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2005/02/28

米国18の州でロケット燃料の成分を含む母乳を確認

LiveScience™2005年2月24日付け記事より。以下に全文を翻訳して掲載。(記事中リンクは訳者による)

18の州でロケット燃料の成分を含む母乳を確認(Rocket Fuel Chemical Found in Breast Milk of Women in 18 States)

By ロバート・ロイ・ブリット(Robert Roy Britt)LiveScience上級記者:LiveScience™2005年2月24日付け記事

ロケット燃料に含まれる有毒成分が、全米18州の女性の母乳や、店頭販売されている牛乳から発見されている。

問題の成分である過塩素酸塩(perchlorate)は、成人の新陳代謝を妨げたり、胎児等の発達を遅らせる原因にもなる。この成分は、各地の米軍施設から地下水に浸出しているとみられる。

以前行われた研究では、過塩素酸塩は飲料水やレタス、牛乳にも見つかっている。

今週発表された調査により、過塩素酸塩汚染問題はより拡大することになると科学者達は懸念している。

テキサス工科大学の研究員達は、全米18州から集められた36の母乳サンプルと11州の店舗から購入された47種類の牛乳サンプルを調査した。その結果、ひとつの牛乳を除き、全ての母乳・牛乳サンプルが過塩素酸塩を含んでいることが判明した。もっとも高い含有率を示したのは、ニュージャージーの女性の母乳であり、以下ニューメキシコ、ミズーリ、ネブラスカ、カリフォルニアと続く。

調査結果の詳細は、米国科学界(American Chemical Society)の機関紙、Environmental Science & Technology紙のオンライン版で見ることができる。調査はテキサス工科大学生化学者プネンドゥ・ダスグプタ氏の主導で行われた。

「早急に過塩素酸塩汚染の実態を掴むべきです」カリフォルニア上院議員のディアンヌ・ファインスタインは声明を発表した。「そして、米環境保護庁(EPA)は、米国民の健康安全を保護するための飲料水水質基準を早急に設定する必要があります」

全米の飲料水汚染地図

米国における過塩素酸塩による飲料水汚染の分布状況(source

調査結果の詳細
過塩素酸塩は自然界にも存在するが、軍需用もしくは花火などの固体ロケット燃料の主成分でもある。科学者の見解では、過塩素酸塩は人体組織に長く蓄積することはないが、母乳には蓄積すると推定されている。

同成分を過剰に摂取すると、甲状腺でのヨウ化物摂取を妨害し、成人では新陳代謝を低下させ、児童の成長阻害を起こすと科学者らは説明する。

胎児の場合、知的障害の原因となったり、聴力障害や会話障害、運動神経の低下が起こる可能性がある。

母乳サンプルにおける過塩素酸塩の平均含有率は、1リットルあたり10.5マイクログラムであった。牛乳における過塩素酸塩の平均含有率は1リットルあたり2.0マイクログラムであった。決定的な国内基準は存在していないが、米環境保護庁の推奨する飲料水の水質基準における限界含有率は1リットルあたり1.0マイクログラムである。

また、今回の調査では、過塩素酸塩の多く含まれる母乳が実際にヨウ化物の濃度低下に関係していることが発見された。ヨウ化物の濃度が低下すると、授乳期の女性の場合には甲状腺機能障害を発生させる可能性がある。科学者らは、データ不足を認めているが、ダスグプタ氏と同僚の説明では、調査で発見された事例は、“懸念すべき低濃度”であるという。

ダスグプタ氏らは、妊婦や授乳期の女性に日常的に必要とされるヨウ化物の基準をより高く改訂すべきとしている。

前環境保護庁の化学者で、今回の調査に加わらなかったエド・アーバンスキー氏は、調査によって行き過ぎた警告があってはならないと話している。

「より多くのサンプルを試さなければ、今回の発見が決定的なものかどうか見極めるのは困難である」アーバンスキー氏は言う。

飲料水に含まれる
先に行われた調査では、全米で少なくとも1,100万人分の飲料水に、過塩素酸塩が含まれていることがわかっている。同物質はコロラド川に含有しているが、その川の水はロスアンゼルス、フェニックス、ラス・ベガスで飲料水として供給される他、全米の70%のレタス栽培用の水としても使われている。この問題については、民間の環境調査団体Environmental Working Groupが、テキサス工科大学の化学者との協力の下で2003年に調査した結果判明している。

全米科学アカデミーの主宰する米国学術研究会議(NRC:National Research Council)が1月に発表した総合研究では、その危険性を評価する試みが行われているが訳注1、化学者らは含有量の安全基準について議論を続けている。

他にも、1月にロシアで公表された研究によると、ロケットの打ち上げが行われているカザフスタンのバイコヌール宇宙センター近郊に居住する子供は、他地域の子供に比較して、医者にかかる率が2倍であることが判明している。(以上)

訳注1)全米科学アカデミーが1月に発表した研究報告は、ホワイトハウスと国防総省の圧力により、飲料水に含まれる化学物質が人体に与える悪影響を大幅に軽視した内容に改ざんされていた事実が、市民団体の公文書調査により判明している。

2005/02/24

ブッシュ大統領の叔父もイラク戦争で大儲け

Los Angeles Times紙2005/02/23付けのスクープ記事を以下に全文翻訳掲載。(記事中写真とコメントは訳者による追加)

日本の大手メディアにとって、イラクの選挙に関するニュースは、素材の調達が容易なせいもあって(日米政府機関に“記事を書かせて!”とお願いすれば、映像もテキストも用意してくれる!)、イラク戦争の内実に関する情報よりも、はるかに多く報道されている。高い投票率の真偽にしても、“イラクのエライ人達が発表してるじゃないか”というわけだ。

一方で、虐殺された大勢のイラク市民戦死した兵隊達その家族新たに召集された老兵達ホームレスになった帰還兵達、そして収監されたり脅威に直面しても主張しつづける多くの米国市民に関するニュースは、国内の報道業界では極めて不人気らしく、新聞やテレビで目にすることはほとんどない。

そうした状況にあって、以下のような、ブッシュ家が戦争でいくら儲けたかに関するニュースは、どのような扱いを受けるだろうか?

イラクで活動する企業がブッシュ叔父を潤す(Company's Work in Iraq Profited Bush's Uncle)


ウィリアム・H・T・ブッシュ、国防総省取引企業ESSI社の株で45万ドルを稼ぐ

by ウォルター・F・ロシュ・ジュニア記者:Los Angeles Times紙2005/02/23付け記事

ワシントン:イラク戦争により、セントルイスに本拠を構える国防総省取引企業エンジニアード・サポート・システム社(ESSI)は記録的な売り上げを達成しているが、同社の財務データからは、よく知られた家族の名が、戦争による利益に浸されていくのが見て取れる。それはブッシュ家のことである。

先月、ブッシュ大統領の叔父で、ジョージ・H・W・ブッシュ前大統領の末弟であるウィリアム・H・T・“バッキー”ブッシュは、保有しているESSI社のストック・オプションを行使し、50万ドル近い利益を得た。

ブッシュ大統領にとって“バッキー叔父さん”として知られるこの人物は、米軍に装甲その他を供給するESSI社の役員である。イラク侵攻前に、同社の株価は記録的な上昇を遂げたが、中でも米軍車両の追加装甲を迅速に提供するという契約により、多大な利益を挙げている。

William Bush

ブッシュ選挙キャンペーンで演説するウィリアム・ブッシュ。ブッシュ政権誕生直前にESSIの役員に就任・・・甥の大統領当選を事前に知っていた??

