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2005/02/17

ジェフ・ギャノン事件:共和党活動とゲイ専門売春を兼務するスキンヘッド男はいかにしてホワイトハウスに自由に出入りできたのか?

ブッシュ大統領の記者会見に偽名を使って出席し、現政権に極めて都合の良い歪曲発言をするニセ記者が、密かに共和党から支援を受けた熱心な保守派活動家で、しかも本業がゲイ専門の売春夫としてホワイトハウス内部に顧客を抱えているかもしれないとしたら、それは共和党支持者が唱えるスローガン「道徳的価値感(moral values)」に背反するだろうか?

これこそ、現在ホワイトハウスを中心に進行している、一大スキャンダルの内実なのである。

2005年1月26日、ホワイトハウスの大統領記者会見で、タロン・ニュース(Talon News)社のジェフ・ギャノンという記者が、ブッシュ大統領に以下の質問をした

「上院の民主党議員団は米国の経済状況について極めて暗い見通しをしています。(上院少数党総務)ハリー・リード(民主党・ニューヨーク)議員は景況が水増しされてるといい、ヒラリー・クリントン上院議員(民主党・ニューヨーク)は経済が破綻寸前であると評しています。それなのに同じ口で彼等は社会保険システムが強固で破綻の危険性はないと言ってます。一体どうやって・・・(ブッシュ政権は)国民全てに援助の手を差し伸べると仰いますが、このような現実からかけ離れた人々とどうやって協力し合うことができるんでしょうか?」

大統領会見でのジェフ・ギャノン

大統領会見で質問(?)するジェフ・ギャノン

この奇妙な質問(というより党派的な主張)をする記者訳注1---共和党側の主張を正しいとし、民主党側の主張を“現実離れ”と歪曲し批判するジェフ・ギャノンという人物は、報道記者としてのバックグラウンドは一切なく、共和党テキサス支部の支援を受けた保守派の活動家であることが、メディア監査団体Media Matters for Americaの調査により暴露された。

しかも、このジェフ・ギャノンという名前は偽名で(本名はジェイムズ・D・ガッカートJames D. Guckert)、本来はインターネットでHotMilitaryStud.com, MilitaryEscorts.com、MilitaryEscortsM4M.comというハードコアな米軍人ゲイ男性専門サイトを運営し、ゲイ男性専門の売春サービス業を営む人物であることが判明した。(ジェフ・ギャノン自身もネット上で全裸となって自慢の肉体を披露し訳注2、1時間200ドルでサービスを販売している

ブリーフ一枚のジェフ・ギャノン

ブリーフ一枚で誘惑ポーズのジェフ・ギャノン。本人運営のWebサイトに掲載されていた写真。バレないと思っていたんだろうか?

通常なら、ホワイトハウスの記者会見に出席を許されるためには、事前にFBIによる人物調査を受けるはずだが(偽名など許されるはずもないし、そもそも通常のジャーナリストも入場できないほど制限が厳しい)、ブッシュ政権とテキサス共和党の特別な計らいにより、ジェフ・ギャノンは2年前からノーチェックでホワイトハウスに出入りしていた

しかもこのゲイ売春サービスのプロフェッショナルは、スコット・マクレラン大統領報道官とは顔見知りではないかとの疑惑がもたれている。過去2年間、ホワイトハウスでの通常会見で、マクレランは政権に都合良い発言をさせるべく、記者席のジェフ・ギャノンを何度も指名しているが、マクレラン報道官本人は当初関与を否定していた。しかし、疑惑が持ち上がった直後のホワイトハウス記者会見で、緊張した報道官はジェフ・ギャノンの本名を知っていたとウッカリ自白してしまった

慌てまくった報道官は疑惑を否定するコメントを再度発表したが、いつもは冷静沈着なマクレラン氏の焦る姿に疑惑は深まるばかりである。(ブッシュ政権の反同性愛政策を熱心に説いているマクレラン報道官は、実のところ地元テキサスでは同性愛者と噂されている。しかもマクレラン報道官の結婚式に、ジェフ・ギャノンは実名でお祝いカードを贈っている。)

しかしこれだけなら、ブッシュ政権が国民の税金を使って実施しているプロパガンダ工作のごく一部が暴露されたにすぎないし、同性愛者の権利剥奪に熱心なブッシュ陣営が、共和党支持のゲイ層に対してはお得意の“思いやりある保守主義”を発揮したとしても何ら問題ではない(政府から報酬をもらってブッシュ政権を賞賛する極秘任務を担っている保守派評論家アームストロング・ウィリアムズも同性愛者である)。ジェフ・ギャノンの雇用主であるGOPUSA社CEOのボビー・エベール氏が、同性愛者を蛇蝎の如く憎んでいるキリスト教原理主義者であるという事実もたいした問題ではない。(人生も社会も矛盾に満ちているものなのである!)

しかしジェフ・ギャノンの秘密はこれに留まらなかった。このニセ記者は、先ごろ問題となったCIA工作員氏名漏洩事件の元となった、ホワイトハウス内部の実名暴露工作直接関わっている可能性が高いのである。ブッシュ大統領に忠誠を誓うだけで、身元不明の第三者が国家機密まで入手できる仕組みになっているとしたら、国家安全上の大問題ではないか。

かつてモニカ・ルインスキー事件報道に狂喜乱舞した米大手メディアは、今のところジェフ・ギャノン事件に対しては本人に自己弁護の機会を提供する以外はほとんど無視の構えで、事態の沈静化を図っている。

(訳注1)米国の経済状況と社会保険に関する共和党・民主党の主張は簡単にまとめると以下のとおり。
共和党側の主張
米国経済は極めて順調なので社会福祉予算は大幅削減すべきであり、社会保険システムは破綻するので民営化することにより、大量の個人資金が株式市場に流れ経済が活況を増す。
民主党側の主張
米国経済は悪化しているので貧困層への公的支援を強化すべきであり、社会保険システムは今のところ破綻の危機に直面していないので、民営化により公的支援を打ち切るのではなく、適正化すればよい。

(訳注2)ジェフ・ギャノンの大胆な姿はブログで晒されている。(警告:リンク先には一部成人向けアダルト・コンテンツが含まれている可能性があります。いずれも当該事件に直接関わっているリソースですが、興味のない方には気分を害する内容なのでクリックしないでください)

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