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ブッシュファミリーの秘密

2008/12/23

2004年度大統領選挙における電子投票システム不正への関与が疑われた重要証人が事故死

マイケル・コネル氏

事故死した共和党系選挙ITコンサルタントのマイケル・コネル氏(享年45)。


ジョージ・ブッシュ大統領再選キャンペーンと、ジョン・マケインの2008年度大統領選挙キャンペーンでITコンサルタントを務め、“ブッシュの頭脳”カール・ローブのIT教祖と讃えられたコンピューター技術者マイケル・コネル氏が、19日に飛行機事故で死亡したと地元メディアが伝えている。

オハイオ州のアクロン・ビーコン紙によると、12月19日午後6時頃、コネル氏自ら操縦する自家用飛行機が、オハイオ州アクロン・カントン空港に隣接する住宅に墜落・炎上し、コネル氏本人の死亡が確認されたとのこと。事故原因は目下調査中とされる中、関係者からは謀殺の声も上がっている。デモクラシー・ナウもこの件で特集を放送している

マイケル・コネル氏は、2004年度大統領選挙で、大混乱となったオハイオ州の電子投票機を巡り、民主党ケリー候補への投票をブッシュ側へ変換する細工を行ったとの疑いをもたれ、2008年に地元市民団体から訴えられていた。今年10月には同裁判で証人として出廷し、選挙不正の嫌疑を否定したばかり。訴訟を提起したクリフォード・アーンベック弁護士は、重要証人であるコネル氏の身辺に危惧を感じ、今年7月に司法省に証人保護申請をしていた。

地元テレビ局の報道によれば、亡くなったマイケル・コネル氏は、最近では親しい友人たちから、破壊工作の恐れがあるので飛行機の操縦を控えるよう忠告されており、過去2ヶ月間で2度、航空機の不具合で飛行をキャンセルしていたという。2004年度大統領選挙時の不正問題を追及してきた関係者たちは、コネル氏の件に謀殺の疑いもあるとして、当局による事故原因調査の展開を注視している。

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2008/06/12

マクレラン元大統領報道官が語るブッシュ政権の犯罪

2004年3月22日、クリントン政権及び現ブッシュ政権でテロ対策大統領特別補佐官を務めたリチャード・クラークが、後に話題となる暴露本『Against All Enemies(邦訳:爆弾証言 すべての敵に向かって)』を発表した。クラークは同書で「同時多発テロの直前まで、ブッシュ政権はテロ対策に全く無関心だった」と書き、ブッシュ大統領と閣僚たちを猛烈に批判し、一方でテロ対策の責務を果たせなかったと国民に謝罪した

リチャード・クラークの大統領批判に真っ先に対応する羽目になったのが、当時のホワイトハウス報道官スコット・マクレランである。クラークの書籍が発売されたその日、彼はホワイトハウス定例記者会見で、リチャード・クラークを批判してこう言い放った:

「なぜ、まったく唐突にこんなことを?重大な懸念があったのなら、もっと早い時期から問題提起すべきだったのでは?政権を去って1年半が過ぎ、突然、このような重大な懸念を彼(クラーク)は持ち出しているんです。さて、ここで記者の皆さんに事実をちょっと鑑みてもらいたいのですが、彼は大統領選挙の真っ最中にこの件を持ち出しているということです。彼は本を書いたので、世に出て本の宣伝をしたいのですよ。」


What Happened: Inside the Bush White House and Washington's Culture of Deception

スコット・マクレラン元大統領報道官の回顧録:What Happened: Inside the Bush White House and Washington's Culture of Deception

ところが、それから4年以上経過した2008年6月、“元”報道官スコット・マクレランは、リチャード・クラークと同じように暴露本を発表し、同じようにブッシュ政権批判を開始したのである。しかも、書籍発表直後から、連日テレビに登場し、喋るたびに「本に書いてあるとおり・・・」と、まさしくあからさまに書籍の宣伝に努めているのだ。

そして再び皆が言う:重大な問題を知っていたのなら、なぜもっと早く告発しなかった?

政界の元同僚からは裏切り者呼ばわりされ、マスコミからは「新しいことは何も書いてない」と嘲笑され(内容の一部は昨年暮れに報道済み、国民からは「ブッシュのプロパガンダに加担した張本人」と一層批判されることになった“テディベア”スコティ(愛称)。それなのに、インタビューに応えるマクレラン元報道官は、なぜか時折清々しい表情を見せる。さらに皮肉なことに、現役時代よりも今のほうが、弁舌が冴えているようだ。フォックスニュースの名物右翼タレント、ビル・オライリーの攻撃にも、一歩も退くことなく、むしろ少々愉快そうに反論し、ブッシュ大統領を必死に擁護するオライリーをおおいに苛立たせた

今年2月で40歳になったばかりのスコット・マクレラン。彼に一体何が起きたのか?

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2005/04/24

新ローマ法王とブッシュ家の意外な接点

Newsday2005/04/21付け記事によれば、1999年にスイスで設立された「異教間・異文化における研究と対話基金(The Foundation for Interreligious and Intercultural Research and Dialogue )」創立メンバーに、ブッシュ大統領の実弟ニール・ブッシュと新ローマ法王(当時はラツィンガー枢機卿)ベネディクト16世が名を連ねていたということだ。兄と違い宗教活動に無関心といわれるニール・ブッシュがなぜこのような海外の宗教基金に加わったのかについて、同基金側は説明を避けている。