米国証券取引委員会の報告によれば、ウィリアム・ブッシュが同社の8,438株を現金化したのは今年1月18日のことである。インタビューの際、同氏はこの取引でおよそ45万ドルを入手したという。

火曜日に行われた売り上げ報告の中で、ESSI社は1月31日までの第一四半期の純利益が2,060万ドルに到達し、同期の収入額が前年比20%高の2億3,350万ドルであることを公表した。最終的に、同社の予測する年間収入は9億9000万ドルから10億ドルの間であるという。

66歳のウィリアム・ブッシュは、かつてセントルイス銀行の役員や投資会社の経営をしていたが、甥がホワイトハウスに招かれる8ヶ月前の2000年に、ESSI社役員に就任している。

大統領の叔父は、インタビューの中で、自分の会社が政府との契約を得るために家族のコネをつかったことはないと語っている。

「地域コード202に電話をしたことはないよ」ワシントンへの長距離電話に言及しながら、同氏は説明している。

また、同氏は、ESSI社役員に加わることの法的問題の有無について、弁護士からアドバイスを得ていたことも明かしている。

ESSI社の労務管理副社長ダン・クルアーの話では、ウィリアム・ブッシュは5年前に役員に加わった多くの人々の1人にすぎないとし、彼が就任した理由について「地域ビジネスコミュニティに昔から関わっており、旧知の仲」としている。

「ブッシュ氏を迎えることに害はない」クルアーはそう言い、同社がワシントンへのロビー活動を定期的に行っていると説明した。クルアー氏は、民主党員や民主党資金提供者も役員に就任していると話している。

「誰に話すべきか知っている人物を役員に迎えることに害はない」クルアー氏はそう言いながら、大統領の叔父が同社の政府取引に何らかの役割を果たしたことはないと答えた。

ESSI社が国防総省と交わした契約のいくつかは、競争なしの単独入札契約であり、米軍トレイラー改修費用契約4,880万ドル分もこれに含まれている。

同社のイラク関連業務契約には、昨年早々にメリーランドにある子会社との間で交わされたCPA(連合軍暫定当局)向け通信サポート業務契約1,800万ドル分も含まれる。

2003年3月、1,900万ドル相当の生物化学兵器防護シェルター購入を米陸軍が発表した際、当時のESSI社CEOのマイケル・シャナハンは声明を出している:「イラク政府との対立により、米軍兵士が直面する生物化学兵器による攻撃の脅威は極めて現実的なものになっている」

同社の他の契約も疑惑の対象となっている。

先週、国防総省高官は、2002年にESSI社と交わした1億5800万ドルに及ぶ累積契約が、ペンタゴン査察官の調査対象になっている事実を明かしている。同契約は、他の政府取引企業であるボーイング社への不正利益供与により有罪が宣告された前国防総省担当官の指揮の下で交わされている。

ペンタゴンの臨時次官マイケル・ワインは、同契約について「異常な部分が見られる」と話している。ワインと彼の側近はその異常さについて詳細な説明を避けている。他にも監査対象となっている契約には、アクセンチュア社(元アンダーセンコンサルティング)や、ボーイング、ロッキードマーティン社との取引が挙がっている。

火曜日の証券アナリストとのブリーフィングの際、ESSI社社長のジェラルド・A・ポソフ氏は調査の重大性を一蹴し、、同社の契約が監査されているのは単に単独入札契約だからと声明を出した。

ポソフ社長は、国防総省による調査が同社に影響を与えないとの自信を示し、調査はESSI社ではなく政府高官の行為を焦点としていると話した。

「調査には全面協力します」社長は言った。

ペンタゴン査察官によって調査対象となったESSI社の契約は、米空軍のタナーという機材に関連する取引の中で交わされた。

前空将補の名にちなんだタナーは、空軍では大型輸送機の迅速な貨物の荷積みに広く使われている。タナーを使うと、一度に6万ポンド分の荷積みが可能になる。

タナーがESSI社の価値ある主力製品であることは、2002年度の同社米軍重機部門の売り上げの大半が同製品で賄われている事実(3,510万ドル、20%強)により明白である。

監査事実が明らかになる直前、空軍はタナーの購入によりESSI社と新たに900万ドルの契約を交わしたと発表している。

Tunner

積荷作業につかわれるESSI社の機材「タナー( Tunner)」

同社は事業を称して「最新技術、洗練された軍用電装品、装備、輸送サービスを米国軍部と外国軍部に多角的に供給する」としている。

同社幹部は戦争により経済的に多大な利益を得ることを認めている。

一年前に行われた四半期売り上げ報告では、当時の副会長兼最高経営責任者のジェラルド・L・ダニエルズはこう言っている:「南西アジアにおける米軍の長期駐留が2006年まで延長される公算が高まっているので、わが社が提供する製品とサポートが必要とされる環境はより充実する」

現在の紛争地で見受けられる他のESSI社製品には、 レーダーとその検知サービス、戦場医療設備、戦場発電装置などがある。

同社の記録的な成長は、積極的な買収策も貢献している。ウィリアム・ブッシュの経営するブッシュ-オドネル社(Bush-O'Donnell)は、ESSI社が3年前に軍契約企業を買収した際に、コンサルティング料として12万5000ドルを受け取った。

3500人の従業員を抱え、イラクにいくつかの出張所を持ち、北米での事業はノバスコシア州(カナダ)からフロリダに及ぶ。ごく最近、同社はバージニアを拠点にした米軍契約企業スペースリンク・インターナショナルLLC社の買収を発表している。

米証券取引委員会の記録によれば、ESSI社はサウジアラビアや中国の軍部とも取引を行っている。

同社が米軍と交わす契約のいくつかは競争入札によるものだが、そうでないものもある。そうした契約の多くは、「無期限、無制限」契約であり、契約の中身は省庁の必要量に依存する。

同社の単独入札主義は、今年始めに電装試験技術企業のプロスペクティブ・コンピューター・アナリスツ社を3,760万ドルで買収した件により歴然としている。ESSI社幹部は、ニューヨーク州ガーデンシティの同社が、「多くの単独入札契約を手にしている」と特記した。

ウィリアム・ブッシュは2000年度に役員に就任したが、それは彼の甥がホワイトハウス入りする8ヶ月前のことであった。

火曜日に行われたインタビューの際、ブッシュ氏は株を現金化した理由について、有効期間が満期になるからと説明した。

「締め切りは迫っていた。フロリダの住宅購入にまわしたよ」ウィリアム・ブッシュは話した。ストックオプションの行使については、あらかじめ同社社長に話したという。

イラクとアフガニスタンでの米軍駐留により、会社が大きな利益を得ている事実をどう思うかについて、ブッシュ大統領の叔父は言う。「イラクに仕事がないことを望む。残念ながら、我々は問題を抱えた世界を生きているんだ」

ブッシュ氏はESSI社を素晴らしい企業と呼び、ストック・オプション行使について、同社の売り上げに不満を表明するものとは「全く違う」と説明した。

「誇りを持ってるよ。連中はいい仕事をしてる」ウィリアム・ブッシュは話した。

米証券取引委員会の記録によれば、セントルイスの企業重役であるブッシュ氏はまだ同社の株を45,000株ほど所有している。同氏の話では、現金化したオプションは同社役員になった際の分だという。

ブッシュ氏は、同社監査委員にも名をつらねるが、役員としての報酬は年間4万ドル以下であり、来週開催される年次定例株主総会の出席を含め、役員業務と委員会業務もそれに含まれているという。彼も含めて役員全員が、追加のストックオプション権を手にすることになる。

ブッシュ氏がストックオプションを行使したのは、イラクに駐留する部隊で使われる車両の再装甲と装備修繕に関する総計7,700万ドルに及ぶ追加取引契約を同社が発表した直後であった。同社はイラク現地に35人の社員を配し、装備配給にあたらせている。

同社はイラクでの設備修復作業について、2億ドルを超える収入を見込んでいる。

米軍車両の再装甲と修復契約のニュースは、ESSI社の株価を一気に押し上げ、今年はじめには一株あたり60.39ドルの最高額を記録した。火曜日の時点で、同社の株価は54.34ドルで取引を終えている。

