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2004/12/05

死者の名前が有権者リストに掲載---他にも6つの激戦州で問題発覚

シカゴ・トリビューン紙2004/12/04付け記事より。以下に記事全文を翻訳掲載。(記事中リンクは訳者による)



死者の名前が有権者リストに掲載、他にも6つの激戦州で問題発覚(Dead voters on rolls, other glitches found in 6 key states)

by トリビューン紙記者ジェフ・ダハティ(ワシントン支局記者サラ・フランクも協力)

マイケル・ピレー氏は2002年に死去したが、彼の名はニューメキシコ大学に残っている。同氏はニューメキシコ大学で建築科卒業プログラムを設立し、何年も指揮してきたからである。

しかし、ピレー氏の名前は他の場所でも残されている。死亡した有権者はリストから削除する取り決めにも関わらず、同氏は現在でもニューメキシコ州の有権者登録リストに掲載されているのだ。

トリビューン紙の投票記録調査によれば、大統領選挙当日のニューメキシコ州では、5000人以上の死亡者が有権者リストに登録されたままであったことが判明している。同州で大統領の勝敗を決めたのは6000票差である。

そして、ニューメキシコ州は例外ではない。本紙(トリビューン紙)の調査によれば、ニューメキシコ州の他、フロリダ、アイオワ、オハイオ、ミシガン、そしてミネソタ州においても、有権者登録の整合性において同様の不具合が発覚している。

これら6つの激戦州には、18万1,000人以上の死亡者が有権者リストに掲載されていた。2000年の選挙以降、投票システムの監査が図られていたにも関わらずである。

また、何千人もの投票者が2箇所で有権者登録されており、そうした有権者は、2票以上を投ずることが可能になる。

さらに、オハイオ州では9万人以上が候補者を正しく選択できなかった。候補者の選択をしなかったにも関わらず、投票機は有権者の投票を記録することに失敗し、あるいは1人以上の候補者を選択したかのように記録されている。

また、フロリダ州で共和党による大規模な投票の改ざんが行われたという疑惑について、FBIは調査を開始している。

2000年選挙以降、問題が改善されたと大方の観測筋が同意していた選挙の後で、こうした展開が待っていたわけである。

11月の選挙の投票データは、いくつかの激戦州では、今に至っても州当局者の集計を待たねばならない。したがって、2箇所以上で有権者登録をした人が、2票以上を実際に投票したかどうかは不明確なままである。同様に、どの投票が死亡者の名義で投票されたかを具体的に指摘することは不可能である。

しかし、登録から削除されるべきなのに掲載されている人数は、特に大統領選挙の勝利者が数千人規模の票差で決定されている激戦州においては、おおいに懸念されるべき材料である。

「水増しされた有権者登録リストはおおいに問題です」投票改革推進組織electionline.orgの編集者ダン・セリソン氏は語る。

2000年大統領選挙以降に発足した条例により、そのような有権者登録問題の修正を州当局者に求めることが可能になった。しかしそうした要求が有効とされるのは2006年以降と決められている。

ニューメキシコ州保険局は、死亡した住民のリストを毎月提供しており、州務長官のレベッカ・ビジル・ジロンはそのリストを元に有権者登録リストを更新している。しかしピレー氏はフランスで死亡しており、ニューメキシコ州で死亡診断書が発行されなかったのは明らかである。


「彼は見過ごされただけ」

「彼は見過ごされただけです」ビジル・ジロン州務長官は答えた。

フランシス・ウォルシュは、以前はシカゴのアメリカン缶詰社の工場作業員をしており、退職してからはアイオワ州に引っ越していた。彼はそこで2002年に死亡したが、有権者登録はシカゴに残されたままだ。

トリビューン紙の調査では、4900人ほどのアイオワ州有権者が死亡しているが、有権者リストには掲載されたままと見られている。

ブッシュがアイオワ州を制した票差は1万票である。

アイオワ州の州務長官オフィス広報担当者フィリー・ピーターズの話では、死亡した住民の名前が有権者登録リストに掲載されている件は予測済みとのことである。

ピーターズ氏によると、彼女のオフィスでは、人口動態統計課から死亡診断書が発行された住民について、毎月有権者リストから削除する作業を行っているが、州外で死亡した住民については、作業が複雑化しているという。

データ入力ミスもまた問題となっている。ウォルシュ氏の有権者登録情報によれば、彼は女性として入力されていた。しかし死亡診断書では彼は男性となっており、それゆえコンピューター上では有権者登録から削除されなかった、とピーターズ氏は語った。

