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2005/03/16

史上空前のプロパガンダ:ニセのニュースで国民を欺くブッシュ政権

3月13日、ニューヨークタイムズ紙の一面トップに、ブッシュ政権のプロパガンダ政策を暴露する調査報道記事が掲載され、全米のジャーナリズム界で大きな話題になっている。(大手新聞社がこのような話題で大量に紙面を割くのは極めて珍しいのではないかと思う)

話題の記事はタイムズ紙ウェブサイト上で公開されているが、8ページに及ぶ大特集であり、いつものように全文翻訳するにはちょっと大変・・・というわけで、とりあえずこのスクープを要約したアメリカン・プログレス基金のDaily Talking Points2005/03/14付記事を以下に翻訳引用する(記事中リンクは訳者による)

ニセのニュースで国民を欺くブッシュ政権(Bush Administration Deceives Public with Fake News)

アメリカン・プログレス基金のDaily Talking Points20050314付記事

先週末、ニューヨークタイムズ紙は、ブッシュ政権が大規模な公的資金の不正使用により、各放送網で政府プロパガンダを配信している事実を特集報道した。過去4年間の間に、少なくとも政府内20の部局が、何百ものニセテレビ報道フィルム製作に関わっており、そのフィルムの多くは、政府機関が主宰している事実を知らせぬままに、次々と全米各地の地域テレビ放送網で配信されたという。

  • ブッシュ政権は、ニセの政府PRフィルムを制作する費用として、これまでにおよそ2億5,000万ドルを納税者のお金で賄っている。2001年にブッシュ大統領が着任してから、ホワイトハウスは少なくとも2億5,400万ドルをニセのニュースフィルム制作や他のPR活動に投資してきた。保険社会福祉省によって実施され、先に暴露された悪名高き放送フィルムでは、PR企業役員を務めるカレン・ライアンが記者のフリをして、当時の福祉省長官トミー・トンプソンにインタビューを行っている。会計監査院(GAO)の調査によれば、その報道フィルムは“地方の放送局が取材した報道と見分けがつかないように”PR企業が企画・制作を担当したとのことである。
  • ブッシュ政権は、政府による“偽装宣伝”への制限取り決めを故意に違反している。無党派である会計監査院と議会調査局は、“政府が製作元である事実を、視聴者に知らせず、あるいは明確に表示しないように”仕組まれたニュース報道の制作に連邦政府機関が関わることを禁じている。この制限に対するブッシュ政権の対応は?タイムズ紙の金曜版報道によれば、“全ての行政機関に対して、会計監査院の結論を無視する旨を指示した覚書が、司法省と行政管理予算局の間で交わされていた”。
  • 議会もしくは裁判所は、ブッシュ政権に対して、税金の不正使用を止めるよう早急に干渉するべきである。立法機関、司法当局は、行政機関に対して国民を欺く行為を止めるよう、立法機関としての業務を行使すべきである。こうした行政権の乱用は、米国民に対する侮辱であり、我が国の民主主義の基本理念を侵害するものである。もしブッシュ大統領が、自ら公言する“民主主義の伝播”を自国において順守するためにお金を使わないというなら、他の政府機関が介入して大統領に注意すべきだ。
ホワイトハウスの情報工作員達(いずれも保守派批評家)ホワイトハウスからコッソリお金を受け取っていた保守派評論家達(上から)
アームストロング・ウィリアムズ(教育省から24万ドルもらってブッシュの“落ちこぼれゼロ法”を賞賛)/
マギー・ギャラガー(保険社会福祉省から2万1,500ドルもらってブッシュの“正しい結婚”政策を賞賛)/
マイケル・マクマヌス(保険社会福祉省から1万ドルもらってブッシュの“正しい結婚”政策を賞賛)

イラク戦争開戦前、ブッシュ政権の情報を鵜呑みにした報道を行ってきた件で読者に謝罪したニューヨークタイムズ紙としては、自らも政府広報紙と罵られないために、思い切って一歩踏み出したという感じである。(暴露されたプロパガンダ放送の一部は、デモクラシーナウ!の特集でも見ることができる)

さて、タイムズ紙の会心の一撃にたいして、ブッシュ政権はすでにCNN放送において「政府プロパガンダに法的問題なし」と強弁している。(相変わらずのCNNスタイル・・・“政府に問い合わせたら問題ないと言われました!”というパターンである)

先だって暴露された政府プロパガンダ工作の一部、ジェフ・ギャノン事件はどうなったか?同事件を重大視する議員達から調査要求が出され、慌てたホワイトハウスは、これまでの態度を一変させ、定例会見への参加資格を大幅に緩和して(これまでは、例えばNYタイムズ紙寄稿ジャーナリストすら参加拒否される厳しさだった)あたかもホワイトハウス記者会見が“広く国民に開かれている”かのように演出し、当該事件を追求する事は“ジェフ・ギャノンという同性愛者への個人攻撃である”という形に議論をスピンさせ、大量の保守派要員(ブロガーを含む)を動員して真相の隠蔽に邁進している。(CNN放送のウォルフ・ブリッツアが行った報道などもこうした“印象操作”の典型例である)

言うまでもなく、ジェフ・ギャノン事件の焦点は、記者としてのバックグラウンドの全くない人物が、偽名を使って取材許可証を入手し(前ホワイトハウス報道官アリ・フライシャーも驚いている!")、米情報部の極秘情報を簡単に入手した経緯(CIA工作員漏洩の件以外にも、ギャノン氏はイラク侵攻時期について公表前に知っていたと、そうした偽装活動の資金提供者が大統領に極めて近いポジションに居るという点なのであり(ジェフ・ギャノンの雇い主は大統領次席補佐官カール・ローブの知人、その人物の性癖が焦点ではないのである。(とはいえ、ギャノン氏が行っている大規模なゲイ売春サービスは、州法次第では違法スレスレであり、“倫理価値”を重視すると喧伝するホワイトハウスにあっては、問題とされてしかるべきであるが・・・)

ワシントンポスト紙の3月14日付け報道によれば、最近のブッシュ大統領は公的な場でジョークやギャグの回数を増やし、“親しみやすいテキサス人”という人物像を前面に押し出して上機嫌でいるという。さらに先日ホワイトハウスは、熱心な聖書原理主義者で“ジョージの母親役”カレン・ヒューズを、米国の広報外交(つまり、海外向けプロパガンダ)を担当する国務次官として再雇用すると発表している。どうやら、ブッシュ政権の“人形遣い”カール・ローブは、FOX、CNN他放送網の手を借りて、さらに大掛かりな印象操作(perception management)で事態を乗り切るつもりらしい。

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