ1年以下である。それに対し、軍隊以外からの市民権取得手続きは、何年も待たされることになる。

今年10月1日から、海外の米軍基地に所属する移民は、市民権取得の際の面接のために、合衆国に帰国する必要はなくなる。そうした市民権取得の手続きは世界中の米国大使館で行われることになる。


2004/08/07

エドワーズの民主党大会演説ハイライト

民主党全国大会での、ジョン・エドワーズ副大統領候補の指名受諾演説からハイライトを以下に翻訳掲載。(原文とビデオ

---今夜、私たちがこの会場でお祝いをしている時間にも、アメリカのどこかで、キッチンテーブルに座る母親がいます。彼女は眠れない。彼女は請求書の支払いができるかどうか不安なのです。家賃と子供の食費を稼ぐために、彼女は毎日一生懸命働いています。彼女は正しい生き方を貫いているのに、ゆとりのある生活には程遠いのです。

かつては彼女の家ではそんなことはなかったんです。彼女の夫は軍の召集を受けて、もう一年以上もイラクで勤務しています。夫は先月帰ってくると思っていたのに、今ではいつ帰れるかわからない。

彼女は自分ひとりだけと思いつめる。しかし今夜、この会場や皆さんの故郷では・・・皆さんわかりますか?彼女には大勢の友人がいることになるのです。自分の言葉がきちんと聞かれていることを彼女に知って欲しいんです。彼女の家にも公平なチャンスが訪れるべき時期なのです。

私たちは、これからは、彼女のような人がゆとりある生活を送れるように、アメリカ国内に力を注ぎます。これから私たちはアメリカを世界から尊敬される国に変えて、彼女の夫を故郷に連れ戻し、アメリカの兵士がイラク戦争やテロとの闘いを独りで行う必要がないように力を注ぐのです。

ですから、これから家に戻り、母親を深夜勤務の仕事に送り出す時には、彼女にこう伝えてください・・・「希望はやって来る」と。

あなたの兄弟が電話で、オフィスで年中働いているのに出世できないと話す時は、彼に言うんです・・・「希望はやって来る」と。

あなたの両親が電話で、医療費が高すぎて支払いが追いつかないと嘆く時、両親にこう言ってあげてください・・・「希望はやって来る」と。

あなたの隣人が電話で、娘が大学に行くために必死に働いていると話した時には、彼女に言いましょう・・・「希望はやって来る」と。

イラクの自由を守るために、国家に身を捧げる子供たちと話すときは、彼等に伝えてください・・・「希望はやって来る」と。

朝起きて、子供とキッチンテーブルに座り、彼等にアメリカの偉大な可能性について話す時には、ジョンと私が心の底から信じているように、明日は今日よりももっと良くなると子供がわかるように話してください。

皆さんと同じように、私も人生から様々なことを学びました。もっとも大切なことを二つ挙げると、まず最初に、心の痛みや苦労は常にあるということです。もうひとつは、良き魂と強い意志を持つ者は、物事を変える力があるということです。片方は悲しい教えですが、もう片方は勇気を与えてくれます。私たちはアメリカ人なので、勇気づけられることを選択するのです。

私たちは絶望を超えて希望を選択するのです。問題を超えて可能性を選択し、悲観主義を超えて楽観主義を選択するのです。「できるはずがない」と周りに言われても、正しいことを行うことを選択するのです。私たちはもっとうまくやれることを知っているから、立ち上がることを選択するのです。このアメリカでは、全ては今でも可能なのです。

私たちの信じていること---ジョン・ケリーと私が信じていることは、決して他人を見下すようなことをせず、国民を奮い立たせるべきということです。国民を分裂させるようなことは信じていません。国民を団結させることを信じているのです。私たちが信じ、私自身信じていることは、アメリカにおいては、生まれた家族の状況や、肌の色によって、運命が決まってしまうことはあってはならないのです。

この運動に加わってください。アメリカ国内を強くして、世界から尊敬される国にしましょう。もう一度、ひとつのアメリカを目指しましょう。私たちのアメリカです。今日よりも良い明日はきっと来ます。どうもありがとう、皆さんに神のご加護を。


極めて巧みに構成されたスピーチ原稿であることがよくわかる。エドワーズはこの優れた言葉を、メモも何も見ずに支持者たちに聞かせて見せた。エドワーズが演説で強調した言葉---「希望はやって来る(hope is on the way)」---は、民主党大会以降、支持者たちのキャッチフレーズとなっている。

