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2004/11/30

「大統領専用クルーザーに200万ドル?」byハワード・ディーン

YubaNet.com2004/11/29付けコラム記事より。次期大統領候補ハワード・ディーンの最新コラムを以下に全文翻訳掲載。

現在米国では、次期民主党委員長候補のトップにハワード・ディーンの名前が挙がっている。しかし、民主党保守派(ケリー、リーバマン、ゲッパートに代表されるワシントン系議員)の反対により、ディーンは民主党内部でこれからも疎外され続けるだろう。



大統領専用クルーザーに200万ドル?($2 Million for a Presidential Yacht?)


by ハワード・ディーン

選挙の直後に、ブッシュ大統領は国民同士の協調をアメリカに取り戻すことを政策の柱にすると約束した。それから1ヶ月も経たないうちに、大統領はそうした言葉と約束を反故にするような支出法案に署名しようとしている。本質的に問題なのは、大統領のお喋りではなく、大統領の行為である。

支出法案がどういうものか、ちょっと見てみよう。

ペル奨学金(Pell grants)を受け取っていた85,000人の学生に対し、奨学金支出が廃止されることになる。さらに、120万人の学生が、奨学金削減の対象になる予定だ。一方で、大統領専用のクルーザーを購入するために、200万ドルの費用が承認されている。

農家の人々は4億ドルもの土壌保護改良金を失う。一方で、テキサス州のアメリカ綿花博物館設立には資金が投入されることになる。

大統領が約束した教育予算は、大統領自身の推進する“落ちこぼれゼロ法案”推進のために大統領が承認したはずの予算金額よりも4億ドルも足りないままだ。一方で、大統領はアラスカの海産物マーケティングに100万ドルを支出する決定をした。アラスカは、上院歳出委員会委員長のテッド・スティーブンスの地元である。

さらに酷いことに、支出法案のための資金は存在していない。承認された支出の全額は、財政赤字に加算されることになる。なぜか?2週間前、およそ2兆ドルの借金追加を許可する法案を共和党が通過させ、大統領も署名した。そのツケを、利息をつけて払うことになるのは我々の子供や孫の世代だ。その2週間前には、大統領は石油やタバコ企業、さらには中国の工場など、大企業向けに1,390億ドルを与えることになる法案に署名している。

今週の法案でもっとも注目に値する部分の一つは、アーネスト・アイトック議員(共和党:オクラハマ州)が、アメリカ国民各自の税務申告内容の調査権を議員のスタッフに許可する条項を加えたことだ。幸いなことに、この法案が大急ぎで議会を通過し大統領のデスクに持ち込まれる直前に、ケント・コンラッド議員(民主党:ノースダコタ州)が気づいて注意を促した。この文章を書いている時点で、そうした条項は法案から削除されておらず、詮索好きな議員や、そのスタッフは国民の税務申告書を覗くことが可能になる。

アメリカ国民は政府をもっと良くできるはずだ。私は、少なくとも民主党には、そうした大統領の党が正当化できると思い込んでいる支出法案やおぞましい個人のプライバシー侵害行為に対して、強く抵抗することを望んでいる。

議会に居る民主党員や共和党穏健派の議員達には、たとえ大統領が甘い言葉を並べようとも、現政権の考えるよりもましな優先順位を確立するために立ち上がることを私は望む。大統領の美辞麗句では、農家や環境、学校を救うことはできない。大統領の言葉では、国民のプライバシーを守ることはできない。我々や子供達を守るためのお金の価値を知っている指導者達は、そして国民の個人主義を理解する指導者達は、国民の認めるアメリカを取り戻すことができるはずだ。

“借金、支払い、借金、支払い”というような哲学を支持することは、国民の仕事ではないと私は信じる。忠誠心のある愛国的なアメリカ人は、自分達の国家に対して義務を負うべきであり、国家を弱体化するのではなく強化する財政政策のために立ち上がるべきだ。

2004/11/29

53歳のベトナム従軍経験者、イラク戦地へ

Times Leader紙2004/11/24付け記事より。全文を翻訳して以下に掲載。(この記事の背景事情を知るには、Knight Ridder紙2004/11/24付け記事イラク、アフガニスタン従軍兵士の不足に苦慮する米軍」を参照)



53歳のベトナム従軍経験者、イラク戦地へ(Vietnam veteran, 53, called to active duty)


AP通信

ペンシルバニア州プレザント・ユニティ:最後の戦闘参加から30年以上が過ぎた今、1人のベトナム戦争従軍経験者がイラクでの戦場任務に就くことになった。

月曜日、プレザント・ユニティ存住のポール・ダンラップ氏(53歳)は、ドラグーン作戦参加のため、テキサス州フォート・ブリスに旅立つ。

ダンラップ氏は、トランス・ウェストモアランド郡陸軍州兵C28通信大隊の軍曹を務めているが、1970年から71年の間に11ヶ月間ベトナムでの戦闘に参加して以来、ずっと実戦に参加したことはなかった。

「おそらく、少なくともこれから1年は、家族や孫、友人たちと会えなくなると思う」水曜日発刊のグリーンズバーグトリビューン紙のインタビューに、ダンラップ氏は答えた。「戦場に行くのは本当に久しぶりだ」

機械工のダンラップ氏は、11月に出征命令を受けた。

ダンラップ氏は、フォート・ブリスで2週間を過ごした後、クウェートの第1次103装甲部隊に加わる予定である。通信システムのエキスパートとして、彼の部隊は通信機材の操作と修理を担当することになる。

妻のメリー・ダンラップと、4人の子供、3人の孫を残して、戦地に赴くことになる。

「なんとかやっていけるだろうが、任期が長くなれば故郷が恋しくなるだろうな」ダンラップ氏は言った。「もっと心配なのは、家族が私の任務や、無事を確認する手段もなくどうやって過ごすだろうということだ。私自身より家族にとって遥かに辛いことになるだろう」

メリー・ダンラップの話では、19歳になる息子のティモシー・ジェイムズが、父親のイラク勤務を望んでいないという。

「息子は、父親が、他の人々と同じように、体力基準を通過できないように祈り続けてます」彼女は言った。

出会った頃から夫はずっと兵士だったと言いながらも、「53歳の体で、要求どおりの任務がこなせるのか心配しています」とメリーは話す。

出発を待ちながら、ダンラップ氏は家族と時間を過ごし、月曜にはキジ狩りに出かけた。

「妻や子供たちとは多くの時間を過ごしてきた」ダンラップ氏は語る。「これからもずっと家族と過ごすつもりだ」

2004/11/25

米下院の調査機関が大統領選挙不正疑惑の調査を開始

米CNN2004/11/23付け記事より。

2004年度大統領選挙での不正疑惑と電子投票機、光学票読み取り機の不具合問題が表面化したことを受け、米下院の調査機関である政府説明責任局(GAO:The Government Accountability Office)が、問題の調査に乗り出す意向を表明した。(GAOの公式声明文:PDF

民主党の元大統領候補ジョン・ケリーもGAOの決定に賛同するコメントを発表している。(相変わらずきわめて消極的だが・・・)

2004年11月2日の投票日から、下院司法委員会(House of Representatives Judiciary Committee)には投票に関する苦情が57,000件ほど寄せられていたことも、今回の調査決定の動因となったようだ。

地道に「選挙システムの公正化」を訴える各市民団体にとっては、久しぶりに明るいニュースである。

しかし悪いニュースもある。オハイオ州での選挙不正疑惑を巡り、緑の党とリバタリアン党が共同で、全投票の迅速な再集計を求めていた裁判で、連邦判事は「再集計が開始されるのは、オハイオ州での(最初の)票集計が完了し選挙結果が確定する12月6日以降」という判決を出した。なんと、オハイオ州は(おそらく他の州も同様なのだが)未だ11月2日の投票を数え終わっていないというわけだ

とにかく、オハイオ州での投票の再集計が12月6日以降に開始されるなら、集計結果がケリー勝利を示したとしても、ブッシュの大統領2期目任命を阻止するには遅すぎる。オハイオ州務長官ケネス・ブラックウェル---共和党ブッシュ再選キャンペーンのオハイオ代表者を兼任する人物---の“牛歩戦術”が実を結んだわけである。

(サボっていたのはブラックウェル州務長官だけではない。遅まきながら、オハイオ州の投票再集計要求には地元民主党支部も加わることになった。)

パウエル国務長官の主張:「選挙不正は許さない!---アメリカ以外は!」
ワシントンポスト紙2004/11/24付け記事によれば、ホワイトハウスの“穏健派”として知られるパウエル米国務長官は、最新の大統領選挙の結果について「拒否」しているらしい。同氏によると、今回の大統領選挙は「国際標準(international standards)を満たしておらず、 不正選挙が横行している信頼性の高い報告があるにも関わらず、調査が行われていない」ということだ。

これは手厳しい!しかしパウエル長官が批判しているのは、あくまでウクライナの大統領選挙の話である。お間違いなく。

パウエル長官が自信を持ってウクライナ大統領選挙を批判できたのは、前述したように、その前日に米下院がアメリカ大統領選挙の調査を開始すると発表したおかげであろう。「ワシらはちゃんと調査できるもんね!」というわけだ。不正が発覚してから2週間以上も経過してからの調査開始決定で、おまけにその調査が終わる頃には、またしても不正にホワイトハウスを占拠したブッシュ暫定大統領は二期目を終えてしまうかもしれない---という事実については、パウエルは言及しなかった。

「ウクライナの指導者達には、民主主義を尊重するか否か、民衆の意思を尊重するか否かを、決断すべき時だ」と仰るパウエル長官。アメリカ国内リベラル派はすでに「恥知らず!」とパウエルをストレートに批判しているが、せっかくなので今回はギター侍風にパウエルを批判してみよう:

「でもアンタ!アンタの国じゃ、まだ投票数えてますから!残念!」

2004/11/24

「ダラスの秘密」byアリー・オサリバン

エルサレム・ポスト紙2004/11/21付け記事より。全文を以下に翻訳掲載。



ダラスの秘密(The secrets of Dallas)


by アリー・オサリバン

1964年4月7日、ニューオリンズ警察署所属の26歳の刑事が、前年11月に起きたジョン・F・ケネディ大統領暗殺事件を調査するウォーレン委員会に召還された。

刑事の名はフレッド(後にイフライム)・オサリバン、私の父親だ。

父がリー・ハーベイ・オズワルドと知り合いであることは私もよく知っていた。二人は半ブロック離れた場所で育ち、学校ではホームルームの時間で同席していた。父は何年もの間、リーの前の席に居た。アルファベット順では、オサリバンという名は“オズワルド”よりも前だったからだ。

母親の実家には、委員会への協力に際してジャクリーン・ケネディから父宛てに送られた感謝の手紙がある。事件について父は滅多に話さなかったが、1人の人生を偉大なる冒険へとつなぐ断片的な情報だけは残されている。

ダラスで発生したケネディ暗殺は象徴的な事件だった。事件発生時、自分が何処に居たかを誰でも記憶することになったが、同じように、もう1人のジョン---ジョン・レノンが射殺された時もそうだったし、 イツハク・ラビン(イスラエル首相)が土曜の夜に暗殺された事件もそうなった。

しかし、JFKに関しては、我々は陰謀の存在を信じている。というよりは、一体どうやって、1人の狙撃者が、ほとんど不可能ともいえる距離から、走行中の車列の中の、合衆国大統領を暗殺することができたのか?