火曜日に行われた証券アナリストとの会議で、ESSI社のポソフ社長は楽観的な見方を示し、ブッシュ政権が先週提示した820億ドルもの追加国防予算により、イラク他で活躍する同社にとってさらに多くの機会を得るとしている。

「個人的には、わが社の展望についてこれほどの幸福を感じたことはないだろう」ポソフ社長は証券アナリストに漏らした。

2005/02/22

クリス・ロックのアカデミー賞司会抜擢に聖書原理主義団体が猛抗議

英BBC2005/02/20付け記事によれば、今年のアカデミー賞授賞式のホストにコメディアンのクリス・ロックが起用された件で、米国の聖書原理主義団体の一部が猛反発しているとのこと。以下に記事全文を翻訳引用する。(記事中リンクは訳者による)

“下品”オスカーホスト抜擢のロックに抗議('Vulgar' Oscar host Rock attacked)

英BBC2005/02/20付け記事

今年のオスカー授賞式ホストにコメディアンのクリス・ロックが抜擢された件で、米国キリスト教団体が批判を展開している。同団体によれば、クリス・ロックは“わいせつ”で“下品”であるという。

アメリカを憂える婦人の会(CWA:Concerned Women for America)の声明によれば、クリス・ロックの起用はハリウッドがアメリカ国内の事情に“疎い(out of touch)”ことの証明であるという。

「ハリウッドは俗悪さをさらに拡大しようとしている」同団体は主張する。「卑猥な言葉を連発する(F-word-spewing)クリス・ロックの起用は金ぴかの街(Tinseltown:ハリウッドの俗称)の大使としてはパーフェクトである」

オスカー授賞式は2月27日に開催される。

“馬鹿げた”賞
「(音楽業界のイベント)グラミー賞は視聴率の低下に苦しんでいるが、おそらくハリウッドも、レミングの群れのように、同じ断崖へ落ちたいらしい」CWAは評した。

今年のオスカーでは、スタンダップコメディ番組のスペシャリストとして、また映画「ヘッド・オブ・ステイト」「9デイズ」「ドグマ」などの活躍でも知られるクリス・ロックが司会に初挑戦する。

先ごろ、ロックは下品な言葉を控えると宣言し、こう発言している:「俺がテレビに出れば笑われることはあっても呪われることはないよ」

しかし、このコメディアンは、オスカーを滅多に観た事がなく、授賞式を“馬鹿げてる”と発言したとして物議を醸している。

授賞式のプロデューサー、ジル・ゲイツは言う。「アカデミーは今年のオスカーでクリス・ロックが司会することに興奮しており、彼と共に面白い夜が過ごせることを期待している」(以上)

今回のクリス・ロック攻撃の火付け役となっているのは、著名な共和党活動家であり、オンラインゴシップ記者で原理主義者としても知られるマット・ドラッジである。ドラッジは自身のウェブサイトで、度々クリス・ロックの発言とオスカー関係者によるクリスへの批判(真偽は定かでない)を持ち出しては、保守派の怒りを扇動している。

「アメリカを憂える婦人の会」というのは聖書原理主義団体で、ブッシュ支持母体の一つである。クリス・ロックといえば保守派の権威をこき下ろすジョークを連発する人物なので、米国内の原理主義者が目の敵にするのは自然の成り行きであろう。(ところでこうした道徳を重んじる団体の人たちは、ホワイトハウスに出入りする風変わりなニセ記者について、どう反応するだろう?)

クリス・ロックが“下品”なジョークを連発するのは、決してアメリカ国内の事情に“疎い(out of touch)”のではなく、むしろ現実のアメリカをよく知っており、それを効果的に風刺しているにすぎない。言葉ではなく、現実こそが“下品”なのだ。

そして今こそ、米国映画界にはその風刺センスが求められるのではないか。

2005/02/20

プーチン大統領が目指すBRICS同盟

Indiadaily.com2005/02/16付け社説より。以下に全文を翻訳して掲載。中国との戦略的同盟結成に先立って、ロシア政府当局者はフランス首脳と会談し、安全保障上の関係を強化している。)

ロシア、中国と戦略的同盟へ:BRICS同盟(ブラジル・ロシア・インド・中国・南アフリカ)を目指すプーチン大統領

by スディール・チャダ(Sudhir Chadda):Indiadaily.com2005/02/16付け社説

ロシア大統領ウラジミール・プーチンと中国首脳は、防衛、貿易、エネルギー各分野で戦略的同盟を結成することを決定した。ロシアは中国に石油を輸出し、中国はロシアと共同で、ユーラシア大陸における地政学上の戦略的防衛に臨む。

ロシア安全保障会議と中国共産党政治局軍法委員会は、共同評議会開催により、両国が必要とする軍事・政治上施設の創設と運営を目指すべく、関係強化を図る。

国際的シンクタンク各社によれば、ロシア安全保障会議関係者は、米国がユーラシア大陸で地政学上“攻撃的”になることへの防止対策を協議することが、共同評議会の主要な業務になると話しているという。

中国とロシアは合同軍事演習も計画中である。海軍による合同軍事演習は、今年8月に中国・遼東半島で行われる予定である。

世界は同盟関係により明確に分けられることになった。始まりは、米国が主導する同盟(30カ国以上のイラク戦争参加国)である。二番目は、ヨーロッパ同盟となる。NATO、EU、米国主導の同盟の3つには、見過ごすことの出来ない重複がある。

第三の新興同盟はBRICS(ブラジル・ロシア・インド・中国・南アフリカ)である。新たに結成されるロシア・中国の同盟関係は、プーチン大統領がBRICS同盟を公式に創設・先導するために必要不可欠なものである。

近年、ブラジルは率先してベネズエラと業務提携関係を結んだ。中国とロシアもまた、ベネズエラと提携を結んでいる。ワシントンの反対にも関わらず、ロシアはベネズエラに防衛設備を提供し、イランに原子炉を提供する計画をしている。

インドはワシントンがパキスタン政府にF16戦闘機を提供する決定を注視している。F16戦闘機をパキスタンに配置することは、世界との協調を目指す姿勢からインドを逆戻りさせることになる。インドの国民会議派は、長い間クレムリンと密接な関係を築いている。

プーチン大統領の目下の目標は、戦略的なBRIC同盟を築き、世界最強の貿易・軍事圏へ発展させることにある。

ブッシュ政権も座視しているわけではない。現在の米国務長官であるライス博士は、インド、パキスタン、南アフリカ、ブラジルを米国同盟に加盟させるために、対抗策を打ち出してくるだろう。

米国同盟とBRICSの間には、新たな冷戦の可能性が浮かび上がりつつある。

ヨーロッパの立場は基本的には中立である。新たな冷戦は、かつて米国とソビエト連邦で戦われたようなものとは違った様相を呈することになる。BRICS同盟を結成しつつあるプーチン大統領は、ブッシュ大統領との会見を敬遠している。ロシアと米国の関係同様、中国とアメリカ、インドとアメリカには親善関係もありうる。密かな戦争は貿易、商取引、財務分野で戦われることになるだろう。その分野ではインドと中国が台頭している。ロシアの石油も大きな要因となろう。ロシア・ベネズエラ・イランは石油と天然ガス資源をめぐり共存関係にある。(以上)

2005/02/17

ジェフ・ギャノン事件:共和党活動とゲイ専門売春を兼務するスキンヘッド男はいかにしてホワイトハウスに自由に出入りできたのか?

