ペンタゴン、軍人家族に『笑顔』を提供
イラク駐留米軍兵の戦死者はすでに2,200人を超えた。
イラク駐留米軍基地で兵士の洗濯・入浴用に使用されている水は、ユーフラテス川の水に比較して2倍ほど汚染されているという事実を、水を配給しているハリバートン子会社ケロッグ・ブラウン&ルート社は黙っていた。(汚染の事実は元従業員の内部告発で発覚した。)
「ブレアに騙された」と怒る英軍イラク帰還兵達は、女王から授与された戦時勲章をイーベイで売り出している。
ノーベル経済学賞を受賞した経済学者ジョセフ・E・スティグリッツは、米国政府がイラク戦争で将来抱える総費用は2兆ドル(約229兆1,170億円)を超えるだろうと警告している。
CBSニュースの元名物アンカーで『アメリカの良心』と呼ばれるウォルター・クロンカイト氏は、ベトナム戦争時代と同じように、イラクからの即時撤退をテレビで呼びかけている。
・・・2006年になっても、イラク戦争に関する暗いニュースが続いているが、USA TODAY紙の報道によれば、悪い報せに怯える軍人家庭のために、米国防総省は風変わりな対策を開始しているらしい。それを伝えるUSA TODAY紙2006年1月12日付記事を以下に抜粋する:
ペンタゴンから軍人家族へ:「さあ、笑って!」(Pentagon to families: Go ahead, laugh)
by グレッグ・ゾロヤ記者:USA TODAY紙2006年1月12日付記事
イラク戦争のストレスが深刻化する現在、ペンタゴンは兵士の家族に奨めている。「笑い方を学習してください。」州兵の家族達は、国防総省の笑顔教官の指導に従って、ペンギンのように歩き、ライオンのように笑い、「わっはっはっは」と声に出す訓練をしている。
これはジョークではない。
「機会があるごとに笑いますよ」元陸軍大佐で笑顔教官を務めるジェイムズ「スコティ」スコット氏は言う。「私がペンタゴンで歓迎されてるのは、あそこで生きるにはおおいに笑いが必要だからです。」
57歳のスコット氏は、医療としての笑いを推進するオハイオ州の『世界笑い振興会(World Laughter Tour)』から『笑い訓練スペシャリスト』の認定を受けている。同団体は、笑いを声に出すことは身体の免疫システムを向上させ、ストレスホルモンを減少させるという科学的研究を宣伝している。
国防総省広報官エレン・クレンキ中佐の話によれば、ペンタゴンは同研究に取り組んでおり、スコット氏の技術を評価している。「訓練に彼を派遣しています」中佐は言う。
笑いの訓練プログラムはスコット氏のアイデアによるものだ。同プログラムは米軍にとって実質的に何の費用も生じていない。というのも、スコット氏はすでに軍家族支援政策の責任者として、全米を巡業しているからである。
スコット氏は、これまでにアラスカ、カンサス、オクラホマ、テキサス、アイダホの州兵家族会で訓練を実施しており、今後もミシガン、ペンシルバニア、フロリダ等で同様の業務をする予定であるという。もう1人の笑いの訓練士も、ノース・カロライナで訓練に取り組んでいる。
(中略)
「笑う門には福来る」とペンタゴン関係者が本気で信じているのかどうかは不明だが、『笑いの訓練』の評価は上々らしい。同記事は以下のように伝えている:
「理由なしに笑うというのが指導方針です。それが、この訓練プログラムが軍人家族に非常に効果的な理由のひとつです」スコット氏は言う。「家族の方々は多くの心配事や、多大な不安にさらされてますからね」スコット氏が言うには、参加者達が可笑しさを感じる中、訓練を止めた参加者はわずかに1人だけいて、その海兵隊上級曹長は、スコット氏言うところの『不快な笑い』を残して教室を去ったという。
退役軍人を夫にもつメアリー・フランセス・ブースは、昨年に笑いの訓練を受け、今では熱心な愛好者である。
メアリーの夫は、民間請負業者として働くためにアフガニスタンに旅立っていった。日曜日に夫をボイシ空港で見送った時、彼女と二人の娘、10歳のメーガンと8歳のサラは泣き崩れていた。その後、メアリーは笑う訓練のひとつを娘達に呼びかけた。
「娘達は“ママはまた笑う練習してるわ”と思って、私に呆れたでしょうね」メアリーは言う。「でも、それで少しは気が晴れたんですよ。」
(以上)
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