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カテゴリー別過去記事:911同時多発テロの謎


2006/10/05

ボブ・ウッドワードの新著『State of Denial』にワシントンが騒然

ワシントンポスト紙編集主幹で同社のスター記者、ボブ・ウッドワードの最新著作『State of Denial』が10月2日から発売開始された。版元によれば発売後わずか2日で3刷目、90万部以上出荷という超ベストセラー書籍になっており(彦摩呂風に言えば「ノンフィクション界のハリー・ポッターや!!」)、その流れで他のブッシュ批判ノンフィクション本も次々とベストセラーになりつつあるという。

そして、その書籍の内容をめぐり、米国政界に大激震が走っている

ウッドワードのブッシュ政権内幕本としては、これまでに『ブッシュの戦争(Bush at War)』『攻撃計画(Plan of Attack)』の二冊が刊行されているが、政府の機密情報を暴露しつつも、ブッシュ大統領個人については決断力に富む強力なリーダーシップを持つ人物として常にポジティブに描かれてきた。ブッシュ大統領を含めブッシュ政権幹部もウッドワードの描くブッシュ政権像に大変満足している様子(前二作で、ウッドワードはブッシュ大統領・チェイニー副大統領を相手に、特別扱いとも言える長時間独占インタビューをホワイトハウスで行うことを許されている)ブッシュ本人も著作が刊行されるたびに公の場で推薦してきた。

ところが、今度の新著『State of Denial』刊行に合わせ内容の抜粋が報道され始めると、ホワイトハウス側は「ウッドワード氏の報道姿勢は歪曲している」と批判し始めた。ウッドワードの予告どおり、現在の合衆国政府はまさしくState of Denial(拒絶状態)になったのだ。

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2006/08/25

9/11テロ公式調査報告書の劇画版が登場

The 9/11 Report: A Graphic Adaptation

9/11テロ事件をアメリカン・コミックでわかりやすく解説。『The 9/11 Report: A Graphic Adaptation

2004年7月に米政府が公開した9/11テロ公式調査報告書の内容を劇画にして再構成した異色の書籍『The 9/11 Report: A Graphic Adaptation』が発売された。内容の一部はSlateで公開されているが、アメリカ人に馴染み深いアメコミ風の作画で、読み易くわかりやすいものに仕上がっている。(日本でライブドア事件や耐震強度偽装事件等の調査報告が公開されるようなことはあるのだろうか?)

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2005/08/08

毎年恒例?「アルカイダのナンバー2」ザワヒリのビデオ出演

「ビン・ラディンとは、西側防衛網によるとてつもない計算違いの産物であった。80年代のビン・ラディンは、CIAによって武装され、サウジアラビアによって資金を得て、ロシアのアフガニスタン占領に対して聖戦を遂行する任務を担っていた。アル・カイダとは、事実上は『データベース(the database)』であり、元々はロシア人達を打ち負かすためにCIAの援助によって召集され、軍事訓練を受けた何千ものムジャヒディンの情報が記録されたコンピュータファイルのことだった。どういうわけか、ワシントンはその惨憺たる結果に気がつかなかったらしいが、ロシアが脱落した後に、ビン・ラディンの組織は注意対象を西側社会に転換したのであった。」

ロビン・クック元外相

---英国元外相ロビン・クック、ロンドン地下鉄同時テロ直後の7月8日に英ガーディアン紙に寄稿した「テロとの闘いは軍事的手段では勝てない」より(強調は訳者による)。8月6日、ロビン・クック元英外相はスコットランド北部のベンスタック山(標高721メートル)で山登り中に昏倒し、死亡した(享年59歳)
尚、アラビア語であるアル・カイダ(Al-Qaeda)の文字通りの意味は『拠点、基地、基点』とされている


2005年8月4日、「アル・カイダのナンバー2」アイマン・アル・ザワヒリの最新ビデオがアルジャジーラで放送された

テープの中で、ザワヒリは「ブレアの政策がロンドンテロを呼び起こした」と英国政府を批判し、米国政府に対しては「ベトナムで味わった経験を忘れさせるほどの恐怖に直面することになる」と威圧し、中東から英米軍が撤退しないかぎり今後もテロ攻撃を起こすと宣言している。

「ナンバー2」氏を侮辱するつもりはさらさらないが、私的な感想を言わせて貰えば、わざわざ危険を冒してビデオ出演したにしては、今回のザワヒリ氏の文句は少々陳腐すぎるのではないか。昨年のオサマ・ビン・ラディンの演説に比較すると、今ひとつレトリックや演出に工夫が足りないように思えてならない。

ひょっとしたらザワヒリ氏は、ロンドンのテロ事件の原因として、泥沼化したイラク戦争に世界の注目が集まることが気に入らず、アルカイダとロンドンテロとの関係をもっと重視して欲しいという気持ちから、(決してブッシュの気持ちを代弁しているわけではありませんよ)ロデオドライブでの買物ついでにリムジンで撮影スタジオに立ち寄ったとも考えられる。
(冗談はさておき、英タイムズ紙の記事によれば、英国情報部では、今回のザワヒリ氏の意図を「アルカイダの役割を強調して、世界に拡大するテロ『フランチャイズ』のひきしめを狙っている」と観測しているという。)

「アルカイダのナンバー2」ザワヒリの大脱走?

911同時多発テロ事件発生後、ザワヒリの消息はオサマ・ビン・ラディン同様全く不明だが、中東地域のニュースには何度も登場している。ザワヒリ関連の過去報道を以下にいくつか並べてみよう: さて、どれがホントの「アルカイダのナンバー2」?

2005/03/22

北朝鮮の核物質販売先はリビアではなくパキスタン政府?

ワシントンポスト紙2005/03/20付け記事より。まずは記事冒頭を翻訳して以下に引用する。(記事中リンク及びテキスト強調は訳者による)

米政府、北朝鮮の核物質輸出で同盟国を惑わす(U.S. Misled Allies About Nuclear Export)

北朝鮮が核物質を輸出した相手は、リビアではなくパキスタン(North Korea Sent Material To Pakistan, Not to Libya)

by ダフナ・リンザー記者:ワシントンポスト紙2005/03/20付け記事

今年年頭、北朝鮮への圧力強化を目指すブッシュ政権は、アジア各国首脳に対して、北朝鮮政府が核物質をリビアに販売していたと説明していた。それは重要な新情報であり、北朝鮮が新たな核兵器開発を開発中であるという具体的疑惑を初めて提起するものであった。

しかし、北朝鮮の核物質取引の詳細について知る2人の政府高官の説明によると、それは米国情報機関の報告内容と異なるという。情報部の報告によれば、北朝鮮は、核兵器に転用可能となる六フッ化ウラニウムを、当初はパキスタンに販売していた。米国にとって重要な同盟国であるパキスタンは、その六フッ化ウラニウムをリビアに転売した。政府高官の話によれば、パキスタンが核物質を転売していた事実を北朝鮮が知っていたかどうかについて、米国政府は証拠を掴んでいない。

政府高官が匿名を条件に本紙に語ったところでは、パキスタンが核物質の売り手と買い手の両方の役割を演じていた事実は、アル・カイダ幹部捜索活動の協力者という役割の隠蔽のために秘匿されたという。また、北朝鮮とパキスタンの間でそうした取引が行われていた件は米国政府にとって真新しい事実ではなく、主権国家同士のビジネス関係として、過去数年間見過ごされてきたとのことである。

北朝鮮の核物質取引に関する報告の際、基本的な詳細情報を省いたブッシュ政権の政策は、北朝鮮の孤立化を目的としたが、同盟国をますます懐疑的にさせてしまったと、米政府高官は外交官はインタビューで話している。先月の米国政府の説明に呼応して、北朝鮮は周辺各国協議から離脱を表明した。

関係修復を試みるべく、コンドリーザ・ライス国務長官は現在東アジア各国を歴訪し、6者協議再開のために各国首脳の説得を図っている。(中略)

今年1月末から2月初旬にかけて、米国政府は関係各国に対し北朝鮮に関する報告を行った。それからまもなく、米政府関係者が匿名を条件にワシントンポスト紙に話したところでは、北朝鮮が六フッ化ウラニウムをリビアに販売したとのことだった。その高官の説明では、アジア各国への報告会は、北朝鮮の核開発計画に関する交渉を鑑み、中国、韓国、日本との間で情報交換のために行われたということであった。

しかし最近、別の米政府関係者二人が本紙に語ったところでは、アジア各国への報告会は、中国と韓国が6社協議から突如離脱の意思表明をした直後に、大慌てで設定されたとのことである。報告会は大部分無駄なものであったが、北朝鮮政府との2国間協議を拒否するブッシュ政権は、そうした会談が北朝鮮の核開発を抑止する重大な役割を果たすと主張している。

パキスタンの取引に関する新たな詳細情報に関して、ホワイトハウスは言及を避けている。政権幹部の対応によれば、米政府は「北朝鮮の核拡散活動について、正確な説明を行っている」とのことである。

アジア各国への報告では、パキスタン側の特定人物については言及されていないが、政府関係者の話によれば、パキスタンの原子物理学研究第一人者アブドル・カディル・カーン博士のネットワークが使われたと明言されていたという。しかし報告会では、核物質がパキスタンによって購入され、北朝鮮から輸出される際もパキスタン政府所有のコンテナが使われている件を米国情報部が掴んでいる件は示されなかった。