ところで、どういうわけか、ベネディクト16世とブッシュ家の間には、以下のような面白い相似点がある。

ナチスとの関係:
新ローマ法王ベネディクト16世は、第二次大戦中に悪名高きヒットラー青年隊に入隊していた。一方でブッシュ大統領の祖父プレスコット・ブッシュは、第二次大戦中にナチスの資金を運用し、現在まで続くブッシュ家の莫大な資産の礎を築いている。
性的虐待事件との関係:
カソリック神父による児童への性的虐待事件が世界中で報道され始めてから、バチカンは世界中のカソリック司教に向けて事態の隠蔽を指示したが、その隠蔽工作で主要な役割を果たしたのが当時のラツィンガー枢機卿だった。1989年、ホワイトハウス周辺で児童買春ネットワーク疑惑が発覚した際、現大統領の父ジョージ・H・W・ブッシュ大統領もまた疑惑の渦中に居た

過去の相似性だけでなく、ブッシュ家とベネディクト16世は、2004年において素晴らしい連携も見せている。

2004年のアメリカ大統領選挙の際、新ローマ法王(当時はラツィンガー枢機卿)は、アメリカ国内カソリック教徒に対して「妊娠中絶権支持派(暗にケリー候補を指す)には投票すべきでない」と呼びかけた。その結果、大量のカソリック票がブッシュ陣営に流れ込むことになった。

1999年、共に同じ宗教基金創立者として名を連ねて以来、ニール・ブッシュと新ローマ法王が個人的な関係を築いていたかどうかは不明である。事実はこれだけ:2004年にブッシュ支持をした人物は、翌年にローマ法王になった。

2005/02/24

ブッシュ大統領の叔父もイラク戦争で大儲け

Los Angeles Times紙2005/02/23付けのスクープ記事を以下に全文翻訳掲載。(記事中写真とコメントは訳者による追加)

日本の大手メディアにとって、イラクの選挙に関するニュースは、素材の調達が容易なせいもあって(日米政府機関に“記事を書かせて!”とお願いすれば、映像もテキストも用意してくれる!)、イラク戦争の内実に関する情報よりも、はるかに多く報道されている。高い投票率の真偽にしても、“イラクのエライ人達が発表してるじゃないか”というわけだ。

一方で、虐殺された大勢のイラク市民戦死した兵隊達その家族新たに召集された老兵達ホームレスになった帰還兵達、そして収監されたり脅威に直面しても主張しつづける多くの米国市民に関するニュースは、国内の報道業界では極めて不人気らしく、新聞やテレビで目にすることはほとんどない。

そうした状況にあって、以下のような、ブッシュ家が戦争でいくら儲けたかに関するニュースは、どのような扱いを受けるだろうか?

イラクで活動する企業がブッシュ叔父を潤す(Company's Work in Iraq Profited Bush's Uncle)


ウィリアム・H・T・ブッシュ、国防総省取引企業ESSI社の株で45万ドルを稼ぐ

by ウォルター・F・ロシュ・ジュニア記者:Los Angeles Times紙2005/02/23付け記事

ワシントン:イラク戦争により、セントルイスに本拠を構える国防総省取引企業エンジニアード・サポート・システム社(ESSI)は記録的な売り上げを達成しているが、同社の財務データからは、よく知られた家族の名が、戦争による利益に浸されていくのが見て取れる。それはブッシュ家のことである。

先月、ブッシュ大統領の叔父で、ジョージ・H・W・ブッシュ前大統領の末弟であるウィリアム・H・T・“バッキー”ブッシュは、保有しているESSI社のストック・オプションを行使し、50万ドル近い利益を得た。

ブッシュ大統領にとって“バッキー叔父さん”として知られるこの人物は、米軍に装甲その他を供給するESSI社の役員である。イラク侵攻前に、同社の株価は記録的な上昇を遂げたが、中でも米軍車両の追加装甲を迅速に提供するという契約により、多大な利益を挙げている。

William Bush

ブッシュ選挙キャンペーンで演説するウィリアム・ブッシュ。ブッシュ政権誕生直前にESSIの役員に就任・・・甥の大統領当選を事前に知っていた??

米国証券取引委員会の報告によれば、ウィリアム・ブッシュが同社の8,438株を現金化したのは今年1月18日のことである。インタビューの際、同氏はこの取引でおよそ45万ドルを入手したという。

火曜日に行われた売り上げ報告の中で、ESSI社は1月31日までの第一四半期の純利益が2,060万ドルに到達し、同期の収入額が前年比20%高の2億3,350万ドルであることを公表した。最終的に、同社の予測する年間収入は9億9000万ドルから10億ドルの間であるという。

66歳のウィリアム・ブッシュは、かつてセントルイス銀行の役員や投資会社の経営をしていたが、甥がホワイトハウスに招かれる8ヶ月前の2000年に、ESSI社役員に就任している。

大統領の叔父は、インタビューの中で、自分の会社が政府との契約を得るために家族のコネをつかったことはないと語っている。

「地域コード202に電話をしたことはないよ」ワシントンへの長距離電話に言及しながら、同氏は説明している。

また、同氏は、ESSI社役員に加わることの法的問題の有無について、弁護士からアドバイスを得ていたことも明かしている。

ESSI社の労務管理副社長ダン・クルアーの話では、ウィリアム・ブッシュは5年前に役員に加わった多くの人々の1人にすぎないとし、彼が就任した理由について「地域ビジネスコミュニティに昔から関わっており、旧知の仲」としている。

「ブッシュ氏を迎えることに害はない」クルアーはそう言い、同社がワシントンへのロビー活動を定期的に行っていると説明した。クルアー氏は、民主党員や民主党資金提供者も役員に就任していると話している。

