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2004/11/05

「ケリーは勝っていた」byグレッグ・パラスト

TomPaine.com2004/11/04付記事より。グレッグ・パラスト記者の記事を全文以下に翻訳掲載。

すでに全米各地の市民団体が調べ始めているようだが、今回の大統領選挙は前回を上回る不正が横行している。オハイオ州に関しては、廃棄票に加え、電子投票の問題も調査が開始されているようだ。(電子投票マシン問題はblackboxvoting.org(注:blackboxvoting.comは間違いでした)で情報が集まっている)

出口調査と投票結果があまりにもかけ離れている件は、ワシントンポスト紙他でも触れられているが、決定的に怪しいのは、フォックスと負けないくらい慌ててブッシュ勝利を伝えた米CNNネットワークが、あらかじめウェブ上に掲載していた出口調査結果の記録を、実際の投票結果に沿うように改ざんしている事実が明らかになった件である。ずっと調査中だったのか?(CNN問題と、以下のキャプチャ画面のsource
cnnexitpoll.gif
ジョン・ケリーは公民権よりも学友との友情を選択した。結局のところ、今回も、大統領選挙に似せた単なるイベントが行われているだけなのではないか。ロシアから来たオブザーバーも、アメリカ選挙の実態に驚き、「選挙違反ばかりじゃないか」と失望している。



ケリーは勝っていた(Kerry Won)

by グレッグ・パラスト


ブッシュはオハイオ州を136,483票差で制した。一般的にアメリカ合衆国では、およそ3%の投票が失格とされることである---選挙用語では「欠陥票」と呼ばれる---投票相手が未定とされるのだ。パラスト記者の調査によれば、オハイオ州で廃棄された票がカウントされていたなら、ケリーが勝利を収めていたと推定される。クリーブランド・プレーン・ディーラー紙の本日の記事によると、同州で廃棄された92,672票に155,000票の暫定票を加えたとすれば、オハイオ州全体で247,672票がカウントされていないという。

ケリーは勝っていた。事実は以下のとおり。

誰も聞きたがらないのはわかっている。これ以上紙くずを見たくもないだろう。しかし選択の余地はない。アメリカ民主主義という名の腐ったソーセージを検査するジャーナリストとして、決定州で誰が最も多くの票を獲得したかを伝えるのが私の仕事なのだ。火曜日、オハイオとニューメキシコで、勝利したのはジョン・ケリーだった。

ほとんどのオハイオ住民は、ケリーに投票したつもりでいた。CNNの出口調査によれば、オハイオの女性票では53対47、男性票では51対49でケリーの勝ちだった。第三の性がオハイオ州の投票用紙に登場しないかぎり、ケリーが州を獲得していたのだ。

じゃあ、一体何があったのか?回答:出口調査は正しかったのだ。調査員が聞いたのは「誰に投票しましたか?」だけだ。残念ながら、彼等は決定的な質問を忘れていた:「あなたの票はカウントされましたか?」投票者にわかる術はない。

つまりこういうわけだ。オハイオ州の出口調査では、ケリー・エドワーズ組が票の大半を占めていたが、それら何千もの票は端的に言って記録されなかったのである。これは予測できたことだし、実際予測された。(11月1日の記事を見よ

もういちど言う。オハイオ州のカウントされない投票ゲームの主役を果たしたのは、報告するのも残念だが、つながったパンチ穴(hanging chads)と凹んだだけのパンチ穴(pregnant chads)、さらに新旧のインチキ投票が少々というところだ。

オハイオ州の選挙結果は投票によって決定されたのではなく、「欠陥票」の類で決まっていたのだ。一般的に、アメリカ合衆国では、およそ3%の票は破棄されるか、放り出されるかして、記録されない。頭スカスカのカワイ子ちゃんが(the bobble-head boobs)オハイオ州かどこか、51対49で勝利とテレビの生放送で言う時、あなたには信じられるだろうか?そんな事態はアメリカ合衆国では起こり得ないのだ。なぜなら、獲得票の合計は決して100%には届かないからだ。テレビでは、破棄された票は、ただ単に差し引かれているのである。