私の父は、いつも事件の背後に多くの秘密があると仄めかしていたが、JFK暗殺計画と黒人公民権運動主導者のマーティン・ルーサー・キング・JR暗殺---1968年にテネシー州メンフィスで、白人至上主義者ジェームズ・アール・レイに射殺された---はどちらもニューオリンズを基点にしていると語っていた。

1960年代のニューオリンズには多くの謎があったが、ニューオリンズ警察署の情報指揮官である私の父は、それをリングサイドで観察していたわけだ。

私の父とオズワルドの関係は、オズワルドが高校時代に民間空中哨戒部隊で活動していた頃、行軍訓練チームに勧誘した件も含んでいる。

「オズワルドはいつも直立不動で、いつでも出動の準備ができていると言わんばかりに、視線は前方をまっすぐ、胸を張っていたので、訓練チームで一緒にやれると思ったのです」ウォーレン委員会で、父は話した。

「彼ならやりとげそうでした・・・まあ、小隊に入ったら優秀なリーダーになれそうな、良い印象を持ちました」

スタンフォード大学図書館の地下で、委員会での父の証言を読んでみると、委員会が父に、デビッド・フェリーと呼ばれる人物---ニューオリンズでよく知られた、マフィアとつながりがある同性愛者----とオズワルドとの“関係”について質問している部分を見つけた。

「記憶をはっきりさせようとしています」父は委員会で話した。「知ってること、聞いたことを、はっきりさせようと務めていますが」

「ちょっと混乱しているのです。本当は憶えていないはずなのに、憶えているかのように感じることがあるでしょう?」

おやおや、その頃の親父はまるで青二才の、罪のない人物みたいに見える。

結局、父はフェリーを思い出した。フェリーは最初“未成年者との反自然性交犯罪”で訴追されていたが、暗殺事件の直後に“オズワルドの活動”に関係していたとして逮捕されていた。

「続けて」委員会のメンバーの1人、ウェズリー・リーベラーに促されて、父は詳細を語りだした。

そんなわけで、父と他のニューオリンズ署の刑事は、暗殺事件直後に、空港へフェリーの乗る飛行機を調査するために向かった件を話した。そうした調査は父達が率先し、刑事たちはフェリーが何らかの形で暗殺事件に関わっているのではと考えていたという。

「我々は空港で、彼の機が飛行可能かどうか調べるつもりだった。フェリーがオズワルドをダラスに送り込んだと思っていたからだ。しかし飛行機は飛べる状態になかった。タイヤは磨り減り、機材は紛失しており、塗装は剥げていた。」

「もしかしたら飛行機を借りたのではと考え、調べたが、フェリーに飛行機を貸す会社はなかった」

明らかに捜査は行き詰っていた・・・しかしそれでも、ニューオリンズ地方検事ジム・ギャリソンは、後にフェリーを(オリバーストーンの映画「JFK」ではジョー・ペシが印象的に演じたが)暗殺事件の重要容疑者として、殺人事件後3年以上に渡り、疑惑の渦中に追い詰めていくのだ。

ギャリソンはJFK暗殺を“同性愛者の衝動殺人”としてとりかかり、やがてさらに広大なCIAと反カストロ組織、軍需産業による共同計画と見なし、フェリーがその中で重要な役割を果たしたと宣言していた。1967年2月に死亡する直前まで、フェリーは全ての嫌疑を否定していた。(訳注1

ケネディー暗殺陰謀論者達は、数年間に渡り私の父の元に立ち戻ったが、それは1970年代まで続いた。

目を閉じると、親父が若い警官だった頃が想像できる。髪は古臭い短髪で、クリスマスツリーを放り出して、メノラ(ユダヤ教で使う燭台)に火を点し、シオンの国へ旅立つ以前、まだアイリッシュ系カソリックの魂を持っていた頃だ。

私の父はカソリックのケネディに票を投じた。JFKの死は多くの人々の心を傷つけ、不意をつき、自分が何を成し遂げ、何になれるのかについて、多くの人々に考えさせることになった。

父はそうした影響を受けた1人であった。証言を聞けば、彼がいかに憔悴していたかがわかる。

「事件が発生してから、相当考えてみたんですが」残念そうにしめくくるべく、父は委員会で証言している。「助けになりたいと思っても、何も思いつかないんです・・・思いつく事が何もない」

私が成長するにつれ、父がよく話してくれたのは、人々の目に触れないところでJFK暗殺事件にはさらなる秘密があるということだった。しかし父は詳細について話してくれなかったし、私も話を聞きだそうとはしなかった。親しい友人のような存在だったが、父はいつもプライベートな部分を持っていた。私が知る限り、父ほど秘密を隠し通す人物を見たことがない。

かつて、父の机の引き出しから、父の名前と写真で作られたレバノンの免許証を偶然発見したことがある。彼はそれを払いのけ、知らないほうが身のためと私に話した。それ以上首を突っ込まないように、私は育てられた。

しかし、時が過ぎ、脳梗塞で記憶がダメージを受けはじめる前に、私はもっとJFKについて父から話を聞きだすべきだったと思う。

そんなわけで、41回目の記念日が近づいたある日、私は父に電話して、もう一度だけ聞いてみた。

「41年!もうそんなに経ったのか」ミシシッピの介護施設から、国際電話の回線を通じて、信じられないとばかりに口ごもりながら、父は話した。

「JFKを殺したのは誰だったの?」果たしてアメリカの最も複雑な謎に新たな光明をもたらすことになるかどうか考えながら、私は父に率直に聞いてみた。

「リーだよ」父は言い聞かせた。「彼に決まってるじゃないか」

「それだけ?」

「まあ・・・手を貸した人物については、私自身も疑がっている事がある」

その時、看護婦が父の電話を切ってしまった。




訳注1:
ニューオリンズ地方検事ジム・ギャリソンが、実際にJFK暗殺事件容疑者として起訴したのは、デビッド・フェリーの背後に居た企業家クレイ・ショー(後にCIA工作員と判明)であった。ギャリソンの追求を受けたフェリーは、裁判前に自宅で“自然死”した。JFK暗殺事件の核心に最も近づいたとされるギャリソン検事の捜査については本人の著作「JFK―ケネディ暗殺犯を追え」(ハヤカワ文庫NF)に詳しい(映画JFKの元となった著作)。

2004/11/19

大手メディアが伝えない大統領選挙不正調査:オハイオ州の勝利者は未定になった

そろそろ日本でも騒がれていい時期だ。2004年度の合衆国大統領選挙の際、オハイオ州でブッシュはケリーに何票差で勝利したのか?あるいは、ケリーは勝っていたのか?結果はまだ判明していないのである。

13万6000票差でブッシュが勝利したとされていたオハイオ州は、現在手作業による投票の再集計を準備中である。州務長官ケネス・ブラックウェル---共和党員で熱心なブッシュ支持者---が、州法を無視しない限り、オハイオ州は、未集計の暫定投票(約15万5,000票)に加えて、電子投票で不具合が発覚した地区の票、光学票読み取り機の不具合が発覚した地区などの手作業による再集計を年内に完了しなければならない。

投票集計のトラブルはほぼ米国全土で報告されている。フロリダ、ノースカロライナ、テキサス、ニューハンプシャー、ニューメキシコ、バージニア、オレゴン、ユタ、ルイジアナ・・・、電子投票機と光学票読み取り機の投票結果は、今や全く信頼性を失っている

しかし、CNN、フォックスは言うまでもなく、タイムズ紙、ワシントンポスト紙他大手メディアは、選挙不正疑惑の打ち消しに躍起になり、次々に発覚する票集計のトラブルについては完全無視をしている(これは予測された事態である。2000年選挙の時、フロリダ州の選挙不正について、大手メディアでは唯一ワシントンポスト紙が報道したが、記事が配信されたのは選挙後6ヶ月も経過した後だった。)

とりあえず、今回は大統領選挙日以降、オハイオ州で何が起こっているかを、以下ニュースリンクと共にご紹介しよう。フロリダ州ではさらに異常な事実判明しているが、それはまた後日)