「誰に話すべきか知っている人物を役員に迎えることに害はない」クルアー氏はそう言いながら、大統領の叔父が同社の政府取引に何らかの役割を果たしたことはないと答えた。

ESSI社が国防総省と交わした契約のいくつかは、競争なしの単独入札契約であり、米軍トレイラー改修費用契約4,880万ドル分もこれに含まれている。

同社のイラク関連業務契約には、昨年早々にメリーランドにある子会社との間で交わされたCPA(連合軍暫定当局)向け通信サポート業務契約1,800万ドル分も含まれる。

2003年3月、1,900万ドル相当の生物化学兵器防護シェルター購入を米陸軍が発表した際、当時のESSI社CEOのマイケル・シャナハンは声明を出している:「イラク政府との対立により、米軍兵士が直面する生物化学兵器による攻撃の脅威は極めて現実的なものになっている」

同社の他の契約も疑惑の対象となっている。

先週、国防総省高官は、2002年にESSI社と交わした1億5800万ドルに及ぶ累積契約が、ペンタゴン査察官の調査対象になっている事実を明かしている。同契約は、他の政府取引企業であるボーイング社への不正利益供与により有罪が宣告された前国防総省担当官の指揮の下で交わされている。

ペンタゴンの臨時次官マイケル・ワインは、同契約について「異常な部分が見られる」と話している。ワインと彼の側近はその異常さについて詳細な説明を避けている。他にも監査対象となっている契約には、アクセンチュア社(元アンダーセンコンサルティング)や、ボーイング、ロッキードマーティン社との取引が挙がっている。

火曜日の証券アナリストとのブリーフィングの際、ESSI社社長のジェラルド・A・ポソフ氏は調査の重大性を一蹴し、、同社の契約が監査されているのは単に単独入札契約だからと声明を出した。

ポソフ社長は、国防総省による調査が同社に影響を与えないとの自信を示し、調査はESSI社ではなく政府高官の行為を焦点としていると話した。

「調査には全面協力します」社長は言った。

ペンタゴン査察官によって調査対象となったESSI社の契約は、米空軍のタナーという機材に関連する取引の中で交わされた。

前空将補の名にちなんだタナーは、空軍では大型輸送機の迅速な貨物の荷積みに広く使われている。タナーを使うと、一度に6万ポンド分の荷積みが可能になる。

タナーがESSI社の価値ある主力製品であることは、2002年度の同社米軍重機部門の売り上げの大半が同製品で賄われている事実(3,510万ドル、20%強)により明白である。

監査事実が明らかになる直前、空軍はタナーの購入によりESSI社と新たに900万ドルの契約を交わしたと発表している。

Tunner

積荷作業につかわれるESSI社の機材「タナー( Tunner)」

同社は事業を称して「最新技術、洗練された軍用電装品、装備、輸送サービスを米国軍部と外国軍部に多角的に供給する」としている。

同社幹部は戦争により経済的に多大な利益を得ることを認めている。

一年前に行われた四半期売り上げ報告では、当時の副会長兼最高経営責任者のジェラルド・L・ダニエルズはこう言っている:「南西アジアにおける米軍の長期駐留が2006年まで延長される公算が高まっているので、わが社が提供する製品とサポートが必要とされる環境はより充実する」

現在の紛争地で見受けられる他のESSI社製品には、 レーダーとその検知サービス、戦場医療設備、戦場発電装置などがある。

同社の記録的な成長は、積極的な買収策も貢献している。ウィリアム・ブッシュの経営するブッシュ-オドネル社(Bush-O'Donnell)は、ESSI社が3年前に軍契約企業を買収した際に、コンサルティング料として12万5000ドルを受け取った。

3500人の従業員を抱え、イラクにいくつかの出張所を持ち、北米での事業はノバスコシア州(カナダ)からフロリダに及ぶ。ごく最近、同社はバージニアを拠点にした米軍契約企業スペースリンク・インターナショナルLLC社の買収を発表している。

米証券取引委員会の記録によれば、ESSI社はサウジアラビアや中国の軍部とも取引を行っている。

同社が米軍と交わす契約のいくつかは競争入札によるものだが、そうでないものもある。そうした契約の多くは、「無期限、無制限」契約であり、契約の中身は省庁の必要量に依存する。

同社の単独入札主義は、今年始めに電装試験技術企業のプロスペクティブ・コンピューター・アナリスツ社を3,760万ドルで買収した件により歴然としている。ESSI社幹部は、ニューヨーク州ガーデンシティの同社が、「多くの単独入札契約を手にしている」と特記した。

ウィリアム・ブッシュは2000年度に役員に就任したが、それは彼の甥がホワイトハウス入りする8ヶ月前のことであった。

火曜日に行われたインタビューの際、ブッシュ氏は株を現金化した理由について、有効期間が満期になるからと説明した。

「締め切りは迫っていた。フロリダの住宅購入にまわしたよ」ウィリアム・ブッシュは話した。ストックオプションの行使については、あらかじめ同社社長に話したという。

イラクとアフガニスタンでの米軍駐留により、会社が大きな利益を得ている事実をどう思うかについて、ブッシュ大統領の叔父は言う。「イラクに仕事がないことを望む。残念ながら、我々は問題を抱えた世界を生きているんだ」

ブッシュ氏はESSI社を素晴らしい企業と呼び、ストック・オプション行使について、同社の売り上げに不満を表明するものとは「全く違う」と説明した。

「誇りを持ってるよ。連中はいい仕事をしてる」ウィリアム・ブッシュは話した。

米証券取引委員会の記録によれば、セントルイスの企業重役であるブッシュ氏はまだ同社の株を45,000株ほど所有している。同氏の話では、現金化したオプションは同社役員になった際の分だという。

ブッシュ氏は、同社監査委員にも名をつらねるが、役員としての報酬は年間4万ドル以下であり、来週開催される年次定例株主総会の出席を含め、役員業務と委員会業務もそれに含まれているという。彼も含めて役員全員が、追加のストックオプション権を手にすることになる。