ブッシュ大統領の記者会見に偽名を使って出席し、現政権に極めて都合の良い歪曲発言をするニセ記者が、密かに共和党から支援を受けた熱心な保守派活動家で、しかも本業がゲイ専門の売春夫としてホワイトハウス内部に顧客を抱えているかもしれないとしたら、それは共和党支持者が唱えるスローガン「道徳的価値感(moral values)」に背反するだろうか?

これこそ、現在ホワイトハウスを中心に進行している、一大スキャンダルの内実なのである。

2005年1月26日、ホワイトハウスの大統領記者会見で、タロン・ニュース(Talon News)社のジェフ・ギャノンという記者が、ブッシュ大統領に以下の質問をした

「上院の民主党議員団は米国の経済状況について極めて暗い見通しをしています。(上院少数党総務)ハリー・リード(民主党・ニューヨーク)議員は景況が水増しされてるといい、ヒラリー・クリントン上院議員(民主党・ニューヨーク)は経済が破綻寸前であると評しています。それなのに同じ口で彼等は社会保険システムが強固で破綻の危険性はないと言ってます。一体どうやって・・・(ブッシュ政権は)国民全てに援助の手を差し伸べると仰いますが、このような現実からかけ離れた人々とどうやって協力し合うことができるんでしょうか?」

大統領会見でのジェフ・ギャノン

大統領会見で質問(?)するジェフ・ギャノン

この奇妙な質問(というより党派的な主張)をする記者訳注1---共和党側の主張を正しいとし、民主党側の主張を“現実離れ”と歪曲し批判するジェフ・ギャノンという人物は、報道記者としてのバックグラウンドは一切なく、共和党テキサス支部の支援を受けた保守派の活動家であることが、メディア監査団体Media Matters for Americaの調査により暴露された。

しかも、このジェフ・ギャノンという名前は偽名で(本名はジェイムズ・D・ガッカートJames D. Guckert)、本来はインターネットでHotMilitaryStud.com, MilitaryEscorts.com、MilitaryEscortsM4M.comというハードコアな米軍人ゲイ男性専門サイトを運営し、ゲイ男性専門の売春サービス業を営む人物であることが判明した。(ジェフ・ギャノン自身もネット上で全裸となって自慢の肉体を披露し訳注2、1時間200ドルでサービスを販売している

ブリーフ一枚のジェフ・ギャノン

ブリーフ一枚で誘惑ポーズのジェフ・ギャノン。本人運営のWebサイトに掲載されていた写真。バレないと思っていたんだろうか?

通常なら、ホワイトハウスの記者会見に出席を許されるためには、事前にFBIによる人物調査を受けるはずだが(偽名など許されるはずもないし、そもそも通常のジャーナリストも入場できないほど制限が厳しい)、ブッシュ政権とテキサス共和党の特別な計らいにより、ジェフ・ギャノンは2年前からノーチェックでホワイトハウスに出入りしていた

しかもこのゲイ売春サービスのプロフェッショナルは、スコット・マクレラン大統領報道官とは顔見知りではないかとの疑惑がもたれている。過去2年間、ホワイトハウスでの通常会見で、マクレランは政権に都合良い発言をさせるべく、記者席のジェフ・ギャノンを何度も指名しているが、マクレラン報道官本人は当初関与を否定していた。しかし、疑惑が持ち上がった直後のホワイトハウス記者会見で、緊張した報道官はジェフ・ギャノンの本名を知っていたとウッカリ自白してしまった

慌てまくった報道官は疑惑を否定するコメントを再度発表したが、いつもは冷静沈着なマクレラン氏の焦る姿に疑惑は深まるばかりである。(ブッシュ政権の反同性愛政策を熱心に説いているマクレラン報道官は、実のところ地元テキサスでは同性愛者と噂されている。しかもマクレラン報道官の結婚式に、ジェフ・ギャノンは実名でお祝いカードを贈っている。)

しかしこれだけなら、ブッシュ政権が国民の税金を使って実施しているプロパガンダ工作のごく一部が暴露されたにすぎないし、同性愛者の権利剥奪に熱心なブッシュ陣営が、共和党支持のゲイ層に対してはお得意の“思いやりある保守主義”を発揮したとしても何ら問題ではない(政府から報酬をもらってブッシュ政権を賞賛する極秘任務を担っている保守派評論家アームストロング・ウィリアムズも同性愛者である)。ジェフ・ギャノンの雇用主であるGOPUSA社CEOのボビー・エベール氏が、同性愛者を蛇蝎の如く憎んでいるキリスト教原理主義者であるという事実もたいした問題ではない。(人生も社会も矛盾に満ちているものなのである!)

しかしジェフ・ギャノンの秘密はこれに留まらなかった。このニセ記者は、先ごろ問題となったCIA工作員氏名漏洩事件の元となった、ホワイトハウス内部の実名暴露工作直接関わっている可能性が高いのである。ブッシュ大統領に忠誠を誓うだけで、身元不明の第三者が国家機密まで入手できる仕組みになっているとしたら、国家安全上の大問題ではないか。

かつてモニカ・ルインスキー事件報道に狂喜乱舞した米大手メディアは、今のところジェフ・ギャノン事件に対しては本人に自己弁護の機会を提供する以外はほとんど無視の構えで、事態の沈静化を図っている。

(訳注1)米国の経済状況と社会保険に関する共和党・民主党の主張は簡単にまとめると以下のとおり。
共和党側の主張
米国経済は極めて順調なので社会福祉予算は大幅削減すべきであり、社会保険システムは破綻するので民営化することにより、大量の個人資金が株式市場に流れ経済が活況を増す。
民主党側の主張
米国経済は悪化しているので貧困層への公的支援を強化すべきであり、社会保険システムは今のところ破綻の危機に直面していないので、民営化により公的支援を打ち切るのではなく、適正化すればよい。

(訳注2)ジェフ・ギャノンの大胆な姿はブログで晒されている。(警告:リンク先には一部成人向けアダルト・コンテンツが含まれている可能性があります。いずれも当該事件に直接関わっているリソースですが、興味のない方には気分を害する内容なのでクリックしないでください)

2005/02/15

「息子の声が反戦へと駆り立てる」

ニュージャージーTheTimes紙2005/02/13付け記事より。全文を以下に翻訳して掲載。(文中リンクは訳者による)


息子の声が反戦へと駆り立てる(Son's voice drives war protester)


by カレン・アイルズ記者:ニュージャージーTheTimes紙2005/02/13付け記事


(ホープウェル町):毎晩ベッドに入る前に、スー・ニーデラーは息子に少しだけ問いかける。“今度の反戦集会に出席してもいい?インタビューに答えても大丈夫?”

セス・デボリン陸軍中尉は母親に答える---少なくとも母親の心に---そうすべきであると。

「いつでも息子に言うんです。“私に止めさせたい時は、そう言うか、タイヤをパンクさせてね”」ニーデラーは話す。

1年前の同時期に、ニーデラーは唯一人の息子、イラクの戦闘地区で爆破により24歳で死亡したデボリンを埋葬した。悲しみに暮れる他の家族同様、彼女はその後1年を、壁を叩き、ベッドで泣き、決して授かることのない孫のことを夢想した。

しかし、息子の精神に駆り立てられ、ニーデラーは数々のメディア取材や数え切れないほどの反戦集会でイラク戦争とブッシュ政権を強烈に批判することで、またしても悲嘆に暮れていた。

Niederermarchedrally

行進するスー・ニーデラーさん(画像クリックで拡大)

ホープウェル町に住むこの母親は、彼女の活動に反対した友人1人以上を失い、一度は反戦集会で逮捕されたこともある。しかし彼女は決して後悔せず、活動を止める気もないと言う。

「息子に止めろといわれれば、止めるわ」ニーデラーは語る。「私は私。そしていつまでも私自身でありつづけたいの。誰も傷つけるつもりはなくて、ただ聞いて欲しいだけ」

自身がどうあれ、ニーデラーは人々に、自分が真のアメリカ人であるとわかって欲しいという。「愛国者でないと思われたくはない」彼女は言う。「ただ、この戦争が嫌なだけです」

