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2005/06/20

米国の狂牛病感染防止策は充分でないと批判の声

AP通信2005年6月18日付記事を以下に全文翻訳掲載。(記事中リンクは訳者による)

米国の狂牛病感染防止策は充分でないと批判の声(Critics: US Doing Too Little to Prevent 'Mad Cow')

リビー・クエイド記者:AP通信2005年6月18日付記事(commondream転載

ワシントン:アメリカの蓄牛は鶏の廃物、牛の血液、外食産業の残飯を摂取しており、狂牛病感染を促進させている---米国の感染防止体制は、ブッシュ政権が18ヶ月前に約束した内容とは食い違っている。

「カメラがオフになってメディア報道が沈静化したら、またいつものビジネスに逆戻りで、実際には何の改善もなし。相変わらず食肉加工所の廃物を食べさせているんです。」アクティビストで『Mad Cow USA: Could the Nightmare Happen Here』(邦訳は道出版 『隠されている狂牛病』)の著者、ジョン・ストーバーは言う。

彼は主張する:「米国の政策は、畜産業界が加工所の廃物を安価な飼料として使う態勢を保持させているんです」

現在、米国政府は合衆国内で発見された狂牛病感染の疑いがある牛を調査している。当該の食用牛は昨年11月に検査され、一端は感染なしと発表されたが、新たな検査により感染ありと鑑定され、現在英国の研究所でさらなる検査を受けている。

米食品医薬品局(FDA)は、2003年12月にワシントン州で最初の狂牛病感染牛が発見された直後から、飼料の基準を厳しくすると約束していた。

「現在、国民を保護するために我が国のBSE防護壁を強化しているところです」2004年1月26日に、当時の米食品医薬品局検査官マーク・マクリーラン氏は言った。米食品医薬品局の話では、血液や鶏の廃物、牛の血液、外食業界の残飯を食肉牛の飼料として与えることを禁止するとし、飼料工場に牛の飼料製造機を別に用意させるとしていた。

しかしながら、昨年7月に、米食品医薬品局はそうした規制案を廃案にしていた。マクリーラン氏の後任、レスター・クロフォード氏の話では、農務省により組織された国際専門家チームがさらに強力な規制を要求しており、米食品医薬品局はその勧告案に従い新たな規制案を施行することになるだろうとのことだった。

今日に至るも、米食品医薬品局は未だにその約束を果たしていない。同局はインタビューを拒否し、新たな規制案のスケジュールは未定であると声明文を出している。

「議論しただけということでしょう」農業問題を専門とするローザ・デラーロ下院議員(民主党・コネチカット)は話した。「たくさん議論して、たくさん記者会見して、実行はなし。」

他の感染症と違い、牛海綿状脳症(BSE)いわゆる狂牛病は、空気感染はしない。科学者の知る限り、牛への感染は既に感染した牛の大脳や他の神経節を摂取することにより発生することになっている。

1997年まで、食肉処理の使い残しから作られる肉骨粉は、タンパク源として牛の飼料に転用されていたが、英国で狂牛病が発生すると、合衆国でも飼料業界に飼料への転用を禁止するよう求められた。しかし英国と違い、米国では飼料規制には抜け穴がある。

例えば、牛の肉骨粉を鶏の飼料に使うことは禁止されていない。容器からこぼれた鶏の飼料は、鶏の廃物と一緒にかき集められ、牛の飼料として転用されている。

科学者達は、BSEタンパクが飼料精製課程でも残留し、鶏の内臓を通して摂取されると信じている。

そうしたことにより、結局は牛のタンパクが合法的に牛の飼料として摂取されると、かつて農務省の獣医として狂牛病対策を数年にわたり担当してきたリンダ・デウィラーは言う。

「それほど普通に行われていることではなく、量もごくわずかだとは言えるでしょう」デウィラーは言った。しかしそれでも、システム内に牛のタンパクがあるということは、牛が再摂取することもある、と彼女は言う。

牛のタンパクは鶏の飼料としても、ブタや家庭のペットの飼料としても使われており、飼料工場で突発的に汚染が発生するリスクはある。

議会の調査機関である会計監査院が先月発表したところでは、或る飼料工場では、禁止されているタンパクが偶発的に牛の飼料に混入した事例があったという。その際、監査官は問題を発見し飼料はリコールされたが、汚染された牛の飼料はすでに市場に1年以上出回っていたとのこと。

食肉加工の廃棄物を扱う動物飼料精製業界では、新たな規制はコスト高で、廃物は健康被害を発生させると主張する。業界は、規制の変更は理に適っていないと主張している。

「1年におよそ500億ポンドの飼料を生産しています。わかりやすく言うと、トレーラーの車列が4レーンの道路を、ニューヨークからロスアンゼルスまで1年中埋め尽くせるくらいです。」精肉業界団体である米国食肉協会研究財団の会長、ジム・ホッジスは言う。

新たな規制が膠着する中、カナダ産牛の米国への輸入を許可する前に、規制の抜け穴を塞ぐべきという政権内の専門家のアドバイスも、ブッシュ政権は無視している。

カナダで最初の狂牛病が発覚してから直後の2003年6月15日に、動植物衛生検査部のBSE研究グループの専門家によって書かれた農務省内部のメモによれば、牛の取引は飼料規制の抜け穴が塞がれるまで再開されるべきではないと記されていた。

牧場主の団体であるカリフォルニア家畜飼育協会は、農務省に対する訴訟により、そのメモを入手した。

規制の抜け穴が残されたままで、農務省は、昨年末に国境を解放する許可を出した。モンタナ州の連邦判事だけは、国境を閉ざしたままである。同判事は、ワシントン州で感染例が発見されたことから、感染牛が南下することを恐れるカリフォルニア家畜飼育協会と連帯している。

今日においても、農務省は、メモ発覚後も以前どおりの体制を維持している。同省の上級職員獣医リサ・ファーガソンが言うには、メモに書かれた内容は、政府が飼料規制が不適切と考えていることを示したものではなく、その当時の職員の提案のひとつに過ぎないとしている。

「我が国の飼料規制は完全無欠で全く問題なしといえるかといえば、そんなことを主張する人はいないでしょう。規制の変更は行われるかといえば、行われるでしょうね」彼女は言った。
(以上)

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