また、六フッ化ウラニウムが或るパキスタン企業を通じて輸出され、アラブ首長国連合を経由してリビアに持ち込まれた事実についても、米政府は報告していなかった。それら事実は、リビアを独自調査していた国際原子力機関の説明と一致する。リビアは核兵器開発を2003年12月に断念している。

米国政府にとって、パキスタンはアル・カイダ幹部捜索活動において主要な役割を担うようになっているが、カーン博士がかつてムシャラフ政権の閣僚に名を連ね、同国の核開発に協力していた件について、ブッシュ政権はムシャラフ大統領に未だ説明を求めていない。

「米国の利益を損ねている最中のパキスタンに、米政府はやりたい放題させていたんです」2003年8月までブッシュ政権の北朝鮮特使を務めたチャールズ・L・プリチャード氏は語っている。「同盟国はそうした全体像を把握しているので、我が国の信頼性は揺らいでいる」
(記事引用ここまで、以下略)

米情報部と協力してビン・ラディンとアル・カイダ幹部捜索を行っているパキスタン政府機関といえば、パキスタン軍統合情報局(ISI)であることは誰でも知っている。今回のワシントンポスト記事の情報源は、まるでISIが北朝鮮との取引に関与しているとでも言いたげだ。

仮にパキスタン政府関係者、もしくはISI関係者が北朝鮮・パキスタン間の取引にも関与しているとすれば、CIA/ISIのアル・カイダ捜査活動の内実---ブッシュ政権にとって非常に都合悪い情報を含む---が北朝鮮側に漏れている可能性も・・・いや、まさかそんなことはないだろう。ライス国務長官が北朝鮮との2国間協議や経済制裁を避けているように見えるのは、単に慎重に行動しているだけのことだ。

過去に遡ってみよう。911同時多発テロ事件が発生した後、米情報部とISIは共同捜査を行うと宣言したが、直後の10月に、パキスタン側は当時のISI局長ムハマド・アーマッド将軍を更迭した。更迭理由は、ハイジャック犯の1人、モハメド・アッタ容疑者への資金提供疑惑といわれている。(911テロの朝、ワシントンでは上院・下院情報委員会の朝食会が開催されていたが、そこには、上院情報委員会委員長ボブ・グレアム議員と、ISI局長ムハマド・アーマッド将軍、そして偶然にも、当時の下院情報委員会委員長で現CIA長官のポーター・ゴスが同席していた

ビン・ラディン、タリバン、アル・カイダ、ムジャ・ヒディン・・・これらは全て、元々CIAとISIが大切に支援・育成してきた軍事ネットワークである。ISI幹部がアル・カイダと親密だからといって、米政府はそれを簡単には批判できない。ましてやパキスタンのムシャラフ将軍は米国の軍事産業にとって大切なお客様なのだ。

そんなわけで、米国はパキスタンの裏ビジネスに対して、もっとポジティブな態度で付き合うようになったのだろう。“北朝鮮から核物質輸入?うーん、まあいいや。その代わり転売先を教えてくれたら、悪の枢軸国認定作業が楽になるんだけどね”とか何とか。以上、本日の妄想終わり。

2005/03/03

「グラウンド・ゼロで大もうけ」byグレッグ・パラスト

英BBC放送のジャーナリスト、グレッグ・パラスト氏の2005年2月23日付けコラムを以下に全文翻訳掲載。(記事中リンクは訳者による。)(このコラムの原文はInTheseTimes誌2004/05/12付けコラム「Fear for Sale」

金で買えるアメリカ民主主義

文庫本で読めるグレッグ・パラスト氏のベストセラー「金で買えるアメリカ民主主義(The Best Democracy Money can buy)」

以下のコラム中に登場するチョイスポイント社は、今年2月になって、保有する顧客の財務・社会保険番号などの個人情報14万5,000人分を、個人情報窃盗組織に販売していた事実が発覚し、一気に知られることになった企業である。

しかも顧客の個人情報横流しが公表される直前、株価暴落を予測した同社の経営幹部達は、自身が所有する自社株を売り抜けていたことも判明し、批判にさらされている。まさしく、ブッシュ大統領の支援企業にふさわしい振舞いである。



グラウンド・ゼロで大もうけ(Ground Zero as Profit Center)

by グレッグ・パラスト:公式サイト2005年2月23日付けコラム


本日(2005年2月23日)、ニューヨーク市は911同時多発テロ被害者の遺骸の特定作業を停止した。類まれなる惨事の結末を飾るこの悲劇的な物語の中には、テロの恐怖から手っ取り早く金を稼ぎ出す方法を見つけた者達についての記述はない。さあ、金の流れを追うとしよう・・・


2001年9月11日、デレク・スミス氏にとってそれはラッキーな日だった。、DM(マンハッタンの惨事:Disaster Manhattan)と記されたチューブには、辺り一面に散らばった人間の欠片が詰まっていた。スミス氏の会社の仕事は、そのチューブの中身からDNAを抽出し、被害者を特定することであり、ニューヨーク市はその業務に1,200万ドルを支払うことになっていた。

他の多くの人々同様、無実の友人や同胞達が惨殺された事実を前に、スミス氏が悲嘆に暮れ、恐怖に怯え、悲痛な面持ちでいたことは疑うべくもない。1,200万ドルの死体確認料金に関しても、ほんの4年前に設立したばかりで40億ドルの資産を誇るスミス氏の会社、ジョージア州アトランタ郊外アルファレッタに本拠を構えるチョイスポイント社(ChoicePoint)から見れば、たいした額でもない。

合衆国内に流通する生死情報150億件以上の記録を扱うチョイスポイント社にとって、グラウンド・ゼロは、まさしく金に縁取られた利益センターとなった。チョイスポイント社がジョージ・W・ブッシュのために、他の有権者が決してやらないことをやってのけたという事実も、テロとの戦争という熱狂から溢れ出す業務契約を損なうことはない。チョイスポイント社は我が国の大統領を選んだのである。

そのやり方はこうだ。2000年の大統領選挙前、チョイスポイント社の子会社であるデータベース・テクノロジー社は、フロリダ州務長官キャサリン・ハリスの監督の下、400万ドルに及ぶ政府との業務契約を競争入札なしで獲得し、選挙登録人リストに違法登録された重罪犯を特定する業務を行った。チョイスポイント社は総計で94,000人のフロリダ住民を選び出した。後に判明したところでは、その住民リストの中で、実際に重罪犯歴があったのは3,000人以下であり、リスト中の住民のほとんどは投票する権利を保持していたわけだ。権利を剥奪された数万もの市民には、無実である他にも共通項があった:そのリストに掲載された大半の人が、アフリカ系アメリカ人と南米系アメリカ人であり、民主党支持者が圧倒的多数を占めていたのだ。このリストは大統領選挙の勝敗を決定付け、キャサリン・ハリスは、僅か537票差でブッシュを選挙の勝者と宣言したのである。

2億7,000万人の容疑者
しかし、チョイスポイント社の保有するアメリカ市民情報が戦時の武器になる為には、合衆国が過激な変化を遂げる必要があった。その変化はブッシュ大統領により宣言された。9月11日、アメリカ国民は皆、過酷な攻撃の犠牲者となったのである。

しかし9月12日には、国民全員が容疑者になった。

航空機をハイジャックした米国民は1人もいなかったが、ブッシュ大統領とアッシュクロフト司法長官は、米国愛国法(USA PATRIOT Act)に条文化された権力により、米国市民2億7,000万人全てを監視、調査、追跡、観察の対象にしたのである。

チョイスポイント社を単なる“データ”企業として扱ってしまえば、同社のマーケットコンセプトを完全に誤解することになる。彼等は恐怖産業の住人なのだ。秘められた危機があらゆる場所で潜行している。アル・カイダなんて氷山の一角だ。ピザの配達人は怪しくないか?---チョイスポイント社はただちに調査を行い、ピザ配達人の25%が刑務所帰りであると発表した。「あなたの好きなピザは?」スミスCEOは問いかけた。「ピザのお値段は?皆さんはリスクを背負う覚悟がありますかな・・・?」

戦争の熱狂は、恐怖産業に新たな市場をもたらしたのだ。

ハリウッドでは、ジャック・ニコルソンが時代精神を体現してみせた:「もし私がアラブ系アメリカ人なら、自分で当局に申し出るよ。市民権なんて主張してる時じゃないんだ(If I were an Arab American I would insist on being profiled. This is not the time for civil rights.)」I imagined hardened pillboxes on Malibu beach.(訳注:ジョークがうまく訳せないので原文ママ)

ひょっとしたらジャックは正しいのかもしれない:人権なんて放棄しろ、国民は安全が欲しいんだ。

待てよ、ジャック、我々はキューバ危機を経験した年寄りの愚か者じゃないか。1962年、ロシア人たちは我が国に対して“でかい奴”で攻撃するつもりでいた。しかし、我々は心配する必要もなかった。ゴードン先生が教えたとおり、机の下にもぐって、首を隠せばいい。先生が警告したとおり、“閃光を見つめない”限り、全て問題ないということだった。

チョイスポイント社のDNA情報にFBIの“CODIS”ファイル、データ収集に“テロ情報認知システム(Terrorist Information Awareness)”・・・新たな“伏せて隠れろ(Duck and Cover)”作戦というわけである。これで本当にアメリカは安全になっているのだろうか?

