The Progressive誌2004/11/15付け「マッカーシズム・ウォッチ」記事、コロラドのローカル新聞「デイリーカメラ」紙2004/11/13付け記事より。
11月11日、コロラド州のブールダー高校にシークレットサービスの捜査官が現れた。学校の芸能大会でボブ・ディランをカバーした学生バンドの調査に訪れたというのだ。
ボブ・ディランの「Masters of War(戦争の親玉)」を演目に掲げた「Coalition of the Willing(意思連合)」という高校生バンドが、リハーサルで「ブッシュ、あんたには死んで欲しいんだ〜(George Bush, I hope that you die. . . .)」と歌詞を変えて歌っていたという情報を、匿名の学生が地元のトークラジオ局に通報した。ラジオで流れたその情報が、シークレットサービスの注意を惹いたのだ。
バンドのリードボーカルを務めるアリッサ・ワタニック・ワトソン(16歳)は「大統領を侮辱したことはありません」と容疑を否定している。校長のロン・カブレラ氏も「根拠のない誤解」と彼女の擁護に懸命だ。
学校内を歩くアリッサには「共産主義者め!」と怒号が飛び、マスコミの取材チームが詰め掛けた。学友の1人から「シークレット・サービスが君を探してたよ」と囁かれ、アリッサは信じられない思いがしたという。
シークレットサービス捜査官ロン・ガーナーは、地元新聞社「デイリーカメラ」の取材に応じ、学生達の調査が進行中であることを正式に認めている。「基本的人権は尊重しますが、脅威の疑いがあれば何であれ調査する必要があるんです。」
「全くバカバカしいわ」プログレッシブ誌の取材に、アリッサが答える。「大袈裟すぎる反応よ。何を騒ぎ立てる必要があるというの」しかし彼女は、少々被害妄想気味になったという。「国土安全省のバンが自宅前の通りを巡回してるのを見たの。尾行されているのかしら」
アリッサのバンドがボブ・ディランの曲を選んだのは、メンバーの1人、フォレスト・オングストローム(16歳)の祖父---退役軍人で、2年前に他界し、反戦家だった---を追悼するためであるという。
13日に行われたブールダー高校芸能大会で、アリッサと彼女のバンドは予定どおりパフォーマンスを披露し、学友達の喝采を浴びた。シークレット・サービスの捜査官は現れなかったとのこと。
