大リーガーの静かなる抗議
Editor&Publisher2005/01/27付記事より。以下に全文を翻訳掲載。
カルロス・デルガド、“ゴッド・ブレス・アメリカ”に起立するつもりはないと記者に答える(Carlos Delgado Tells Reporters He Still Won't Stand for 'God Bless America' )
自らの信念のために、カルロス・デルガドは立ち上がる---というより彼の場合は、立ち上がらない。
木曜日に行われたフロリダ・マーリンズ入団会見で、デルガドは“ゴッド・ブレス・アメリカ”演奏中に起立しないという方針を継続すると話した。
イラク戦争への抗議として、昨シーズンのデルガドは、トロント・ブルージェイズ所属時の試合も含め、“ゴッド・ブレス・アメリカ”が演奏される際に敬意を表することを拒否してきた。起立する代わりに、ベンチかダグアウトに引っ込むことにした。
「政治的主張というつもりはない。政治は嫌いなんだ」4年間で5,200万ドルという契約を交わした後で、デルガドは言った。「ゴッド・ブレス・アメリカに対して起立しない理由は、ゴッド・ブレス・アメリカと911テロ、イラク戦争を野球に絡ませるというやり方が気に入らないからだ」
「アメリカに幸あれ、マイアミに幸いあれ、プエルトリコ、世界中に幸いあれと言うよ。世界が平和になるまでね」
自身の戦争反対姿勢について、デルガドは質問に明確に回答した。彼は言葉でもヒットを飛ばせるらしい。
マーリンズの12年の歴史上でシーズン最高額の契約をデルガドにもたらした球団上層部は、彼の戦争反対姿勢についてなんの反論もしなかった。
「マーリンズは支持も不支持もしない」球団社長のデビッド・サムソンは答えた。「彼は大人だよ。球団の姿勢としては、彼の行動は彼自身が決めるということだ」

カルロス・デルガド、入団会見にて
デルガドのエージェントを務めるデビッド・スローンの話では、契約交渉の際、球団側はデルガドのイラク戦争に対する姿勢を問題にしていたという。デルガドは“ゴッド・ブレス・アメリカ”に関する球団の方針には素直に従うという意思を示したので、どの球団と契約したとしても障害にはならなかったとスローンは言った。
「彼は歌を利用して野球を政治化することが嫌いなのです」スローンは言う。「しかし彼は、“チームメイトを無視して何でもやるということはない”と言ってます。球団側に皆が敬意を表すべきという政策があるなら、彼も従うでしょう」
ブルージェイズにはそうした政策はなかった。マーリンズにもそのような政策はない。
トロント・ブルージェイズ時代には、デルガドの姿勢に同意しない同僚さえも、演奏中に彼が起立を拒否する権利を認めていた。トロントの同僚は、デルガドが新しいチームメイトと揉めることはないと予測している。
「彼の意見なんだから、敬意を示さなきゃね」元同僚は言う。「度胸のある男さ。クラブハウスでも異論は出ないだろう」
デルガドは自身の主張について公表しているわけではないが、昨シーズンにヤンキースタジアムで試合に出た際にはヤジの標的になった。同スタジアムは、911テロ以降、毎試合必ず“ゴッド・ブレス・アメリカ”を演奏する唯一のメジャー用野球場である。
もっともデルガドは、自身の姿勢について概ね支持を受けていると語った。
「話し相手の90%くらいは同意してくれるよ」彼は言う。「同意してもらうために何かするつもりはないが、支持があるってのはいいことだよ」
(以上)
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