チョイスポイント社のスミス氏が忠告するとおり、9月11日、空港に彼のデータベースが導入されていたなら、実名を使っていたハイジャック犯達は、搭乗を拒否されたことだろう。しかしながら、専門家の話によれば、オサマ・ビン・ラディンは、マイレージサービスが無駄になったとしても、もはやチェックイン時に“ビン・ラディン”とは名乗りそうもないということだ。

それでもなお、我等が大統領が言うには、全アメリカ国民とベネズエラ国民の精子サンプルを収集し、空港で靴を脱いで、誰が拘束されて収監されているかという質問をせず、あるいは契約金額についても決して疑問を持たずにいれば、サウジ人ハイジャック犯からも、赤ん坊泥棒からも、他の連中・・・それが誰であろうと、我々は安全に暮らせるらしい。

憶えておこう。閃光を見つめてはいけない!(以上)

2004/12/11

ケリック元NY市警本部長、国土安全省長官の座を辞退

ワシントンポスト紙2004/12/11付け記事より。

つい先日ブッシュ大統領から国土安全省長官に使命されたばかりのバーナード・ケリック元NY市警本部長が、なんと長官の座を辞退すると発表した。

本人の弁では、「違法難民を家政婦として雇い入れており、税金を支払っていないため」というのが辞退の理由とのことである。

だが、実のところ、市警時代の賄賂の件や、911テロ事件後、ケリック氏自身が役員を務めるセキュリティ装備企業テイザー・インターナショナル社(Taser International、スタンガンのメーカー)を国土安全省取引企業に推し、同社の株を売り抜け620万ドルの利益を得ていることなどスキャンダルだらけの経歴に米捜査当局が関心を示すことを恐れたとの見方が有力のようだ。

今回の国土安全省長官辞退の件を端緒に、ジュリアーニ元NY市長の数々の悪辣な所業、あるいは911テロで多大な利益を手にしたブッシュ家の面々にもっと注目が集まることを期待するが・・・

2004/12/09

バーナード・ケリック国土安全省新長官の経歴と背後

「とにかく、奴(オサマ・ビン・ラディン)が何処にいるかは知らないんだ。正直言って、奴のために多くの時間を割くわけにはいかないんだよ」

(So I don't know where he is. You know, I just don't spend that much time on him, Kelly, to be honest with you. )

----2002年3月13日、公式記者会見で、記者にオサマ・ビン・ラディン捜査について問われた際の、ブッシュ大統領の発言(source

2004年12月3日、ブッシュ大統領は、トム・リッジ国土安全省長官の辞任を受けて、後任に元ニューヨーク市警本部長バーナード・ケリック氏を任命すると発表した

共同通信の記事では、ケリック氏は「米中枢同時テロで救出・復旧作業の陣頭指揮に立った」と爽やかに紹介されている。しかし、同氏の経歴のあまり注目されたくない部分を見れば、リッジ前長官ならただちに国内テロ警戒レベルを「赤」に引き上げるにちがいない。(例えば911テロ調査委員会のジョン・リーマン氏はケリックを評して「ボーイスカウトほどの能力もない」と批判しているらしい)

以下にバーナード・B・ケリック国土安全省新長官の略歴を並べてみよう:

1974年-76年(ケリック氏19歳-21歳):
米軍憲兵として韓国に赴任。まもなく韓国人女性との間に女の子が生まれ、その娘をリサと命名。その後1年で娘と母親を韓国に残してアメリカに帰国。(2002年、26年ぶりに再会を果たす)

1982年-84年(ケリック氏27歳-29歳):
サウジアラビア・リヤドのファイサル王特別病院でセキュリティ責任者に就任。主な任務は病院スタッフの生活監視。元病院関係者ジョン・ジョーンズ氏の証言:「(ケリック氏について)ならず者でした。まるでゲシュタポのように、私の生活をだいなしにした」

1985年-1987年(ケリック氏30歳-32歳):
ニュージャージー州パセーイク郡刑務所長を経験後、ニューヨーク市警の警官としてグリニッチ・ヴィレッジに暮らすが、クレジットカードの使いすぎで自己破産。破産時の負債額は12,000ドル。

1994年-2000年(ケリック氏39歳-45歳):
ニューヨーク市警の麻薬捜査チームで潜入捜査官として活躍。コロンビアの麻薬組織カリ・カルテル撲滅に尽力。ジュリアーニ市長(当時)が組織した賭博監査委員会の委員長に任命される。後に、ニューヨーク市警矯正サービス局局長代理に就任。この時、ケリック氏自身の経営する会社を経由し、タバコ企業から100万ドルの賄賂を受け取る。そのお返しにケリックは、自身が管轄する刑務所内で販売されるタバコの価格を高額に設定し、タバコ会社の売り上げ増加に貢献した。そうした功績が認められ、2000年にはジュリアーニ市長(当時)の推薦により第40代ニューヨーク市警本部長に抜擢される。

2001年-2003年(46歳-48歳):
NY市警退職後、ジュリアーニ元NY市長の設立したジュリアーニ・パートナーズ社(セキュリティコンサルティング・投資企業)上級副社長になる。2003年5月には、イラク内務省上級補佐官に任命されたが、2003年9月に退任し、帰国。(この期間にイラク暫定政府内で石油売上金の大量紛失事件が発生している)

ケリックとブッシュ

ブッシュ再選キャンペーンで応援演説するケリック氏。ジョージは自分の会社をいくつも破綻させたが、ケリックは警官時代に自ら自己破産した人物。


以上のように、ケリック氏の2000年以降の経歴を見れば、ブッシュ大統領による国土安全省長官任命劇の背後には、ジュリアーニ元NY市長の口利きがあったことは容易に想像できる(実際、本人も否定していない)。

ジュリアーニ氏が自らのビジネスパートナーをテロ対策省長官に推薦した理由は言うまでもない。2003年度に、国土安全省が外部セキュリティ企業と行った年間取引総額は67億3,000万ドル(約7,000億円)。新長官ケリック氏の最初の仕事はこれら取引の監査と見直しである。国土安全省が新たに契約する企業の出資元にジュリアーニ・パートナーズ社の名前が輝いているとしたら、それは決して偶然ではないということだ。

実際、ケリック氏の国土安全省長官任命の発表があってから、ジュリアーニ・パートナーズ社には顧客が殺到しているという。つまり今後は、国土安全省がテロ警戒宣言を発表するたびにセキュリティ関連企業の売り上げは急上昇し、国土安全省長官を部下に抱えるジュリアーニ元NY市長は、2008年度大統領選挙出馬のための資金を、存分に集めることができるわけである。

対テロ政策という名目で、ブッシュとその友人たちが国民の恐怖を扇動しながら金を稼ぎ出す方法について優れた才能を発揮していることは理解できた。しかし、肝心のテロリスト追跡はどうなっているのだろう?ホワイトハウス、CIA、FBI、NSA、DIA、DHSその他捜査当局者にあらためて尋ねてみたい。オサマ・ビン・ラディンは今何処に?

はっきりしていることは、大統領選挙が終了した現在、オサマ・ビン・ラディンはもはやホワイトハウスの関心を惹かないということである。ホワイトハウスは、カメラの前ではパキスタン政府と協力してオサマ拘束に尽力しているように見せているが、実のところアメリカ政府当局者もパキスタン軍事情報部も、オサマ・ビン・ラディン拘束について「優先事項ではない」と捜索を諦めている状態なのだ

パキスタンのムシャラフ大統領に至っては、「オサマが何処に居るのか全く知らない」と堂々宣言している。この不真面目な説明に対し、なぜかアメリカ政府は10億ドル分の武器供与でムシャラフ大統領の功績を讃えている。ここでもまた、ビジネスがテロ対策に優先したというわけだ

オサマも側近のザワヒリも、あれだけプロモーションビデオで華々しくアピールしたのに、このアメリカ側の冷たい対応は・・・オサマは怒っているに違いない。3,000人ものアメリカ人を殺して見せたのに、ブッシュはもう振り返ってはくれない・・・一体どれだけアメリカ本土を攻撃すれば、ビン・ラディンはブッシュのハートを捉えることができるのだろう?

2004/10/30

オサマ・ビン・ラディンの最新声明(英訳版)を翻訳

アルジャジーラが10月29日に放送したビン・ラディン演説ビデオでの声明内容(英語訳)を全文翻訳して以下に掲載。英BBC掲載版米RadiofreeUSA版の英文を元に翻訳)

全文を通じて西欧風レトリックを感じるのは英訳文のせいだろうか?あるいは、噂にあるとおり、アルカイダに通じたアメリカ人ブレーンが声明文を書いているのかもしれない。いずれにしろ、この演説映像が本当にオサマ本人の行っているものであるならば、テロとの戦いに負けたブッシュは、演説でもオサマに負けている感じである。



オサマ・ビン・ラディンの演説(2004/10/29アルジャジーラ放送分)


アメリカの人々よ、あなた方への私からの言葉は、戦争やそれに至る動機と結果によるさらなる衝突を避ける最良の手段となるであろう。私の言いたいのは、安全とは人間らしい暮らしをする上で大切な柱となるということだ。そして自由な人々は自らの安全を放棄しない---このことは、我々が自由を憎んでいるというブッシュの主張とは相反する。

例えば、私達がなぜスウェーデンを攻撃しなかったのか、ブッシュは私達に説明すべきなのだ。周知のごとく、自由を憎む人々は、神に召された19人のような気高い魂を持たぬ。我々があなたがたと戦うのは、我々は自由な民である故、抑圧に直面して沈黙するつもりがないからだ。あなたがたが私たちの安全を脅かすなら、我々はイスラム国家の自由を取り戻すために、あなたがたの安全を脅かすだろう。

