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ホワイトハウスの陰謀

2008/06/28

ネルソン・マンデラとキム・ジョンイル、ブッシュ政権から冷遇されているのはどっち?

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2008年6月27日、90歳の誕生日をロンドンで祝うネルソン・マンデラ氏。ハリウッド男優ウィル・スミスも駆けつけた。source:ワシントンポスト紙


回答:ネルソン・マンデラ。南アフリカ共和国で人種隔離政策の廃止に尽力し、後に大統領になったこの黒人解放運動指導者は、レーガン政権時代に米国務省から「テロを起こす恐れあり」として要監視対象リスト入りを認定され、そのまま現在に至る。

ネルソン・マンデラ氏は米国の外交姿勢について「なぜ米国はあんなにも傲慢に振舞うのか?」と強く批判しており、特にイラク戦争については「米英は石油が欲しいだけなのだ」と糾弾している。白人至上社会を脅かすだけでなく、アメリカの戦争政策を批判している・・・米国務省がテロリスト認定するには、それだけで充分だったわけだ。

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2008/06/12

マクレラン元大統領報道官が語るブッシュ政権の犯罪

2004年3月22日、クリントン政権及び現ブッシュ政権でテロ対策大統領特別補佐官を務めたリチャード・クラークが、後に話題となる暴露本『Against All Enemies(邦訳:爆弾証言 すべての敵に向かって)』を発表した。クラークは同書で「同時多発テロの直前まで、ブッシュ政権はテロ対策に全く無関心だった」と書き、ブッシュ大統領と閣僚たちを猛烈に批判し、一方でテロ対策の責務を果たせなかったと国民に謝罪した

リチャード・クラークの大統領批判に真っ先に対応する羽目になったのが、当時のホワイトハウス報道官スコット・マクレランである。クラークの書籍が発売されたその日、彼はホワイトハウス定例記者会見で、リチャード・クラークを批判してこう言い放った:

「なぜ、まったく唐突にこんなことを?重大な懸念があったのなら、もっと早い時期から問題提起すべきだったのでは?政権を去って1年半が過ぎ、突然、このような重大な懸念を彼(クラーク)は持ち出しているんです。さて、ここで記者の皆さんに事実をちょっと鑑みてもらいたいのですが、彼は大統領選挙の真っ最中にこの件を持ち出しているということです。彼は本を書いたので、世に出て本の宣伝をしたいのですよ。」


What Happened: Inside the Bush White House and Washington's Culture of Deception

スコット・マクレラン元大統領報道官の回顧録:What Happened: Inside the Bush White House and Washington's Culture of Deception

ところが、それから4年以上経過した2008年6月、“元”報道官スコット・マクレランは、リチャード・クラークと同じように暴露本を発表し、同じようにブッシュ政権批判を開始したのである。しかも、書籍発表直後から、連日テレビに登場し、喋るたびに「本に書いてあるとおり・・・」と、まさしくあからさまに書籍の宣伝に努めているのだ。

そして再び皆が言う:重大な問題を知っていたのなら、なぜもっと早く告発しなかった?

政界の元同僚からは裏切り者呼ばわりされ、マスコミからは「新しいことは何も書いてない」と嘲笑され(内容の一部は昨年暮れに報道済み、国民からは「ブッシュのプロパガンダに加担した張本人」と一層批判されることになった“テディベア”スコティ(愛称)。それなのに、インタビューに応えるマクレラン元報道官は、なぜか時折清々しい表情を見せる。さらに皮肉なことに、現役時代よりも今のほうが、弁舌が冴えているようだ。フォックスニュースの名物右翼タレント、ビル・オライリーの攻撃にも、一歩も退くことなく、むしろ少々愉快そうに反論し、ブッシュ大統領を必死に擁護するオライリーをおおいに苛立たせた

今年2月で40歳になったばかりのスコット・マクレラン。彼に一体何が起きたのか?

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2008/01/12

米マクラッチー紙報道:「北朝鮮のドル紙幣偽造」はガセネタ?!


まさか、そんなことがあるのだろうか??

米国の有力新聞マクラッチー紙が、2008年1月10日付紙面で大変なことを報道している。曰く、米国政府側が主張する「北朝鮮政府が米ドル紙幣を偽造している」という疑惑の情報源はかなり怪しく、噂の超精巧偽札「スーパーノート」は、実際のところ“ホンモノ”じゃないかというのである。同紙はこの報道で、大量の関連記事、資料を掲載して、疑惑を検証している。

マクラッチー紙といえば、例えばイランの核兵器開発疑惑について、米政府の国家諜報評価がそれを否定する1ヶ月前に、「ブッシュ政権の唱えるイラン核兵器開発の根拠は政府内でも疑問視されている」という暴露記事を、政府内部の諜報関係者の証言を元にサラリと報道してみせるなど、米国大手報道企業としては、特に外交政策分野で突っ込んだ報道姿勢を貫いているメディアとして知られている。特に同紙イラク支局はその正確さにおいて評価が高く、同支局女性取材チームは2007年度国際女性メディア基金の『勇気ある報道』賞を受賞している