そして、全ての票が平等に破棄されるわけではない。公式報告で何度も登場するとおり、破棄される票の大部分は、アフリカ系アメリカ人もしくは少数民族居住区の住民の投票分なのである。(詳しくは報告書を見よ

このことを私達は2000年のフロリダですでに経験している。出口調査では、ゴアが得票差で少なくとも5万票上回ると見られていたが、公式の集計とは全く違っていた。その理由は、フロリダ州務長官キャサリン・ハリスが、179,855件の票を破棄したからであった。フロリダでは、オハイオと同じように、破棄された票の大半は不完全なパンチカード投票用紙---穴が不完全か、2回パンチされていた---だった。誰の票が廃棄されたのか?政府の依頼で廃棄票を調査した専門家の報告によれば、ゴミ箱に入った票の54%は黒人票だった。(合衆国市民権委員会の報告書

重要な点はここだ:フロリダは典型例である。放り出された票の大半(火曜日の選挙ではおよそ200万票が廃棄されたことだろう)は、アフリカ系アメリカ人もしくは他の少数民族市民なのだ。

さあ、またこれだ。いや、こんどは違う。なぜなら、前回と違い、民主党はオハイオ州にそれら不完全なパンチ穴の投票用紙(選挙用語では“保留票”)のカウントを要求すらしていない。

オハイオ州は破棄されやすいパンチ式投票用紙を併用している数少ない州のひとつである。オハイオ州務長官のJ・ケネス・ブラックウェルは、選挙前にこう書いている。「州の基本投票機であるパンチカード方式を抱えて接戦になったときには、フロリダ州のような災難が起こるだろう」

しかし今週、ブラックウェルは、熱狂的な共和党員だが、民主党の票を食べてしまうクセのある投票機の結果を心待ちにしていたのだ。今年のキャサリン・ハリス役を担う可能性について尋ねられた時、ブラックウェルが強調したのは、投票工作の努力が報われて、彼女は下院に加わることができたということだった。

一体どれだけの投票が欠陥品として処理されたのか、ブラックウェルのオフィスは教えてくれないが、法律では報告が義務づけられている。ふう。しかし前回の選挙では、オハイオ州の投票全体のうち、廃棄された投票は民主主義ギリギリの1.96%だったのだ。機械はいつもどおりの失敗し---実数では11万票だが---その圧倒的多数は民主党の票だった。


投票忌避の衝撃(The Impact Of Challenges)

最初から何よりもまず、ケリーはパンチ穴に悩まされた。しかし民主党が負けたのはパンチカードだけではない。「投票忌避」がある。それはオハイオ州の共和党で使われる旧式のクー・クラックス・クラン技術の丁寧語に過ぎない:投票所で何千もの有色人種を妨害するための試みである。オハイオ州、ウィスコンシン州、フロリダ州では、共和党が不可解な---滅多に使われていない---党により選出された選挙監査官が有権者個人の投票を忌避できることを可能にするという法律の下、投票に来る市民を待ち伏せする計画をしていた。オハイオ裁判所は震え上がり、連邦法では忌避の要因に人種がある場合、投票者を指弾するのは違法としていた。しかし我等が最高裁判所は、共和党が投票所のドア前に立てるように準備を整えていたのだ。

結局、投票監査官は圧倒的多数ではないにしろ、投票所に現れたのである。その結果、多くは、“暫定票”になり---ニセ投票扱いだが---カウントされたかどうかは定かではない。ブラックウェルの試算では、暫定票は175,000件、民主党の主張では250,000件だ。お好きな数字をどうぞ。投票忌避が少数民族を狙っていたことは明らかなので、疑いなく、またしても、その多くは民主党票である。それらを全て数えて、破棄されたパンチカード票と合計すれば(人間の目で再集計すれば簡単)その総数は出口調査と一致してくる。そして・・・なんと、新大統領の誕生である。ブッシュは136,483票の得票差で勝利宣言していることをお忘れなく。


魅惑の州の魔法の票(Enchanted State's Enchanted Vote)