私はあなた方に驚いている。911テロ事件から4年目に至り、ブッシュは今でも事実を歪曲し、あなた方を誤った方向に導いており、事件の本当の理由を隠蔽し、それゆえ以前と同じことが繰り返される動機も存在し続ける。これら事件の本当の理由を、あなた方に話しておくとしよう。

決断に至る状況について、正直に話そう。元々タワーを攻撃するつもりはなかった。しかしアメリカとイスラエルの連合軍がレバノンとパレスティナで行っている抑圧にうんざりし、攻撃を思いついた・・・直接私を怒らせたのは、1982年から始まった一連の事件に遡る。米国が第6艦隊の支援によりイスラエルのレバノン侵攻を支持した際のことである。

そうした悲惨な出来事は、私にとって説明しようのない多くの意味を持つことになり、やがて抑圧に抗うという一般感情と、抑圧者を罰するという激しい決断を私にもたらしたのだ。レバノンの崩壊した建物を見ながら、抑圧者を同じように罰し、米国の建物を破壊して、レバノンの人民と同じ苦しみを味あわせ、我々の世界の女子供を殺戮することを止めさせようと思い立ったのだ。

ブッシュや彼の政権と渡り合うのは困難なことではなかった・・・我々の国々(訳注:おそらくビン・ラディン家のあるサウジアラビアの事)とブッシュの体制は似通っているからだ。軍事態勢が国家の半分を支配し、残り半分は大統領や王家の息子達により支配されているという体制は、我々も長く経験してきたことだ。両国とも横柄で、強情で、貪欲で、何の権利もなしに人民の金を取り上げる。

もっとも似通っているのは、ブッシュ(訳注:父ブッシュを指す)が我々の国々に訪問する間、我々側の人民は米国に好印象を持ち、彼等の訪問により自分達の国に影響を及ぼすと期待する部分だ。実際には、ブッシュはむしろ訪問先の国々の体制、軍事、王家の影響を受けているのである。そしてブッシュは、(サウジアラビア王家が)権力の座に何十年も君臨し、誰の監視も受けずに国家の財産を収奪していることを羨んでいたのだ。ブッシュは(サウジアラビアで学んだ)自由への抑圧体制と専制政治を自分の息子に託し、それを愛国法と名づけテロとの戦いと称している。ブッシュは狡猾にも自分の息子達を各州の知事にして、重要な場面で利益を得られるよう、我々の国々の支配体制を真似て、周到にフロリダの虚飾に満ちた選挙システムに導入したのだ。

我々はモハメド・アッタの行為に同意する・・・彼に神の祝福があらんことを・・・ブッシュと彼の政権が気づく前に、彼は全ての計画を20分間で達成したのだ。

米軍の最高司令官が、大いなる脅威に直面しながら、2つのタワーに居た5万人もの市民を、緊急な対処が必要なときに、そのまま放置しているなどとは、我々にも思いがけないことだった。

なぜなら、航空機が高層ビルに突入していく重大事態に集中するよりも、大統領は子供の話すヤギの物語に夢中になっていたように思われるからだ。

そのおかげで、作戦遂行のために必要な機会を3回も与えられたのである。全ては神の思し召しであろう。

あなたがたの安全は、ケリーや、ブッシュや、アル・カイダの手に委ねられているわけではない。あなた方の安全は、あなた方自身の手中にある。全ての状況が我々の安全を脅かすものでなくなった時、あなた方の安全も確実なものになるだろう。

2004/10/07

最新調査:42%のアメリカ人が「フセインは911テロに関係がある」

Editor and publisher2004/10/05付け記事より。

USA Today/CNN/Gallupが10月1-3日にかけて行った全米世論調査によると、アメリカ人の42%が今でも「サダム・フセインが911テロに直接関わっている」と誤解していることが判明。また、32%が「サダム・フセインが911テロ計画に関わっている」と回答。

今年6月に行われた同様の調査では、共和党支持者の56%が「サダム・フセインは911テロに直接関わっている」と回答していたが、最新の調査によるとそうした誤解をしている共和党支持者は62%に増加しているとのこと。

ところでアメリカの世論に関する面白本「数字でわかるおかしな国アメリカ」(ピーター・ストラップ著:ランダムハウス講談社)によると、「世界地図でアメリカの場所を指すことができる」アメリカ人は10%、「反戦に関わる書籍・記事の検閲」に賛成するアメリカ人は40%だそうである。

こうしたデータを知るにつれ、おおいに不安に駆られてしまう。チェイニー副大統領とエドワーズ候補のディベート内容を理解できるアメリカ人は果たして何パーセントだろうか?

2004/09/14

3年経過:アメリカ国民の42%が「フセインは911テロに直接関係している」と回答

Editor & Publisher 2004/09/10付けコラムより。

米Newsweek紙のアメリカ国内最新調査によると、米国民の42%が「サダム・フセインは911テロ実行に直接関係している」と誤解しているとのこと。一方で、フセインと911テロは無関係と回答した人は44%。まさしくアメリカ国民は真っ二つに分かれているわけである。

オンラインで公開され、ペーパーバック版もベストセラーになっている「911テロ調査委員会最終報告書(9/11 Commission Report)」で、キチンと「フセインと911テロは無関係」と発表されているにも関わらず、この状態である。ブッシュ政権とフォックスニュースチャンネル共同で嘘をばら蒔いた結果、アメリカ国民の知性は深刻なダメージを受けたまま回復していないらしい。

さらに悪いことに、ブッシュ再選チームは今でも911テロ、アルカイダとフセインを結びつける発言を繰り返している。例えば9月10日には、チェイニー副大統領が、オハイオ州でのスピーチの中で、サダム・フセインは「アルカイダに隠れ家と避難所を提供してきた」と発言し、またしても嘘をばらまいている

偶然にも同じ9月10日、チェイニーの嘘に合わせるように、ラムズフェルド国防長官もまた、ナショナルプレスクラブのスピーチで以下のようなムチャクチャな発言をして嘲笑されている。

「北部同盟のマスード将軍は殺されていたが、彼の暗殺を命令したのはサダム・フセイン、オサマ・ビン・ラディン---タリバンの共謀者だ
"The leader of the opposition Northern Alliance, Masood, lay dead, his murder ordered by Saddam Hussein, by Osama bin Laden, Taliban's co-conspirator,"

サダム・フセインが今生きているとしたら、捕まらないよう必死だろう。2001年のビデオ以来姿を見せていないが
"Saddam Hussein, if he's alive, is spending a whale of a lot of time trying to not get caught. And we've not seen him on a video since 2001,"

アブグレイブ刑務所虐待事件の発覚以降、マスコミ登場を控えている国防長官は、嘘をくりかえしているうちにフセインとビン・ラディンの区別ができなくなってしまったようだ。

ところでチェイニー副大統領は、「今年11月2日に国民が選択を誤れば(ケリーに投票すれば)アメリカは再びテロ攻撃を受けるだろう」と発言している。まさしく「ブッシュに投票するか、さもなくば死ね」と国民を脅迫しているわけだ。なんとわかりやすい恐怖政治体制だろう。

2004/09/11

911:あなたが「知るべきでないこと」byグレッグ・パラスト

英BBCで活躍するアメリカ人ジャーナリスト、グレッグ・パラストの2004/9/10付けコラムを以下に全文翻訳して掲載。
(ブッシュ政権が911テロ以前にビン・ラディン捜査を取りやめていた件は、パラスト氏の代表作「金で買えるアメリカ民主主義」にも言及されている。)



911:あなたが「知るべきでないこと」---書類番号199-I、そして魂も凍りつくFBIの言葉


by グレッグ・パラスト(2004年9月10日付けコラム

2001年11月9日、まだアメリカ国民が同時多発テロ現場周辺で埃に喉を詰まらせていた時期、米国情報部の或る上級情報部員から英BBC放送に電話が入った。情報部員は不機嫌だった。彼がためらいながら我々に伝えた話では、ジョージ・W・ブッシュがホワイトハウスにやってきてから、CIA(中央情報局)DIA(国防情報局)、FBI(連邦捜査局)の各情報機関は、「サウジ王家の捜査から手を引け」と命令されていたということだった。

我々もそれを知っていた。英BBCのニュース局内で、我々は「部署を問わず極秘:199-I」という書類、つまり、国防関連書類を意味するタイトルの書類を既に手にしていたのだ。

情報部員向けに配信されたその極秘書類によれば、「テロ集団の疑いのある組織」を米国内で運営しているという件でビン・ラディンファミリーの内二人を捕捉せよとのことだった。そのメモの日付は2001年9月13日、多くの国民を救うには2日ほど遅すぎたわけだ。他の多くの情報源に沿ってメモが示していたのは、情報部員達はこの二人を尋問することを望んでいたが、911テロ以前には許されなかったということだった。テロ発生直後には、これら二人のビン・ラディン関係者はアメリカの網から逃げ出してしまっていた。

上級情報部員の話に戻ろう。私は彼に、一体どういう捜査が取りやめになったのか教えてくれるよう念を押した。電話回線を暗号回線に変更するなど、インタビューは簡単ではなかった。最終的に内部告発者が語ったことは、「カーン研究所」のことだった。その頃、米国情報部はパキスタンの「ドクター・ストレンジラブ」A・Q・カーン博士を追跡していた。カーン博士はパキスタンで爆弾を製造し、リビアにその極秘製造情報を販売していたのだ。しかしブッシュとコンドリーザ・ライスがホワイトハウスにやってきてから、情報部は「熱を冷ます」ように強制されたという。特に、この「イスラム爆弾」の影に動くサウジ王家の金の流れに関する調査には制限が設けられたとのことだ。