昨年、喪が明けて3日目のニーデラーに、女性から電話があった。プリンストン区で行われる反戦集会に出席して欲しいとのことだった。

ベトナム戦争時には反対活動に参加しなかった経験から、彼女は参加すべきかどうか迷った。

「信じられないでしょうけど、私はものすごく保守的なんです」彼女は言った。

しかし、ショックと怒りに見舞われた結果、息子がそれを望んでいるとニーデラーは悟ったという。

ニーデラーは最初からイラク戦争が正当なものであると信じたことはない。しかし、もしあと1人でも息子か娘がいれば、正当化したかもしれない・・・彼女は1人つぶやいた。

彼女はプリンストンに向かった。そこではコリン・パウエル国務長官が賞を受け取っていた。「私の息子は死ぬ為、あなたは賞を受け取る為だったのね("You deserve this award like my son deserves to be dead,")」彼女は怒鳴った。

NiedereshoutatPowell

パウエルに怒りの叫び(画像クリックで拡大)

その夜、帰宅したニーデラーは、少しだけ気が晴れた。「思い通り言えたような気がしたわ」彼女は話した。

その後すぐに、彼女は軍人家族のグループとドーバー空軍基地を訪問し、東海岸のあちこちで反戦集会に参加するようになった。

そして彼女は、メディアの取材を次々と受けることにし、それは地球上のさまざまな場所に配信されることになった。

CNNだろうと日本のテレビだろうと、メッセージは同じだ:兵士達を帰還させる。他の母親たちを自分と同じ目に遭わせるべきでない。

ニーデラーはほとんど毎回、息子の許可を取るという。息子は答えることもあるが、答えないこともある。

昨年夏までに、ニーデラーはベテラン活動家になっていた。

7月には、ハミルトンにあるクリス・スミス議員のオフィス外で活動を行い、妨害者と取っ組み合いになった。

1ヶ月後、彼女は“ブッシュ大統領、あなたは息子を殺した(President Bush, You Killed My Son)”とプリントされたTシャツを作成し、ニューヨークで開催された共和党全国大会に行進に向かった。

入場券を手にしていたにも関わらず、夫が反対したので会場内に入るのは止めた。

9月に、ニーデラーは、ハミルトンで開催されるファーストレディのローラ・ブッシュ講演会のチケットを入手した。

ニーデラーは息子に相談した。息子はトラブルになると警告したが、結局その行動を許可したという。

ローラ・ブッシュのスピーチ中に、名物のTシャツを着たニーデラーは声を上げ始めた。直後に、彼女は逮捕された

「意見を主張するには何か行う必要があるんです」ニーデラーは話す。「私の主張は伝わったのです」

州検察官は告訴を取り下げたが、監視を取り下げることはなかった。全国の民主党員がニーデラーへの支持を表明した。

公聴会の後で、ニーデラーは傍聴人の1人、州議員ビル・バローニ(共和党・ハミルトン)の発言に愕然とした。「彼女は暇つぶしに何か見つけたほうがいい」

バローニは後に、事態を誤解していたと語り、ニーデラーに個人的に謝罪した。彼女にとって忘れることのない振舞いだった。

「私達は仲間になったのです」彼女は最近話した。「彼が再選キャンペーンをするときは、お手伝いするつもりです」

ローラ・ブッシュの件の後、シークレット・サービスは大統領の生命を脅かすニーデラーの発言について、連邦犯罪の可能性があるとして調査中と公表した。

問題となっている発言の一つは、誤った情報に基づいて戦争が開始された事に関する質問に答えた際のものである。

「大統領の頭をぶっ飛ばしてやりたいわ」報道によれば、ニーデラーはそう言っている。「面と向かうことがあったら、股間を撃ち抜いてやる。苦しめばいいわ・・・あの男にはそれが似合いよ」

アメリカ市民自由連合(American Civil Liberties Union)と多くの個人弁護士が、ニーデラーの弁護を申し出ているが、彼女によればシークレットサービスは告訴に踏み切ることはないという。

それでも、彼女は申し出に感謝している。

息子が死んでから、ニーデラーは“人間のクズ”といった罵声から“真のアメリカ人”等、見知らぬ人々に呼ばれてきている。

ある女性は、ローラ・ブッシュの件について、夜中の2時にニーデラー宅に電話で嫌味を聞かせた。ニーデラーはその女性に、もっと早い時間に電話するように言った。

カードを寄越したり、スーパーマーケットで呼び止める人々のほとんどは支持を申し出てくれている。その他の人々は彼女に黙れと命令する。

しかし息子に背中を押されているので、ニーデラーは黙っているつもりはない。過去数ヶ月間、彼女は“米軍スカウト対抗”業務を行っている。

不動産販売と補欠教員をする合間に、彼女は高校や大学を訪問し、若者達に軍部スカウトの別の側面について話している。

結局のところ、大学の授業料と愛国心が全てではないのだ。彼女の死んだ息子が、それを証明している。

今までに、彼女は10回ほどスピーチをしている。

「私がやろうとしてるのは、軍の採用官の話の別の側面を説明して、若者が軍に登録する際の判断材料を提供しているんです」彼女は答えた。

ニーデラーは現在、一週間の内1日半ほどを活動に捧げている。

「財政的なことを言えば、フルタイムでやれるようになりたいわ」彼女は言う。「でもそれは無理」

全ての人が彼女のやりかたを受け入れるわけではないと、ニーデラーは知っている。

一方で、彼女の義理の娘はニーデラーの活動に少々イライラしているという。そして夫側の家族のほとんどは活動と無関係である。娘も母親の行動を理解していない。

しかし、彼女にとってもっとも気がかりなのは息子の意見なのだ。

活動と取材に明け暮れて1年が過ぎたが、心に空いた空洞は一インチも埋ることがないと彼女は言う。

息子に話しかけることはできても、玄関から本人が入ってくるわけでもない。「夜にシャワーを浴びながら泣き尽くすこともあります」ニーデラーは語った。

デボリンの軍靴と装備はベッドに置かれたままだが、息子の部屋の他の部分は1年前のままで、この先も変わることはない。

「息子の部屋ですから」彼女は言った。

ニーデラーは夫に、二度と逮捕されないと約束しているが、それ以外は約束できない。

最初、米軍の説明では、対空砲撃の訓練を経験したデボリンが、爆弾解体時に死亡したとのことだった。

現在、ニーデラーの話では、彼女は4つの異なる報告書を受け取っているという。一部は公式で、他の一部は、昨年2月3日に部隊傍で爆弾が爆発したとき、息子が何をしていたかに関する調査報告書である。

「何を信じていいのかわかりません」彼女は言った。「右手の言うことを左手が知らないということです」

最終報告を受け取るまで、彼女は矛盾する報告書について公に語り続けるつもりでいる。

そしてイラクが最終的に自立した民主主義を確立する日まで、ニーデラーは息子の死が無駄死にであると思い続けることだろう。

「もしセスがアフガニスタンで死んだとしたら、無駄死にではなかったかも知れません」ニーデラーは言う。「息子の死は無駄ではなかったでしょう。アフガニスタンは攻撃を仕掛けたのですから」

一方で、ニーデラーは心のどこかで、自身の責任を痛感している。もしデボリンを、自分を誰よりも大切にするよう育てていたなら、彼は生き残ったかもしれない。

「息子自身が誇りを持っていたように、私も誇りを持っていますが、いつも罪悪感にとらわれます」彼女は言った。「親は子供を埋葬するものじゃないんです。ただそれだけのことよ。あの子は私の人生を照らしてくれた。息子が望むなら、私は何でもやるわ」
(以上)