2004年度大統領選挙は、両陣営共に副大統領候補が重要な役割を果たすだろう。つまり、エドワーズはケリー陣営にとって最大の強みだが、ブッシュ陣営にとってチェイニーは最悪の弱点になるだろう。8月30日から行われる共和党大会で、心臓障害を抱えるチェイニーは「健康上の問題により」選挙から降りるという予測も根強い。もちろん、ブッシュ陣営のホンネは、チェイニーのペースメーカーの具合よりも、米軍幹部や米国民を激怒させているハリバートンとイランの取引ナイジェリアでの賄賂問題人格問題のほうが頭が痛いのである。

2004/08/06

ブッシュ、防衛予算法案承認スピーチで・・・

ブッシュ大統領の、2005年の防衛予算法案を承認した際のスピーチから抜粋。うっかりホンネが・・・

「我々の敵は革新的で資源豊富です。私たちもそうあるべきです。
我々の敵は我が国と我が国民を傷つける新しい方法を考えることをやめません。私たちもそうです。」

"Our enemies are innovative and resourceful, and so are we. They never stop thinking about new ways to harm our country and our people, and neither do we." (source


ちなみに今回ブッシュが通した2005年度合衆国防衛予算法案の総額は4,175億ドル(約46兆6,305億円)、その内イラクとアフガニスタン用に250億ドル(約2兆7,917億円)。まさに80年代の「強いアメリカ(byレーガン)」政策を彷彿とさせる。

レーガン時代に戻ったのは防衛予算だけではない。現在、米国ではレイオフ率が8.7%、20歳以上の男女では1,140万人「一時解雇」状態である。これはブッシュ父政権の不景気時代を上回り、80年代のレーガン政権時代のレイオフ率(9%)と並ぶ悪い記録なのだ。

2004/08/05

イラク市民の死亡者数は37,000人以上

アル・ジャジーラ2004/07/31付記事より。

イラク人市民団体(The People's Kifah、Struggle Against Hegemony)の実施した詳細な現地調査によれば、2003年3月から10月の間に、米軍によって犠牲となったイラク一般市民の数はおよそ37,000人以上にのぼることが判明したという。(この人数にはイラク軍や他の民兵組織による犠牲者は含まれていない)

イギリス在住で、死亡者数調査を監督したアル・ウバイディ(Muhammad al-Ubaidi)生理学教授によれば、調査によって判明している市民犠牲者の地区別内訳は以下のとおりであるという。(クルド人地区は除く)

地区名 死亡した市民の人数
バグダッド(Baghdad)6,103
モスル(Mosul) 2,009
バスラ(Basra)6,734
ナシリヤ(Nasiriya) 3,581
ディワニア(Diwania)1,567
ワシト(Wasit) 2,494
バビル(Babil)3,552
カルバラとナジャフ(Karbala and Najaf) 2,263
ムサナ(Muthana)659
ミサン(Misan) 2,741
アンバー(Anbar)2,172
キルクーク(Kirkuk) 861
サラー・アル・ディン(Salah al-Din)1,797

この市民死亡者数調査は、クルド人武装グループにより調査員の1人が拘束されてから中止されているという。後に米軍に移送されたというその調査員は、現在に至るも安否不明のままである。

1997年に実施された国勢調査によれば、イラク国民の数は2,400万人。次回の国勢調査は2005年実施予定である。米駐留軍は、イラク市民の犠牲者数についてはカウントしていない。

ケネディ暗殺の録音テープ、デジタル解析へ

ニューヨークタイムズ2004/08/03付記事より。

米国の暗黒の歴史の始まりとなったケネディ大統領暗殺事件の調査に新展開。以下に記事を全文翻訳して掲載。
しかし、よりによって大統領選挙の年になぜこんな・・・?



ケネディ暗殺の録音テープ、デジタル解析へ

BY マイケル・ジャノフスキー(MICHAEL JANOFSKY):ニューヨークタイムズ

ワシントン、8月2日---これから1年後には、アメリカの歴史上最も苛立たせるミステリーのうちの1つがついに解決されるかもしれない:果たして、リー・ハーヴィー・オズワルドは単独で暗殺を実行したのか?