その後、我々は或る人物に電話をかけた。今度の相手は、中東の武器商人である。彼の話によれば、1995年にパリの5つ星ホテル「ロワイヤル・モンソー」で行われた会談---サウジの億万長者達がアル・カイダ信者達に資金援助することを決定したとされる会談に、商売相手が出席していたということだった。我々の理解するところでは、その金は攻撃を援助する資金というよりは、サウジ王家の保護のための資金提供ということだった。そうは言っても、調査の第一原則は「金の流れを追え」である。しかし石油王達のブタの貯金箱は、ブッシュ政権時代になってから都合よく捜査を逃れていた。豪華ホテルでの会談に出席していた悪党達の内1人は、偶然にもブッシュ家族の仕事仲間だった。

慌てて間違った結論にたどり着く前に、私の話を聞いて欲しい。我々は、アルカイダの9月11日のテロ計画について、ジョージ・ブッシュがあらかじめ知っていたということを示す証拠は何一つ掴んでいない。実際、BBC局内でささやかれるゾッとするジョークがある:ジョージ・ブッシュが全て知っていたと非難する奴は明確な証拠を持って来いというやつだ。これはジョージ・ブッシュが何を知っていたかについての話というよりも、彼の非常に奇妙な無知に関する話なのである。その無知は愚かさによるものではなく、政治的理由によるものなのだ:サウジの人々に、殺し屋集団への資金提供についての不愉快な質問をしてはならない・・・特にブッシュ家のビジネスに気前良く投資してくれるサウジの人々に対しては。

もちろん、ビル・クリントンもまた、石油業界とアラブ人達には優しすぎるところがあったといえる。しかし知っておくべきことは、クリントンは、任期の最後の一年で、湾岸地域に二人の代表を送り、サウジ王家に対して、米大使館を爆破した連中に「寄付金」を提供することを止めるように警告していたのだ。

しかし、2001年1月に、石油事業に失敗したテキサス男がホワイトハウスを引き継いでから、テロ組織への支援を打ち切るというサウジ王家への要求は、あっという間にくつがえされたのである。

ところで、ビン・ラディンの「テロ集団の疑いのある組織」はどうだったか?世界イスラム青年会議と呼ばれるその組織は、サッカーチームとフロリダ州サマー・キャンプのスポンサーだ。英BBC放送はサマー・キャンプでの活動の一部を伝えるビデオを入手した---そこでは、若者達に自爆テロと誘拐を英雄的行動と讃えるスピーチが行われていた。世界イスラム会議がそうした活動で会員を集めていることは、オランダ、インド、ボスニア政府の話によれば、聖戦戦士をリクルートする上での隠れ蓑となっているという。

確かに、ビン・ラディンの家族達にいくつか質問をする必要はありそうだった。しかし、FBI捜査官達は、全てが手遅れになるまで、捜査が許されなかったのである。

2001年11月、サウジ王家がテロ組織に資金援助していた件の捜査が妨害されたというレポートを英BBCが放送してから、放送内容に回答するため招かれたブッシュの擁護者達は、世界イスラム青年会議に関する報告書を手渡したFBI捜査官を解雇した。ビン・ラディン家に率いられた組織に対しては何の対応もなかった。

そして、今年5月、50人のFBI捜査官が、バージニア州の世界イスラム青年会議のオフィスを急襲し、閉鎖させた。「アンタッチャブル」の出来の悪いシーンを見ているかのようだ。我々のレポートが世に出てから3年後、ビン・ラディン家族が手を振って米国を出国してから多くの月日が過ぎ、やっと捜査が行われたわけだ。捜査官達がほとんどカラッポの書類箱とたくさんのサッカーボールを押収していたとしても、驚くようなことでもない。

なぜ今頃、ビン・ラディンの過去のテロに関する時代遅れの捜査が実行されたのか?なぜ911テロ直後に行われなかった?今年のFBIの捜査が行われた時期は、ちょうどサウジアラビアのリヤドでイスラム原理主義者によるテロが発生した直後である。大慌てする石油王達が米国政府の注意を惹いたのは明らかだろう。ニューヨークの崩壊したタワーは、共和党大会の記念撮影に役立つくらいのものでしかない。

「199-I」メモは、ワシントンの国防ニュースサービスの調査員によって、英BBC放送に持ち込まれた。我々は書類の確証を得るために独自の調査を加え、「デタラメだ。偽物だよ」といういつもの返答を期待しながら、メモをFBIに照会してみた。しかし返答は期待外れだった。FBI本部はこう言ったのだ。「情報部関係者が知っていても外部の者が知るべきでない事柄はたくさんある

知るべきでない?

知るべきでないことってのは何のことだい?大統領殿。国民はいつ頃そいつを忘れてくれる予定になっているというんだ?


2004/08/31

ゾグビー社世論調査:ニューヨーク住民のほぼ半数が「政府は故意に911テロ防止を怠った」と考えている

ゾグビー社2004/08/30付けレポートより。

2004年8月24日から26日にかけてゾグビー社が行った調査によると、ニューヨーク住民のほぼ半数(49.3%)が「政府はテロ発生が近づいていることを知りながら、故意に防止策を怠った」と考えていて、66%の住民がさらなる調査を求めていることが判明した。

驚いたことに、共和党員の30%近く、自身を保守系と申告する住民の38%以上が、「政府が故意に防止策を怠った」ことに同意している。

他にも、30歳以下の若者の内62.8%、アフリカ系アメリカ人住民の内62.5%、ヒスパニック系住民の内60.1%、アジア系住民の内59.4%、さらにキリスト教再生派、福音主義派住民の内47.9%が、「政府が故意に防止策を怠った」という意見に同意しているという。

2004年5月26日にカナダのトロント・スター紙が行った調査によれば、カナダ国民の内63%が「米国政府はテロ発生が近づいていることを知りながら、故意に防止策を怠った」と考えているという。

日本の新聞社は非常に内気なので、高度に政治的な問題に関しては、国民に対しても政治家に対しても質問や報道を避ける傾向にあるが(その代わりライバル社のスキャンダル報道には非常に大胆だ)、そろそろ国内で上記のような国民意識調査を実施すべきではないだろうか。

2004/07/25

国防総省の911テロ犠牲者慰霊碑

The Smoking Gun2004/07/15付記事より。

世界貿易センター再開発現場周りに設置されている、911同時多発テロ犠牲者追悼慰霊碑の内、国防総省での犠牲者を追悼する碑には、こう書かれているという。
2002年9月11日はアメリカ及び世界にとって重要な日となった。」

(慰霊碑の写真)


ペンタゴン慰霊碑

国防総省といえば、長官を讃えるこんなステキなステッカーが登場している↓


ステッカー:Rumsfailed

2004/07/13

ホワイトハウスからパキスタン政府へ:7月末にビン・ラディンを拘束してくれ!

The New Republic2004/07/09付け記事より。

ホワイトハウスがパキスタン政府に、ビン・ラディン、その代理人といわれるアイマン・アル・ザワヒリ、もしくはタリバンのムラー・モハマド・オマル(この三人は高価値の標的/high-value targets :HVTsとの略号で呼ばれている)の拘束を、せめて11月の大統領選挙までに、可能であれば7月末に実行してほしいと強力な圧力をかけているという情報が、パキスタン軍事情報部(ISI)関係者から暴露されているという。

この情報によると、ホワイトハウスがパキスタン政府に、これら重要テロリストの拘束時期として要請しているのは、7月26日から28日、---ボストンで開催される民主党大会の最初の3日間----とのことである。

この拘束要請に関して、ホワイトハウスがパキスタン政府に報酬として用意しているのは、F-16戦闘機の販売と、カーン博士(パキスタン政府の支援で核兵器を開発し、北朝鮮、イラン、リビアに販売している人物)の黙認であるという。

ところで、パキスタン政府とその軍事情報部は、ムラー・モハマド・オマールの組織を直接支援してきた実績がある。さらに、同時多発テロ直前の2001年9月10日から、ビン・ラディンはパキスタンの軍事病院で腎臓病の治療のため入院していたという情報もある。

果たしてパキスタン政府がホワイトハウスから依頼されたのは、ビン・ラディンの「拘束」だろうか?あるいは「移動」なのか?

2004/06/10

「大脱走」by クレイグ・アンガー

ニューヨークタイムズ2004/06/01付けコラムより。(CommonDreams転載

イギリスで発禁処分となった問題作「House of Bush, House of Saud: The Secret Relationship Between the World's Two Most Powerful Dynasties」の著者、クレイグ・アンガー氏の記事を以下に全文翻訳掲載。同氏はマイケル・ムーアの「華氏911」にも情報提供している注目のジャーナリスト。しかし扱っている内容が危険すぎる・・・



「大脱走(The Great Escape)」


by クレイグ・アンガー


911テロ独立調査委員会が、あのテロ攻撃についての全ての疑問の答えを提示すると考えているアメリカ人たちは、---特に、テロ直後の、サウジアラビア人たちの極秘渡航に興味のある方々は---痛ましくも失望しかけているのではないだろうか?

