12月14日、イラクを電撃訪問したブッシュ大統領は、マリキ首相との共同記者会見中にイラク人記者から靴を投げつけられた。投げられた靴をうまく躱してみせたブッシュだが、落ち着き払って靴を払い落とそうとブッシュの前に手を広げたマリキ首相の態度に比較すると、合衆国大統領はずる賢い小心者にしか見えず、しかもそれが映像に残ってしまった。まさしくブッシュ政権8年間を象徴する事件である。
靴を投げたのは、エジプト本社の衛星放送局アル・バクダディアのイラク支社に勤めるテレビレポーター、ムンタデル・アル・ザイディ氏(29歳)。事件後、彼はアラブ社会で英雄として賞賛されており、無罪放免を求める声はいよいよ高まっている。(もちろん、イラク国内では客人のもてなしとしてふさわしくないと、記者の行為を批判する声もある)
サウジアラビアでは、或るお金持ちが記者の投げた靴を1つ1,000万ドルで買い取ると新聞に発表した。リビアでは、カダフィ大統領の娘が、靴を投げた記者に名誉勲章を与えると賞賛している。イラク政府は公式にアル・バクダディア社に対し謝罪を求めているが、放送局側は今のところ謝罪の構えを見せていない。一方、記者の実弟メイセム・アル・ザイディ氏はずっとテレビに出ずっぱりで兄を擁護しており、彼に対してすでにアラブ世界から100人以上の弁護士が協力を申し出ているという。
ブッシュを面前で批判したジャーナリストといえば、2004年のアイルランド訪問時にインタビューで活躍したキャロル・コールマンの事例が有名だが、彼女に比較すると今回のイラク人記者のやり方はとても褒められたものではないだろう。なにしろ、二度も的を外したのだから。
- ジェイ・レノ:
- 「さて皆さん、ようやくブッシュ大統領の特技が見つかりましたね。ドッジボールだ!
皆さんご存じのように、昨日イラクで、ブッシュ大統領は靴爆弾で攻撃されました。ブッシュ大統領がイラクで記者会見している最中に、記者の一人が1足の靴を大統領めがけて投げつけたのです。ブッシュ大統領がどうなったか見た?靴を避けるために大統領はどうしたと思う?彼はこれまでにないことをしたんだ。左に傾いたんだよ!
おいおい!認めなきゃ!人物評価がどうであれ、ブッシュは優れた反射神経の持ち主だよ。ビル・クリントンも感心してるさ。だって、クリントンは靴とか、皿とか、照明器具とか、何でも避けられる専門家だもんな。
さて、問題はここだ。悪気はないんだよ。でも、シークレットサービスは何やってたの?少なくとも2つめの靴が飛んできた時には正面に飛んでこなきゃいけないでしょ?まあ、これでブッシュも任期が終わりだって悟っただろうね。シークレットサービス曰く“だって今は次期大統領を警護してるんだもん”。
さて、俺のお気に入りはこれ。CNN放送はイラク文化の専門家を引っ張り出した。専門家が言うには“何が起きたのか説明しましょう。アラブ社会では、誰かに向かって靴を投げるのは侮辱を意味するのです。”えっそうなの?アメリカと正反対だね。ここじゃ最大の賛辞になるもんね。
まあ、面白いことに、靴を投げつけた当の記者はすぐ逮捕されて、それからMSNBC放送への出演オファーを受けたってさ。」
- デビッド・レターマン:
- 「・・・ブッシュを褒めなきゃね。なにしろ、ものすごく素早い動きだっだからな。実に見事な対応だったよ。他の時も同じくらい素早く対応できてればねえ。ビン・ラディンとか、ハリケーン・カトリーナとか、ビン・ラディンとか住宅ローン危機とか、ビン・ラディンとかアフガニスタンとか、ビン・ラディンとかリーマン・ブラザーズとか・・。まあ、記者会見でさよならするためにあそこに行ったら、記者に靴を投げられたってわけだ。でもブッシュは見事だった。ブッシュがあんなにうまく逃げられたのはベトナム戦争以来じゃないかな?」