ローレンス・バークレー国立研究所の科学者達が、ディジタル走査装置を使って、1963年11月22日にダラスで発生したジョン・F・ケネディ大統領の暗殺の瞬間の現場音声を収めた唯一の録音テープを複製する作業を開始している。

音声テープは、警察オートバイに取り付けられていたマイクロホンを通して、ケネディを乗せた乗用車の行列がディーレイプラザ(Dealey Plaza:大統領が暗殺された場所)を移動する際に録音された。音声は警察本部の速記用口述録音機のベルト上に保存されたが、数十年間にわたる科学的な分析によれば、どれだけの人々が現場で大統領暗殺を実行したかについて決定的な事実を提示できなかった。

1964年に、大統領暗殺に関する連邦政府の調査---ウォーレン委員会は、オズワルドが単独で、プラザ上にあるテキサス歴史図書館ビルから、3発発砲して、暗殺を実行したと結論づけた。しかし、15年後に事件を調査した上院委員会は、暗殺時の射撃は4発であり、その内3発はテキサス歴史図書館ビルから、1発は別の位置から発射されたという結論に達し、多くの陰謀説が展開されることになった。

古い78回転のレコードのように、速記用口述録音機は、針を使用するために、分析のために繰り返し再生されるうちにベルトが破損していった。1990年には国立公文書館の所有となり、技術者たちは、それ以上の機械的な手段による採録を避けていた。

暗殺の秘密を握る速記用口述録音機のベルト

JFK暗殺の秘密を握る速記用口述録音機のベルト

その後、保護主義者たちには、手ごわいながら歴史的に重要な課題が残された:古いプラスチックベルト上の音をどういう方法で採録するか、また、採録が可能となったとき、銃弾の発射数を示す明白な証拠が得られるのか?

米国国立公文書館の公文書保管人であるレスリー・C・ワッフェンは、音声の採録が可能であるだけでなく、デジタル解析によって音声分布を記録し、余分な雑音を除外した銃声だけを抽出できると信じているという。

「これは大事ですよ」ワッフェン氏は言う。彼のチームは音声の録音ベルトだけでなく、エイブラハム・ザプルーダーの撮影した、暗殺の瞬間を捉えた音声なしのカラー8ミリ映像のオリジナルを保管している。「私が専門家を呼んだのはそういうわけです。デジタル解析は専門家の薦めによるものです」

6月の国立公文書館諮問委員会の後、その業務はバークレー研究所のカール・ハーバーとヴィタリー・フェイデフに引き継がれた。彼等は壊れやすいエジソン・シリンダーやLPレコードの解析に、デジタル光学カメラを使って音声を採録する技術を持っている。解析作業は、速記用口述録音機のベルトの溝を電子的にスキャンし、音声パターンをデジタルイメージに転換するプロセスが含まれる。

転換作業が完了すれば、ワッフェン氏曰く「玉葱の皮をむくように綺麗に、録音された層に辿り付く事ができる」という。その時には、狙撃が何発だったのかが判明することになる。

暗殺事件からは多くの陰謀説が派生し、マフィア説、フィデル・カストロ説、リンドン・ジョンソン説、ロシア人説、あるいは映画監督オリバー・ストーンによって提示された「軍産複合体説」などが生まれ、政府高官や捜査当局、歴史家をおおいに悩ませる問題となっている。

ウォーレン委員会の報告書に対抗する最も執拗で有力なセオリーは、第二の狙撃者が、自動車パレードの上方、後に「草深い丘(grassy knoll)」という名称で知られることになる草の生えた丘の稜線から狙撃したというものである。このセオリーは1979年の議会調査以来広範囲に普及しており、論拠の一部は速記用口述録音機のベルト上の録音と映像との比較、及びディーレイプラザでの実射試験に基づいている。

その調査は、4発発射されたという証拠を提示し、初弾、第2弾、第4弾は図書館ビルから発射されたもので、第3弾は草深い丘(grassy knoll)から発射されたものであると示した。

しかし3年後に実施された音響分析により、国立科学アカデミーは、銃声とされる音は単なる雑音と結論づけた。それ以来、速記用口述録音機は再生されていない。

国立公文書館が速記用口述録音機の所有者となってから、2つの難問が持ち上がった:何をするべきか?そしてどういう方法で正確に証拠を捕捉し、公開すべきか?

