フロリダで行われた第1回米大統領選ディベートの様子を観て、ブッシュの出来の悪さが全米で話題になっている。トークラジオを聞いていると「ブッシュはカール・ローブのレッスンを受けるときに耳栓をしていたのか?」とか、「飲まずにディベートに臨んだのが間違いだ」などと散々だ。
| source | ケリーの勝ち | ブッシュの勝ち |
|---|---|---|
| CNN/USAトゥデイ/ギャラップ共同調査 | 53% | 37% |
| CBS放送調査 | 44% | 26% |
| ABC放送調査 | 45% | 36% |
| ニューズウィーク誌 | 61% | 19% |
ディベート後に行われた最初の全国調査(ニューズウィーク誌)によれば、ケリー支持47%、ブッシュ支持45%と、再びケリーが逆転トップになっている(ラルフ・ネイダーは2%)。
ディベート前のニューズウィーク誌調査ではブッシュ49%、ケリー43%だったから、共和党陣営は大慌てしていることだろう。
ゾグビーは浮かれるケリー陣営に警告:「このままではケリーの負け」
今年5月にケリーの勝利を予測したゾグビー社CEOは、共和党大会前後からブッシュ支持票が急増したことにより、ケリー不利と予測を変更している。
ゾグビーの指摘するケリー不利の理由は以下のとおり。
- ブッシュのリードは平均4ポイント程度だが、リードしていることに変わりはない。
- 決断していない有権者は米国全体でおよそ600万人、その内ブッシュが再選に値すると感じている人は僅か16-20%で、40%は新しい大統領を求めているが、ケリーに投票する動機には欠けている。(この反ブッシュ票をケリーが獲得する可能性は今後のケリー次第)
- ケリーはブッシュとの姿勢の違いについて、まだまだ充分にアピールできていない。
ディベート報道でブッシュ寄りの姿勢を鮮明にしたCNN
今回のディベート報道に関して、メディア監査団体Mediamatters.orgが面白い記事を書いている。以下に引用。
CNNホスト:ウルフ・ブリッツア(Wolf Blitzer)のディベートに関するコメントの変化:
- ディベート直前:
- 「大統領選挙にとって重要な夜であり、おそらく決定的な瞬間となる。民主党の挑戦者ケリーにとっては絶好の機会でしょう」 「決断の夜です。誰でもそう思っていることでしょう。まさしく全てが決まるのです。歴史研究家は今夜のディベートを将来何度も引用することになるでしょう」
- ディベート後:
- 「(今夜のディベートで)ケリーは圧倒的な勝利をしましたが、結論を出すには早すぎます」
CNNニュースアンカー:マイルズ・オブライエンのディベートに関するコメントの変化:
- ディベート直前:
- 「(ディベートは)選挙キャンペーンの最も重要な瞬間となるでしょう」
- ディベート後:
- 「さて、手元には数字があがっています・・・ディベート後の各社調査結果の大半はケリー勝利となってますが、3回のうち1回のディベートで勝利したからといってケリーの大統領選勝利が確定するわけではありませんね」
記者の妄想(?)を報道したフォックスニュースは慌てて謝罪
フォックスニュースチャンネルの主任政治報道記者カール・キャメロンは、ディベート後の金曜日に、フォックスニュースのウェブサイト上で、自分で書いたでっち上げの記事を掲載した。キャメロンの妄想記事によると、ディベート後のジョン・ケリーがフロリダ州の支持者に向かってこう発言したことになっている:
「いい討論会だったね。指先もキューティクルも綺麗だったでしょう?」このでっちあげ記事を慌てて引っ込めたフォックスニュースは、キャメロンの記事内容が虚偽であることを認め、謝罪した。ちなみに、キャメロン記者の妻はブッシュ選挙チームで働いているとのこと。(フォックスニュースに出演するアナウンサーや保守系タレント達は、ケリー候補の身奇麗なスタイルを「東部の同性愛者っぽい」と揶揄することが多い)
「女性は皆私の支持者になるさ。私はマニキュアもしてるからね」
「私はメトロセクシャル(metrosexual)だが、奴(ブッシュ)はカウボーイだからな」
(metrosexual:衣服やスキンケアに注力、ライフスタイルにこだわる、都市部のストレートの男性/source:英辞郎ontheWEB)
ブッシュの失態とボブ・ノヴァックの災難
ブッシュ政権に極めて近い保守派の政治批評家ロバート・ノヴァックは、ディベートでのブッシュの出来の悪さに慌てたのか、ディベート会場となったマイアミの滞在先ホテルの風呂でコケて腰を負傷し、今後の選挙戦取材が困難になってしまった。
