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2004/11/02

「終末は近づいている」byカート・ヴォネガット

In These Times誌2004/10/29付けコラムより。米国現代文学を代表する作家、カート・ヴォネガットの最新コラムを以下に全文翻訳して掲載。



「終末は近づいている(The End is Near)」


by カート・ヴォネガット(In These Times誌2004/10/29付けコラム

わたしはこの文章を選挙前に書いているので、ジョージ・W・ブッシュとジョン・F・ケリーのどちらが、私達の新大統領になって・・・万事うまくいけば・・・次の4年間を務めることになるのか、知ることが出来ない。北欧系で貴族的な大金持ちであるこれら二人は、言ってみれば双子のようなものであり、大方の人々と違って、少々おかしな白子の双子と呼ばれるのがふさわしい。しかし私にとってはこちらの事実が時宜に適う:両候補共に、現在でもイエール大学の排他的な秘密結社“スカル・アンド・ボーンズ”のメンバーであるという。つまりこういうことだ・・・どちらが勝利しようが、私達はスカル・アンド・ボーンズ(骸骨と骨)大統領を迎えることになる・・・地上や海、大気に毒を撒き散らしたおかげで、全ての脊椎動物が・・・さあお立会い、まさしく骸骨と骨だけに変わり果てようとしている時代にである。

なんと詩的な!

この終末への道のりは何から始まったのか?アダムとイブと禁断のリンゴのことを言う人もいるだろう。私ならむしろ、ギリシャ神話に登場する神々の子で、親たちから火を奪い人類に与えた、タイタン族のプロメテウスを挙げておきたい。神々は怒り狂い、裸のプロメテウスを岩に縛りつけ、背を晒して、集まったハゲワシに内蔵を食べさせた。

今日では、神々のそうした行いが正しかったのは明白である。我々の親類であるゴリラやオラウータン、チンパンジーやテナガザルは、生の野菜を食べながらいつでも元気に暮らしているが、一方で我々は、食べ物を温めるだけでは飽き足らずに、かつては生命維持装置として健全であったこの星を、もっぱら化石燃料をめぐる熱力学的どんちゃん騒ぎのおかげで、わずか200年足らずの間にほとんど破壊し尽くそうとしている。

英国人のマイケル・ファラデーが、力学的エネルギーを電気に変える能力を備えた人類最初の発電機を発明したのは、わずか173年前のことだ。合衆国で最初の、今では空井戸になってしまった油田は、ペンシルバニア州タイタスビルで、エドウィン・L・ドレイクによって発見されたが、それも145年前の話。ドイツ人のカール・ベンツは、人類初の内燃機関駆動の乗り物を開発したが、それもわずか119年前の出来事なのだ。

アメリカ人のライト兄弟は、周知のとおり、人類初の飛行機を発明して飛んだ。101年前のことである。飛行機にはガソリンが必要だった。そろそろあの魅惑的などんちゃん騒ぎの話をしたくなったでしょう?

残念でした。

化石燃料は、あまりにも簡単に燃えてしまう!そう、そしてブッシュとケリーが遊説しているときも、我々は残り少ない燃料のひと吹き、一滴、一塊に次々と点火しているわけだ。全ての灯りは消えようとしている。電気もやがてなくなる。あらゆる形態の移動手段は停止し、地球はやがて骸骨と骨、動かなくなった機械で覆われることになる。

もはや誰も抗うことはできない。ゲームに加わるには遅すぎる。宴を台無しにしてはいけないが、真実に目を向けよう:我々は、空気や水も含めて、まるで明日などないかのように地球の資源を無駄遣いしてきたので、今では本当に明日というものを失いつつある。

さて、ダンスパーティーはもうお終い。でも、お楽しみはこれからなのだ。

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