その難問は何年も解決されぬままだったが、新技術により、これまでのベルトを傷める危険のある手法に代わり、証拠を捉えることが可能であることが明白になった。

諮問委員会は、もしも音声の増強ができない場合、国立公文書館に音声の正確な複製を提供するよう結論している。委員の話では、複製は研究者達に渡されることになる。

「国民は知りたがっている」1989年にディーレイプラザの図書館ビル内に作られた「6階博物館(the Sixth Floor Museum )」の学芸員、ゲイリー・マックは言う。「ウォーレン委員会では単独犯、上院委員会ではオズワルドともう1人犯人がいることになっている。ずっと疑問は解決されていない」

ワッフェン氏の話では、解決は時間の問題だという。

「科学者たちは狙撃時の音声を25年から30年に渡り研究し、それぞれ別の結論に至っている」彼は語る。「しかし、最新の技術で、もっと良い再生音を手に入れて、どちらが正しいか結論を出せるだろう」


2004/08/04

「華氏911」出演で窮地に立たされる兵士

USAトゥデイ2004/07/28付け記事より。以下に記事内容を要約する。



「華氏911」でマイケル・ムーアのインタビューに答えた兵士が、所属するアメリカ海兵隊から命令違反容疑で告発される窮地に陥っている。

「華氏911」の作品中、開戦から2ヶ月間のイラク駐留軍勤務から一時帰国した海兵隊員、アブダル・ヘンダーソン伍長に対して、ムーア監督はイラクの戦場に戻るつもりかどうかを尋ねる。ヘンダーソン伍長は、その質問にノーと答えるのだ。海兵隊の広報官によれば、それは軍規に反する行為であり、インタビューでの言葉どおりイラク勤務に戻らない場合、ヘンダーソン伍長は「脱走兵」と見なされるという。

ヘンダーソン伍長とマイケル・ムーア

ヘンダーソン伍長とマイケル・ムーア、「華氏911」より

「(ムーアの質問に)驚きでした。そんな質問をされるなんて思ってもみなかった。」ヘンダーソン伍長は話す。
「でも私の答えは心の底から出たものです」

ヘンダーソン伍長の所属する部隊は、秋には再びイラク勤務の予定があるという。

「私は葛藤しています。兵士として、召集には応じなければいけません。そういう約束ですから。しかし私は自分の信じるとおりに行動するつもりです」

脱走兵と認定されれば、彼は軍の刑務所に最大1年間収監される可能性がある。

「ひとたび戦争になれば、この国では誰もが協力しなければなりません」カリフォルニア州立大学で商業を専攻するヘンダーソン伍長は話す。「1人の兵士として、私もそういう理由で入隊したのです」

しかしイラク侵攻はヘンダーソンにとって意味のないことだった。29歳のヘンダーソン伍長は、イラクに戻るよりもアフガニスタンに配属されるほうを選ぶという。そのほうがテロとの闘いに適っているから、と彼は信じている。「イラク?どこに差し迫った脅威がある?」

自身を熱心なクリスチャンと評するヘンダーソン伍長は、世間から注目されないことを望んでおり、ハワード大学博士課程に通う妻にはもうすぐ子供が生まれるという。



多くのアメリカ国民は、ヘンダーセン伍長のことよりも、軍から給与を騙し取っていた脱走兵の処分を待っている。ジョージ・W・ブッシュと名乗るその脱走兵は、政治家の父親のコネを使ってベトナム行きを逃れたことでも有名だ。そのような事実にも関わらず、軍から訴追され収監されるどころか、その人物はホワイトハウスを占拠している。
where was Bush?

ブッシュ脱走兵告発ポスター:「ブッシュは何処に居た?」(source

恐怖による統治:3年前の情報で今頃厳戒態勢のニューヨーク

ワシントンポスト2004/08/03付け記事より。

米国土安全保障省が、ワシントンの世界銀行やニューヨーク証券取引所などの金融関連施設の警戒レベルをオレンジに引き上げた件で根拠となった情報は、9/11テロ以前の古い計画に関するものであったことが判明。ワシントンポストの取材した複数の情報部関係者によれば、「今のところ新しいテロ計画が進行中という情報はない・・・なんで今になってこんなに危険レベルを上げるのか、さっぱりわからない」と話しているという。