19人のハイジャック犯のうち、15人がサウジアラビア人であることはご存知と思う。サウジアラビア人であるオサマ・ビン・ラディンが、911テロの背後にいることも承知している。しかし、我々は、出国したサウジアラビア人たち---24人のビン・ラディン近親者を含む---に対して、捜査をしなかったのである。もちろん、彼等がテロに共謀していたなどと言っているわけではないが。

残念ながら、我々が真実を知ることはないのかもしれない。調査委員会はすでに、「サウジアラビア国籍の特別チャーター機が航空機の航行再開前に米国を飛び立ったという信頼に足る証拠は存在しない」と結論づけている。しかし実際には、サウジアラビア人たちの航空機が脱出を始めたとき、アメリカ領空域の航行はまだ大部分禁止されていたのだ。

また、新たな証拠が示すところによれば、142人以上のサウジアラビア人が6機のチャーター機に分乗して米国を脱出しているが、これについて委員会は調査中である。さらに、新たに発表された記録によれば、160人のサウジアラビア人が55便の航空機で911テロ直後に米国を脱出している---つまり、合計で300人ほどが、明らかにブッシュ政権の承認の下、出国しているわけで、当初報告された人数をはるかに上回っているのである。その記録は国土安全保障省によってリリースされたが、情報公開法を盾に当該記録の公開を請求したのはワシントンの超党派監視団体、Judicial Watchであった。

新たに発覚した航空機の圧倒的多数はチャーター機ではなく商用旅客機であり、たった2、3人のサウジアラビア人を搭乗させただけの便もいくつかあった。飛び立った場所はシカゴ、ダラス、デンバー、デトロイト、ヒューストンなど、20以上の地区に及んでいる。或るサウジアラビア航空機は46人のサウジアラビア人を搭乗させて、9月13日にケネディー空港を飛び立った。次の日には、別の便が13人のサウジアラビア人を乗せて飛び立っている。

委員会は、FBIがサウジ航空機の搭乗客をテロ監視リストに沿って照合したことを示す証拠をまだ何も見つけていないと主張している。新たに発覚したサウジ航空機の件は、調査委員会にさらなる課題を残すことになった。元テロ対策責任者のリチャード・クラークがザ・ヒル紙に最近語ったところによれば、脱出した航空機のいくつかは、彼の責任において承認されたことになっているという。しかし、その決定にブッシュ政権が関わっていたかどうかは、今のところ定かではない。

乗客たちは、オサマ・ビン・ラディンと何らかの関係があるかどうか、あるいは資金提供しているかについて尋問されるべきであった。サウジ王家がイスラムテロリスト組織に資金提供していた事実は、随分以前からわかっていたのだから、迂闊だったといわねばならない。アルカイダとサウド王家の仲介人として批判されていたアハムド・ビン・サルマン王子は、ケンタッキーから離陸した航空機のひとつに搭乗していた。脱出前に、彼はFBIの尋問を受けただろうか?

もし委員会が思い切ってこの問題をとりあげることになれば、アメリカの歴史上もっとも重要な国家安全調査として、政策上非難されることは間違いない。大統領選挙の年となれば、なおさらである。

しかし調査しなければ、事態をはるかに悪化させる危険性があるだろう。何百万人もの真実を求める人々のことは言うまでもなく、あの日命を失った何千もの人々を裏切ることになるからだ。


(補足情報)政府当局者は911テロ直後のサウジ関係者の脱出疑惑を3年間に渡り否定しているが、例えばテロ発生から2日後に、(ジェブ・ブッシュが知事を務める)フロリダ州タンパのタンパ国際空港から、元FBI捜査官と元タンパ警察官に付き添われて、3人のサウジアラビア人---1人は王室関係者---が離陸した事実が、タンパ国際空港の記録によって正式に確認されている。(St. Petersburg Times2004/06/09付記事より)

2004/05/23

マイケル・ムーア「華氏911」の見どころは・・・

英ミラー紙2004/05/20の記事より。

カンヌ映画祭でパルムドール賞を獲得してしまったマイケル・ムーアの最新作「華氏911(Fahrenheit 911)」の見どころを、一般公開に先駆けて早速英ミラー紙が紹介している。「ブッシュがムーア作品を禁止したい10の理由」と紹介されている、同作品が提示するポイントを以下に引用してみよう。

  1. 911同時多発テロの直後、なぜオサマ・ビン・ラディンの近親者24人が搭乗した航空機は唯一飛ぶことを許され、米国を脱出できたのか?

    攻撃直後、米国は国内での航空機の飛行を全面禁止にした。ムーアは問いかける:「なぜブッシュは、FBIの調査もさせずに、テロ発生直後にサウジアラビアの個人ジェットが米国内を飛び回ってビン・ラディン近親者を搭乗させ、米国を脱出させることを許可したのか?24人の近親者のうち、1人ぐらいは事件について何か知っていることもあるだろうに」


  2. メディアはイラク人囚人虐待事件とアメリカ兵の幻滅を隠蔽したのか?

    作品中では、イラク人囚人に袋をかぶせて、虐待を加えるシーンから、酔っ払った兵士が交代で性的虐待を行うシーンも登場する。ムーアは言う:「これはアブグレイブ刑務所の壁の外で起こったことだ。メディアは毎日そこに待機していた。彼等がこうした事実を目にすることはなかったのか?作品中では、戦場の米兵士が、目の前で起きていることに関して幻滅と失望を感じていることを話しているが、アメリカ国民はそうした(幻滅する兵士達のことを)全く知らされていない


  3. ブッシュは意図的に恐怖の文化を作り出し、アメリカの貧困層の若者を戦争に駆り出しているのか?

    ムーアは、ブッシュ政権が意図的に恐怖の風土を作りだし、特に国土安全省の創設によって恐怖を扇動し、軍部へ入隊する若者を増やしていることを、「嘘に基づいて子供達を戦場に送り出す不道徳な行為」と批判している。


  4. ブッシュファミリーとビン・ラディン・ファミリーはどこまで深く関係しているのか?

    ムーアはビン・ラディン家とブッシュ家の25年に及ぶビジネス関係について暴露している。ブッシュ父は高給取りのコンサルタントとして、国内最大の軍事企業のひとつであるカーライルグループに雇われていた。カーライルグループの出資者の1人(少なくとも200万ドルを出している)のは、ビン・ラディン家である。

  5. ブッシュの軍歴を改ざんするホワイトハウスはどこまで腹黒くなるのか?

    テキサス航空隊に在籍していた事実を証明することを困難にしてしまっただけでなく、ホワイトハウスはブッシュとその仲間がサウジアラビアの石油企業と関係していた事実まで隠蔽している。またムーアによれば、ブッシュの軍隊仲間のジェームズ・R・ベイスはビン・ラディン・ファミリーに航空機を販売していたという。

  6. タリバンとの話し合いの最中、ブッシュはビン・ラディン逮捕の機会を逃したのか?

    ムーアによれば、ブッシュはテキサス州知事時代に、タリバンの指導者と親しくなっていたという。彼等はテキサスで会見し、トルクメニスタンからタリバン支配下のアフガニスタンを経由してパキスタンへ到達する天然ガスパイプライン建造について議論していた。ブッシュ政権の代理人は2001年夏にタリバンと会見している。ムーアによれば、彼等はビン・ラディン問題を無視し、石油問題に夢中だったとのこと。「ブッシュはビン・ラディン引渡しを要求したのだろうか?武力でタリバンを脅しただろうか?あるいは新しいパイプラインについて話し合っていたのか?」


  7. なぜブッシュ家はサウジ王家と特別な関係を持っているのか?

    米国では毎日150万バレル以上の石油をサウジアラビアに依存しているが、サウジ王家の気まぐれですぐ消滅してしまうことも考えられる。ブッシュだけでなく、アメリカ人全てが、いかにサウジ政府に依存しているか知っておくべきだ。これは国土防衛上も由々しき事態なんだ」さらにムーアはブッシュとの深い関係からバンダル・ブッシュというニックネームを持ち、サウジ外交を務めるバンダル王子についても言及。911テロの残虐行為とサウジ過激派との関係を示す証拠が続々と明らかになっているにも関わらず、ブッシュはバンダル王子とテロの二日後にディナーを楽しんでいる。


  8. ブッシュは休暇が多すぎてテロに集中できなかった?

    ブッシュは大統領就任から911同時多発テロまでの8ヶ月間の内、42%の時間を休暇として過ごしているので、防衛戦略に遅れをとることになったと、ムーアは批判する。911テロ調査委員会の公聴会で、CIA長官のジョージ・テネットは、2001年8月の時点で、ザカリアス・ムザウイ(911テロとの関係を告発された唯一のテロリスト)がアメリカン航空747機の操縦レッスンを受けていることを知っていたことを認めている。テネットがブッシュにその事実を伝えられなかったのは「大統領が休暇中だったから」と説明している。


  9. ブッシュは貿易センタービルが攻撃を受けていることを知らされたとき、パニックに陥った?

    9月11日の朝、ブッシュ大統領はフロリダで子供の読書イベントに出席していた際にカメラ前でポーズをとっていた。ムーアは、二つ目の旅客機がビルに突入した事実を告げられ、ブッシュが奇妙な表情をした場面を公開している。画面の下にはストップウォッチを表示して、ブッシュ大統領が絵本を読み続けて、補佐官がどうすべきかアドバイスするまで何をすべきか分からなかった様子が映し出されている。ムーアは言う:「ブッシュは、前の月にCIAから報告を受けていた事実についてもっと真剣に取り組むべきだったと考えていたのだろうか?その報告では、アルカイダが米国攻撃を計画中で、航空機を使う可能性があることが書かれていたんだ。それとも、ブッシュは怖くて気が動転していたのか?」


  10. ブッシュは大手メディアを操作して2000年大統領選挙での勝利をでっちあげたのか?