(2004/11/02)
全米大手メディア各局(ABC、 CNN、 CBS、 フォックス、NBC、AP通信)が合同でオハイオ州務長官ケネス・ブラックウェルを提訴。ブラックウェルは投票所出口から100フィート(約30メートル)以内の出口調査実施を禁止していたので、メディア各局が怒ってのことだった。
(2004/11/03)
オハイオ州内各地における投票所での有色人種への威圧行為、大量廃棄された早期投票、電子投票機の不具合に怒ったオハイオ住民数百人が、コロンバスの州ビル前でデモを行った。
(2004/11/04)
ガンナ郡でおよそ4,000票が過剰にブッシュ陣営に加算されていた件をブロガーが発見。(以降、ネット上で活躍する人々が続々と票集計エラーを発見し、再集計活動の原動力となっっている)
(2004/11/04)
地元弁護士によるオハイオ州コロンバス投票状況レポート:黒人居住区での投票待ち時間は5時間から10時間投票マシンの数は通常184人につき1台、しかし貧困地区では1000人以上につき1台設置という状況が、異常な待ち時間の原因。ヤングスタウン地区では、電子投票機でケリーを選択すると“ブッシュに投票ですね?”と表示される不具合が一日中放置。「異常な数のトラブルが発生しているのにメディアは一切無視、ケリー陣営すら事態を静観している」
(2004/11/05)
「オハイオ州でブッシュがケリーに136,483票差で勝利」というブラックウェル州務長官の発表後、ガンナ郡の投票集計ミスをCNN他大手メディアが報道。3,893票が“誤って”ブッシュ陣営の票になっていた。実は全国各地で同様の集計ミスがすでに発覚していたが、各大手メディアはこの一件を最後に報道を控えるようになる。
(2004/11/05)
オハイオ州各地で、投票集計所への接見が禁止され始める州当局者の言い訳は「FBIからテロ発生の警告を受けた。」しかし直後にFBIは警告をしていないことが判明し、益々オハイオ州に疑惑の目が向けられはじめる
(2004/11/06)
オハイオ州で暫定投票155,428票分の集計開始を発表。この時点で州側は暫定票の内10%程度を“不完全票”として除外している。暫定票の他、未集計の不在者票分を合わせると、勝利判定は微妙ではとの指摘が出始める。ロスアンゼルスタイムズ紙の取材で、スタンフォード大学の情報処理専門家デビッド・ディル氏が、「選挙で使用された電子投票機は全く信頼性がない」と説明。同氏の調査により、オハイオ州ヤングタウン郡で使われた電子投票機の集計で、マイナス2500万票と記録された不具合が報告された。(オハイオ州の集計記録時にはこの不具合は除外された)この記事が後に大きな波紋を呼ぶ。
(2004/11/08)
MSNBCのニュース記者キース・オーバマンが、大手メディアで初めてオハイオ州の不正投票疑惑をテレビで特集し、全米が騒然となる。右翼評論家が同番組とオーバマン氏を一斉批判この番組以降、オーバマンはテレビに登場しなくなる。「会社から臨時の長期有給休暇をもらった」とのことらしいが・・・
(2004/11/10)
オハイオ州で、暫定投票の集計方法をめぐり、突然ルール変更が密かに行われ大量の民主党票が無効化されるという事実が発覚。地元の元大統領候補デニス・クシニッチも事態を懸念。また、オハイオ各地域の集計発表値がきわめていい加減であることから、益々市民の怒りを買い始める。
(2004/11/10)
オハイオ州の電子投票機不具合と暫定票の違法廃棄疑惑により、各市民団体(緑の党、BlackBoxVotingのベブ・ハリス他、ハワード・ディーン軍団も協力している)が全投票の手作業による数えなおしを要求。オハイオ州当局者は数えなおしコスト(約11万ドル)を理由に要求を退けようとする。
(2004/11/11)
緑の党、リバタリアン党の各大統領候補者が共同で、オハイオ州に対し、手作業による投票の再集計を正式に要求。(大統領選挙候補者は票の数えなおしを州務長官に要求できるという、滅多に使われない法律が各州に存在することを、市民団体弁護士が発見した)集計にかかる費用をネットで献金募集開始
(2004/11/12)
カリフォルニア州ソノマ州立大学ティード・ロックウェルのレポート:「オハイオ州カヤホガ郡で93,136票が余分にカウントされている
(2004/11/12)
ジョン・ホプキンス大学コンピューターサイエンス教授アヴィ・ルービン氏の談話:「ディーボールド社の電子投票機プログラム(47,609行コード)には1997年以来のバグがあり、修正されたかどうか定かでない
(2004/11/15)
ジョージタウン大学法学教授ジョナサン・ターリー氏の談話:「選挙人が連邦法により承認されるのは12月7日、選挙人が大統領候補指名投票をするのは12月13日、それが公式に下院で開票されるのは来年1月6日。したがってオハイオ州での逆転可能性はまだある。(未集計の)ニューメキシコ、アイオワ、ネバダも同様ですな。(中略)ケリー陣営が法廷闘争をしなかったのは意外だ。暫定投票分では勝負をひっくり返せないというのが敗北宣言の理由というのは少しミスリーディングだろう。暫定投票分以外にも未集計の早期投票分があるし、電子投票集計の不具合もある。それに、オハイオ州全体の投票のうち、70%はパンチカード式だ。それらを監査すれば逆転の可能性はないとはいえない
(2004/11/15)
手数料(113,600ドル)がネット募金で集まったことにより、オハイオ州の手作業再集計は避けられない情勢となった。この時点で、ケリーとブッシュのオハイオ州での獲得票数は未定となったわけである。オハイオ州での事態をふまえ、各市民団体(National Voting Rights Institute, People for the American Way Foundation,Common Cause,Demos,Fannie Lou Hamer Project)が全米規模での投票再集計を要求している。
(2004/11/16)
オハイオ州コロンバスで、選挙当日長い列ができた原因は、選挙運営者たちが投票機の一部を未使用のまま倉庫に放置し、結果として黒人居住区で投票機不足が発生したことが内部文書で確認された
(2004/11/17)
オハイオ州サンダスキー郡で、約2,600票がダブルカウントされていたことが判明、サミット郡では18人ほどが他地区でダブル投票していた件を調査中
ヒアリング風景

オハイオ州フランクリン郡で行われた選挙ヒアリングに集まった市民。

(2004/11/17)
オハイオ州フランクリン郡で大統領選挙時の選挙不正に関するヒアリングが開始され、大勢の住民が問題を指摘。この後、オハイオ州各地で同様のヒアリングが行われ、選挙結果への疑惑が拡大する。
(2004/11/17)
英ガーディアン紙がオハイオ問題を報道。未集計の暫定投票のうち、81%は有効票と予測。「オハイオ州の投票数がようやく明らかになろうとしている」

まだまだニュースは続く。ところでこれらオハイオ州での再集計への動きに、ケリー陣営や民主党幹部のほとんどが何ら動こうとしていないのは呆れてしまう。ケリー陣営にはまだ5千万ドルもの選挙資金が残っているのに、市民団体によるオハイオ州他の再集計要求には全く出資していない。連中は本当に勝つつもりだったのだろうか?

コロラド州:シークレットサービスが、学校でボブ・ディランの反戦歌を歌った女子高生を調査

The Progressive誌2004/11/15付け「マッカーシズム・ウォッチ」記事、コロラドのローカル新聞「デイリーカメラ」紙2004/11/13付け記事より。

11月11日、コロラド州のブールダー高校にシークレットサービスの捜査官が現れた。学校の芸能大会でボブ・ディランをカバーした学生バンドの調査に訪れたというのだ。

ボブ・ディランの「Masters of War(戦争の親玉)」を演目に掲げた「Coalition of the Willing(意思連合)」という高校生バンドが、リハーサルで「ブッシュ、あんたには死んで欲しいんだ〜(George Bush, I hope that you die. . . .)」と歌詞を変えて歌っていたという情報を、匿名の学生が地元のトークラジオ局に通報した。ラジオで流れたその情報が、シークレットサービスの注意を惹いたのだ。

バンドのリードボーカルを務めるアリッサ・ワタニック・ワトソン(16歳)は「大統領を侮辱したことはありません」と容疑を否定している。校長のロン・カブレラ氏も「根拠のない誤解」と彼女の擁護に懸命だ。

学校内を歩くアリッサには「共産主義者め!」と怒号が飛び、マスコミの取材チームが詰め掛けた。学友の1人から「シークレット・サービスが君を探してたよ」と囁かれ、アリッサは信じられない思いがしたという。

シークレットサービス捜査官ロン・ガーナーは、地元新聞社「デイリーカメラ」の取材に応じ、学生達の調査が進行中であることを正式に認めている。「基本的人権は尊重しますが、脅威の疑いがあれば何であれ調査する必要があるんです。」

「全くバカバカしいわ」プログレッシブ誌の取材に、アリッサが答える。「大袈裟すぎる反応よ。何を騒ぎ立てる必要があるというの」しかし彼女は、少々被害妄想気味になったという。「国土安全省のバンが自宅前の通りを巡回してるのを見たの。尾行されているのかしら」

アリッサのバンドがボブ・ディランの曲を選んだのは、メンバーの1人、フォレスト・オングストローム(16歳)の祖父---退役軍人で、2年前に他界し、反戦家だった---を追悼するためであるという。

13日に行われたブールダー高校芸能大会で、アリッサと彼女のバンドは予定どおりパフォーマンスを披露し、学友達の喝采を浴びた。シークレット・サービスの捜査官は現れなかったとのこと。

2004/11/17

ブッシュの閣僚人事とコリン・パウエル経歴メモ

第二期ブッシュ政権に向けてめまぐるしく閣僚が入れ替わろうとしているが、コリン・パウエルの辞任とコンドリーサ・ライスの国務長官人事は、すでに保守派ジャーナリストのボブ・ノヴァックが9月に暴露したとおりの展開となっている。

ちょっと奇妙に思ったのは、日米マスメディアがコリン・パウエルをひたすら“穏健派”と評する風潮である。狂気が支配するブッシュ政権内部では、確かにパウエルは普通に振舞っていたかもしれないが、以下にあげるとおり、その経歴は決して穏やかなものではないsource1,source2

  • 1963年から1968年まで、コリン・パウエルは米軍の戦略アドバイザーとして南ベトナム軍と活動を共にした。パウエルの参加した極秘作戦は、北ベトナム軍に協力する村々を焼き払い敵側戦略拠点を絶つ“枯渇作戦”であった。1968年に発生した悪名高き“ソンミ村虐殺事件”(パウエルはこの事件の隠蔽を図った)はそうした作戦の一部に過ぎなかった。
  • 1986年1月、キャスパー・ワインバーガー国防長官の副官として、4508機の対戦車ミサイルをCIAに譲渡する作戦を指揮。それらミサイルの半数は、レーガン政権下における在イラン・アメリカ大使館人質解放の交換条件にイランに武器供与する極秘作戦に転用された。パウエルは下院議会の調査の際、武器供与の事実を隠蔽した。
  • レーガン大統領の国家安全保障担当大統領補佐官として、パウエルはニカラグア政権転覆作戦を指揮した。1988年1月、南米各地を訪問したパウエルは、ニカラグアの市民虐殺を繰り返すコントラゲリラの武装蜂起を支持しない国への経済支援を打ち切ると脅迫してまわった。また、コスタリカ共和国大統領オスカー・アリアスの提案する中米和平活動を妨害した。
  • 1989年12月20日、米軍のパナマ侵攻時、パウエルは統合参謀本部長としてパナマ侵攻を熱心に主導した。侵攻開始の数時間で数百人のパナマ市民が虐殺された。侵攻当日パウエルは宣言した:「我々はドアの外に“超大国ここに在り”と看板を掲げるべきである」
  • 2000年の年末、数千人のアフリカ系アメリカ人が共和党の戦略により選挙権を剥奪されていた時、パウエルはジョージ・W・・ブッシュの牧場へ訪問し、ブッシュ陣営への支持表明と記念撮影を行った。