ブッシュ氏がストックオプションを行使したのは、イラクに駐留する部隊で使われる車両の再装甲と装備修繕に関する総計7,700万ドルに及ぶ追加取引契約を同社が発表した直後であった。同社はイラク現地に35人の社員を配し、装備配給にあたらせている。

同社はイラクでの設備修復作業について、2億ドルを超える収入を見込んでいる。

米軍車両の再装甲と修復契約のニュースは、ESSI社の株価を一気に押し上げ、今年はじめには一株あたり60.39ドルの最高額を記録した。火曜日の時点で、同社の株価は54.34ドルで取引を終えている。

火曜日に行われた証券アナリストとの会議で、ESSI社のポソフ社長は楽観的な見方を示し、ブッシュ政権が先週提示した820億ドルもの追加国防予算により、イラク他で活躍する同社にとってさらに多くの機会を得るとしている。

「個人的には、わが社の展望についてこれほどの幸福を感じたことはないだろう」ポソフ社長は証券アナリストに漏らした。

2004/12/19

CIAとコカイン密売の関係を暴露したジャーナリストが「自殺」

「いいか、ジョージ。私は捕虜達を捜し続けるが、米国政府が世界中に麻薬を流通させて、違法な武器取引をしているという件をなんとしても暴いてやるぞ。私が捕虜達を助けられないとしたら、わが国の工作員達が堕落しているおかげだ」

("Well George, I go in looking for prisoners, but I spend my time discovering the government has been moving drugs around the world ands is involved in illegal arms deals. I can't get at our prisoners because of the corruption of our own covert people.")

----1987年、当時副大統領のジョージ・H・W・ブッシュが、テキサスの大富豪ロス・ペロー氏に、ベトナム戦争捕虜の調査の進行具合を尋ねた際、ロス・ペロー氏が怒って父ブッシュに言い放った言葉(ペロー氏は私費を投じてベトナム戦争捕虜の救出活動をした異色の大統領候補)


2004年12月10日、ジャーナリストのゲイリー・ウェッブ氏が、カリフォルニア州サクラメント郡の自宅で、頭を銃で撃ちぬかれた死体として発見された。サクラメント警察検視官はウェッブ氏の死亡について、拳銃自殺であると断定している。

事件を最初に警察に通報した引越し業者の証言では、ウェッブ氏の自宅玄関ドアには「どうか中に入らないでください。911へ連絡して救急車を呼んでください」と書かれたメモが貼り付けられていたという

ゲイリー・ウェッブ氏(享年49)をジャーナリストとして最も有名にしたのは、『80年代の米国で、ニカラグアの反政府組織コントラが資金調達のため米国内のドラッグ密売ルートを開拓し、CIAはそうしたコントラの犯罪活動(コカイン密売)を極秘裏に支援していた結果、コカインが米国で大流行することになった』という一連の調査報道であった。この衝撃的なレポートは1996年にサンノゼ・マーキュリーニュース紙上で連載され、米国内は騒然となった。

しかし、NYタイムズ、LAタイムズ、ワシントンポスト他アメリカの大手メディアはウェッブ氏の調査報道を「信頼性に欠ける」として一斉攻撃し、米政府もCIAに対する疑惑を否定した。ついには記事を掲載したサンノゼ・マーキュリーニュース紙自らウェッブ氏の報道の信頼性を否定し、ウェッブ氏を追い出しにかかった。

政府・同業者・同僚からの攻撃に逃げ場を失ったゲイリー・ウェッブ氏は調査を中止してサンノゼ紙を辞職、その後主要メディア上での活躍の場を失った。(後にウェッブ氏は一連の調査を書籍「Dark Alliance: The CIA, the Contras and the Crack Cocaine Explosion(影の同盟:CIA、コントラとクラック・コカイン大流行)にまとめあげた。)

ところが、1998年3月に行われた下院情報調査委員会で、CIA監査官フレッド・P・ヒッツ氏は、米国内でドラッグ密売に関わっているコントラメンバーとCIA工作員の関係を証言し、議員達は仰天することになる。さらに委員会で問題となったのは、1982年から1995年の間、CIAと司法省の間で、「お互いの不正を調査しない」密約が交わされていたという事実であった。FBI、CIA他政府機関は、コントラによるアメリカ国内ドラッグ密売ビジネスを黙認していたわけである。(密約の背景には、1981年の大統領令第12333(レーガン大統領発布):ニカラグア・サンディニエスタ政権転覆を目的としたCIA工作活動の承認があった)

つまり、ゲイリー・ウェッブ氏の調査報道は真相に迫っていたのである

80年代、レーガン政権は「ドラッグとの戦争」を宣言し、ドラッグ密売ルート撲滅運動を推進していた。しかし実際には、アメリカ国内の薬物汚染拡大の一端を、米国政府自身が担っていたというわけだ。そのレーガン政権のドラッグ撲滅運動の責任者を務めたのは、当時の副大統領ジョージ・H・W・ブッシュであった。

レーガンの選挙キャンペーン責任者として、イラン・コントラ事件の発端となる「オクトーバー・サプライズ」を仕掛けた元CIA長官であるブッシュ父は、CIA・コントラ組織のドラッグ密売ルートを承知していた事実も判明している。ブッシュ父が率いた「麻薬対策チーム」は、極端な表現をすれば、政府に承認されていない(ライバルの)ドラッグ密売ルートを撲滅することで、CIA-コントラのコカイン販売網を拡大していたことになる。

米政府の暗部を見事に暴いたゲイリー・ウェッブ氏は、図らずもブッシュ家の芝生を踏んでいたのだ。

サクラメント検視局のロバート・ライアン氏の発表によれば、ゲイリー・ウェッブ氏は顔面に2発の銃弾を浴びて自殺していたとのことである。自分の顔面を2回撃った?---ライアン氏は「2発の銃弾で自殺するのは異例なことだが、過去にも起きているし、実際充分起こりうるものだ」と説明している