不正確な有権者登録と僅差によるブッシュ勝利という事実にも関わらず、ピーターズ氏は選挙結果に自信を持っているという。彼女の語るところによれば、1万人ほどの選挙管理担当者たちが怪しい有権者登録を監視していたというのがその自信の元となっているという。

「投票区レベルでは整合性が保たれていると信じていますから」彼女は言った。

全州レベルでは、フロリダ州において6万4,889人の有権者が社会保険局の死亡者リストにも掲載されており、最も信頼性が低い。次はミシガン州で、5万51人となっている。

有権者の二重登録の件で、フロリダ州務長官グレンダ・フードと選挙管理責任者は、選挙日前に慌ててFBIの協力を仰ぎ、データの整理に追われることになったという。

「そのような違法行為と有権者登録操作は見過ごされることがないように、連邦レベルで早急な対策を行い強い姿勢で臨むことが大切です」とは、8月26日付けのフード長官の手紙の文言である。

ウィリアム・フィッシャー氏はフロリダからオハイオに引越し、そこで有権者登録を行った。フィッシャー氏はフロリダ州でも投票可能であることを知り、おおいに驚いているという。

「私はすでに退職者だし、フロリダから出ている。だからフロリダ州の有権者リストに載るべきじゃないな」彼は言った。

オハイオ州では、人権活動家のジェシー・ジャクソン氏が選挙の見直しを求めている。同氏によれば、ブッシュの勝利の背景にはあまりにも多くの疑惑が検証されぬまま残されているという。

「勝とうが負けようが問題じゃない。不正を黙認するわけにはいかないのだ」オハイオ州コロンバスのハーモン山バプティスト教会で、ジャクソン氏は話した。

オハイオ州での投票に関する苦情の多くは、時代遅れのパンチカード式投票システムを使ったことに関するものに集中している。4年前にはフロリダ州で、同様の問題が起こっていた。


オハイオ州再集計問題

ところで、オハイオ州では、第三政党の大統領候補者達が---現在ではジョン・ケリー選挙チームも参入しているが---投票の再集計を要求しており、同州での選挙結果が承認された後の月曜日から、再集計が行われる予定である。

先だって金曜日には、コロンバスの連邦裁判所で、再集計に関するヒアリングが実施された。

地区別に行われた投票集計結果がAP通信により金曜に判明したが、それによるとブッシュ勝利を決定付けた得票差はおよそ11万9,000票で、当初宣言されていた非公式の票差である13万6000票よりもいくぶん少ないことがわかった。少なくなった理由は暫定投票の集計によるものであるという。

オハイオ州のいわゆる廃棄票率は、2000年のフロリダ州の廃棄票率よりも低い。しかし廃棄された票の数(9万2000票)は、ブッシュの勝利を決定した票差が11万9000票であることを鑑みると、重大な数値ではある。

オハイオ州の民主党支部は投票の再集計を注意深く見守っている、と広報担当者のダン・トレバス氏は語っている。

「我々の負けかもしれない」トレバス氏は言う。「しかしそれ以上の事実があるとすれば、調べなければいけない。全ては公明正大に行われるべきだ」

フロリダ州では、新型のタッチスクリーン投票機により、パンチ式にみられたような曖昧さはなくなった。しかし、ATM化した投票技術は、新たな疑惑を作り出している。

カリフォルニア大学バークレー校の、マイケル・ホート教授は、フロリダ州で新投票機を使った地域の投票パターンと、従来の複数選択可能な投票システムを使用した地域のそれを比較した。

それらパターンの違いから、マイケル教授は新投票機における機器障害がブッシュ陣営に有利に働いたと結論付けることになった。教授の推測によると、ソフトウェア上の不具合によりケリーへの投票はカウントされず、あるいは誤ってブッシュ票としてカウントされたとしている。

「統計的にみれば、おおいに怪しい状況です」教授は言う。「実際にどうなっているかを明らかにするのはフロリダ州住民次第でしょう」


さらに、フロリダ州では、11月の選挙で敗北した民主党の下院議員候補ジェフ・フィッシャー氏が、共和党陣営による選挙不正計画を記した電子メールを目撃したと語っている。フィッシャー氏によると、その計画は、選挙担当者達を抱き込んでニセの有権者登録を行わせ、担当者達はそうしたニセの有権者登録を使って、電子投票機を操作しブッシュへの票に加算したとのことである。

FBIはフィッシャー氏の申し立てを取り上げ、調査中であることを認めている。

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