パウエルの盟友アーミテージ国務副長官も同じく辞任表明をしているが、彼はイラン・コントラ事件関係者であった。そして新国務長官は、情報部からの明確なテロ警告情報を無視して多くのアメリカ国民を犠牲にしておきながら、なぜか出世しつづけるコンドリーザ・ライスである。ホワイトハウス人事においては、「失敗は成功の元」というわけだろうか。

ところで、国務長官人事のニュースの影で見過ごされがちなのが、農務長官アン・ベネマンの退任である。ベネマンの後任候補にはホワイトハウス農作物貿易交渉アドバイザーとされるチャック・コナーの他にテキサス共和党人脈の名前が数人挙がっているらしい。

ベネマン長官の辞任理由は、やはりアメリカ国内の狂牛病騒動におけるズサンな対応と、日本への牛肉輸出再開時期が確定しなかった件が大きいだろう。後任が誰であれ、新たに農務長官になる人物が真っ先に成果を挙げるべく日本政府へ牛肉輸出再開を焦るあまり何らかの譲歩をするか、あるいは単に圧力を強化するのか、注目である。(個人的には、日本側は全頭検査条件を緩める必要は全くないと考えているが・・・)

2004/11/15

アメリカと生命倫理:避妊薬の販売を拒否する薬剤師達

「考えて作り出そうとしても、とうていできないほどの種々さまざまの矛盾が、どの人の心の中にも、生まれながらに具わっている。」

---ラ・ロシュフコー箴言集

USA today紙2004/11/08付け記事より。記事全文を以下に翻訳して掲載。



経口避妊薬(ピル)の販売を拒否する薬剤師達(Druggists refuse to give out pill)


By USA TODAY記者シャリス・ジョーンズ(Charisse Jones, USA TODAY)

ここ何年もの間、テキサス州フォートワース郊外に居を構えるジュリー・レイシーは、近所にあるコンビニ薬局でピル[経口避妊薬]を購入してきた。ところが今年3月のある日、その店の薬剤師が避妊に反対という理由で、レイシーは処方薬の販売を拒否されてしまった。

「ショックでした」33歳のレイシーは話した。結局、次の日まで彼女はピルを入手することができず、1回分の服用を逃してしまった。「薬剤師の仕事は客の行動を規制することじゃないわ。医師の指示通り処方薬を客に渡すべきでしょう」

しかしながら、相当数の薬剤師が、本人の倫理上の理由により、避妊に関わる薬剤の販売を拒否している。そして、ロード・アイランドからワシントンに至る州では、そうした薬剤師達の判断を保護する法律が提案されている。

ミシシッピ州では、圧倒的多数により可決された法により、今年7月から、薬剤師を含むあらゆる医療業従事者が、自らの良心に反する医療行為に加わることを拒否できることになった。サウス・ダコタ州とアーカンソー州では、薬剤師が医薬品の受け渡しを拒否する権利を認める法律がすでに存在している。他にもおよそ10州ほどが、同様の法案の成立を検討している。

5万人の会員を擁する全米薬剤師協会では、薬剤師が個人の倫理観により処方薬の販売を拒否できるという政策を承認しているが、その際に薬剤師は客に対して医薬品が入手できるよう手配する義務を負うとしている。しかし処方箋を他の薬剤師に引き継ぐことを拒否する薬剤師も相当数居るという。

ウィスコンシン州マディソン郡では、或る薬剤師が、女性客の提示した処方箋どおりに医薬品を販売することを拒否し、またその処方箋を客に返却することも拒否したという件で、州の薬局委員会から懲戒処分を受ける事態に直面している。その薬剤師は、自身の宗教上の倫理観から、薬の処方を拒否していた。

女性の性と生殖に関する権利を擁護する人々は、そのような薬剤師の行動や、法制化の機運が高まっていることを懸念している。

合衆国下院は、今年9月に、郡、州、連邦当局による、妊娠中絶に関わる医療従事者向けの連邦資金を防止する条項を可決した。

「妊娠中絶に関する議論はより大きなイデオロギーの氷山の一角であることは理解しています。そして彼等が避妊すら問題にしていることも理解しています」米国家族計画連盟の会長、グロリア・フェルト氏は語っている。「法律の拡大や“(避妊を)支持しないので薬を販売するつもりはありません”という個人が急増している事実には本当に驚いています。」

無防備な性交後、120時間以内に飲むことで受精を防止できる緊急避妊の手段である“モーニングアフターピル(経口避妊薬)”を巡り、薬剤師たちは議論の表舞台に立たされている。

宗教上の理由で避妊に反対する薬剤師がいる一方で、受精により生命が始まるという理由で、ホルモン系避妊薬や、特にモーニングアフターピルは、中絶と同様の影響があると見なす人々もいる。

「人命を損なう重大なメカニズムを持つ医薬品の処方は拒否しています」1,500人の会員を擁する“生命を重んじる薬剤師国際連盟(Pharmacists for Life International)”会長のカレン・ブロイヤー氏は語る。ブロイヤー氏は、1996年に、勤務先であるオハイオ州シンシナティの郊外デリー地区のKマートで、避妊薬の処方を拒否した件で解雇された経験の持ち主である。

テキサス州ノースリッチランドヒルズに住むレイシーは、3月に避妊薬の販売を拒否されてから、テキサス州薬剤師委員会に訴えた。2月には、同じくテキサス州デントンのエッカード・ドラッグストアで、レイプ被害にあったという女性の求めを拒否して避妊薬の販売をしなかった薬剤師が現れた。

マディソン郡の件では、薬剤師のニール・ノーセン(30歳)が、避妊薬の販売を拒否した後で、他の薬剤師に引き継ぐことなく処方箋を客に返却することもしなかった。女性客は、同じ薬品店で2日後に処方箋どおり薬を入手することができた。しかし、入手時期が遅れたため、薬を服用できなかった。

2002年夏、ウィスコンシン州メノモニー郡でそうした出来事があってから、女性客は苦情を申し出た。ウィスコンシン州許可取締局の広報担当者クリストファー・クライン氏の話では、問題点はノーセンが引継ぎをせず処方箋を返さない点だった。10月には公聴会が開催された。もっとも厳しい処罰規定では、ノーセンの薬剤師免許剥奪の可能性もあった。しかしクライン氏の話では、それはありえないという。

全米薬剤師協会の広報と相談員を務めるスーザン・ウィンクラー氏の話では、薬剤師が倫理上の理由で薬品販売を拒否する事例は滅多にないという。彼女によれば、他の薬剤師の紹介を拒否する事例はもっと珍しいとのこと。

「現実には、それらの事例は強調されすぎているのです」ウィンクラー氏は続ける。「協会は販売から一歩距離を置くことは支持しますが、(薬の入手を)妨害することを支持しているのではありません」

1970年代には、中絶と避妊手術において、いくつかの州で特定の医療業務従事者がそれらの業務を拒否できるよう、拒否条項を認めていた。1990年代にそうした問題は再度表面化したと、妊娠問題を研究するアラン・ガットマッハー研究所のアダム・ソンフィールド氏は語っている。

ソンフィールド氏の話では、医療業務従事者や保険企業、その雇用主達が、医療技術の発達により、モーニングアフターピルや、胎児の幹細胞研究、安楽死などの分野において、それに関わる業務を拒否する権利を申し出る件が急増しているという。

ソンフィールド氏は言う。「人々が問題視する医療技術が増加した結果、そうした議論の一部になることを恐れ距離を置こうとする人々も多くなっているのです」

ウィスコンシン州では、中絶や自殺幇助の恐れのある薬品の販売を、薬剤師が拒否する権利を認める法案の再興を求める署名活動が進行中である。

「薬剤師は自らの良心と生活手段の間で選択を迫られるような事態を強要されるべきでないと認識しています」ウィスコンシン州の妊娠中絶反対論者、マット・サンディーは言う。「薬剤師達は、妊娠中絶賛成派に無理やり加えられるべきではないのです」

2004/11/12

ロサンゼルスの反戦市民デモに「偶然」戦車が乱入

Los Angeles Independent Media Center2004/11/10の記事より。

ロサンゼルスのウェストウッド地区で、米軍のイラク・ファルージャ攻撃に抗議するため、500人ほどの地元市民がウィルシャイアー通りの舗道を行進しながら反戦デモを行っていたところへ、突然2台の戦車が乱入し、集まった市民の前で方向転換し去っていったという。

反戦デモと戦車

デモ行進で戦車の前に立つ市民

デモに参加した市民と戦車の間でにらみ合いが続いた後、ロサンゼルス警察の警官が割って入ったので、暴力沙汰は避けられ、集まった市民たちは、戦車が去った後もデモ行進を継続したとのこと。なぜ戦車がその場所に現れたかは明らかにされていない。おそらくは、戦車で出勤途中の兵士が、渋滞を避けて近道を通っただけのことだろう。

記事を投稿したデモ参加者の言葉:「戦車で私達を脅しに来たとしたら、逆効果ですよ」

2004/11/11

「不正投票(Voter Fraud)」と政府不信

「イギリスの選挙では、投票を数えてから、勝利者を発表する。
しかしフロリダでは、まず勝利者を発表して、その後で投票を数えるわけです。」

---グレッグ・パラスト記者、英BBC放送番組「2000年大統領選挙:フロリダで何が起こったか?」より(ビデオ

不正投票(Voter Fraud)
BlackBoxVoting.org(DOS攻撃により休止中)DemocraticUnderground.comから始まった2004年大統領選挙疑惑は、不正投票(Voter Fraud)をキーワードに、米国内に論争を巻き起こしはじめ、有権者達は路上で騒ぎはじめている。疑惑を耳にした下院議員達は、すでに会計検査院に今回の大統領選挙の調査を依頼した

メインストリームメディアもこの疑惑を様々な形で取材・報道し始めている。MSNBCのキース・オーバマン(Keith Oberman)は自身のテレビ番組「カウントダウン」で「不正の可能性はある」と特別レポートを披露した。(ビデオはこちら

一方でABC放送は「小さなトラブルはあったが大きな問題はない」と大統領選挙を総括、出口調査と実際の票の異常な差については、大手シンクタンク「エンタープライズ公共政策研究所(American Enterprise Institute:AEI)」アナリストのふざけたコメント(AEIアナリスト曰く:“出口調査の結果と実際の投票結果では、実際の数字を信頼すべきだ”)と共に出口調査の信頼性を否定し、不正疑惑についてはネット上に広がるありがちな陰謀説とまとめている(エンタープライズ公共政策研究所が、ディック・チェイニーやリチャード・パールなどネオコン陣営を輩出してきた事実について、ABC放送には言及する時間がなかったらしい)

ところで、今年の選挙は「大きなトラブルもなく進行した」という大手メディアの言い分は正しいのだろうか

例えば、雨の中、有権者が何時間も行列を作った件や、電子投票システムのトラブル報告が千件以上もあったという事実、デンマーク他ヨーロッパから来た選挙監視団がオハイオ、フロリダなど決戦州で見学を拒否された件(ヨーロッパの人々は“先進国”アメリカの選挙システムに懸念を表明している。監視団の話によればアメリカの選挙は「カザフスタンより密室的で、電子投票機はベネズエラよりもトラブル対策が未熟」らしく、第三者の監視を迎える米国当局者の対応について「セルビア選挙監視のほうがはるかに簡単だった」と語っている、例年どおり投票所前で嫌がらせをされた大勢のマイノリティ有権者の件は?これらは充分に大きなトラブルではなかったのか?