そのとおり。全ては過去に前例がある。以下に、ブッシュ家の過去を探っている途中で自殺したジャーナリストの事例を挙げておこう。

  • 1991年8月10日:BCCIスキャンダル、オクトーバー・サプライズ等(どちらもブッシュ父関連事件)、INSLAW社疑惑(クリントン)の調査報道で知られるジャーナリストのダニー・カサラロ氏(Danny Casalaro)が、バージニア州マーティンズバーグのシェラトンホテルの浴槽で、死体として発見された。手首が10回ほど切られていることから、警察当局は自殺と断定。カサラロ氏はブッシュ父にまつわる最新暴露本「The Octopus」を執筆中であったが、自殺時に所有していたはずの調査資料、原稿は全て紛失していた
  • 2000年3月22日:ニューヨーク・ブルックリン在住のアーティスト、マーク・ロンバルディ氏(Mark Lombardi)が、自宅ロフトで首つり死体として発見されたロンバルディ氏(享年48)はブッシュ家とビン・ラディン家、サウジ王家、BCCI他の関わる複雑な資金ルートを詳細に調査し、グラフィックアート作品として発表、展覧会を開催して物議を醸した異色のアーティストであった。(作品は書籍「Mark Lombardi: Global Networks」として販売されている)
  • 2001年7月18日:アーカンソー州スプリングデール郡のホテルの一室で、ジャーナリストのJ.H. ハットフィールド氏(J.H. Hatfield)が死体として発見された。警察当局の検死により、2種類の薬物過剰投与による自殺と断定された。ハットフィールド氏(享年43)は当時大統領候補として注目を集めていたジョージ・W・ブッシュの経歴を綿密に調査し、1972年にブッシュがコカイン使用で逮捕されていた事実をつきとめ、1999年に「Fortunate Son: George W. Bush and the Making of an American President」(初版1999年刊行)(邦訳は「幸運なる二世ジョージ・ブッシュの真実」(青山出版社/2001年4月刊行、現在絶版)として刊行、ベストセラーとなるが、すぐにブッシュ本人の圧力により出版社が同書を回収し大騒動となった。(ブッシュは自らのコカイン使用疑惑について、結局今日まで事実を明確に否定できないまま、ひたすら疑惑への言及を避けており、「Fortunate Son」も出版元を変えて再刊されることになった)死亡直前、ハットフィールド氏はブッシュ家とビン・ラディン家のお金の流れを詳細にわたり調査中であったと見られている。(遺稿となった2001年7月3日の記事もそれを示している)

以上の事例を鑑みると、ゲイリー・ウェッブ氏の自殺は、“充分起こりうるものであった”と理解できる。

2004/08/30

元テキサス州副知事の懺悔:「航空隊にジョージ・ブッシュを裏口入隊させたのは私だ」

アメリカ国民にとっては幸いなことであるが、ブッシュ家にとって、元テキサス州副知事ベン・バーンズは最悪の裏切り者となった。

ブッシュ脱走兵騒動が再燃している今年、バーンズ氏はジョン・ケリー支持運動に加わり、自身の過去の悪事についてスピーチし、謝罪している。謝罪シーンを収めたビデオ

1968年にジョージ・W・ブッシュがベトナム逃れのためにテキサス州兵航空隊への裏口入隊をした際、実際に航空隊幹部に口利きをした人物こそ、ベン・バーンズである。テキサス州副知事で民主党員でもあるバーンズ氏に、地元石油企業有力者を通じて口利きを依頼したのは当時テキサス州下院議員(共和党)だったブッシュ父であった。

それから30年後、テキサス州知事となったジョージ・W・ブッシュは、テキサス州の巨大な宝くじ市場を、懸賞企業Gテック社に一任した。Gテック社のロビイストを務めていたベン・バーンズは、この契約の成果として2,300万ドルを手にする。ブッシュ家への長年の奉仕(とりわけベトナム時代の)に対する、ジョージからバーンズへの感謝の印というわけだ。(source:グレッグ・パラスト「金で買えるアメリカ民主主義」)

おそらく今頃は、ブッシュ家の管理する「偶然死」リストの最上段が、マイケル・ムーアからベン・バーンズに書き換えられていることだろう。

(ブッシュ家の周辺で起こる偶然死に関するもうひとつの偶然:先日ブッシュ大統領によってCIA長官に任命されたポーター・ゴス議員(フロリダ・共和党)は、ブッシュ同様イエール大学出身者で、同大学のもうひとつの秘密結社「Book & Snake」の会員であり、60年代のCIA暗殺専任チーム「Operation Forty」出身者という疑惑がある)

2004/08/12

ジョージ・W・ブッシュとスポーツマンシップ

This Modern World by Tom Tomorrow2004/08/10付記事より。

イエール大学の1969年版卒業アルバム内で発見された、ジョージ・W・ブッシュのスポーツマンシップ(の欠如)。

1969年のジョージ・ブッシュ

当時の写真説明:「ジョージ・ブッシュ、ルール違反だが満足げな右フックをボールを持った相手に振舞う

ところでこの件には別の謎がある。ジョージ・W・ブッシュがイエールを卒業した年は公式には1968年なのだ。


2004/08/09

サウジ王家からローラ・ブッシュに1千万円を超える宝石の贈り物

Knight-Ridder紙2004/08/05付記事より。(Common Dreams 転載)以下に記事を要約。



サウジアラビア王家のアブダラ王子が、ブッシュ家族に多額の贈り物をしていることが判明した。

2003年度に、アブダラ王子からブッシュ家族に贈られたプレゼント(宝石その他)の総額は12万7,600ドル(約1,409万9,800円)。この中には、ファーストレディのローラ・ブッシュ宛てに贈られた、ダイヤとサファイアをちりばめた宝石セット(時価95.500ドル/1,055万2,750円)が含まれている。

