AIGの巨額ボーナス問題とオバマ政権
米政府からこれまでに1,730億ドル(約16兆9,688億円)もの公的支援を受けて経営破綻を免れている保険大手AIGが、今月に入ってから幹部社員に1億6,500万ドル(約161億7,092万円)をボーナスとして支払っていた件で、全米に怒りの声が拡がっている。
当該ボーナスは先週金曜日にすでに支払われたが、AIGはさらに2010年3月までに追加ボーナス2億3,000万ドルを従業員に支払う計画であるという。ボーナスを受け取る側には、同社を経営破綻に導いた部門も含まれているというのも驚きだ。通例では、会社に大損害をもたらした社員は、解雇されるか、ひどければ賠償責任を負ったりするはずなのに、AIGでは単に「会社を辞めないで」と慰留されるだけでなく、失敗の功績を讃えてボーナスまでくれるというのだ。全米失業率が8.1%、地方では10%を超えているこのご時世に、これほど従業員を大切にする企業があっただろうか。
一方で、バラク・オバマ率いるホワイトハウスは自らの失敗隠しに奔走しているらしい。
AIGの巨額ボーナスについてオバマ大統領は「納税者への侮辱」と糾弾している。ガイトナー米財務長官も事態に憤ったようすで「ボーナスは取り返す」と鼻息が荒い。また、クリントン政権時代に財務長官を務め、現在オバマ政権で国家経済会議委員長を務めるローレンス・サマーズはABC放送のインタビューでAIGについて「必要な規制も監査もされていなかったとは言語道断だ」と批判した。
しかし、これらは全てオバマ政権が批判の矛先を逸らすために施す「演出」にすぎない。実のところ、公的支援を受け取る企業に対して、強化されるはずだったボーナス制限事項をコッソリ“規制緩和”したのは、ホワイトハウスの面々であった。