2005/02/14

ハリバートンから政府捜査機関へ:「ウチの放射性物質、4ヶ月前にデリバリー途中で失くしちゃったんだけど・・・捜してくれる?」

ダウ・ジョーンズ2005/02/10付け記事によると、かつてチェイニー副大統領がCEOを務め、今でも報酬を受け取っていることで有名なハリバートンが、ロシアから輸入した放射性物質(アメリシウム)を昨年10月に紛失しながら、4ヶ月間ほど捜査機関に連絡せず、放置していたことが判明したという。

問題の放射性物質はテキサスのハリバートン本社宛てに輸送されたが、誤ってマサチューセッツ州ボストンの貨物倉庫に送付され、保管されていたところを、2月9日に無事発見されたとのこと。

国土安全省とFBIは、2月になってから初めて紛失の連絡を受け、捜索を開始していた。報告によれば、問題の物質はロシアからアムステルダム経由で輸送され、昨年10月9日にニューヨークのJFK空港に到着したが、その後行方がわからなくなっていたという。

ハリバートンが紛失したアメリシウムは、取り扱いを誤ると“永久損傷(permanent injury)”を受ける可能性があるため、機密扱いとされていた。

ところでハリバートンといえば、ブッシュ政権言うところの“悪の枢軸”国家であるイランと、子会社を通じて堂々とビジネスを行っていることでも有名だが(2003年度のイランからの売り上げは8,000万ドルだった)、アメリカ国内でも批判の声が大きくなったので慌てて取引中止を発表。しかし実際には、ハリバートンはイラン・テヘラン市内のオフィスビル10階にコッソリ支店を構え、2009年までイランとのビジネスを継続するということだ。

ハリバートンの交渉相手でイラン政府の役人を務めるシラウス・ナセリ(Sirous Naseri)氏は、イランでの核施設建設プロジェクト(ヨーロッパ企業と共同)に関わる人物でもある。米政府は特殊部隊を密かにイラン国内に侵入させたり、無人偵察機でイラン国内核施設を探っているというが、わざわざ自国兵士を危険にさらしたりハイテク兵器を自慢するのは止めて、ハリバートン支店に電話で問い合わせれば事足りるのではないか。

2005/02/11

ブッシュの2006年度予算案:中産階級には増税

どちらにしろ、本当の金持ちは税金を逃れる方法を心得てますからね。」

"The really rich people figure out how to dodge taxes anyway."

---ブッシュ大統領、ライバルのジョン・ケリーが提案する富裕層向けの税引き上げ政策が失敗する理由を説明するために発言(2004年8月9日 バージニア州アナンデールでの遊説にて

The Center for American Progress2005/02/08付けレポートより。以下に全文を翻訳掲載。

以下のレポートでも書かれているとおり、ブッシュの掲げる2006年度予算案は、アメリカ国内の中産階級を本当に破滅させることになるかもしれない。

同予算案では、膨張する財政赤字削減のために、国内プログラムのうち150件について減額、消滅が提案されているが、削減対象となるプログラムは平均的な市民生活に関わるものばかり。一方で、国防総省の予算は4,193億ドル、前年比4.8%の増額となっている

もちろん、防衛関連費用の中には削減されるものもある。例えば、米国内に大量に備蓄されている化学兵器の廃棄費用70%ほど削減される。(イラク・ファルージャ攻撃の際、米軍は市民に対して化学兵器を使用し、現在その証拠隠滅作業に追われているが、米軍にとってそれは旧在庫放出だったわけである。)


ブッシュの中産階級増税案(Bush's Middle Class Tax Hike)

by クリスティ・ハービィ、ジャド・レガム、ジョナサン・バスキン、ニコ・ピットニー、マイク・オンサイド:The Center for American Progress2005/02/08付けレポート

ブッシュ政権の2006年度予算案をよく見ると、さまざまな経済政策上の選択事項と優先事項の間違いが見て取れる。億万長者への減税政策見直しは棚上げする代わりに、平均的なアメリカ国民に対しては、ブッシュ政権は臆面もなく増税するつもりなのだ。昨日ブッシュ大統領が議会に提示した予算案によれば、新たに53億ドルの回帰的課税を義務付けようとしている(ご親切にも、予算案分析的外観資料305ページの表18-3に掲載されている)(訳者注:PDF書類上では317ページとなる")。ブッシュ政権の予算案では、新規課税の結果、6パック入りビールや、航空チケット退役軍人向け処方箋薬の価格が上昇することになる。一方で、教育基金、公衆衛生、環境保護への支出は削減し、富裕層に対しては1兆4000億ドルの減税を提案している。さあ、ブッシュ経済学にようこそ。(中産階級への増税について文句を言いたい方はThinkProgressの掲示板へどうぞ)

インチキ予算案(THE SHELL GAME)
どの面から見ても、ブッシュ政権の予算案は財政的に見て悪辣な無責任さに満ちている。同予算で見積もられている2006年度財政赤字額は3,900億ドルである。さらに悪いことに、その数字は詐欺的方法によって誤魔化された結果でしかない。予算案には、北極圏野生生物保護区(Arctic National Wildlife Refuge:ANWR)での掘削による何十億ドルもの収入見込みが含まれているが、議会はその事業を承認していないし、過去4年間、ブッシュ大統領による野生生物保護区での石油掘削事業提案は拒否されている。予算担当官ジョン・ボルテンはブッシュを擁護して、「予算案はブッシュ大統領の現在の政策を全て盛り込んでおり、大統領の提案事項も反映されている」と言う。そうだろうか?ブッシュの予算案にはイラクとアフガニスタンでの米軍駐留費用が含まれておらず、ブッシュ自身の提案する社会保険改革費用2兆ドルも反映されていない
倒れた貧乏人は蹴っ飛ばせ(KICKING THE NEEDIEST WHILE THEY'RE DOWN)
ブッシュ政権が始まってから、貧窮する国民は日々増加している。The Center for Budget and Policy Prioritiesは結論づけている:「2003年まで3年連続で貧困率は増加しており、下層な2/5の家庭に流れる総所得の割合は第二次大戦以降最悪の数値となっている。2003年度の時点で、医療保険に加入していない人の数は過去最悪の4,500万人に増加した」それにも関わらず、ブッシュ政権は国民が立ち直るために必要な公共プログラムを削減するつもりでいる。例えば、ブッシュ政権の予算案では「5年間の保育援助基金凍結により、2009年までに保育援助資格のある低所得家庭の数を30万世帯削減する」ことになる。加えて、ブッシュ予算案では、貧困者向けの公共医療保険であるメディケイドの予算は450億ドル削減される予定である。
高齢者向け医療保険制度はメチャクチャに(THE MEDICARE MESS)
ブッシュ大統領が議会通過を狙う、業界に支援された処方箋薬改革案は事態を悪化させる悪法である。議会が同法案を保留扱いしている間に、ブッシュ政権は法案施行による費用見積を10年間で4000億ドルと約束し、メディケア(高齢者向け医療保険制度)の打ち切りを匂わせているが、そもそもその費用見積自体が極度に過小評価した数値であることを自ら承知していたのである。後に、ブッシュ政権は費用見積を見直し、10年間で5,340億ドルと訂正しているが、それはほとんどが保険企業や保健業界への過剰な支払い約束によるものである。さらに、ごく最近の見積では、ブッシュ政権は改革案の費用を5年で3,950億ドルに修正している。一方で、製薬業界は高齢者向けの価格割引を早々と停止して、すでに薬品の値上げを実施している
禁欲プログラムは予算増加(FUNDING FOR ABSTINENCE-ONLY PROGRAMS INCREASED)
ブッシュ大統領は、自身の禁欲プログラムが国内児童の性観念を誤った方向に導いていることに気づいていないようである。昨年行われた研究によると、禁欲プログラムは、例えばマスターベーションが妊娠の原因になるとか、コンドームではHIVウイルスの31%を防御することができないなどの数々の嘘を押し付けている。ブッシュ大統領の予算案では、禁欲プログラム基金は3,900万ドル増額されて、合計で2億900万ドルとされている(訳注:ブッシュの掲げる原理主義的禁欲プログラムは中高校生の性交渉を削減させる目的で開始されたが、ブッシュの地元テキサスでこのプログラムを施行した結果、逆に児童のセックス経験率は増加している。まさしく、大失敗プログラムなのだ。ブッシュ大統領自身、学生時代は金持ちのドラッグ好きお坊ちゃまとして乱れた女性関係を過ごしていたことはよく知られている)
水質汚染防止予算も削減(FUNDING FOR CLEAN WATER SLASHED)
エビアン社には良いニュースだが、大抵の国民には悪いニュース。ブッシュ大統領は水質改善のための連邦基金支出を3億6,900万ドル削減する提案をしている。同プログラムの現在の予算額は7億3,000万ドルで、4年前に比較して19億8,000万ドルも減少している。 (以上)