国土安全保障省の制定したテロ警戒カラーコード

国土安全保障省の制定したテロ警戒カラーコード。(source)この警戒コードの基準についてはすでに政府内でも疑問視されている

つまり、ブッシュ政権は、これまで無視し続けてきて、各情報局に山積にされた過去のテロ計画情報に、情報入手から3年経過してやっと対応しはじめたわけである。この調子では、CIAやFBIの引き出しの奥から、埃をかぶったアルカイダのテロ計画情報が見つかる度に、ニューヨーク市街は厳戒態勢になってしまう可能性がある

米国土安全保障省のトム・リッジ長官は、実のところ米国のテロ対策が全くダメな状態であることを自覚し、そのプレッシャーに耐えられないと弱気になっている。国内テロ対策チームを率いた前任者リチャード・クラークの著作によれば、業務引継ぎの際に、トム・リッジは新ポストに乗り気でない旨が書かれているが、それを裏付けるかのように、今回のテロ警告の直前(7月30日)、トム・リッジ長官はブッシュの再選如何を問わず辞任するつもりであることをうっかり漏らしている

トム・リッジ長官は、FBI、CIA、NSA各情報組織の調整役という重責に加えて、薄給(年間17万5,700ドル)という現在の立場では、二人の子供(トミーとレスリー)を大学に入れられないと愚痴をこぼしているらしい。(リッジと同じレベルの米政府高官は、年間100万ドル程度稼いでいる)

ところで、ニューヨークにテロ厳戒態勢を敷いた日は、偶然にもブッシュ再選キャンペーン開始と重なっている。国内テロ対策はブッシュ再選の売り文句のひとつであり、9/11調査委員会最終報告の直後に情報組織の再編政策をいち早く打ち出すなど、ブッシュは、あたかもテロ対策に真剣に取り組んでいるかのように振舞っている。そんな時にテロ警告で厳戒態勢になれば、誰でも次期大統領のテロ政策に注目するというものだ。(皮肉なことに、ブッシュが新たに打ち出した情報組織再編案は欠陥政策としてすでにタイムズ社説で批判されている)

今回のニューヨーク厳戒態勢はトム・リッジ長官が辞任前にブッシュに宛てた「サンキューレター」の意味合いが強いのかもしれない。テロ警告を出した次の日に、トムは国民に向けて以下のように呼びかけている

「アメリカらしさを継続しましょう。仕事に行ってください。追って施行される安全対策があなたを守ってくれることでしょう。さあ、仕事に戻りましょう

国土安全保障省のテロ警告なんて深刻に考えないでくださいね、私もいずれ転職しますから・・・という意味では決してないのだろうが・・・

2004/08/03

フロリダ女性の臨終の言葉:「ブッシュを倒せ!」

Local10.com2004/07/30付記事より。記事を以下に翻訳しました。



フロリダ州マイアミビーチ:南フロリダの女性が、死の直前に異例の言葉を残した。花束やチャリティへの寄付を望む代わりに、彼女は残された家族に、ブッシュが絶対に再選されないように尽力して欲しいと言い残したのだ。

遺族の話では、ジョアン・アベイは死に際しても自身の政治的情熱に全力を投じたという。

アベイはカナダ・モントリオール出身だが、マイアミビーチとアベンチュラに長く住んでいた。葬式には、遠くカナダからカリフォルニアに及ぶ家族と友人が列席し、マウント・ネボ・ユダヤ共同墓地にジョアンは埋葬された。

アベイは生涯を通して民主党支持者だった。彼女が死亡したのは月曜日で、偶然にも民主党全国大会の初日だった。

彼女の妹、ティリー・シャピロは言う。「彼女は気配りの人だった・・・いつも恵まれない人々のことを気にかけていました」

民主党全国大会が終了した次の日、アベイは埋葬された。彼女のただならぬ臨終の言葉はマイアミ・ヘラルド紙に掲載された。「ジョアンさんの価値感に敬意を表するため、ジョージ・ブッシュに反対票を投じれば、自由主義もしくは民主主義に貢献することができます」

アベイの甥、マーティン・シャピロは言う。「彼女がもっとも気にかけていたことは、この国の状況を改善することでした。ジョージ・ブッシュを排除して全ての人々のためにより良い国を作ることです」

偶然にも、臨終の席に居合わせたラビであるブレット・ゴールドスタインは、民主党員でありながらブッシュに投票するつもりでいたという。アベイの臨終の言葉について、彼は疑問を呈している。

