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2005/12/13

アメリカの大学生活・・・借金だらけ?!

米シンクタンクCenter for American Progressの研究部門のひとつ、大学教育関連テーマを扱うCampus Progressの主任編集者エレナ・バーコウィッツが、米国大学生の経済状態について11月28日付けコラムで触れている。以下に同コラムから主要部分の一部を抜粋してみよう:

米教育省の報告によれば、学生ローン利用者が大学を卒業する際に背負う平均的な借金額は2万7,600ドル(約332万2,875円)で、10年前の金額に比較してほぼ3.5倍に増加。黒人学生の84%、ラテン系学生の66%が借金を背負って卒業しており、そして学生ローン利用者の39%は、卒業の際に返済不能なレベルの借金を背負うことになる。

大学を卒業してからも、サンフランシスコ、アトランタ、ボストン、シカゴ、ニューヨーク等の都市部に居住する際には、収入の30%から50%が家賃に消えていく。

収入額はどうか?2000年から2003年にかけて、大学を卒業した23歳から29歳の男女の平均収入は、それぞれ3.5%、1.2%減少している。不景気による人材市場の停滞により、新卒者が獲得できる仕事の大半はハンバーガー製造やジーンズを畳む仕事。現在、米国最大の雇用機会を創出している企業は、人材派遣大手マンパワー社である。応募者が多く競争の激しい業界でも、新卒者の月給は2,000ドル弱で、諸手当、医療扶助などはほとんど提供されない。

加えて、若年層のカードによる平均的な借金額は4,000ドル以上である。大学に在学している学生の実に70%以上が、文房具や食事、教科書の購入にクレジットカードを使用している。学生の24%は、学費をカードで支払っている。今やクレジットカード産業は、学生ローン業界の最後の砦となっている。そうした事情により、若者は常に収入の25%を借金返済に充てている。

(中略)

代表的な奨学金制度であるペル奨学金は、25年前には学費の77%に相当したが、現在では平均して学費の40%に過ぎない。ブッシュ政権下で、米教育省はペル奨学金の受給資格を狭めたので、結果として10万人ほどが受給資格を失い、120万人が受給金額を削減された。

今月、米上院は連邦予算調整の一環として、学生支援計画予算140億ドルを削減すると提案した。下院も同様に教育補助関連予算90億ドルの削減を提案し、結果として学生ローン利用者は新たに平均5,800ドルの借金を背負うと推定されている。11月末に法案は可決され、連邦高等教育基金143億ドルの削減(連邦学生ローン制度の予算削減としては米国史上最大)を含め、合計500億ドルの支出削減が決定された。
(以下略)


大学を出たら借金だらけ?就職先がない?そんな米国の学生達にとって、米軍の新兵募集担当者からの誘いはとても魅力的だろう。なにしろ、2004年10月にブッシュ大統領が署名した予備役教育支援法(復員軍人援護法第1607条)により、911テロ以降に入隊した米軍兵士(予備役・州兵含む)は、新たに月額最大827ドル20セント(約9万9,181円)の学費援助を受けられることになったのだ。(もっとも、手続きの遅れを理由に、国防総省は実際の支払いを未だ1ドルも行っていないということだが・・・)

しかし、学費支援があるにしても、米軍入隊はフルタイム勤務先としては少々心細い。米軍入隊時の初年度年収は1万5,282ドル(約183万1,086円)から2万7,464ドル(約329万1,724円)の範囲であり、ファーストフード店のパートタイム勤務と大差ない。しかも、入隊すれば遅かれ早かれ防弾装備なしでイラクに派遣されることになる。

米軍に入隊してイラクで兵站業務に携わることになるのなら、最初から民間軍事企業に雇われたほうがマシと考える人も多いだろう。例えば、悪名高きハリバートン社は、イラク勤務のアメリカ人従業員に対して年収7万5,000ドルから10万ドルを支払っており、未経験者であっても、初年度1年の通年勤務を無事終えたら、手取り8万ドルを約束している

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