問題となっているマクラッチー紙の1月10日付け記事:『U.S. counterfeiting charges against N. Korea based on shaky evidence(米国の対北朝鮮紙幣偽造嫌疑は曖昧な証拠に基づく)』を翻訳すると、以下のような感じである:


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2007/11/26

マクレラン元大統領報道官が回顧録でブッシュ政権を批判

スコット・マクレラン大統領報道官

「私がここから逃げ出したくなったことがあるかって?そんなこと毎日考えてるさ!(笑)」

2004年3月9日、ホワイトハウス定例記者会見で演台に立ったスコット・マクレラン大統領報道官が思わず漏らした言葉。

前任者のアリ・フライシャーが強圧的な態度で不評だったのに対し、人当たりがソフトなスコット・マクレランは“テディベア”と呼ばれ、また苦しい嘘で記者の質問をはぐらかし窮地に追い込まれる毎日から“シンプル・スコティ”とあだ名が付いた。彼はテキサス州知事時代からブッシュを支えた側近中の側近の1人でもある。

母親のキャロル・キートン・ステイホーンは女性初のオースティン市長に選出された地元の名士で、2006年テキサス州知事選挙で保守系独立候補者として立候補した。その際、ホワイトハウスを去ったばかりのスコット・マクレランが選挙マネージャーを務めたが、ブッシュ大統領は共和党公認の現職リック・ペリーを推薦し、マクレランの母親は落選した。ちなみにスコット・マクレランの父親は、ベストセラー書籍『ケネディを殺した副大統領―その血と金と権力』の著者、バー・マクレラン氏。

ブッシュのホワイトハウスに勤務し、マスコミに嘘をつくことを日常業務としていた大統領報道官が回顧録を執筆した。書いたのは嘘?それとも真実?

ブッシュ政権で2003年7月から2006年4月まで大統領報道官を務めたスコット・マクレラン氏が、現在執筆中の回顧録の中で、CIA工作員身元漏洩事件(ヴァレリー・プレイム事件、通称PlameGate)において、ブッシュ大統領が隠ぺい工作に直接関与したことを仄めかし、マスコミをにぎわせている

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2007/01/25

元CIA工作員E・ハワード・ハントが死去:最後の著作は来月刊行予定

・・・ウォーターゲートのビルで逮捕されたマイアミ組の二人がそれぞれ住所録を持っていた。その住所録には、ハワード・ハントなる人物の氏名と電話番号、「W・ハウス」と「W・H」という小さな記号のようなものが載っているという。ウッドワードは電話のそばの堅い椅子に腰をおろして、電話帳を調べた。ハワード・ハントの電話番号は、メリーランド州ポトマックの部分に載っていた。モンゴメリー郡の豊かな郊外都市である。電話は通じなかった。
(中略)ウッドワードは旧友に電話した。ときどき情報を提供してくれる連邦政府の役人で、職場に電話をかけてくるのを好まない。その友人は、不法侵入事件は「熱くなる」だろうが、理由は説明できないと急いで言うなり、電話を切ってしまった。

-ボブ・ウッドワード&カール・バーンスタイン著『大統領の陰謀―ニクソンを追いつめた300日

AmericanSpy

E・ハワード・ハントの最後の著作は回顧録『American Spy: My Secret History in the Cia, Watergate And Beyond

ニクソン大統領が辞任に追い込まれる契機となったウォーターゲート事件を含め多数の「ホワイトハウス不正工作」を実行した『鉛管工チーム』の中心人物で、謎に包まれた経歴で知られる元CIA工作員E・ハワード・ハント氏が、23日にフロリダ州マイアミの病院で肺炎のため亡くなった。88歳だった。NYタイムズ紙報道ワシントンポスト紙報道

今年2月末には、ハント氏の最新・最後の著作『American Spy: My Secret History in the Cia, Watergate And Beyond』が発売される。ハント氏はこの回顧録の中で、ハント氏自身も関与を疑われたケネディ暗殺事件について、当時の副大統領リンドン・ジョンソンが暗殺計画に関わったのではないかと仄めかしているという。

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2006/10/05

ボブ・ウッドワードの新著『State of Denial』にワシントンが騒然

ワシントンポスト紙編集主幹で同社のスター記者、ボブ・ウッドワードの最新著作『State of Denial』が10月2日から発売開始された。版元によれば発売後わずか2日で3刷目、90万部以上出荷という超ベストセラー書籍になっており(彦摩呂風に言えば「ノンフィクション界のハリー・ポッターや!!」)、その流れで他のブッシュ批判ノンフィクション本も次々とベストセラーになりつつあるという。

そして、その書籍の内容をめぐり、米国政界に大激震が走っている

ウッドワードのブッシュ政権内幕本としては、これまでに『ブッシュの戦争(Bush at War)』『攻撃計画(Plan of Attack)』の二冊が刊行されているが、政府の機密情報を暴露しつつも、ブッシュ大統領個人については決断力に富む強力なリーダーシップを持つ人物として常にポジティブに描かれてきた。ブッシュ大統領を含めブッシュ政権幹部もウッドワードの描くブッシュ政権像に大変満足している様子(前二作で、ウッドワードはブッシュ大統領・チェイニー副大統領を相手に、特別扱いとも言える長時間独占インタビューをホワイトハウスで行うことを許されている)ブッシュ本人も著作が刊行されるたびに公の場で推薦してきた。