「私の主張としては、極めて神聖な状況においては、政治的な波及力というものをなくすべきだとは思います」ゴールドスタイン氏は言う。「しかしながら、誰にでも機会は与えられているので、望みどおりのことを行えば良いでしょう。今この場所では適切ではありませんが」

シャピロは言う。「(臨終の言葉は)彼女の本心だったんです。彼女の核となる価値感は、この国がもっと良い場所になり、もっと公正な社会を実現することでした。まさしく彼女が最期に残したかった言葉なのでしょう」

アベイは自身の年齢について知られることを望まなかったという。友人たちの話では、彼女は精神的には永遠の若さを保ち、信念を断固として貫き通したという。


2004/08/02

「ジョニーはいい奴だったか?」byグレッグ・パラスト

調査報道記者、グレッグ・パラストの2004/07/31付け最新コラムを以下に全文翻訳掲載。

ボストンで開催された全米民主党大会。保守派が支配したその内容に、民主党内の分裂は一層拡大したかのように見える。クシニッチ候補は選挙戦から撤退し、反戦活動家は会場から叩き出され、「招かれざる客」マイケル・ムーアは民主党大会会場では無視され、代わりに近所のリベラル系講演会でスピーチ。(同じ講演会で彼の直前にスピーチしたのはハワード・ディーンだった)厳戒態勢の会場では、遅刻したオクラハマ選出の代議員が手錠をかけられ退場させられる始末

そもそも今回の民主党大会の費用9,500万ドルのほとんどは大企業の寄付で賄われていて、その中には軍事企業レイセオンも含まれているとあって、「反戦」は禁句だったようだ。(大会参加者の名札にしても、献金額によってデザインが異なるのだ)

ブッシュ再選は絶対に避けるべきだが、民主党がこのまま保守化・分裂していけば、2008年には再びブッシュ家が政権を握ることになるかもしれない。いや、そもそも、本当にケリーで勝てるのか?


ジョニーはいい奴だったか?(Johnnie been good?)

by グレッグ・パラスト

ボストン。金持ちどもの宴だ。ジョン・ケリー、ジョン・エドワーズとその核家族に風船が舞い踊る。

デカいスピーカーから流れるのは「ジョニー・ビー・グッド」。民主党員達は喜び、ぴょんぴょん跳ねる・・・まるでJFKがダラスに立ち寄ることもなく、ビル・クリントンが決してヘマをやらなかったみたいに振舞ってる。まるでイラクに派遣された息子たちを、生きたまま故郷に連れ戻せるチャンスがあるかのように。まるで、アメリカがディック・チェイニーの穴倉から這い出して、再びお日様を拝めるかのようだ。

民主党大会エンディング風景

だが、「ジョニー」ケリーはそんなにいい人物だったのだろうか?

今夜、ケリーは、オハイオの哀れな連中の話---会社が工場を閉鎖して南米に移転したという連中のことを話してくれた。でもちょっと待てよ、ジョニー、君はNAFTA(北米自由貿易協定)に賛成票を入れたんだろう?

ホワイトハウスは教師や生徒を司法からの逃亡者みたいに扱って、退学を促していると批判したケリーを、観客は賞賛した。でもジョニー、君は、公共教育を攻撃する政策であるジョージ・W・ブッシュの「落ちこぼれゼロ法案」に賛成したじゃないか。

それから、党の政策に関して、まるでどのようなときでも頼りにできる男性であることを示すようなステキな話を聞かせてくれた。「党内でも多くの人と袂を分かつこともあった」ケリーは言った。「財政均衡法に賛成したのは、それが正しいと思ったからだ」それは違うだろう?ジョン。反政府主義的ヒステリーの流れに沿って、泣かせるプログラムの最中にナイフをかざして見せるような、へっぴり腰の臆病政策だったじゃないか。

ケリーは、ホワイトハウス前で膝を抱えてうずくまる哀れなホームレスの悲しいお話も聞かせてくれた。これがクリントンの金持ち改革法案に賛成票を入れた人物と同じ口から出た言葉だろうか?その法案はフードスタンプ(食料配給制度)に5年の制限を設けて、合衆国法の名の下に子供を飢えさせることになったのだ。レーガンだってケチャップを野菜として分類しただけだったのに。

