「テロとの戦い」5年間で米兵2,974人死亡、9/11テロ犠牲者数を上回る
9/11米同時多発テロ事件から5年目を迎えるアメリカ合衆国では、テロ事件以来継続する「テロとの戦い」で死亡した米軍兵士の人数が2006年9月3日で2,974人となり、9/11テロで死亡した犠牲者数(2,973人)を超えてしまった。(source:米CNN2006年9月3日付報道)
米軍の死者数2,974人の内、329人がアフガニスタンを中心とした『限りなき自由作戦(Operation Enduring Freedom)』で死亡し、2,645人がイラクの『イラク解放作戦(Operation Iraqi Freedom)』で死亡している。(イラクでの死者数には6人の傭兵も含まれている。)
『限りなき自由作戦』では893人の米軍兵士が戦傷を負い、552人が軍務を退任している。
イラクで死亡した米軍兵2,645人の内、2,104人が戦闘中に死亡し、541人は事故、病気、自殺他の原因で死亡している。また、イラクで負傷した米兵数は1万9,773人で、8,991人が軍務を退任している。
『イラク解放作戦』では、身体的戦傷以外に、兵士の精神障害も深刻化している。2005年12月までに、「戦闘とは直接関係ない事由により」イラクとアフガニスタンから戦線離脱した米軍兵士数は2万5,289人。米退役軍人局の統計によれば、イラク・アフガニスタンから帰還した米軍兵士の内、2005年の時点で37,000人ほどが精神障害の治療を受けており、その内1万6,000人は心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断されている。(source:サロン誌2005年12月10日付記事)
なお、『限りなき自由作戦』と『イラク解放作戦』に巻き込まれ犠牲となった一般市民の正確な数は、現在でも明らかになっていない。米軍は市民犠牲者数の調査を内部的に行っているとみられるが、正確な数値は公開されていない。