合衆国の連邦法では、海外政府から連邦政府職員に贈られるプレゼントは全て報告が義務付けられており、大統領、副大統領とその家族は、285ドルを超えるプレゼントに関しては所有を禁止されている。(連邦の所有とされる)

記録によれば、上記のほかにもアブダラ王子は、ダイヤモンドと白金をあしらったイタリア・ブルガリ製の宝石を2セットと、「金銀メッキが大胆にあしらわれた」8,500ドルの置時計を、ブッシュ家に贈っているという。

また、アブダラ王子は、ブッシュ政権の重鎮アンドリュー・カード主席補佐官とライス補佐官にそれぞれ1,500ドル相当の装飾付き短剣、パウエル国務長官にも1,500ドル相当の銀製ミニ短剣、ラムズフェルド国防長官には700ドル相当の小さな金の馬の置物を贈っている。

単品として2番目に高額なプレゼントは、ロシアのプーチン大統領からブッシュ大統領に宛てたもので、赤いベルベットと宝石をちりばめた表紙の、水彩で描かれた43人の合衆国大統領の肖像画本で、45,000ドル相当とのこと。(過去の大統領を思い出せというわけだ。プーチンらしい皮肉に満ちた贈り物である)

ペン、時計、祝いの衣装から絵画まで、各国要人からブッシュ大統領へ贈られたプレゼントは大小様々であり、小さな美術館ができそうな勢いであるという。アフガニスタンのカルザイ大統領からはアフガン風ラグ(4,500ドル相当)、アルゼンチン共和国のネストル・カルロス・キルチネル大統領からは300パウンド(約135キログラム)のラム肉(1,500ドル相当)、フランスのシラク大統領からは、クリスチャン・ディオール製のコロン、アフターシェイブローション、石鹸のセット(133ドル相当)を含め、総額1,900ドル分のプレゼントがブッシュ大統領宛てに贈られている。

1972年には、戦略兵器制限交渉記念として、ニクソン大統領が旧ソ連のブレジネフ書記長に、キャディラック・エルドラドを、1996年には、クリントン大統領がフランスのシラク大統領にテレプロンプター(スピーチを表示する装置)を贈っている。クリントン大統領は、辞任の際にホワイトハウスに19万ドル分のプレゼントを保管していることが発覚し批判を浴びた。最終的にクリントンは8万6,000ドル分の贈り物を自費で買い取った。

2004/07/06

FOXニュースライブ:スカル・アンド・ボーンズ

フォックスニュースライブ2004/06/19放送より。(公式サイトにアーカイブなし)

秘密結社スカル・アンド・ボーンズ研究の最新本「Fleshing Out Skull & Bones」の編者、クリス・ミリガン氏が登場して、結社について解説している。面白いので以下にそのインタビュー内容を翻訳して掲載。(ぜひビデオもご覧あれ)インタビューが打ち切られるタイミングが素晴らしい。

ペイジ・ホプキンス(番組ホスト):
「さて、スカル・アンド・ボーンズとは単なるエリートのための友愛会なのでしょうか、あるいはもっと他の目的があるのでしょうか?もうすぐペーパーバック版でも刊行される著作「Fleshing Out Skull & Bones」において、編集者のクリス・ミリガンがこのアメリカの最強の秘密結社について調査しています。今、ミリガン氏がオレゴン州ポートランドから番組に参加してくださっています。クリス、こんにちは。・・・ブッシュ大統領とジョン・ケリーの両者ともに(結社の)会員で、同じ夜に入会したそうですが、この結社はどのように発足したのでしょうか?彼等の二人ともに結社について話そうとしないことに驚きましたか?」

クリス・ミリガン:
「あー、そうですな。結社について話していけないとはよく言われていることです。結社のかつてのルールには、スカル・アンド・ボーンズについて言及された時には、部屋を出るというものもありました。アメリカ国民にとって懸念材料となるのは・・・(ボーンズメンの)忠誠心はどちらを向いているかということです。閉鎖的な秘密結社なのか、それとも我々国民の方が優先されるのか?」

ペイジ:
「まるで小説の世界のようですね、大統領とそのライバルが同じ夜に入会してるなんて。そして結社は秘密のベールに包まれている・・・もう少し教えてください。結社には女性や少数民族も入会できるんですか?」

クリス:
「えーと、そうですね。1991年からは女性も入会できるようになってます。ところで、ブッシュとケリーは別々の夜に入会してますよ。ケリーは1965年の入会、ジョージ・ブッシュは1968年の入会です」

ペイジ:
「ああ、そうだったんですか」

クリス:
「彼等の二人とも、結社に依存しているようです・・・ジョン・ケリーの2回の結婚相手はいずれもボーンズ関係者ですし、ジョージ・ブッシュは仕事で金が必要になったときは何回もボーンズの助けを借りています。しかもブッシュ大統領は、結社から10人を現政権の閣僚に登用して、1人を次回候補に控えさせてます」

ペイジ:
「ところで、結社の会員に共通する特徴は何でしょうか?」

クリス:
「共通点?」

ペイジ:
「お金持ちであるとか?他には何かありますか?」

クリス:
「そうですな、社会学的観点からいえば、秘密結社というものは、玉葱、もしくはピラミッドに非常に似た構造なのです。ピラミッドの下層には大勢の会員が居ますよ。メーソン式のサークルであれば、同胞とか呼ぶでしょう。その上には管理者幹部がいて、その上には核となるグループがいる。核になるグループは近親者のようです。スカル・アンド・ボーンズの場合、ホイットニー家とキャボット家が核になっています」