日米大手メディアは、同業他社の報道に気をとられて、眼前の大きなトラブルからひたすら目を逸らしていたのではないか。

ブッシュ再選に拡大する不安
ハーバード大では選挙翌日から「ブッシュが国をまたしても盗んだ」と抗議活動が始まったコロラドの高校ではブッシュ再選に怒り狂った生徒が校内を占拠した。サンフランシスコでは選挙翌日におよそ2,000人がブッシュ再選に抗議し、57人が逮捕された。シアトルでは・・・まあ、数えたらキリがない。

「カナダにアメリカから移住希望者が殺到」というニュースに慌てたアメリカ人は、親切なカナダ人ボランティアの申し出も聞かずに、ニュージーランドに殺到しているカリフォルニアの大学新聞は「カリフォルニアは合衆国からの離脱を検討すべき」と主張する(それより先に州知事をクビにしたらいい)。ハリウッドの大御所ロバート・レッドフォードは、「イギリス・・・いやアイルランドがいいかな」とあっさり移住プランを吐露している

これら騒動の根底に見えるのは、ブッシュ政権への不安に加えて、「アメリカでは今後も正常な選挙は行われないのではないか」という漠然とした不信感である。そうした不信を解くためには、(レッシグ教授の言うように)、投票エラーや出口調査データ乖離の原因についてキチンと調査するべきなのだ。そして、全ての投票(廃棄票も含めて)を数える。公正で円滑な選挙のために、実施手順を連邦法で統一する。こんな簡単なことも実行できないとしたら、誰だってもっと民主的な諸外国に逃げ出したくなるだろう。

つい数年前に、合衆国議会は、クリントン大統領の私生活と、研修生の着ていた服に関する馬鹿げた調査7,000万ドル(約74億円)も費やしたのである。公民権のためにはさらに莫大な予算と手間をかけるのは当然ではないか。それとも、投票をカウントしたら困るような秘密があるのだろうか。

「投票した者が決定できる事など何もない。投票を数える者が全てを決定するのだ。」
"Those who cast the votes decide nothing. Those who count the votes decide everything."

---ロシア独裁者:ヨシフ・スターリン

2004/11/09

Video The Vote:カメラが捉えたオハイオの投票妨害

11月2日の大統領選挙投票日、激戦州であるオハイオで、マイケル・ムーアにより派遣された選挙監査団体が、アフリカ系アメリカ人居住区の投票所における人種差別行動---投票に来た黒人有権者にいいがかりをつけて“暫定投票”扱いにしたり、投票できなくさせる威圧行為---をビデオに収めていた。(このオハイオでの共和党運動員の行動はボストン・グローブ紙でも報道されている

以下、「Video The Vote - Ohio」より、いくつか重要シーンをピックアップして解説する。

オハイオ投票所シーン:白人二人組

投票所内部で動き回る白人二人組。投票に来た有権者を嘘で惑わせ、威圧している。持っているのはおそらく共和党オハイオ支部が準備した“ニセ前科者リスト”「あなたは前科者だから投票資格無し」と言いがかりをつける道具だ。

オハイオ投票所シーン:白人による威圧

投票を待つ黒人有権者に近づく男。

オハイオ投票所シーン:女性有権者の声

女性有権者の話:「投票所に来たら“選挙人リストに載ってないから暫定投票扱いだね”って言われたわ。」もちろん彼女は登録済みだった。嘘をつかれたわけだ。オハイオ州で大量に発生した未集計の暫定投票の多くはこうして集められ、その一部は集計所に向かう前に不当に廃棄されている・・・

ビデオ撮影者のコメントはBoingBoingブログで確認できる。今のところマイケル・ムーアはこの映像を次回作として公開するつもりはないそうだ。映像の所有権は撮影者と協力した市民団体に託されたとのこと。(こんなビデオが全米で公開されたら、市民暴動が起きるかもしれない)

オハイオ住民デモ

オハイオでの不正選挙に抗議するため州公館に集まった住民達。(2004/11/05)

オハイオ州では、共和党による一連の不正な選挙手法に怒った住民が州ビル前でデモを行っている。実際に投票操作の疑いを伝えるニュース配信され始めるにつれ、そうした抗議デモはジワリジワリと全米に拡大しつつあるようだ。(あのラルフ・ネイダー氏も、ニューハンプシャーで電子投票のカウント監査を請求している。ひょっとしたら集計やり直しの前例を作って全米に投票カウントの裁判を拡大するつもりかもしれない。ネイダー氏は自分の役割にやっと気づいたのか?)

こうした市民蜂起の機運を察知したブッシュ陣営は、さっそく来年1月の第二期就任式典での警備強化プランを練り始めたらしく、就任式当日には全米から約2,000人の警官が警備に呼ばれ、FBI、SWAT部隊の狙撃チームが建物をガードし、さらにおよそ4,000人の陸軍戦闘部隊がパレードを守るということである。(まるで何処かの国の軍事パレードみたいだ)

現在の米国は、イラク戦争へ大部隊を派遣している関係上、戦場向け訓練の未熟な各地の州兵までが大勢海外に渡っており、国内防衛体制は極めて脆弱であるという。その上大統領就任式で大袈裟な警備をやれば、本土防衛は(ビン・ラディンの追跡捜査同様に)きわめていい加減なものになるだろう。

戦闘部隊による大統領就任式警備はニクソン大統領以来(戦闘兵2,000人が警備)とのことである。どうせなら、ブッシュにもニクソン同様の二期目を迎えてもらいたい。


2004/11/07

アメリカはパープル(紫)になった

ブログサイトBoing Boingの投稿より。

ジェフ・カルバー氏のコメント:

「今日ずっと考えてたんだが、大統領選挙の接戦状態を考慮すれば、赤対青で分かれているグラフィックは、すごいミスリーディングじゃないかと思うんだ・・・で、自分でも地図を作ってみた。」

USA map

今回の大統領選挙による共和党vs民主党の支持率パーセントをグラデーションで表現すると、こうなる。接戦により、アメリカは赤でも青でもなく、パープルになった。(地図クリックで拡大)(source

この「パープルアメリカ」案を詳細に検討したプリンストン大学教授ロバート・バンダーベイ氏のサイトによると、さらに面白い状況が判明する。

usamap/purple_america_2004b_small

共和党vs民主党の都市別(選挙区別)対立図。(地図クリックで拡大)(source

usamap/mountain

都市別対立図に地形図人口分布(密集地を山で表現)を加えたもの。(地図クリックで拡大)(source

usamap/darksky

衛星から見たアメリカの夜。(地図クリックで拡大)(source

2004/11/06

BlackBoxVoting.orgの重大プレスリリース

電子投票監査を目的にした市民団体BlackBoxVoting.orgの重大プレスリリースを以下に掲載。アメリカに存住されている方でご興味のある方---公民権の行使に前向きな方(アメリカ人は普通そうだと思うんですけどね)---コンタクトされることをお薦めします。(2004/11/07追加日本の毎日新聞がこの件の報道を開始している

また、先日の投稿BlackBoxVoting.orgのリンク先を間違ってしまいました。(.com)ではなくて(.org)です。重大なタイプミスをしてしまったことを後悔しています(チェイニーじゃあるまいし)。この場を借りて、BlackBoxVoting.org代表のベブ・ハリス(Bev Harris)さんに謝罪します。ベブ・ハリスさんは、もっとも早い時期から米国電子投票システムの危険性を警告し、FBI他政府の脅迫行為、公式サイトへの度重なる攻撃にも屈することなく(現在も復旧中)公民権活動に尽力されているスゴイ女性です。

「暗いニュースリンク」などというフザけたサイト名を掲げる間抜けで怪しい管理者(Deepthroat)に、激励のメールを送ってくださっている大勢の皆様(驚いたことに、大半はアメリカ存住の日本人の方でした!)に感謝します。今後は全ての投票をカウントするために奔走するアメリカのアクティビスト達に注目してください(でも今アメリカに居る人は、勢い余って路上に出ると逮捕されるのでご注意!)

