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2007/10/10

ミャンマー:軍事政権とロビイスト

今回は、米雑誌ハーパーズに掲載された非常に興味深い記事を以下に翻訳して紹介。記事タイトルは、『ビルマ、ゲイの共和党員、グーグル:DCIコネクション(Burma, Gay Republicans, and Google: the DCI connection)

先ごろ、ブッシュ大統領はビルマにおける「恐怖による支配」を終わらせるよう呼びかけ、同国の軍事政権に対する新たな制裁措置を発表し、国連に対して「ビルマ国民が自由を取り戻せるように」支援すべきと主張した。だが、それほど遠くない昔、ブッシュ大統領の旧友が務める共和党系の大手ロビー企業が、ビルマ軍司令官のために米政府に働きかけていた事実は注目に値する。

問題の企業はDCIアソシエイツ社。同社は複数の大手企業をクライアントに抱えており、その中にはGoogle社も含まれている。(中略)

2002年に、DCI社は月額35,000ドルでビルマ軍事政権の代理業務を引き受け、『国家平和開発協議会』と名乗る組織を立ち上げた(当初は国家治安回復協議会と名づけられたが、PR上好ましくないとの理由で変更された)。軍事政権を代弁するロビイストは、共和党統一同盟(RUC)の委員長を務めるチャールズ・フランシス。共和党統一同盟とは、公式ウェブサイトの説明によれば、「同性愛政策界隈では比較的新しい組織」と説明されている。同組織の最大の功績は、フランシスが「副大統領の娘で、かつてクアーズ醸造社の同性愛層向け支援担当者を務めたメアリー・チェイニーを、コロラド州の日陰から共和党統一同盟の諮問委員会に引っ張り出した」ことであるという。さらに、公式サイトによれば、(“RUCにおけるフランシスの活動を支える重要な資産である”)フランシスとブッシュの関係はテキサス時代に遡り、1994年のテキサス州知事選挙でブッシュがライバルのアン・リチャーズを破ったとき、フランシスの兄ジムはブッシュ陣営の選挙委員長を務めていたという。

DCI社がビルマ軍事政権から請け負った契約業務内容は、ビルマとアメリカ合衆国の“関係改善に繋がる可能性のある手段”の特定を支援することであった。課題とされる問題には“テロとの戦争”、“人権”、そして後に契約の中心となる“麻薬戦争”が含まれていた。

ビルマは世界最大のヘロイン生産国のひとつであり、ビルマ軍事政権は国際的麻薬密売業者と親しい関係にあったので、DCI社はその業務に邁進した。2002年暮れのワシントンポスト紙報道によれば、DCI社のおかげで、米国務省は“主要麻薬生産国リストからビルマを除外する寸前”で、ビルマ軍事政権に対し“かなりの麻薬対策資金援助を行う可能性があった”。同報道では、ジェイムズ・A・ケリー国務次官補がビルマ政府の麻薬対策を指して“アメリカ外交上最も苛立たしい試み”の中にあって珍しく明るい場所であると評した演説が引用されている。

最終的に、国務省は議会の反対に直面してビルマ政権支援を取り下げた。複数の議員が、市民に対するレイプを戦争手段とするビルマ軍事政権を嫌悪したのである。2003年に、ビルマ政府はDCI社との契約を解消した。

ちなみに、ビルマ政府は90年代にも、共和党に強い繋がりのある二つのロビー会社を雇っていた。ジェファーソン・ウォーターマン・インターナショナル社と、エドワード・ヴァン・クロバーグ氏の率いる会社だった。二社ともに、ビルマ軍事政権に愛想をつかして契約を解消した。人権問題を懸念したのではなく、料金をめぐる揉め事が原因だった。クロバーグ氏は2年前に投身自殺した。ローマの或る城郭から身を投げたクロバーグ氏の遺体の傍には、ジョージ・H・W・ブッシュと会見するクロバーグ氏の写真が表紙を飾った雑誌『プライム』が残されていた。この結論は読者にお任せしよう。 (以上)

(訳注:エドワード・ヴァン・クロバーグはワシントンの伝説的ロビイスト。奇人としても知られ、黒マントを着用し、男爵を名乗っていた。独裁者や軍事政権の代理人を専門分野とし、顧客にはリベリアのサミュエル・ドー、ルーマニアのニコラエ・チャウシェスク、ザイールのモブツ・セセ・セコに加え、サダム・フセイン、金正日らも含まれていた。)

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