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2006/12/18

米証券業界の好景気とゴールドマン・サックス

今年も米証券業界は札束に埋もれて嬉しい悲鳴をあげているらしい。

米投資銀行大手ゴールドマン・サックスの2006年度売り上げ総額は370億6,700万ドル(約4兆3,802億円)、純利益は93億4,000万ドル(約1兆1,037億780万円)で、ウォールストリート史上最高額を記録している

好成績のおかげで、ゴールドマン・サックスのCEOを務めるロイド・C・ブランクファインの今年のボーナス額は5,000万ドル(約59億850万円)を超えるそうだ。この金額に驚くのはまだ早い。なにしろ、彼は証券業界の稼ぎ頭というわけでもないらしく、例えばモーガン・スタンレーCEOのジョン・J・マック、ベア・スターンズ証券CEOのジェームズ・ケイン、メリル・リンチ証券CEOのE・スタンレー・オニールも今年は4,000万ドルから5,000万ドル超のボーナスを受け取るそうである

ウォールストリートの好景気はどれくらい続いているのか?そのボーナス額推移(90年-2005年)を以下にグラフで示してみた。例えば、2005年度にニューヨーク証券業界全体では215億ドル(約2兆5,406億円)がボーナスとして支払われていて、1人あたりの平均ボーナス額は12万5,500ドル(約1,483万円)に達している。
source
ウォールストリートのボーナス額変遷(総額)
ウォールストリートのボーナス額変遷(1人平均額)

証券業界で金持ちが増えれば、高級品市場も素早く対応する。遠くのショールームまでお客を歩かせてはいけないという親切心(商魂)から、BMWは2年前からウォールストリートでショールームを運営しているという。

ゴールドマン・サックスの特別なポジション
ウォールストリート全体がそのような超好景気状態にも関わらず、同業者達はゴールドマン・サックスを羨望と妬みの目でみているらしい。ゴールドマン・サックスのアドバンテージは何か?それを教えてくれるのが、AFP通信8月20日付の以下の記事である。同記事の分析によれば、ゴールドマン・サックスと米国政府の間では回転ドアが回りっぱなしということだ。

実際、同社はそうした政府とのコネをクライアント向けにおおいに宣伝している。以下のリストはゴールドマン・サックスの会社案内から引用したものである。

合衆国政府とゴールドマン・サックス(GS)人脈
レーガン政権国務副長官ジョン・ホワイトヘッド(GS元共同会長)
クリントン政権財務長官ロバート・ルービン(GS元共同会長)
ブッシュ・ジュニア政権大統領補佐官(2002年-2005年)スティーブン・フリードマン(GS元共同会長)
首席補佐官(2006年-)ジョシュア・ボルテン(GS元エグゼクティブ・ディレクター)
財務長官(2006年-)ヘンリー・ポールソン(GS元会長兼CEO)
ニューヨーク証券取引所最高経営責任者(2004年-)ジョン・セイン(GS元社長)

これだけもインパクト充分だが、詳細は以下の記事にも書かれている。

ゴールドマンサックスがブッシュ政権を支配?(Has Goldman Sachs Taken Over the Bush Administration?)

AFP通信2006年8月20日付け記事

Has Goldman Sachs Taken Over the Bush Administration?


合衆国大統領ジョージ・W・ブッシュが財務省長官の指名について発表した時、ゴールドマン・サックス社の同僚達はヘンリー・ポールソンが任命されたことをおそらく知っていた。

ブッシュ大統領が「最も尊敬される企業」と評する137年の歴史を誇る投資銀行、ゴールドマン・サックスの重役がブッシュ政権に加わるのは、ポールソンが初めてではない。

実際、ポールソンは、ブッシュの指名に応じた3人のゴールドマン・サックス同窓生の富裕な歩みをなぞっているにすぎない。もっとも、ブッシュ政権の国家経済会議議長を束の間務めたスティーブン・フリードマンは、ウォールストリートに知れ渡ると後にゴールドマン・サックスに戻っているが。

大手銀行を経営するだけではなく、共和党上院議員への数万ドル単位の個人献金が、ポールソンの栄誉を強固にしている。

大企業と政府の「回転ドア」問題はなんら新しいものではないが、ホワイトハウスや他の政府上層部ポストへの浸透度でいえば、ゴールドマン・サックスは今のところ主導的な立場にある。

「理由はどうあれ、ゴールドマン・サックスは政府との間を行き来する人材の割合が著しいように思われる」ホワイトハウスの人事に詳しい元ホワイトハウス広報担当官トレント・ダフィー氏は言う。

「一部の企業は政府職員から歓迎されており、ゴールドマン・サックスが政府に人材を送り込むことに成功している理由はそれかもしれません」ダフィー氏は言った。

ゴールドマン・サックスの高評価も影響しているという声もある。

「ゴールドマンのような企業の重役に上り詰めた人材に関するバイアスはあります。そういう役職の人には財務省のような多くのポジションへの引き合いがあるんです。」独立系企業統治コンサルタント企業、コーポレート・ライブラリー社のアナリスト、ベス・ヤング氏は言う。

ヤング氏によれば、重役が政府から会社に戻ってくる際に、有力な事業契約を溢れるほど抱えてくる可能性が高いので、こうした事態はゴールドマン社の利益となるという。

ゴールドマン社は公的に政府指名を喧伝することはないが、政府ポストを務めた幹部を祝福している。

ゴールドマン社のニューヨーク本社重役室に飾られる数ある油絵の一つには、前副社長でクリントン政権時代に財務省長官を務めたロバート・ルービンの肖像画がある。

しかし、1869年にドイツ移民マーカス・ゴールドマンによってニューヨークの或る地下室に設立された同社から、ブッシュ大統領は一層多くの人材を雇い入れている。

ブッシュ大統領首席補佐官ジョシュ・ボルテン、米商品先物取引委員会委員長ジェフリー・ルーベンも、ゴールドマン社出身である。

人の流れは両方向に続く。米国務副長官を辞任したばかりのロバート・ゼーリック、ブッシュ政権の国家安全保障補佐官を務めたファリア・シルザドの二人は、先日ゴールドマン社が雇い入れている。

「ワシントンでの影響力を維持する際二人はおおいに役に立つだろう」南カリフォルニア大学アネンバーグ校で広報活動を専門とするジェリー・スワーリング教授は言う。スワーリング教授はゼネラル・モーターズ社とシスコ・システム社の相談役を務めている。

ゴールドマン社のクライアント企業は政府の内部情報や接近手段を切望していて、「政府の指名を獲得したゴールドマンサックス社の人々はそうしたあらゆる条件を満たすことになる」とスワーリング教授は言った。

匿名を希望する或る証券法専門家は言う。「ゴールドマンでは、出身大学についても非常に注意深く選別しているので、」同社はハーバードやイエールなどのアイビーリーグ出身者を優先させているという。

それにより、政府上層部に友人のいる個人のネットワーク化が可能になっている、と専門家は言う。

ゴールドマン・サックス社広報部の話では、政府職員となる重役は同社の誇りであり、政府職員出身者を歓迎しているという。

「わが社は多くの世界市場が交差する場でビジネスを展開しており、グローバルな視点を持つ人材はおおいに役立つのです」広報担当者は言った。

重役室の壁にはポールソン氏の肖像画を飾る場所がすでに確保されているが、まだ掲示される予定はない。
(以上)

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