(From BlackBoxVoting.org

CONSUMER PROTECTION FOR ELECTIONS

2004年11月4日

11月2日に何が起こったのか懸念されている方は、私達の組織に加わってください。アメリカの監査に助力してください。(Help America Audit)

Black Box Voting(.ORG)は、2004年大統領選挙において、電子投票システムによる不正行為が行われたと考えています。私達の考えは物的証拠、公文書、内部情報、その他電子投票の不正操作を示す確たるデータに基づいています。私達が知り得ていないのは、詐欺行為の詳細情報です。私達は現在、状況証拠ではなく、歴史上最大規模の情報公開法の行使により、証拠を整理しようとしています。

私達が必要とするのは、情報公開法の行使に協力してくれる弁護士です。いくつかの地区では、すでに公的記録の公開を遅らせる試みが始まっています。私達は個別の案件における市民の協力者を必要としています。私達は情報セキュリティの専門家で、DMCA(デジタル・ミレニアム著作権法)に触れるかどうかを問わず、私達の掴んだ証拠と共に正式な意見表明を公的な場所でしていただける方を必要としています。証拠のコピー作成のための基金も必要としています。

(訳注:コンタクト先はBlackBoxVoting.orgで確認してください)

情報公開法の行使は無料ではありません。私達はできるだけ早く、権利行使に必要な費用である5万ドルを集める必要があります。昨日から、私達は情報公開法行使のためのおおがかりな行動を開始し、以降も2つの行動を大慌てで開始します。今こそそのときです。献金が無理でも、時間を提供してください。私達のチームにメールをください。

(重要:このフィルムを観てください

ブッシュ再選:オレゴン州有権者の反応

英BBC放送の選挙レポートより。ブッシュ再選後のアメリカ国民の反応を、オレゴン州ポートランドの住民の声と共にレポートしている。普通の(?)アメリカ人の意識をなかなか見事に伝えているように思えるので、以下に全て翻訳掲載。

フレッド・シュミット(40歳:ケリーに投票)
「悲劇だね。ケリーがゴアみたいに敗北宣言をしたのは素敵な振舞いだけど、頭がおかしいんじゃないか。俺自身一番がっかりしたのは中西部の結果だ。連中は恐ろしくだまされやすいから、ブッシュに投票したんだろう。考えてみろよ。オサマはまだ元気で、イラクは未だに悲惨な状態なんだぞ。目下最大の嘘は共和党員の主張する“神はこちら側に居る”ってやつさ。」

リンダ・ペイン(62歳:ブッシュに投票)
「無事に終わって良かったわ。もう煩い思いをせずに済むわね。私がブッシュ支持を決めたのはほんの数日前。トークラジオでジョン・ケリーが、PR活動のためにハンティングをしているって聞いた時ね。ブッシュ大統領の唯一の失敗は、まだビン・ラディンを捕まえていないことね。ケリーはアメリカを国連に売り渡そうとしてるのよ」

ソフィア・フランツ(21歳:ケリーに投票)
「信じられないわ。あれだけ恐ろしくバカな事をしてきたブッシュを、また大統領に?ガッカリよ。ケリーは歯切れの悪いところは直さなきゃいけないけど、希望は持てたのに。今はほかの事にとりかかるつもりよ。」

フロレンシア・クール(62歳:ブッシュに投票)
「民主党支持者は寝込んだり死んだみたいになるつもりはないでしょう。でも大多数のアメリカ国民は彼等のやり方が気に入らないんですよ。私はブッシュ大統領の働きぶりを完全に支持しますが、国境沿いの移民問題は気がかりです。ケリーがアメリカ国民に団結を呼びかけたのは、ちょっと偽善者ぽいですね。今までさんざん国を分断しようとしてきたんだから」

エマーソン・バー(38歳:ケリーに投票)
「ケリーには勝って欲しかったけど、今言えることは、ブッシュに責任をとってもらうってことだね。ケリーなら経済問題も解決してくれたと思うんだけど。ケリーは精一杯やったと思うよ。カリスマ性には欠けるけど、戦争については彼の姿勢は正しかった。ブッシュが今後トーンを変えるとは思えない。レーガン時代も我慢したんだ。今度の4年間も我慢できると思う」

レイ・リン・ヒンクリフ(ブッシュに投票)
「ここはヒッピーと、環境団体だらけの街よ。マイケル・ムーアみたいな連中には本当にムカツクわね。ケリーはいつもコロコロ態度を変えるから、主義を変えないブッシュを尊敬するの。でも大統領の全てを支持するわけじゃあないの。私は中絶に賛成なのよ。大統領は今度の接戦を制したんだから、国ももっと良くなるんじゃないかしら。国民はもっと団結すべきね。」

デレック・マーティン(52歳:ケリーに投票)
「ブッシュが国の福祉プログラムをどんどん削ったもんだから、私みたいに大勢が仕事を失くしたんだ。私は刑務所に居たから、自立するために何でも自分だけでやらなきゃならないんだ。今は必死で仕事を探してるが、難しいねえ。私はベトナム戦争に従軍したが、イラク問題を解決する唯一の方法はもっと金を使うことだろうなあ。見通しは厳しいよ。」

ビル・マクニール(48歳:ブッシュに投票)
「アメリカが団結できるかどうかは、あまり楽天的にはなれないね。ブッシュ大統領の減税政策は正しいよ。政府が雇用を増やすわけじゃなく、雇用増加のための環境作りをしてるんだよ。アフガニスタンは大成功だ。歴史に残る偉業になるよ。イラクだってうまくいってると思うね。大統領の再選が決まって安心したよ。」

2004/11/05

「ケリーは勝っていた」byグレッグ・パラスト

TomPaine.com2004/11/04付記事より。グレッグ・パラスト記者の記事を全文以下に翻訳掲載。

すでに全米各地の市民団体が調べ始めているようだが、今回の大統領選挙は前回を上回る不正が横行している。オハイオ州に関しては、廃棄票に加え、電子投票の問題も調査が開始されているようだ。(電子投票マシン問題はblackboxvoting.org(注:blackboxvoting.comは間違いでした)で情報が集まっている)

出口調査と投票結果があまりにもかけ離れている件は、ワシントンポスト紙他でも触れられているが、決定的に怪しいのは、フォックスと負けないくらい慌ててブッシュ勝利を伝えた米CNNネットワークが、あらかじめウェブ上に掲載していた出口調査結果の記録を、実際の投票結果に沿うように改ざんしている事実が明らかになった件である。ずっと調査中だったのか?(CNN問題と、以下のキャプチャ画面のsource
cnnexitpoll.gif
ジョン・ケリーは公民権よりも学友との友情を選択した。結局のところ、今回も、大統領選挙に似せた単なるイベントが行われているだけなのではないか。ロシアから来たオブザーバーも、アメリカ選挙の実態に驚き、「選挙違反ばかりじゃないか」と失望している。



ケリーは勝っていた(Kerry Won)

by グレッグ・パラスト


ブッシュはオハイオ州を136,483票差で制した。一般的にアメリカ合衆国では、およそ3%の投票が失格とされることである---選挙用語では「欠陥票」と呼ばれる---投票相手が未定とされるのだ。パラスト記者の調査によれば、オハイオ州で廃棄された票がカウントされていたなら、ケリーが勝利を収めていたと推定される。クリーブランド・プレーン・ディーラー紙の本日の記事によると、同州で廃棄された92,672票に155,000票の暫定票を加えたとすれば、オハイオ州全体で247,672票がカウントされていないという。

ケリーは勝っていた。事実は以下のとおり。

誰も聞きたがらないのはわかっている。これ以上紙くずを見たくもないだろう。しかし選択の余地はない。アメリカ民主主義という名の腐ったソーセージを検査するジャーナリストとして、決定州で誰が最も多くの票を獲得したかを伝えるのが私の仕事なのだ。火曜日、オハイオとニューメキシコで、勝利したのはジョン・ケリーだった。

ほとんどのオハイオ住民は、ケリーに投票したつもりでいた。CNNの出口調査によれば、オハイオの女性票では53対47、男性票では51対49でケリーの勝ちだった。第三の性がオハイオ州の投票用紙に登場しないかぎり、ケリーが州を獲得していたのだ。

じゃあ、一体何があったのか?回答:出口調査は正しかったのだ。調査員が聞いたのは「誰に投票しましたか?」だけだ。残念ながら、彼等は決定的な質問を忘れていた:「あなたの票はカウントされましたか?」投票者にわかる術はない。

つまりこういうわけだ。オハイオ州の出口調査では、ケリー・エドワーズ組が票の大半を占めていたが、それら何千もの票は端的に言って記録されなかったのである。これは予測できたことだし、実際予測された。(11月1日の記事を見よ

もういちど言う。オハイオ州のカウントされない投票ゲームの主役を果たしたのは、報告するのも残念だが、つながったパンチ穴(hanging chads)と凹んだだけのパンチ穴(pregnant chads)、さらに新旧のインチキ投票が少々というところだ。

オハイオ州の選挙結果は投票によって決定されたのではなく、「欠陥票」の類で決まっていたのだ。一般的に、アメリカ合衆国では、およそ3%の票は破棄されるか、放り出されるかして、記録されない。頭スカスカのカワイ子ちゃんが(the bobble-head boobs)オハイオ州かどこか、51対49で勝利とテレビの生放送で言う時、あなたには信じられるだろうか?そんな事態はアメリカ合衆国では起こり得ないのだ。なぜなら、獲得票の合計は決して100%には届かないからだ。テレビでは、破棄された票は、ただ単に差し引かれているのである。

そして、全ての票が平等に破棄されるわけではない。公式報告で何度も登場するとおり、破棄される票の大部分は、アフリカ系アメリカ人もしくは少数民族居住区の住民の投票分なのである。(詳しくは報告書を見よ

このことを私達は2000年のフロリダですでに経験している。出口調査では、ゴアが得票差で少なくとも5万票上回ると見られていたが、公式の集計とは全く違っていた。その理由は、フロリダ州務長官キャサリン・ハリスが、179,855件の票を破棄したからであった。フロリダでは、オハイオと同じように、破棄された票の大半は不完全なパンチカード投票用紙---穴が不完全か、2回パンチされていた---だった。誰の票が廃棄されたのか?政府の依頼で廃棄票を調査した専門家の報告によれば、ゴミ箱に入った票の54%は黒人票だった。(合衆国市民権委員会の報告書

重要な点はここだ:フロリダは典型例である。放り出された票の大半(火曜日の選挙ではおよそ200万票が廃棄されたことだろう)は、アフリカ系アメリカ人もしくは他の少数民族市民なのだ。

さあ、またこれだ。いや、こんどは違う。なぜなら、前回と違い、民主党はオハイオ州にそれら不完全なパンチ穴の投票用紙(選挙用語では“保留票”)のカウントを要求すらしていない。

オハイオ州は破棄されやすいパンチ式投票用紙を併用している数少ない州のひとつである。オハイオ州務長官のJ・ケネス・ブラックウェルは、選挙前にこう書いている。「州の基本投票機であるパンチカード方式を抱えて接戦になったときには、フロリダ州のような災難が起こるだろう」