ペイジ:
「まあ!ところで、著名な会員について取り上げてみましょう。例えば、ヘンリー・ルース。彼は他の会員を勧誘したことで有名です・・・ウィリアム・バックレー・ジュニア、アベリル・ハリマン、ジェイムス・ウィットモア・・・それほど怪しい人々ではないようですね・・・問題は、彼等が、私達のような外部の人間にとって、どんな影響があるかということですね。会員は食事に一緒に行くだけでしょうか?結社はどんな役割を果たすのでしょう?」

クリス:
「そうですね、結社の役割については、人脈作りという見方があります。歴史家としての視点から、彼等の職業を分類して分かったのは、結社会員の大多数は どちらかといえば情報活動に従事しているという事実です。それから、もっとも憂慮すべき問題のひとつは、結社の創始者たちが1800年代初頭から麻薬密売に関わっているという事実です。それはまるで・・・」

ペイジ:
「麻薬密売?!」

クリス:
「そうです。スカル・アンド・ボーンズの創始者はウィリアム・ハンティントン・ラッセルですが、彼の家業はラッセル・アンド・カンパニー社・・・つまり、アメリカで最大の、世界でも第三位の規模になるアヘンの密輸業者です

ペイジ:
「ワオ!クリス・ミリガンさん、あいにく時間となりましたので、お話はここまでにしましょう。興味深い話題でしたね。(以下略)」

(参照リンク)

2004/05/20

「ボーンズメンが闘う時」byトム・ハイデン

イエールポリティック紙2004/05/18付けコラムより(Alternet転載)。

こんなタイトルのコラムがイエール大学新聞に掲載されているところを見ると、学内においてスカルアンドボーンズは批判されはじめているのかもしれない。以下に全文を翻訳掲載する。(文中リンクと写真掲載はDeepthroatによる)



ボーンズメンが闘う時


by トム・ハイデン


ジョン・ケリー(スカルアンドボーンズ1965年会員)とジョージ・ブッシュ(スカルアンドボーンズ1967年会員)に、大学時代からの秘密結社所属について良心の呵責を感じないか、と尋ねるようなガッツのあるジャーナリストはいないものだろうか。ケリーが予備選挙で勝利を収めた際、ブッシュがお祝いの電話をした時に、彼等はスカルアンドボーンズについて暗号で話し合っただろうか?デモステニの誕生日とスカルアンドボーンズ創立を表す暗号「322」をうっかりレポーターが口走ったとしたら、ブッシュとケリーは部屋から外に出ない旨の同意をするだろうか?

もう黒板を消しても良いかな?読者諸君。それともこんな質問は誇大妄想的で野暮ったいと、気取って片付けてしまうつもりかな?

私は陰謀論信者になったわけではない。しかし、平等主義の60年代から40年の月日が過ぎて、さらにいえば独立宣言から225年も経過したのに、2004年の選挙においてアメリカの有権者が選択したのは本当に2人のボーンズメンなのか?

学ぶべきことは、貴族制は民主主義社会にあっても生き延びているという事実なのである。

私自身、ブッシュやケリーと同じ年代に、ミシガン大学の秘密結社の会員だったので、それがとてつもない経験であったことを証言できる。新入生として、ドルイド(ケルト人系組織)に誘われた私は、2日間の宗教儀式の中で、下着一枚だけにされて、生卵をぶつけられ、赤い染料を浴びせられて、大学キャンパス内の木に縛り付けられた。こうした屈辱を受け入れることで、卑しい学生ジャーナリストだった私は、キャンパスの重要人物に生まれ変わることになったのだ。

しかしながら、程なく私は疎外された。組織に属しているという実感をどうしても得られることはなかったのである。たぶん、アイリッシュ系カソリック信者の移民出身で、大学に進学したのも家族で最初だった私は、元々アウトサイダーだったのだ。組織構成員達の目的はただひとつ、アレクサンドラ・ロビンスのスカルアンドボーンズに関する著作の中で情報源が言うように、「組織に属していない人間に嫌な思いをさせる」ことなのだ。しかし組織内に居た時でさえ、私は嫌な気分で、所在なくて、憤慨していた。

最も上級の秘密結社であるミシガムア(Michigamua)に誘われたとき、私は入会する代わりにガールフレンドのアパートに隠れ住むことにしたので、私はミシガムアにとって歴史上最初の入会拒否者になった。何かがおかしいと思っていたし、資格もないと思っていたし、将来を棒に振るかもしれないと感じたのである。

ミシガン大学の秘密結社ミシガムア

ミシガン大学の秘密結社ミシガムア(source

1960年の夏、全米学生協会(U.S. National Student Association)の全体会議の時に、同じような違和感を感じた。その頃の連盟は、「領主の生まれ」と自ら表現するという年長の学生リーダー派閥が運営していたのである。一方では、野心家だった私はその年長者たちに挑戦するべく、結局20年後まで続くことになる学生人事副委員長の座に立候補したが、他方で、SDS(Students for a Democratic Society:民主学生連盟)などの過激な学生運動に強く惹かれていた。権威の中で働くべきか、新しく危険な何かを求めるべきか?