貧乏人を食べさせるために、ケリーは貯めてきた現金を最大限活用してくれたそうだ。「10万人の警官を街頭に配備するためにがんばった」そうかい、ありがとうよ、ジョン。

私が今夜のショーで傑作と思ったのは、ケリーがこう話した時だ。「イラクに大量破壊兵器があることが証明できないという話だ。大統領として、私なら厳しく質問して確固たる証拠を求めるだろう。」

しかしなあ、上院議員の時はそうしなかったんだろう?質問なんて何もしなかったじゃないか。目をつぶって、嘘に投票したんだ。誰でも知ってるし、君だってよくわかってるはずだ。

それから、今夜君は国家を守るために闘った事を何度も話したね。勲章も受け取ったんだろ?悪いけど、自分の国を護るために闘っていたベトナムの若者を背中から撃ったような人物が英雄になれるわけないよ。

昨日、友人のマイケル・ムーアと私はボストンで記者会見を行った。何人かの間抜けな記者が「ミスター華氏911」にケリーのイラク駐留継続方針について質問した。マイケルはそわそわして質問をはぐらかした。彼が回答を偽ったことにはちょっと居心地の悪い思いがしたよ。「ケリー大統領なら我々を戦争に送りこんだりしなかっただろう」しかし上院議員のケリーは、それをやってきたんだぜ。

私はマイケルよりも楽な立場にある。ジャーナリストとして、どの候補も擁護する必要はないのだ。そうは言うものの、民主党員の友人なら、私をギュンタナモ刑務所に送って尋ねたいところだろう:「君はケリーを信じるだろうが、ケリーは君を信じるかな?」

憶えといてくれよ、兄弟。私は質問をしているだけなんだ。もし回答が君たちの金持ち仲間にとって気分を害するものなら、お気の毒さま。

皆さんの言いたいことはわかるよ。「ブッシュのほうがずっと悪党じゃないか?」

そりゃ間違いない。ケリーがブッシュと同じくらい悪いかどうか尋ねることは、ビンタされることが頭蓋骨をレンガで叩かれるのと同じくらい苦痛なのかどうか尋ねるようなもんだ。

でも、偽善の塊のような特権階級の政治屋連中に酷い目にあわされておきながら、そいつらを賞賛するなんてことにはもうウンザリじゃないか?どんなにステキな風船が頭上で舞っていても、気分のいいものじゃないだろう。



Bush Family Fortunes

グレッグ・パラストのドキュメンタリー最新作、「Bush Family Fortunes(ブッシュ家の財産)」は2004年9月28日DVDとして発売される。ブッシュのベトナム逃れから2000年大統領選挙の不正、911テロとの関係をもっとも早くから映像として暴露し、「華氏911」の下地となった英BBCのドキュメンタリー作品に追加再編集した内容らしい。必見である。

2004/08/01

7月のサプライズ:パキスタンが予定どおりアルカイダ幹部を拘束

デモクラシーナウ2004年7月30日付ニュースより。

前もって予告されていたとおりパキスタン政府がアルカイダ幹部を拘束というニュースが世界を駆け巡った。拘束されたのは、ケニアとタンザニアの米大使館同時爆破事件(98年)の主犯とみられる人物、アフメド・ハルファン・ガイラニで、FBIの掲げる22人の国際指名手配テロリスト中、最重要人物の1人として、ビン・ラディンと同じ額の2,500万ドルの賞金がかけられていた。

アフメド・ハルファン・ガイラニの拘束が発表されたタイミングは、民主党大会でジョン・ケリーが指名受諾演説を始める数時間前。しかし同容疑者が実際にパキスタン現地で拘束されたのは公式発表の4日前というから、ホワイトハウスの注文どおりの演出が行われた可能性は高い。ビン・ラディンが拘束されなかったのは、「お楽しみはこれから」というパキスタン軍事情報部の巧みな交渉術によるものかもしれない。

こうなると、いよいよ今年のオクトーバーサプライズの噂が現実味を帯びてくる。すでに11月の大統領選挙時に大規模テロが発生する可能性があると予告し、選挙の延期手順を模索しているブッシュ政権。ワシントンポスト紙の7月14日の調査では、米国民の55%がブッシュ政権のテロリズム対策を支持し、51%がテロ対策に関してケリーよりもブッシュを信用しているというから、10月にテロが発生すればブッシュ政権再選に有利に働くことだろう。

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