しかし今週、ブラックウェルは、熱狂的な共和党員だが、民主党の票を食べてしまうクセのある投票機の結果を心待ちにしていたのだ。今年のキャサリン・ハリス役を担う可能性について尋ねられた時、ブラックウェルが強調したのは、投票工作の努力が報われて、彼女は下院に加わることができたということだった。

一体どれだけの投票が欠陥品として処理されたのか、ブラックウェルのオフィスは教えてくれないが、法律では報告が義務づけられている。ふう。しかし前回の選挙では、オハイオ州の投票全体のうち、廃棄された投票は民主主義ギリギリの1.96%だったのだ。機械はいつもどおりの失敗し---実数では11万票だが---その圧倒的多数は民主党の票だった。


投票忌避の衝撃(The Impact Of Challenges)

最初から何よりもまず、ケリーはパンチ穴に悩まされた。しかし民主党が負けたのはパンチカードだけではない。「投票忌避」がある。それはオハイオ州の共和党で使われる旧式のクー・クラックス・クラン技術の丁寧語に過ぎない:投票所で何千もの有色人種を妨害するための試みである。オハイオ州、ウィスコンシン州、フロリダ州では、共和党が不可解な---滅多に使われていない---党により選出された選挙監査官が有権者個人の投票を忌避できることを可能にするという法律の下、投票に来る市民を待ち伏せする計画をしていた。オハイオ裁判所は震え上がり、連邦法では忌避の要因に人種がある場合、投票者を指弾するのは違法としていた。しかし我等が最高裁判所は、共和党が投票所のドア前に立てるように準備を整えていたのだ。

結局、投票監査官は圧倒的多数ではないにしろ、投票所に現れたのである。その結果、多くは、“暫定票”になり---ニセ投票扱いだが---カウントされたかどうかは定かではない。ブラックウェルの試算では、暫定票は175,000件、民主党の主張では250,000件だ。お好きな数字をどうぞ。投票忌避が少数民族を狙っていたことは明らかなので、疑いなく、またしても、その多くは民主党票である。それらを全て数えて、破棄されたパンチカード票と合計すれば(人間の目で再集計すれば簡単)その総数は出口調査と一致してくる。そして・・・なんと、新大統領の誕生である。ブッシュは136,483票の得票差で勝利宣言していることをお忘れなく。


魅惑の州の魔法の票(Enchanted State's Enchanted Vote)

さて、ニューメキシコに移れば、ケリーの得票差は、---もし全ての投票がカウントされるなら---もっと明白だ。選挙前、TomPaine.comで私は書いた:「ただの一つの票が数えられる以前、ジョン・ケリーは何千票も失っていた」

なぜこんなことが起きたのか?またしても廃棄票である。それと、暫定票。

CNNの話では、ジョージ・ブッシュはニューメキシコを11,620票差で獲得したことになっている。再びここでも、放送局は全体票数を、存在しない“100%”としている。

ニューメキシコ州の前回選挙での投票廃棄率は2.68%、廃棄票の大部分はヒスパニック系住民、ネイティブ・アメリカン系住民の住む貧困地区のもので、民主党の票田である。火曜日の選挙では、同じ率の廃棄があったとして、ゴミ箱には18,000票ほど見つけることができるはずだ。

ニューメキシコ州では廃棄票はあまりにも民主党風の外見をしているという。同州でのヒスパニック系住民は2対1の割合でケリーに投票しており、彼等の票の破棄される確率は白人のそれに比較して5倍である。これらカウントされない票を集めれば、簡単にブッシュの“得票差”を凌駕するだろう。

すでに、廃棄票の選挙歪曲効果は、まさしくそれが期待される場所で浮かび上がっている。つまり、極めてヒスパニック系住民の多い選挙区で、共和党員が選挙管理を務める地域である。チャベス郡---ニューメキシコ州の”リトル・テキサス”と呼ばれる地区では、人口の44%がヒスパニック系、アフリカ系、ネイティブアメリカン系住民だが、ジョージ・ブッシュは68%対31%で“勝利”しているとのことだ。

選挙前に、私はチャベス郡の共和党事務員と話したが、彼の話によれば、ヒスパニック系住民の投票破棄率が異常に高いのは、ただ単にそのような人種の住民は大統領を選択する決心ができないことを示しているに過ぎないということであった。奇妙なことに、砂漠を旅してきた褐色肌の人々は、投票所で優柔不断票を投じたというのだ。

さて、ニューメキシコ州の暫定票集計の効果についてふれておこう。

「キャンディーを渡すみたいに配ったんです」アルバカーキのジャーナリスト、レニー・ブレイクは暫定票について話してくれた。およそ2万票分が配布されたという。誰に?

ニューメキシコのカソリック大司教区で“誠実な市民権(Faithful Citizenship)”プログラムを主催するサンティアゴ・フアレスの話によれば、彼の抱える有権者---貧しいヒスパニック系住民は、好意的なケリー支持者だったが、あやふやな暫定投票用紙を受け取ったという。ヒスパニック系住民は、数えられることの多い通常票よりも、ほとんど規則的に(宗教上)暫定票用紙を受け取っており、投票所では、少なくとも有権者証明について質問されることになる。サンティアゴの話では、単純に門前払いを食らう住民も多少居たようである。


皆さんのケリー勝利パーティに(Your Kerry Victory Party)

オハイオとニューメキシコはケリーの勝利だ---もし全ての票が数えられたなら。

しかしそれはありえない。民主党の約束にも関わらず、今回の指導者はまたしても人種上の公民権剥奪に屈服したのだ。なぜ?疑いなく、暫定票と破棄票の集計にはブラックウェル州務長官の協力を必要とすることを民主党員は知っている。彼はどの破棄票と暫定票が集計されるか決定できる。ブラックウェルは、キャサリン・ハリスの政策に加わることを切望しており、票の全集計まで許可するとはとても考えられない。それに、民主党の顔役達も、票の集計を要求したらメディアから叩かれることをよく承知している。

ではどうする?ケリーは勝利したのだ。勝利パーティでも開くがいい。しかし幕が下ろされていることも知っておくべきだ。愛国法3においては、全ての票のカウントを要求することは違法になるかもしれない。

私はかつて、ロンドンのガーディアン紙にコラムを書いてきた。友人からは、再び私が故国を去るかどうか尋ねられている。全ての票をカウントすることに失敗したという点で言えば---2度目なのだが---その必要もないだろう。去ったのは故国のほうで、私は置き去りにされたのだ。

英デイリーミラー誌の大統領選挙評

英デイリーミラー誌の11月4日付け表紙タイトル:
「59,054,087人ものアメリカ人はどうすりゃそこまで間抜けになれるのか?」

The Daily Mirror: How Can 59,054,087 people be so DUMB?

2004/11/04

「皆さんがテレビで聞くことができなかった事柄」byハワード・ディーン

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ハワード・ディーン新刊

Democracy for Americaブログより。次期大統領候補ハワード・ディーン氏のコメントを以下に全文掲載。

皆さんがテレビで聞くことができなかった事柄(What You Won't Hear on TV Today)

もっとも共和党の強い土地と言われたモンタナ州は、新知事に民主党員を迎えることになった。

ハワイからコネチカットまで、初出馬の候補者が現職の共和党候補を打ち倒した。

記録的な数の有権者が、この国の方向を変える為に投票している。史上最大数のアメリカ国民が、反ブッシュに票を投じたのだ。

今日は終末の日ではない。

昨日の結末がどうであれ、私達は民主主義の再興のために立ち上がっている。大統領選挙では、望むような結果が得られなかったが、私達は民主主義の指導者となる新世代のために土台を築いてきたのだ。

Democracy for America」は数千人の幹事役を教育し、政策現場に新指導者を送り込んできた。投票現場では、各州で、民主党再興の曙を飾る役割を担う「ディーン軍団」からの候補者を選出してきた。

何千万人ものアメリカ国民が本日落胆したのは、あまりにも今回の選挙に入れ込んでいたからだ。献金し、友人を説得し、いくつものドアをノックしてきた。私達は政治プロセスに自らを投じてきた。

その試みは終わらない。短期間で終わる投資などありえない。義務感と責任感がずっと私達の人生の一部となったとき、私達はこれからも終わりなき変革を作り出していくだろう。

マーチン・ルーサー・キング牧師は仰った。「問題に口をつぐむようになったとき、我々は終末へと歩み始める。」

私達は沈黙するつもりはない。

この選挙を戦うために皆さんが果たした全ての献身に感謝したい。しかし私達は立ち止まることはないのだ。

ハワード・ディーン

オハイオ州:カウントされない投票

密かに廃棄される票
オハイオ州の投票箱を集める選挙スタッフ。この車はその後、集計所には向かわずに、近所の公立学校に集まっており、抱えていた投票用紙は別のパッケージに梱包されて・・・行方不明になったとのこと。トラックのウインドウには「ブッシュ/チェイニー」支持ステッカーが貼られている。source)(全米で発生している、アフリカ系アメリカ人他マイノリティ地区の投票用紙が選挙スタッフにより廃棄される件についてはすでにレポートされている

ハンガリーも来年3月でイラク撤退

英BBC放送2004/11/03付け速報より。

ジュルチャーニ・ハンガリー首相が、同国のイラク駐留軍300人の全てを、来年3月末までに撤退させると発表している。

イラク駐留のハンガリー軍兵士は、日本の自衛隊と同じく、非戦闘目的での駐留である。ハンガリー首相は、イラクでの民主的選挙実施までは非戦闘兵を駐留する義務があると話している。(つまり、選挙後から撤退を開始するというわけだ)

アメリカ追随路線をひたすら誇示することを使命とする小泉政権ではあるが、ハンガリー政府と親しい関係にあるという事情をきっかけに(米国への言い訳に)、同時期に自衛隊を撤退させる案が官邸周辺でささやかれ始めることだろう。

「腐り果てた選挙」byグレッグ・パラスト

TomPaine.com2004/11/01付け記事より。英BBC放送の調査報道記者グレッグ・パラスト氏の記事を全文翻訳して以下に掲載。



腐り果てた選挙(An Election Spoiled Rotten)


選挙日を迎える以前、ケリー・エドワーズ選挙チームはすでに100万余りの票を失っている。なぜなら、重要な州であるオハイオ、ニューメキシコでは、選挙人登録名簿から有権者が意図的に削除され、不在者投票は無視される。特にマイノリティ居住区においては、例えばニューメキシコ州リオ・アリバ郡のような地域では、ヒスパニック系住民の投票が除外される確率は白人票の5倍である。調査報道記者グレッグ・パラストが、廃棄された投票について報告する。

