11月2日の大統領選挙投票日、激戦州であるオハイオで、マイケル・ムーアにより派遣された選挙監査団体が、アフリカ系アメリカ人居住区の投票所における人種差別行動---投票に来た黒人有権者にいいがかりをつけて“暫定投票”扱いにしたり、投票できなくさせる威圧行為---をビデオに収めていた。(このオハイオでの共和党運動員の行動はボストン・グローブ紙でも報道されている)
以下、「Video The Vote - Ohio」より、いくつか重要シーンをピックアップして解説する。

投票所内部で動き回る白人二人組。投票に来た有権者を嘘で惑わせ、威圧している。持っているのはおそらく共和党オハイオ支部が準備した“ニセ前科者リスト”「あなたは前科者だから投票資格無し」と言いがかりをつける道具だ。

投票を待つ黒人有権者に近づく男。

女性有権者の話:「投票所に来たら“選挙人リストに載ってないから暫定投票扱いだね”って言われたわ。」もちろん彼女は登録済みだった。嘘をつかれたわけだ。オハイオ州で大量に発生した未集計の暫定投票の多くはこうして集められ、その一部は集計所に向かう前に不当に廃棄されている・・・
ビデオ撮影者のコメントはBoingBoingブログで確認できる。今のところマイケル・ムーアはこの映像を次回作として公開するつもりはないそうだ。映像の所有権は撮影者と協力した市民団体に託されたとのこと。(こんなビデオが全米で公開されたら、市民暴動が起きるかもしれない)

オハイオでの不正選挙に抗議するため州公館に集まった住民達。(2004/11/05)
オハイオ州では、共和党による一連の不正な選挙手法に怒った住民が州ビル前でデモを行っている。実際に投票操作の疑いを伝えるニュースが配信され始めるにつれ、そうした抗議デモはジワリジワリと全米に拡大しつつあるようだ。(あのラルフ・ネイダー氏も、ニューハンプシャーで電子投票のカウント監査を請求している。ひょっとしたら集計やり直しの前例を作って全米に投票カウントの裁判を拡大するつもりかもしれない。ネイダー氏は自分の役割にやっと気づいたのか?)
こうした市民蜂起の機運を察知したブッシュ陣営は、さっそく来年1月の第二期就任式典での警備強化プランを練り始めたらしく、就任式当日には全米から約2,000人の警官が警備に呼ばれ、FBI、SWAT部隊の狙撃チームが建物をガードし、さらにおよそ4,000人の陸軍戦闘部隊がパレードを守るということである。(まるで何処かの国の軍事パレードみたいだ)
現在の米国は、イラク戦争へ大部隊を派遣している関係上、戦場向け訓練の未熟な各地の州兵までが大勢海外に渡っており、国内防衛体制は極めて脆弱であるという。その上大統領就任式で大袈裟な警備をやれば、本土防衛は(ビン・ラディンの追跡捜査同様に)きわめていい加減なものになるだろう。
戦闘部隊による大統領就任式警備はニクソン大統領以来(戦闘兵2,000人が警備)とのことである。どうせなら、ブッシュにもニクソン同様の二期目を迎えてもらいたい。