さて、ニューメキシコに移れば、ケリーの得票差は、---もし全ての投票がカウントされるなら---もっと明白だ。選挙前、TomPaine.comで私は書いた:「ただの一つの票が数えられる以前、ジョン・ケリーは何千票も失っていた」

なぜこんなことが起きたのか?またしても廃棄票である。それと、暫定票。

CNNの話では、ジョージ・ブッシュはニューメキシコを11,620票差で獲得したことになっている。再びここでも、放送局は全体票数を、存在しない“100%”としている。

ニューメキシコ州の前回選挙での投票廃棄率は2.68%、廃棄票の大部分はヒスパニック系住民、ネイティブ・アメリカン系住民の住む貧困地区のもので、民主党の票田である。火曜日の選挙では、同じ率の廃棄があったとして、ゴミ箱には18,000票ほど見つけることができるはずだ。

ニューメキシコ州では廃棄票はあまりにも民主党風の外見をしているという。同州でのヒスパニック系住民は2対1の割合でケリーに投票しており、彼等の票の破棄される確率は白人のそれに比較して5倍である。これらカウントされない票を集めれば、簡単にブッシュの“得票差”を凌駕するだろう。

すでに、廃棄票の選挙歪曲効果は、まさしくそれが期待される場所で浮かび上がっている。つまり、極めてヒスパニック系住民の多い選挙区で、共和党員が選挙管理を務める地域である。チャベス郡---ニューメキシコ州の”リトル・テキサス”と呼ばれる地区では、人口の44%がヒスパニック系、アフリカ系、ネイティブアメリカン系住民だが、ジョージ・ブッシュは68%対31%で“勝利”しているとのことだ。

選挙前に、私はチャベス郡の共和党事務員と話したが、彼の話によれば、ヒスパニック系住民の投票破棄率が異常に高いのは、ただ単にそのような人種の住民は大統領を選択する決心ができないことを示しているに過ぎないということであった。奇妙なことに、砂漠を旅してきた褐色肌の人々は、投票所で優柔不断票を投じたというのだ。

さて、ニューメキシコ州の暫定票集計の効果についてふれておこう。

「キャンディーを渡すみたいに配ったんです」アルバカーキのジャーナリスト、レニー・ブレイクは暫定票について話してくれた。およそ2万票分が配布されたという。誰に?

ニューメキシコのカソリック大司教区で“誠実な市民権(Faithful Citizenship)”プログラムを主催するサンティアゴ・フアレスの話によれば、彼の抱える有権者---貧しいヒスパニック系住民は、好意的なケリー支持者だったが、あやふやな暫定投票用紙を受け取ったという。ヒスパニック系住民は、数えられることの多い通常票よりも、ほとんど規則的に(宗教上)暫定票用紙を受け取っており、投票所では、少なくとも有権者証明について質問されることになる。サンティアゴの話では、単純に門前払いを食らう住民も多少居たようである。


皆さんのケリー勝利パーティに(Your Kerry Victory Party)

オハイオとニューメキシコはケリーの勝利だ---もし全ての票が数えられたなら。

しかしそれはありえない。民主党の約束にも関わらず、今回の指導者はまたしても人種上の公民権剥奪に屈服したのだ。なぜ?疑いなく、暫定票と破棄票の集計にはブラックウェル州務長官の協力を必要とすることを民主党員は知っている。彼はどの破棄票と暫定票が集計されるか決定できる。ブラックウェルは、キャサリン・ハリスの政策に加わることを切望しており、票の全集計まで許可するとはとても考えられない。それに、民主党の顔役達も、票の集計を要求したらメディアから叩かれることをよく承知している。

ではどうする?ケリーは勝利したのだ。勝利パーティでも開くがいい。しかし幕が下ろされていることも知っておくべきだ。愛国法3においては、全ての票のカウントを要求することは違法になるかもしれない。

私はかつて、ロンドンのガーディアン紙にコラムを書いてきた。友人からは、再び私が故国を去るかどうか尋ねられている。全ての票をカウントすることに失敗したという点で言えば---2度目なのだが---その必要もないだろう。去ったのは故国のほうで、私は置き去りにされたのだ。

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