2005/02/07

アメリカ:個人破産の半数は高額な医療費が原因

介護地獄アメリカ

米国医療問題に関する参考書籍:介護地獄アメリカ―自己責任追求の果てに(著:大津 和夫、日本評論社)

ロイター通信2005/02/02付け記事より。以下に全文を翻訳。健康保険加入が基本である日本人にとっては驚きのニュース。

個人破産の半数は医療費が原因(Half of Bankruptcy Due to Medical Bills -- U.S. Study)

By マギー・フォックス、医療科学専任記者:ロイター通信2005/02/02付け記事

米国内で破産した人のおよそ半数が、医療費の高騰が原因で破産しており、病気のために自己破産に陥った人々の大半は中産階級で医療保険加入者であることが調査で判明した。

Health Affairs誌上で発表された研究によれば、医療費が原因による自己破産により、債務者や、約70万人の児童を含む扶養家族など、毎年約200万人の米国民が影響を受けていると見積もられている。

「研究結果は恐ろしいものでした。ビル・ゲイツでもない限り、誰でも深刻な病気にかかったりしたら破産しかねない」研究を指揮したハーバード・メディカル・スクールのデビッド・ヒメルスタイン医師は語る。

「医療費が原因で破産した人のほとんどは、たまたま病気になった平均的アメリカ人でした。医療保険はほとんど役に立たなかったのです」

調査担当者達は、カリフォルニア州、イリノイ州、ペンシルベニア州、テネシー州、テキサス州の裁判所で、931人の個人破産記録を入手する許可を得た。

「調査対象のおよそ半数が医療費を破産原因として挙げており、全米で190万から220万人(破産者とその扶養家族)が医療費破産を経験していると推定される」と研究者達は指摘している。

「病気から自己破産に陥る者のうち、病気になってからの個人負担費用平均額は1万1,854ドルであり、病気に罹患した際に保険に加入していた者は75.7%だった」

調査対象となった破産者は、医療保険に加入している場合、平均して1万3,460ドルを患者負担費用、免責費用、保険対象外サービス費用に支払っている。保険未加入者は平均して1万893ドルを自己負担費用として支払っている。

「医療保険に加入する中産階級の家族でさえ、病気にかかれば、しばしば経済的災難へ陥ることになる」調査担当者は報告する。

破産の専門家によれば、それらの数値は聞きなれたものであるという。

「1982年から1989年に、私は南カリフォルニアで申請された自己破産について調べましたが、その結果自己破産には大きく二つの原因があるという結論に達しました。医療費と離婚です」コロンビアを拠点とするネルソン・マリンズ・リレイ&スカボロー法律事務所の弁護士ジョージ・コーセン氏は説明する。

「南カリフォルニアの自己破産のうち、その二つがそれぞれ1/3づつを占めています」

コーセン氏の話では、クレジットカード破産は破産者全体のわずか1%以下とのことである。「あれは本当に神話なのです」電話インタビューに彼は答えた。

自己破産者のうち中産階級家庭が多数を占めるとの報告を聞いて、コーセン氏は驚くこともないと語った。

「通常は、何か守るものを持つ人々が自己破産を申請するのです」コーセン氏は言う。「本当の貧困者---路上で見かける人々には、救済策は一切ないのです」

ハーバード大学の助教授で全国民医療保険加入を訴える内科医のステフィー・ウールハンドラー医師は、研究結果が医療改革の必要性に繋がるとしている。

「保険未加入者を保護するだけでは不充分なのです。医療保険加入者に対しても、継続的な保護が必要なのです」ウッドハンドラー医師は表明している。

彼女の話では、雇用側と政治家は、彼女の言うところの“必要最低限の、患者負担分や保険適用除外や例外だらけの、深刻な病気から自己破産へ直行させる医療プラン”を強要しているとのこと。

2005/02/05

大リーガーの静かなる抗議

Editor&Publisher2005/01/27付記事より。以下に全文を翻訳掲載。



カルロス・デルガド、“ゴッド・ブレス・アメリカ”に起立するつもりはないと記者に答える(Carlos Delgado Tells Reporters He Still Won't Stand for 'God Bless America' )

Editor&Publisher2005/01/27付記事

自らの信念のために、カルロス・デルガドは立ち上がる---というより彼の場合は、立ち上がらない。

木曜日に行われたフロリダ・マーリンズ入団会見で、デルガドは“ゴッド・ブレス・アメリカ”演奏中に起立しないという方針を継続すると話した。

イラク戦争への抗議として、昨シーズンのデルガドは、トロント・ブルージェイズ所属時の試合も含め、“ゴッド・ブレス・アメリカ”が演奏される際に敬意を表することを拒否してきた。起立する代わりに、ベンチかダグアウトに引っ込むことにした。

「政治的主張というつもりはない。政治は嫌いなんだ」4年間で5,200万ドルという契約を交わした後で、デルガドは言った。「ゴッド・ブレス・アメリカに対して起立しない理由は、ゴッド・ブレス・アメリカと911テロ、イラク戦争を野球に絡ませるというやり方が気に入らないからだ」

「アメリカに幸あれ、マイアミに幸いあれ、プエルトリコ、世界中に幸いあれと言うよ。世界が平和になるまでね」

自身の戦争反対姿勢について、デルガドは質問に明確に回答した。彼は言葉でもヒットを飛ばせるらしい。

マーリンズの12年の歴史上でシーズン最高額の契約をデルガドにもたらした球団上層部は、彼の戦争反対姿勢についてなんの反論もしなかった。

「マーリンズは支持も不支持もしない」球団社長のデビッド・サムソンは答えた。「彼は大人だよ。球団の姿勢としては、彼の行動は彼自身が決めるということだ」

carlosdelgado

カルロス・デルガド、入団会見にて

デルガドのエージェントを務めるデビッド・スローンの話では、契約交渉の際、球団側はデルガドのイラク戦争に対する姿勢を問題にしていたという。デルガドは“ゴッド・ブレス・アメリカ”に関する球団の方針には素直に従うという意思を示したので、どの球団と契約したとしても障害にはならなかったとスローンは言った。

「彼は歌を利用して野球を政治化することが嫌いなのです」スローンは言う。「しかし彼は、“チームメイトを無視して何でもやるということはない”と言ってます。球団側に皆が敬意を表すべきという政策があるなら、彼も従うでしょう」

ブルージェイズにはそうした政策はなかった。マーリンズにもそのような政策はない。

トロント・ブルージェイズ時代には、デルガドの姿勢に同意しない同僚さえも、演奏中に彼が起立を拒否する権利を認めていた。トロントの同僚は、デルガドが新しいチームメイトと揉めることはないと予測している。

「彼の意見なんだから、敬意を示さなきゃね」元同僚は言う。「度胸のある男さ。クラブハウスでも異論は出ないだろう」

デルガドは自身の主張について公表しているわけではないが、昨シーズンにヤンキースタジアムで試合に出た際にはヤジの標的になった。同スタジアムは、911テロ以降、毎試合必ず“ゴッド・ブレス・アメリカ”を演奏する唯一のメジャー用野球場である。

もっともデルガドは、自身の姿勢について概ね支持を受けていると語った。

「話し相手の90%くらいは同意してくれるよ」彼は言う。「同意してもらうために何かするつもりはないが、支持があるってのはいいことだよ」

(以上)

(関連記事)4年54億円 大砲デルガドがマーリンズと合意

2005/02/04

イギリス:美容整形に狂牛病感染のリスク?