    ブッシュのいとこ、ジョン・エリスはフォックスニュースチャンネルの役員で、投票日の夜に早々とブッシュ/チェイニー勝利宣言を流し、他のメディアにも追随させるように脅した。この混乱により、アル・ゴアが得票数で勝っていたにも関わらず、ゴア敗北の論調を作り出した。

この作品が米国で公開されるようなことになれば、ブッシュ政権は文字どおりひっくり返ることになるだろう。しかし、ムーアがこれから気をつけなければならないのは、ブッシュチームによる公開禁止圧力よりも、サウジ王家による圧力である。ディズニーが配給を拒んだ本当の理由は、主要株主であるサウジ王家関係者による圧力を恐れたためという見方もあるのだ。しかも今後は、単なる「公開禁止の圧力」で済むのかどうかすら定かではない。

2004/04/09

ライス補佐官、ウソと不誠実な証言をくりかえす

コンドリーザ・ライスは全く謝罪しなかった。誠実でもなく、ウソとスピンで公聴会参加者をウンザリさせた。

Center for American Progressがさっそくライスの証言内容のウソを暴く記事を公開している。これで彼女のキャリアは終わりだろうが、そもそも彼女は年内でホワイトハウスを離れる予定なので、批判されても痛くも痒くもないだろう。(ライス証言ビデオはCspanで観れるが、ハイライトはCBSでも観る事ができる。)

元々ロシア政治の専門家として父ブッシュ政権時代にホワイトハウス入りし、ゴルバチョフと友好関係を築いておきながら、頭角を現しつつあったエリツィンを無視した上に、ソ連が崩壊することを予測できなかったコンディ。(ソ連崩壊を予測し、合衆国がソ連崩壊前に介入すべきと主張してライスと衝突し、政権を去ったのはチェイニーとウォルフォウィツだった。今回、チェイニーはライスを公聴会に押し出して、引き換えに自分の公聴会での証言を免除させた。なんと狡猾な副大統領!)

そんな失敗をしたライスを合衆国防衛の要職に採用したのは、パキスタンのムシャラフ将軍すら知らなかったブッシュジュニアである。こんな連中が世界戦略を話し合っても、マトモな外交政策などできるはずもない。テロ対策と全く関係ないイラク攻撃、テロリストよりも反ブッシュ活動家を監視することに注力する国土防衛策。司法長官のアッシュクロフトに至ってはテロリスト情報よりも中絶した女性の個人情報を収集することにひたすら執着し、その変態的性格を恥じる様子もない。

そんな異常でマヌケなホワイトハウスに追随する小泉政権は、アルジャジーラ無しではイラクで誰が拘束されたかもわからない。(イラク派遣部隊に陸上幕僚監部調査部などの情報部関係者が同行しなかったのだろうか?あるいは自衛隊幹部と官邸の関係が悪いのか)これでは、巨大な防衛費で知られる二つの大国が、お互いを目隠しして、銃を撃ちまくっているようなものではないか。

2004/03/31

コンドリーザ・ライスとホワイトハウスの仕込み:911調査委員会事務局長ゼリコウ氏はお仲間?

Antiwar.com2004/03/31付けのポール・スペリー氏コラムより。

911同時多発テロ独立調査委員会の公聴会でのリチャード・クラーク氏の批判を受けて、ついにコンドリーザ・ライス大統領補佐官がホワイトハウスの命を受けて証言台に立つことになった。(このライス召還に際して、ホワイトハウスはブッシュ本人とチェイニー副大統領の公聴会での宣誓証言免除を求めるという馬鹿げた交換条件を提示した。これでは「ホワイトハウスは嘘つきですよ」と堂々宣言しているようなものである

さて、ライス補佐官の召還について危惧されているのが、年末に政権を去る予定のライス氏がヤケクソになって真実を語り始めることを防止するために、ホワイトハウスが準備した調査委員会内部への「仕込み」の危険性である。もっとも怪しいのは、事務局長を務めるフィリップ・ゼリコウ氏だ。スペリー氏のコラムからゼリコウ氏の経歴を引用してみよう。


1.
ライス補佐官とゼリコウ氏は、共に父ブッシュ政権時代にブレント・スノウクロフト国家安全保障担当大統領補佐官の補佐として働いている。ゼリコウ氏はヨーロッパ安全担当ディレクター、ライス氏はソビエト及び東ヨーロッパ安全管理シニアディレクターとして、大統領のアシスタントを務めていた。ライス氏はゼリコウ氏の上司として振舞っていたとされる。両者ともに1989年から1991年までの任期だった。

2.
父ブッシュ政権の補佐を辞任してから、ゼリコウ氏とライス氏は共同で書籍を執筆。タイトルは「Germany Unified and Europe Transformed: A Study in Statecraft(ドイツ統一とヨーロッパの転換:政治的手腕の研究」

3.
ゼリコウ氏はライス氏の恩師スノウクロフト氏と外交問題評議団体アスペン・ストラテジー・グループを主宰、ライス氏はデック・チェイニー、ポール・ウォルフォウィッツと共にメンバーに加わっている。

4.
ゼリコウ氏はマークル基金の国土安全タスクフォースを主宰、共同委員長にブッシュ/チェイニーの後援者ジェームズ・バークスデイル氏を迎えている。911委員会の委員の1人、スレイド・ゴートン(共和党議員)もゼリコウ氏とともに同タスクフォースのメンバーとして働いていた。二人は連邦選挙改革全国委員会でも肩を並べている。

5.
2000年大統領選挙の後、ゼリコウ氏とライス氏は現ブッシュ政権に迎えられ、ゼリコウ氏は国家安全保障会議(NSC)改革員に就任、ライス氏はゼリコウ氏にスノウクロフト時代をベースにした組織運営モデルに同会議を改革するように依頼、NSCは冷戦時代の世界観へ逆戻りした。

6.
リチャード・クラーク氏の話では、彼はライス氏、ハードレー氏だけではなく、ゼリコウ氏にもアルカイダの危険性についてブリーフィングしていたという。(ゼリコウ氏もライス氏の嘘を知っていたわけだ

7.
911テロから1ヶ月後、ブッシュ大統領はゼリコウ氏を大統領外国諜報諮問委員会に加えた。同委員会委員長はスノウクロフト氏。

8.
ゼリコウ氏の通常業務は、(911調査委員会が7月に最終報告書を提出したあとに戻る役職は)バージニア州大学広報部ミラーセンター所長。同センターは大統領府の研究とブッシュ政権との関係維持のために設立されている。

ゼリコウ氏はイラク戦争、テロとの戦いをどう捉えているのだろうか?以下に引用した本人の発言から、そのヒントを観ることができるかもしれない。


「なぜイラクはアメリカを攻撃し、核兵器を使おうとするのか?私の考えを申し上げれば、その本当の脅威は1990年から現在まで続いていて、イスラエルにとっても危険な存在なのです。
(”Why would Iraq attack America or use nuclear weapons against us? I'll tell you what I think the real threat (is) and actually has been since 1990 -- it's the threat against Israel,”)」

---フィリップ・ゼリコウ氏、2002年9月10日、バージニア大学で、外交問題の専門家として911テロの影響と将来のアルカイダとの戦争に対する評価に関しての発言(参照元

2004/03/30

FBIも知っていた:翻訳担当者の告発

サロン・ドットコム2004/03/26付のスクープ記事より。

FBIで傍受した通信を翻訳していた担当者が、「FBIは同時多発テロ事件より以前に、航空機を利用したテロリズム計画が進行中であることを示す情報を入手しており、テロ発生の予測は可能だった」と暴露した。

「FBIは2001年6月か7月に、オレンジもしくはレッドの警告を発信すべきだったのです。テロに関する情報はいくらでもあったのですから」シーベル・エドモンズは告発する。彼女はトルコ系アメリカ人で、ペルシア語、アラビア語、トルコ語を流暢に話し、10年前に米国市民権を得た人物。パートタイム翻訳者として2001年9月20日から6ヶ月間、FBIの911同時多発テロ事件調査チームに配属され、FBIとCIAが事件以前にテロリスト周辺から入手していた膨大な盗聴情報を翻訳していた。

エドモンズはブッシュ/ホワイトハウスが「アルカイダの911テロにつながる事前情報を入手していなかった」という声明に怒り、告発に踏み切ったという。「特にワシントンポストの記事で、航空機を使ったテロや、国内テロの発生に関する事前情報を当局は入手していなかったというコンドリーザ・ライスの発言を読んで、心底怒りました。とんでもないウソです。ウソを証明できる書類もあります

エドモンズは今年2月に911テロ調査委員会の聴取に応じていて、FBIの情報について証言済みであるという。彼女は今週の公聴会を見学し、FBI長官のロバート・ミューラーが証人喚問を予定されている4月の公聴会にも出席するつもりである。

「委員会できちんと質問されることを祈ります。例えば---『2001年4月に、FBI地方局は航空機を利用して大都市を攻撃するテロ計画に関する情報を入手していましたか?』『FBIの情報屋として10年働いていた人物を通して、テロ計画や国内のテロリスト集団に関する詳細な情報を入手していましたか?』とか。(FBI長官は)NOとはいえないはずです

エドモンズはFBIの業務に関する腐敗---翻訳部署が予算獲得のために仕事を遅らせていた件など---で内部告発をしたため、2002年3月に解雇されていた。

上記のサロン・ドットコムの記事に加えて、調査記者トム・フロッコの2004/3/24付け記事によると、公聴会での記者会見で、シーベル・エドモンズは、2002年にCBSの報道番組「60ミニッツ」出演の際に、司法長官ジョン・アッシュクロフトによって沈黙するように脅迫されていたという。

では、そのアッシュクロフト長官は911テロに関する情報を、どの程度まで事前に知っていたのだろうか?