票が集計されるずっと以前から、ニューメキシコ州では、ジョン・ケリーはすでに数千票を失っていた。コロラドでもオハイオでも同じだ。はるか南のフロリダでも・・・火曜日夜の票集計を待つまでもない。

洗練された投票操作---選挙権上の民族浄化、不在者票は行方不明、票を削除する投票機などなど---によって、ジョン・ケリーは100万票余りを失ってからの選挙スタートとなったのである。

推進された票の粛清
コロラド州務長官ドネッタ・デビッドソンは、数週間前に、数千人の有権者を投票名簿から削除した。彼女はそれら有権者に「凶悪犯罪前科者」の印をつけて、投票権を奪ったのだ。非常に興味深いことに、フロリダ州や他の南部州とちがって、コロラド州では前科者の投票権を法律で認めている。投票権を失うのは、実際に有罪判決を受けて服役しているものだけなのだ。

コロラド州において、刑務所から脱走した受刑者が投票したという事例は未だ確認されていない。以前に、無実の市民から投票権を剥奪した件を反省した連邦裁判所は、現在では大統領選挙前の90日間において、投票権の不当剥奪を防止するために、有権者は市民権確認の申し立てができることを認めている。

連邦法から逸脱することを見逃してもらうために、デビッドソン長官は“非常事態宣言”をしている。しかしながら、コロラド州における「非常事態」とは、ブッシュが世論調査でケリーに負けているという事実だったようだ。

なぜ突然、投票権剥奪を行ったのか?デビッドソン長官の下で選挙管理官を務めるのはドルー・ダーラム・・・以前にテキサス州検事総長の下で働いていた人物である。カウボーイの土地で検事総長の広報を務めていた人物は、ダーラム氏をこう評している:「(ダーラム氏は)公務員には向いていないんだ・・・人種差別主義者で思想的に偏見のある経歴の持ち主だからね」まさしく、大多数が非白人の有権者を抱えた地域の粛清業務にふさわしい評判ではないか。

そうした政府を粛清リストを調査してきた私自身の経験から言えば、こうしたリストに実際の違法投票者が多く含まれている事例はあまりない。

それどころか、リストに掲載されているのは民主党支持者ばかりだ。民主党員はあまり声を上げたくないだろうが、数々の調査により、有罪判決を受けた前科者の内、およそ90%は出所後に民主党に投票するという事実が判明している。共和党員であるコロラド州務長官は、そうした現状を知っていたと疑惑を抱く者も居るようだ。


有権者名簿上の民族浄化

有権者名簿の民族浄化という話題を扱うなら、オハイオ州を無視するわけにはいかない。オハイオでは、共和党の州務長官が、キャサリン・ハリスの後継者の座を狙っているということだ。

カイヤホガ郡(クリーブランド)では、有権者登録をしている黒人市民がいくらか見受けられる。南部の市民監視団体「 Democracy South」の調査によれば、南部各州では、黒人の有権者登録は、白人のそれに比較して、3倍多く拒否されるということだ。

有権者名簿をより「白く」するために、ジム・クロウ時代以降初めて、共和党は選挙日における投票権の確認を計画している。共和党委員会の発表した計画によれば、オハイオ州で、判事の怒りに抵抗する35,000人の投票を阻止するとのことだ。フロリダ州では、同じような計画がこっそり進行していることが、「収監リスト」の発見により判明している。先週英BBCテレビで暴露された「収監リスト」に掲載されていた有権者達は、奇妙なことに、ほとんどがアフリカ系アメリカ人居住区の人々だった。

投票を阻止する際に使われる、そうした人種プロファイリング行為は、投票権法の下では、違法である。それにも関わらず、法廷も判事も、リンカーンの政党を説得して、投票を妨害する類のブラックリスト作成を禁止するという民主党の要望を適えることはできなかった。

選挙事務所のゴミ箱に葬られた数百万の投票
「もしここで票が盗まれるとすれば、リオ・アリバ郡で行われるだろう」ニューメキシコ州の政治家は教えてくれた。その推論には根拠がある:2000年において、投票全体の1/10はカウントされなかった。封印され、削除され、廃棄されたのだ。投票業界では、技術上の問題で消失された票は「欠陥票」とされる。市民が投票しても、機械は気づいてくれない。リオ・アリバ選挙区では、前回の選挙で、投票された票はひとつもなかった・・・少なくとも、機械にはひとつの票も残されていなかった。

全ての投票者が等しく排除されるわけではない。リオ・アリバ郡住民の73%はヒスパニックだ。著名なハミルトン大学の選挙統計学者フィリップ・リンクナー博士に、ヒスパニック系住民の欠陥票に対して「再帰的」調査を依頼してみた。博士の試算によれば、ヒスパニック系住民の欠陥票が発生する確率は、白人票に比較して、5倍多いことが判明した。ネイティブ系住民の場合はさらに酷い。インディアン居住区においては、欠陥票は大流行している。

冷蔵庫から出したからといって、票が腐るわけはない。原因は機械なのだ。貧乏な住民には朽ち果てた学校や病院があてがわれるように、投票機もオンボロがあてがわれているわけである。

ヒスパニック系住民には災難である:しかしアフリカ系アメリカ人にとって、投票箱はホロコーストだ。アメリカ版民主主義の非常に由々しき事実の典型例は、全国で200万票ほどが、未登録、もしくは未確認票として廃棄されるという事実である。合衆国市民権委員会とハーバード・ロー・スクール市民権プロジェクトの調査によれば、廃棄された票の54%はアフリカ系アメリカ人の投票であるという。100万の黒人票が消失?!なんてことだ!

そうした状況を好む政治家は両党に大勢居る。政治家にとって、マイノリティの抑圧は選挙で選ばれるための手段なのだ。誰を責めるにしろ、火曜日には、ケリー・エドワーズコンビは打撃を被ることになる。リオ・アリバ郡では、民主党支持者と共和党支持者の選挙人登録の比は8対1で、民主党が大幅リードしている。アフリカ系アメリカ人での割合は・・・まあ、計算はご自分でどうぞ。

アメリカの投票所から漏れ出した投票の総計はあまりにも多すぎて、自分達を盛り上げるのに熱心な大手ニュースメディアの報道では、こうした話題を見つけることはできない。失われた100万の黒人票、廃棄された投票、そして何千もの拒否された有権者登録・・・これらは我々の国の秘密なのだ:人種隔離政策下の民主主義においては、金持ちの白人の投票は常にカウントされ、少数民族の投票は剥奪され、忌避され、記録されることもない。結局のところ、最初のレバーが押される以前、カードがパンチされる以前、あるいはタッチスクリーンがタッチされる以前に、ケリーは100万票ほど負けているのである。

2004/11/02

「終末は近づいている」byカート・ヴォネガット

In These Times誌2004/10/29付けコラムより。米国現代文学を代表する作家、カート・ヴォネガットの最新コラムを以下に全文翻訳して掲載。



「終末は近づいている(The End is Near)」


by カート・ヴォネガット(In These Times誌2004/10/29付けコラム

わたしはこの文章を選挙前に書いているので、ジョージ・W・ブッシュとジョン・F・ケリーのどちらが、私達の新大統領になって・・・万事うまくいけば・・・次の4年間を務めることになるのか、知ることが出来ない。北欧系で貴族的な大金持ちであるこれら二人は、言ってみれば双子のようなものであり、大方の人々と違って、少々おかしな白子の双子と呼ばれるのがふさわしい。しかし私にとってはこちらの事実が時宜に適う:両候補共に、現在でもイエール大学の排他的な秘密結社“スカル・アンド・ボーンズ”のメンバーであるという。つまりこういうことだ・・・どちらが勝利しようが、私達はスカル・アンド・ボーンズ(骸骨と骨)大統領を迎えることになる・・・地上や海、大気に毒を撒き散らしたおかげで、全ての脊椎動物が・・・さあお立会い、まさしく骸骨と骨だけに変わり果てようとしている時代にである。

なんと詩的な!

この終末への道のりは何から始まったのか?アダムとイブと禁断のリンゴのことを言う人もいるだろう。私ならむしろ、ギリシャ神話に登場する神々の子で、親たちから火を奪い人類に与えた、タイタン族のプロメテウスを挙げておきたい。神々は怒り狂い、裸のプロメテウスを岩に縛りつけ、背を晒して、集まったハゲワシに内蔵を食べさせた。

今日では、神々のそうした行いが正しかったのは明白である。我々の親類であるゴリラやオラウータン、チンパンジーやテナガザルは、生の野菜を食べながらいつでも元気に暮らしているが、一方で我々は、食べ物を温めるだけでは飽き足らずに、かつては生命維持装置として健全であったこの星を、もっぱら化石燃料をめぐる熱力学的どんちゃん騒ぎのおかげで、わずか200年足らずの間にほとんど破壊し尽くそうとしている。

英国人のマイケル・ファラデーが、力学的エネルギーを電気に変える能力を備えた人類最初の発電機を発明したのは、わずか173年前のことだ。合衆国で最初の、今では空井戸になってしまった油田は、ペンシルバニア州タイタスビルで、エドウィン・L・ドレイクによって発見されたが、それも145年前の話。ドイツ人のカール・ベンツは、人類初の内燃機関駆動の乗り物を開発したが、それもわずか119年前の出来事なのだ。

アメリカ人のライト兄弟は、周知のとおり、人類初の飛行機を発明して飛んだ。101年前のことである。飛行機にはガソリンが必要だった。そろそろあの魅惑的などんちゃん騒ぎの話をしたくなったでしょう?

残念でした。

化石燃料は、あまりにも簡単に燃えてしまう!そう、そしてブッシュとケリーが遊説しているときも、我々は残り少ない燃料のひと吹き、一滴、一塊に次々と点火しているわけだ。全ての灯りは消えようとしている。電気もやがてなくなる。あらゆる形態の移動手段は停止し、地球はやがて骸骨と骨、動かなくなった機械で覆われることになる。

もはや誰も抗うことはできない。ゲームに加わるには遅すぎる。宴を台無しにしてはいけないが、真実に目を向けよう:我々は、空気や水も含めて、まるで明日などないかのように地球の資源を無駄遣いしてきたので、今では本当に明日というものを失いつつある。

さて、ダンスパーティーはもうお終い。でも、お楽しみはこれからなのだ。

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