ある夜、私は偶然にも、全米学生協会の机の上に置かれた黄色いメモを見つけた。そこに書かれたチャートの最上段には「管理グループ」と書かれていた。左側には私の名前があり、SDS創立者アラン・ハーバーの名前もあった。右側には「YAF(Young Americans for Freedom:アメリカ青年自由連合、ボーンズマン1950年会員のウィリアム・F・バックレーによりイエール大学で設立された保守系グループ)」と書かれた枠があった。

7年後に、CIAが密かに全米学生協会を管理・支援していたことが暴露され、ミシガンデイリー紙の前編集者がCIAに雇われたスパイであることが判明した。私はフリーダムライダー(人種差別を訴えるためにバス旅行をする)として南部に赴き、ポートヒューロン宣言の草稿を書いた。

その頃には、ジョージ・ブッシュはイエール大学のチアリーダーで、ビールに夢中だった。ジョン・ケリーは海軍中尉になってメコンデルタで撃ちまくっていた。ブッシュは権威に何の疑いも抱かなかったが、ケリーの忠誠心は戦争で揺らぎ始めていた。しかし彼等は共に巨大で、安全な、秘密裏に行われる少数民族優遇システムに所属していたのである。

あの頃から随分と時間が流れたが、私たちは今でも特権階級に根ざした様々な格差に苦しんでいる。政治システムは民主主義を隠れ蓑にした金権寡頭政治となってしまった。有権者の大部分は、野球場のファンのようなものだ。安い席からゲームに参加して、現状に安住したまま、どっちか好みのボーンズメンに投票する。私たちの税金は、彼等が用意した企業向けの特等席に化けてしまう。

ボーンズメンは、時々権力争いをする。例えば、75年前、米陸軍長官ドワイト・デイビスがデイビスカップ(テニスイベント)を主催すれば、現大統領の祖父の兄ジョージ・H・ウォーカーはウォーカーカップを主催して対抗した。今日のブッシュとケリーの違いは、彼等自身感じるとおり真剣なものかもしれないが、決闘するというわけではない。カール・マークス(ロンドン経済学校)が述べているとおり、階級支配において両者は対照的に相反するという。ブッシュは単独帝国主義だが、ケリーは長い間ボーンズメン達が支持している多面的提携主義である。1人はカウボーイ、1人はインテリなので、両者とも、同じクラブ会員同士で口論するかもしれないが、外部の人間にとって彼等の相違点は現実の問題となる。

ラルフ・ネイダー氏はこのことがわかっていない。その代わりに、彼は二つの党派が共に同じ金権政治に陥っていると主張している。もしかしたら、ネイダー氏は党派に加われないことで憤慨を蓄えているかもしれないが、危険な無知に陥っているともいえる。最高裁判事の指名、宗教的原理主義、市民の権利、環境問題、ジョン・アッシュクロフトとイラクの未来などの課題をめぐり、ブッシュとケリーの違いは、二つの党の支持基盤レベルで大きく分断しているのだ。ケリーがKumbayaを歌っている間、ブッシュはキリスト教右派に追従している。ブッシュ支持者は恐ろしく、危険だが、それがCIA系の連中がケリーを好む理由となるらしい(もちろん密かに)。念のために書いておくと、この11月に私はCIAと共に投票するつもりである。彼等はより小さい災いの選択を私たちに示してくれることであろう。

しかし本当は、ボーンズメンや大型献金者によって選出された候補者のどちらかを選択するよりは、ラルフ・ネイダーのように、民主主義を意義あるものにしたいのである。

私はいまでも参加型民主主義を支持する。それは1962年当時の民主学生連盟の元々の理想であったし、ディープサウスから平和部隊までの除外者を組織した我々の世代の経験を通して、育まれたものなのだ。当時の学生には戦争徴兵があったが、投票するにはあまりにも未熟と見なされていた。南部の黒人やメキシコ人移民は分益小作人になることができたが、投票箱の前では平等ではなかった。我々の世代にとって、民主主義とは誰が多くの投票を獲得するかであり、誰がお金を操作するかということではなかった。情報は自由に流れ、企業の広告やメディア活動によって阻まれることもなかったのである。

私たちはいつも、すでに支配者によって審査済みの二人の候補者のどちらかを選択する以上の権利を求めている。私たちは自らの生活に影響を及ぼす決定に際して、より直接的な意見を求めている。私たちは、秘密結社によって制限された民主主義ではなく、誰もが参加できる民主主義を求めている。押入れには何も隠して欲しくないのだ。

60年代とそれ以前の世代の過激な活動の結果、私たちの国はより開かれた民主主義国家となった。リンカーンだけでなく、差別廃止論者達のお陰で、奴隷制度を廃止することができたのであり、選挙権確立は婦人参政権論者のお陰であり、ウォールストリートの規制は大衆主義者のお陰、正しい交渉は工場スト参加者のお陰、より良い空気と水は環境運動家に負う所が大きい。今回の選挙では、反戦活動と世界の司法運動がイラクと貿易の課題を明確にしてくれている。そして同性愛コミュニティは結婚制度を市民的不服従へと導くのである。

しかし、権力ピラミッドの頂点に居る間は、アメリカ風エリートたちはまだ奇妙な性質のままで、下層からの改革を受け入れることもない。大多数のアメリカ人がアイビーリーガー候補者に劣等感を抱いたり、彼らのドラマに自己投影しているようでは、心理的にも我々は民主主義に生きることはできないだろう。やがては変えていくべきなのだ。隠し事をする支配者達は、民主主義社会の道徳的妥当性を獲得できない。それ故に彼等は次第に秘密主義に陥っていったのである。

2年前、ミシガン大学に学生達が忍び込み、ミシガムアの秘密の場所を占領して暴露し、そこに隠されていた盗品のインディアン遺物を見つけた。ミシガムアはキャンパスを離れた。そのニュースを聞いたとき私は、個人的な、漠然とした抵抗を続ける代わりに、もっと昔にそれをやれたらよかったのにと思った。古い偶像を破壊するには新しい世代が必要なのだ。レナード・コーエンは正しかったのかもしれない。民主主義はアメリカに近づきつつある。



(参考資料)
フリーダムライダー(Freedom Rides
ポートヒューロン宣言(SDS - Port Huron Statement (1962))

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