例えば、CBSニュースは2001年7月26日の時点で、アッシュクロフト長官が週末にミズーリ州へ釣りに出かけるために、商用旅客機ではなく政府専用機を利用して税金を無駄遣いしているという批判記事を配信している。当時のFBI広報は「危機予測とガイドラインにしたがって」商用航空機に乗ることを控えさせていると説明していたが、「FBIも司法省も、具体的にどんな危機があって、いつそれが判明し、誰が危機を作ったかについては説明していない」とCBSのジム・スチュアート記者はするどく指摘していた。

CBSは同じ質問を、もういちどアッシュクロフト長官にぶつけることができるだろうか?

2004/03/25

リチャード・クラークと真実の瞬間:超タカ派官僚の見せた人間性がアメリカを変える

2004年3月24日、水曜日。この日の午後、米国史上歴史に残る衝撃が世界を覆った。

アメリカ国防総省と情報部に30年間も在籍し、「テロ対策の権威」「超タカ派官僚」として、国民からも政府内部からも嫌われていたという前大統領特別顧問リチャード・クラーク氏が、911同時多発テロ調査委員会の公聴会のはじめに、以下のような声明をしたのである。(Cspanで録画を観ることができる


「今回の公聴会に召喚されたことをありがたく思います。なぜなら、911テロの被害者と遺族の方にようやく謝罪する機会ができたからです。・・・公聴会に参加されているご遺族の皆さん、今テレビで公聴会をご覧の皆さんに伝えたい・・・わが国の政府はあなた方を裏切ったのです。国民を守る立場にありながら、皆さんを裏切っていました。そして私自身も、皆さんを裏切った人間です。努力はしたが、意味のないことだ。失敗したのだから・・・その失敗について、全ての事実が明らかになった暁には、皆さんに理解と許しを請いたいのです。
(...I also welcomed this hearing, because it is finally a forum where I can apologize to the loved ones of the victims of 9/11. To [those] who are here in the room, to those who are watching on television, Your government failed you. Those entrusted with protecting you failed you. And I failed you. We tried hard, but that doesn't matter, because we failed. And for that failure, I would ask, once all the facts are out, for your understanding and for your forgiveness.)」

世界のマスメディアも息を呑んだに違いない。政府閣僚としてテロ対策に従事していた中心人物が、政府と自分の失敗を認め、謝罪するという、(アメリカ人官僚のもっとも苦手な)謙虚な行動に出ると誰が想像しただろう。(江角マキコさんも驚きですかな?)

そして、「政府批判するなんて愛国的でない」「事件の調査はもう充分」とアメリカ国内で逆風にさらされてきた911テロの遺族は、クラーク氏の勇気ある謝罪の言葉に、どんなに救われたことだろうか。
ニューヨークデイリーニュースの記事(Commondreams転載)から、公聴会に参加した遺族の言葉を引用しておこう。


「(遺族に)謝罪した人はクラークがはじめてです。泣きたい気持ちになりました」夫を911テロで亡くした女性、ミンディ・クレインバーグは言った。
メアリー・フェチェットは息子のブラッドレーをテロで亡くしている。彼女はクラーク氏が非難を受け入れたことを賞賛、「勇気をもって真実を語ってくれた」と讃えた。

公聴会で911テロ遺族と会見するリチャード・クラーク氏


もちろん、全てはクラーク氏の計算どおり、と批判されるのも無理はない。クラーク氏はペンシルバニア大学とMITを卒業し、ペンタゴンで核兵器問題とヨーロッパの安全情報に関わり、CIA、NSA他にコネを持つという筋金入りのエリート情報部員である。しかも公聴会前には自著「Against All Enemies : Inside the White House's War on Terror--What Really Happened」を発売、「ブッシュ政権批判は注目を浴びるための演出」とわかりやすい批判が起こることも予測済みであろう。

だが、考えてみて欲しい。防衛・軍事関連にコネのある元閣僚なら、ロビー活動ビジネスだけでも莫大な資産を築くことができるし、ブッシュ政権と共和党のご機嫌をとれば今後も様々なポストが約束されたのだ。たかが一冊のベストセラーを作るために、ネオコン連中を敵に回すのはエリート官僚のすることではない。だいいち、ホワイトハウスに誤りを認めさせることがどんなに自分の身を危険にさらすことになるか、クラーク氏自身もよくわかっているはずだ

ポール・クルーグマンがニューヨークタイムズで書いているように、「彼は国民に真実を知ってほしかっただけ」のために暴露本を書き、謝罪したのではないか。リチャード・クラーク氏は確かにどうしようもない戦争マニアで、危険な情報部員だった。しかし今回は、その良心を信じ、その勇気ある発言と謝罪を賞賛したいのである。

さて、アメリカ国内政治の流れは変わり、ブッシュ政権は任期終了前に最大のピンチを迎えることになった。クラーク氏の後に公聴会に登場した「日和見軍人」アーミテージ米国務副長官は、どちらかといえばクラーク氏の証言に沿った発言をしている。そのアーミテージの証言によりウソを暴かれつつあるのは、公聴会での証人喚問を拒否しつづけているコンドリーザ・ライス大統領補佐官である。(911テロ情報を事前に察知していたとされる彼女は、今のブッシュ政権にとって、邪魔な存在になりつつある)

もちろん、今回の「リチャード・クラーク:真実の瞬間」の意味は、アメリカ人だけでなく世界の人々にとっても、とてつもなく大きく、重い。なぜなら、「謝罪」と「反省」「真実」こそ、アメリカ政府に(あるいは自国の政府に)求められていることだからである。

分断されていた世界は、今日を境に、再び「グラウンド・ゼロ」へ立ち戻ることになった。
2001年9月11日、同時多発テロはどのようにして起こったか。真犯人は誰なのか?アメリカ政府は何をしていた

そして日本政府はなぜ、テロ対策と関係のない米国のイラク侵攻を支持したのか?
残念ながら、観光旅行を「留学」と嘯く小泉首相に、これら疑問へのマトモな回答は期待できない。日本にとっても、真実の瞬間は迫っているというのに。

2003/12/23

911とコンドリーザ・ライスの秘密

米タイム誌2003/12/20の記事より。ホワイトハウスは911テロに関する証人資料、及びCIAが事前にホワイトハウスに提出していたテロ警告資料の内容についての公開を拒否しつづけている(つまり、テロ調査を米政府自身が妨害している!)が、中でもNational Security Adviser(国家安全保障担当大統領補佐官)であるコンドリーザ・ライスは、911テロ被害者団の求める情報公開にもっとも非協力的で、彼女は911審問で証言することをなんとかして避けようとしているらしい。

アメリカ政府は、911テロについて事前に発生の可能性を具体的に察知していたのだろうか?例えばテロ当日に飛行機での旅行をキャンセルしたサンフランシスコ市長は、友人のライス補佐官から直接「飛行機に乗るな」と警告されていたラジオ番組で語っている。

2003/12/17

911テロの警告をブッシュは無視した---ホワイトハウスが事実を認定した今でも否定している!

ブッシュ批判運動MoveOnの一部、DailyMisslead.orgの秀逸な記事。ホワイトハウスが公式に認めたにも関わらず、ブッシュ自身は今でも、米情報部が報告した911テロ発生予告の警告を無視していた事実について否定している。

「米軍最高司令官」が聞いて呆れる。これは米国建国以来の、究極の責任逃れではないか。こんな人物に、フセインが穴に隠れていたことを批判する資格はない。英ガーディアン紙が指摘するように、ブッシュは今でも穴に隠れ続けているのだ。

2003/12/05

ブッシュファミリーとビン・ラディンファミリー:9/11朝、ブッシュシニアはビンラディン兄と何を話したか?

9/11はブッシュファミリーとネオコン集団の仕組んだ巨大なヤラセテロだったのか?「そんなありふれた陰謀説を受け入れる人は狂っている---そんな情報、新聞にも載ってないしテレビでもやってないぞ!」と仰る人は、おそらくアメリカと日本の新聞しか読んだことがない「国際派」に違いない。

ブッシュファミリーが9/11テロを直接計画していたことを証明する証拠は今のところ何処にも見当たらない。しかし、ブッシュファミリーの人々---ジョージ・H・W・ブッシュ(元大統領)、ジョージ・W・ブッシュ(現大統領)、マービン・ブッシュ(兄)、ニール・ブッシュ(弟)、ジェブ・ブッシュ(弟)その他大勢---彼らが9/11前後に煙の上がる銃口を見つめていたことに関しては多くの事実が裏付けている。

例えば、9/11の朝、ワシントンのリッツカールトンホテルで、ブッシュ元大統領(現大統領の父)がビン・ラディンの兄、シャフィグ・ビン・ラディンと会談していたという事実がもっと重視されれば、9/11テロの捜査はマトモな結末を迎えていたかもしれない。

イカれた人間が流した陰謀説など考慮に値しないという貴兄は、カナダCBC放送の挑発的なドキュメンタリーをお薦めしたい。(同ドキュメンタリーは動画として無料で視聴できる