英タイムズ紙2005/01/29付け記事によれば、美容整形で使われるコラーゲンを媒介とした狂牛病感染の危険性について、政府が調査を開始したという。以下に同記事を翻訳して引用する:

唇に注入する組織と狂牛病感染の関連

患者の衛生懸念による政府取締強化により1/6の美容整形サービスが閉鎖に追い込まれる可能性

頬や唇の美容整形に用いられる組織注入施術から、変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)---狂牛病の人間版---が感染する懸念により、英政府は調査を開始している。

医療局長官リアム・ドナルドソン卿の話によれば、美容整形に使われるコラーゲンのような移植用組織が、変異型クロイツフェルト・ヤコブ病のような血液感染症に汚染されている場合に、ヒトに感染する可能性について、現在のところ専門家が検査を行っているとのこと。今のところそのような感染例は発見されていないが、血液・組織移植細菌安全委員会はその危険性について懸念している。

英国社会における高い頬骨と甘美な唇への憧憬により、多くのイギリス人がそうした顔面部位への組織移植という手段へ急いでいる。

イギリス国内では、唇にコラーゲンを注射して肉厚にする手術が人気を博しており、費用は300ポンド(約5万8,590円)程度。身体部位への組織接着に用いられる移植繊維状タンパク質の一種、コラーゲンを注射していると噂される著名人として、エリザベス・ハーレーやカイリー・ミノーグ、レスリー・アッシュなどが挙げられる。

専門家グループによる美容整形用賦形剤類(ヒトや牛の組織から作られる移植用組織)の研究によれば、すでに死骸や鳥類から混入したとみられる物質が発見されている、とリアム卿は言う。

今回の調査は美容整形業界全体の見直し政策の一環であり、ボトックス注射、移植及び薬品による皮膚剥離などの無制限な施術を行う「カウボーイ」と呼ばれる業者が急増している実態を掴む目的で調査が行われている。新たな法令の下では、患者の安全性改善のために、違法クリニックや施術者は摘発される。この政策により、業者の1/6は強制的に閉鎖されることになるという。(以下略)


この記事が伝える範囲で考えれば、美容整形業界の引き締め政策のために狂牛病不安が利用されているようにも見える。それにしても、美容整形が盛んな日本や韓国などでは、こうした血液感染症の危険性について調査されているのだろうか?興味深い課題である。

ちなみに同記事では英国の美容整形利用の実態も触れられている。以下に引用しておこう:


女性の美容整形トップ5
胸を大きくする手術3731
胸を小さくする手術2417
瞼の手術1993
顔面・首の皺取り1511
腹部の脂肪取り1465
男性の美容整形トップ5
鼻の整形362
耳へのピン(ピアス?)295
瞼の手術280
脂肪吸引術130
顔面・首の皺取り93

美容整形手術の件数は、前年から50%以上増加しており、1万6,367件の施術中、女性が92%を占めている(文中及び表中の数字は英国美容形成外科医協会による施術についての調査数値)

2005/02/03

ブッシュ大統領、投票権法について「よく知らない」

「面と向かって“ニガー”と呼ばれたこともあるわ・・・でも、もっと巧妙で陰湿な人種差別がこのハリウッドでも起きているのよ。誰に何を言われようと構わない・・・差別じゃないと思うでしょうけど、大抵は黒人じゃない人達がそう考えるのよ」

---アカデミー女優ハル・ベリー(アイルランド・オンライン2005/01/30付け記事


2005年1月26日、ホワイトハウスで黒人議員連盟メンバーとの40分間に及ぶ初会談に臨んだブッシュ大統領は、1965年成立の投票権法(Voting Rights Act:投票における差別の撤廃)の再認を求めるジェシー・ジャクソン・JR(下院・民主党)や他議員達に対して、初対面の緊張からか、こんな発言をしたという

「1965年の投票権法についてはよく知らないんです。法案が私の手元に来たら、目を通すつもりですが、それ以上コメントすることはできないですね。とにかく、法案には目を通しますよ」
なんという率直な意見!会談に同席していた「大統領の家庭教師」コンドリーザ・ライス国務長官は、椅子から転げ落ちないように必死の形相だったに違いない。(出席者達の話では、40分の会談中、彼女はただの一言も話すことなく沈黙していたとのこと。)

集まった黒人議員達は唖然として怒りのコメントをしたが、ホワイトハウスにも大手ニュースメディアにも、その声が届くことはなかった。

2005/02/01

米国高校生の3人に1人が「報道の自由は過剰」と回答

USA TODAY紙2005/01/30付け記事を以下に翻訳して抜粋:

米国の高校生、「報道の自由は過剰」との意見も(U.S. students say press freedoms go too far)

By Greg Toppo, USA TODAY:2005/01/30掲載


全米の高校生の3人に1人が、「報道はもっと制限されるべき」で、さらに「政府は新聞記事を配信前に承認すべき」と回答していることが、最新の調査で明らかとなった。

11万2,003人の高校生を対象に行われた同調査によれば、36%が「新聞社は記事を配信する前に政府の承認を求めるべきである」と回答、「記事の配信は自由に行われるべき」と回答したのは51%で、「どちらとも言えない」という回答者は13%。

報道の自由についても、32%が「自由すぎる」、37%が「ほぼ適正である」、10%が「十分自由とはいえない」と回答している。

米憲法修正第1条(基本的人権規定)に関する当該調査はジョン・Sとジェイムズ・L・ナイト財団の委託により、コネチカット大学の主導により昨春実施された。

調査結果について、ミネソタ州ブルーミントンのインディアナ大学高校ジャーナリズム研究所所長ジャック・デボラック氏は驚くべきことではないとしている。「プロのジャーナリストでさえ、米国憲法修正第1条に基づく数々の自由について知らない人も居ますから」

デボラック氏は調査について「この分野に関心のある人にとってはよく知られたことが実証された」ものだと語る。「子供達は歴史や公民、英語の授業の際、米国憲法修正第1条について十分習得できるわけではない。このことは、最近の大人の意識に密接に関係しているのです」

「これは我が国の憲法の一部なのですから、正式な教育の一部とすべきでしょう」デボラック氏は言う。同氏は1968年から学生ジャーナリズムについて研究している。

調査対象となった高校生の大部分は、音楽家やそれ以外の人達が「一般受けしない意見」を表現することが許されるべきと回答しているにも関わらず、74%の生徒は、政治的意見表明として星条旗を燃やしたり汚したりすべきでないと回答、そうした行為を「違法」と誤解する生徒も75%居ることが判明している。

1989年、米最高裁は、星条旗を燃やす、もしくは汚す行為について、言論の自由によって保護されると判決している。議会は「星条旗焼却禁止法」の成立について繰り返し討議しているが、上院・下院のどちらも通過していない。(以下略)

「あなたには自由にモノを言う権利がある---それを実際に試すほどマヌケでない限り」
"You have the right to free Speech, as long as you're not Dumb enough to actually try it"

---ザ・クラッシュ 「Know Your Rights」 (Album: Combat Rock

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