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2009/06/21

オバマ政権支持率が58%に低下

『(テロ警戒)システムは赤く点滅していた。』

source: ジョージ・テネット前CIA長官の言葉(9/11テロ公式調査報告書第8章タイトル)

米ギャラップ社が6月16日から19日にかけて実施した米世論調査によれば、オバマ政権の支持率は58%になり、同政権発足以来最低となった。

ホワイトハウス入りした当初から、オバマ政権は70%前後の高い支持率を維持してきた。一方、前任者ブッシュ大統領の就任当初の支持率は50%から60%の間で推移していた。しかし現在では、オバマ政権の支持率と、ブッシュ前政権の同時期の支持率はほぼ同じ程度である。

オバマ政権支持率急落の要因としては、共和党支持者及び無党派層からの支持が低下していることが指摘されている。民主党支持層では、オバマ政権支持率は依然として80%以上で推移している。

ギャラップ社の分析によれば、共和党支持層からの支持率が急落した原因として、イランの選挙騒動へのオバマ大統領の対応が挙げられている。これら世論を意識したのか、土曜日(20日)になってバラク・オバマは、マーチン・ルーサー・キング牧師の言葉を引用しながらイラン政府批判の声を一層強めている

だが、果たしてキング牧師は、オバマのアフガン増派とパキスタン空爆を支持しただろうか?


偽りの変革

『CHANGE(変革)』に代表されるような、支持者を酔わせる巧みな弁舌と、バラエティ番組を中心としたメディアへの積極アピールで好感度を演出してきたオバマ大統領だが、上下院を制する民主党同様に、政策の右傾化と公約破りが明らかになるにつれ、支持率はブッシュ政権同様に低迷し、再選は難しくなっていくだろう。

ホワイトハウス入りしてすぐに「アメリカは拷問をしない」と主張したオバマは、実際にはグアンタナモ刑務所閉鎖どころか、同じように拷問が行われている海外の秘密収容所(バグラム基地等)も依然として維持している。しかもオバマはブッシュ同様に、容疑ナシ、裁判ナシで“テロ容疑者”の恒久的拘束を支持している

ブッシュが開始した米国内での令状なし盗聴はオバマ政権下でも継続され、テロ対策と無関係の不法監視活動は拡大している

今月18日には、オバマが要求したイラク・アフガニスタン戦費799億ドル(約7兆7,347億円)を含む予算案が米上院で承認された。米国防総省の見積では、2010年までにアフガニスタン戦費がイラク戦費を超えるとみられている。イラクの米軍駐留はローテーションしつつ永続され、ベトナム戦争時のような完全撤退はなくなった。アフガニスタンも「オバマのベトナム」化が避けられそうもない情勢だ。

オバマの掲げる医療制度改革は、ブッシュ政権同様に保険業界ロビイストの主導で進行しており、期待されていた医療費単一支払制度(シングルペイヤー)の導入は最初から除外されている。オバマ本人の説明によれば、「(米国の医療制度が)ゼロから作り直せるのなら単一支払制度の検討もおおいにありえたでしょうが、国内経済の6分の1を占める医療市場を突然再発明するような、大きな混乱が生じることをやるわけにはいかないんです」。

シングルペイヤー制度を支持する専門家の1人、シカゴ在住のデビッド・シャイナー医師は、フォーブス誌の取材に対して、米国民が直面する医療問題をオバマ大統領が本当に理解しているのかどうか疑わしいと語っている。シャイナー医師は、1987年から22年間、バラク・オバマの主治医を務めてきた人物である。


テレビは好きだが情報公開は嫌い?

「行政府の透明性」を宣言したオバマだが、実際にはこの件でも公約を撤回し、ブッシュと足並みを揃えようとしている。アブグレイブ刑務所囚人虐待事件の追加証拠写真については、公開決定しながら結局は公開を拒否し、さらにホワイトハウス訪問客リストの公開も拒否したのだ。

世界各国の米大使の人選では、ブッシュ大統領は外交官としての適正よりも大統領選への献金額を重視して使命してきた。オバマもまた、同じことをやっている

熱狂から醒めて、支持者やメディアとの蜜月時代も終わりに近づいている。大統領選に勝利した後で、閣僚人事が明らかになるにつれ、オバマ政権は「クリントン政権の3期目」になるとみられていた。しかし今やオバマ政権は、クリントンよりもむしろ「ブッシュ政権3期目」と言われ始めている。実際、マクラッチー紙が指摘するように、特に外交政策や大統領特権に関わる分野では、ブッシュとオバマはまるで同じである。

就任当初から支持率が低迷していたジョージ・W・ブッシュは、9/11テロ事件直後に大統領支持率を90%近くにまで押し上げた「愛国的熱狂」を味方につけて、ついに父親が果たせなかったブッシュ家の夢である再選を実現した。果たしてバラク・オバマは、再選のために新たな「変革」を打ち出すだろうか?あるいは前任者のマネをとことん追求するつもりだろうか?全ては、この夏が終わる頃に明らかになるだろう。


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