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2004/09/11

911:あなたが「知るべきでないこと」byグレッグ・パラスト

英BBCで活躍するアメリカ人ジャーナリスト、グレッグ・パラストの2004/9/10付けコラムを以下に全文翻訳して掲載。
(ブッシュ政権が911テロ以前にビン・ラディン捜査を取りやめていた件は、パラスト氏の代表作「金で買えるアメリカ民主主義」にも言及されている。)



911:あなたが「知るべきでないこと」---書類番号199-I、そして魂も凍りつくFBIの言葉


by グレッグ・パラスト(2004年9月10日付けコラム

2001年11月9日、まだアメリカ国民が同時多発テロ現場周辺で埃に喉を詰まらせていた時期、米国情報部の或る上級情報部員から英BBC放送に電話が入った。情報部員は不機嫌だった。彼がためらいながら我々に伝えた話では、ジョージ・W・ブッシュがホワイトハウスにやってきてから、CIA(中央情報局)DIA(国防情報局)、FBI(連邦捜査局)の各情報機関は、「サウジ王家の捜査から手を引け」と命令されていたということだった。

我々もそれを知っていた。英BBCのニュース局内で、我々は「部署を問わず極秘:199-I」という書類、つまり、国防関連書類を意味するタイトルの書類を既に手にしていたのだ。

情報部員向けに配信されたその極秘書類によれば、「テロ集団の疑いのある組織」を米国内で運営しているという件でビン・ラディンファミリーの内二人を捕捉せよとのことだった。そのメモの日付は2001年9月13日、多くの国民を救うには2日ほど遅すぎたわけだ。他の多くの情報源に沿ってメモが示していたのは、情報部員達はこの二人を尋問することを望んでいたが、911テロ以前には許されなかったということだった。テロ発生直後には、これら二人のビン・ラディン関係者はアメリカの網から逃げ出してしまっていた。

上級情報部員の話に戻ろう。私は彼に、一体どういう捜査が取りやめになったのか教えてくれるよう念を押した。電話回線を暗号回線に変更するなど、インタビューは簡単ではなかった。最終的に内部告発者が語ったことは、「カーン研究所」のことだった。その頃、米国情報部はパキスタンの「ドクター・ストレンジラブ」A・Q・カーン博士を追跡していた。カーン博士はパキスタンで爆弾を製造し、リビアにその極秘製造情報を販売していたのだ。しかしブッシュとコンドリーザ・ライスがホワイトハウスにやってきてから、情報部は「熱を冷ます」ように強制されたという。特に、この「イスラム爆弾」の影に動くサウジ王家の金の流れに関する調査には制限が設けられたとのことだ。

その後、我々は或る人物に電話をかけた。今度の相手は、中東の武器商人である。彼の話によれば、1995年にパリの5つ星ホテル「ロワイヤル・モンソー」で行われた会談---サウジの億万長者達がアル・カイダ信者達に資金援助することを決定したとされる会談に、商売相手が出席していたということだった。我々の理解するところでは、その金は攻撃を援助する資金というよりは、サウジ王家の保護のための資金提供ということだった。そうは言っても、調査の第一原則は「金の流れを追え」である。しかし石油王達のブタの貯金箱は、ブッシュ政権時代になってから都合よく捜査を逃れていた。豪華ホテルでの会談に出席していた悪党達の内1人は、偶然にもブッシュ家族の仕事仲間だった。

慌てて間違った結論にたどり着く前に、私の話を聞いて欲しい。我々は、アルカイダの9月11日のテロ計画について、ジョージ・ブッシュがあらかじめ知っていたということを示す証拠は何一つ掴んでいない。実際、BBC局内でささやかれるゾッとするジョークがある:ジョージ・ブッシュが全て知っていたと非難する奴は明確な証拠を持って来いというやつだ。これはジョージ・ブッシュが何を知っていたかについての話というよりも、彼の非常に奇妙な無知に関する話なのである。その無知は愚かさによるものではなく、政治的理由によるものなのだ:サウジの人々に、殺し屋集団への資金提供についての不愉快な質問をしてはならない・・・特にブッシュ家のビジネスに気前良く投資してくれるサウジの人々に対しては。

もちろん、ビル・クリントンもまた、石油業界とアラブ人達には優しすぎるところがあったといえる。しかし知っておくべきことは、クリントンは、任期の最後の一年で、湾岸地域に二人の代表を送り、サウジ王家に対して、米大使館を爆破した連中に「寄付金」を提供することを止めるように警告していたのだ。

しかし、2001年1月に、石油事業に失敗したテキサス男がホワイトハウスを引き継いでから、テロ組織への支援を打ち切るというサウジ王家への要求は、あっという間にくつがえされたのである。

ところで、ビン・ラディンの「テロ集団の疑いのある組織」はどうだったか?世界イスラム青年会議と呼ばれるその組織は、サッカーチームとフロリダ州サマー・キャンプのスポンサーだ。英BBC放送はサマー・キャンプでの活動の一部を伝えるビデオを入手した---そこでは、若者達に自爆テロと誘拐を英雄的行動と讃えるスピーチが行われていた。世界イスラム会議がそうした活動で会員を集めていることは、オランダ、インド、ボスニア政府の話によれば、聖戦戦士をリクルートする上での隠れ蓑となっているという。

確かに、ビン・ラディンの家族達にいくつか質問をする必要はありそうだった。しかし、FBI捜査官達は、全てが手遅れになるまで、捜査が許されなかったのである。

2001年11月、サウジ王家がテロ組織に資金援助していた件の捜査が妨害されたというレポートを英BBCが放送してから、放送内容に回答するため招かれたブッシュの擁護者達は、世界イスラム青年会議に関する報告書を手渡したFBI捜査官を解雇した。ビン・ラディン家に率いられた組織に対しては何の対応もなかった。

そして、今年5月、50人のFBI捜査官が、バージニア州の世界イスラム青年会議のオフィスを急襲し、閉鎖させた。「アンタッチャブル」の出来の悪いシーンを見ているかのようだ。我々のレポートが世に出てから3年後、ビン・ラディン家族が手を振って米国を出国してから多くの月日が過ぎ、やっと捜査が行われたわけだ。捜査官達がほとんどカラッポの書類箱とたくさんのサッカーボールを押収していたとしても、驚くようなことでもない。

なぜ今頃、ビン・ラディンの過去のテロに関する時代遅れの捜査が実行されたのか?なぜ911テロ直後に行われなかった?今年のFBIの捜査が行われた時期は、ちょうどサウジアラビアのリヤドでイスラム原理主義者によるテロが発生した直後である。大慌てする石油王達が米国政府の注意を惹いたのは明らかだろう。ニューヨークの崩壊したタワーは、共和党大会の記念撮影に役立つくらいのものでしかない。

「199-I」メモは、ワシントンの国防ニュースサービスの調査員によって、英BBC放送に持ち込まれた。我々は書類の確証を得るために独自の調査を加え、「デタラメだ。偽物だよ」といういつもの返答を期待しながら、メモをFBIに照会してみた。しかし返答は期待外れだった。FBI本部はこう言ったのだ。「情報部関係者が知っていても外部の者が知るべきでない事柄はたくさんある

知るべきでない?

知るべきでないことってのは何のことだい?大統領殿。国民はいつ頃そいつを忘れてくれる予定になっているというんだ?


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