ところが、今度の新著『State of Denial』刊行に合わせ内容の抜粋が報道され始めると、ホワイトハウス側は「ウッドワード氏の報道姿勢は歪曲している」と批判し始めた。ウッドワードの予告どおり、現在の合衆国政府はまさしくState of Denial(拒絶状態)になったのだ。

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2005/09/30

ジュディス・ミラー記者、釈放される

CIA工作員名漏洩事件で有罪を宣告され、現在服役中のニューヨークタイムズ紙ジュディス・ミラー記者が、収監されていたバージニア州郊外の「新世代刑務所」アレクサンドリア収容センターから急遽釈放された

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2005/07/14

CIA工作員名漏洩事件:カール・ローブ暗躍中

ブッシュの後ろに控えるカール・ローブ大統領顧問

『ブッシュの頭脳』カール・ローブは今でもホワイトハウスを支配している

CIA諜報員の情報を記者に漏らし、国家機密漏洩の罪に問われようとしているカール・ローブ大統領上級顧問を擁護すべく、また事件の重大性を誤魔化すために、ホワイトハウスと共和党は新たなブッシュ政権擁護キャンペーンをスタートさせた。

かつてクリントン大統領は、青年時代のマリファナ使用疑惑について「(マリファナタバコを)口にしたが、吸い込んだわけではない」と珍妙な自己弁護をした。今、ブッシュ政権は、クリントン以上に間抜けな弁護に追われている。


「悪いのは民主党だ!奴等を撃ち殺せ!」


「仮に今が民主党政権だったなら、すぐに議会で調査委員会が立ち上がってるだろうな」

---或る共和党議員が匿名でティム・ラセール(NBCの名物キャスター)に語った言葉

カール・ローブ問題の他にも大量のスキャンダルを抱えている共和党は、民主党側からの攻撃に対抗するために、カール・ローブ弁護指南メモを党内で配布していた。保守派にとって不幸なのは、そのメモもまたメディアに漏洩されてしまったことだ。(このメモの漏洩元はローブではないらしい)メディアに登場する共和党関係者は、まさしく指南メモの内容どおりにローブ弁護活動を行っている。(一方で、共和党側の弁護内容に対抗して、リベラル系ブログネットワークはローブ問題の争点を整理して公開している。)

共和党全国委員長ケン・メルマンは『ローブは機密漏洩などしていない。悪いのは(リベラル系サイトの)MoveOnと民主党だ。ローブ批判は、怒り狂った左翼の中傷キャンペーンだ』とテレビで言い放った

MSNBCのニュース番組「スカボロー・カントリー」に登場した共和党下院議員ピーター・キング(ニューヨーク州)は、放送中に必死の形相で以下の発言をした

「ジョー・ウィルソン(漏洩事件の被害者ヴァレリー・プレイムの夫で元駐ガボン米大使)文句を言う権利などないし、奴等に好き放題言わせているティム・ラセール等メディアの人間は、全員撃たれるべきだ。(悪いのは)カール・ローブではない。そりゃ、カール・ローブだって完璧じゃあない。しかし我々は皆不完全な世界に生きてるじゃないか。私はローブの根性を賞賛するよ。」

こうした発言を聞くと、国民の分裂を図り、国家の安全を脅かしている張本人は誰なのかという問題を米国民も再考せざるを得ないだろう。共和党のローブ弁護キャンペーンは、むしろブッシュ政権擁護派にとって逆効果となっている。

ウィルソン夫妻

ヴァレリー・プレイムとジョセフ・ウィルソン夫妻。カール・ローブの機密漏洩によって、ヴァレリーの勤務するCIAフロント企業名もバレてしまった。それにしてもヴァレリー、ちょっとカッコつけ過ぎだよ


カール・ローブはこの先どうなる?


サンフランシスコクロニクル紙の解説記事によれば、1982年発動の諜報員身分保護法(The Intelligence Identities Protection Act)により、工作員名を記した機密情報にアクセス資格がある者が政府諜報員の本名を漏洩した場合は10年以下の禁固刑、一般的な機密情報にアクセス資格がある者による諜報員名の漏洩では5年以下の禁固刑とされている。

同記事によれば、過去にこの法律に基づいて罰せられた人物で、公的に知られているのは、ガーナで活動していたCIA職員のシャロン・スクレイナージで、彼女はガーナ人男性の恋人に同僚の工作員の名前を教えた件で1985年に有罪となり、5年の禁固刑を宣告されたという(実際に収監されたのは8ヶ月間)。


ブッシュ父はカール・ローブをクビにした・・・情報漏洩疑惑で!


ジョージ・H・W・ブッシュ大統領(ブッシュ父)は、1992年の再選キャンペーンの際に、ブッシュ父に関するネガティブ情報をマスコミに漏洩した疑惑で、選挙参謀の1人をクビにした。その人物の名はカール・ローブ・・・そしてローブのリーク相手は保守派の有力記者ボブ・ノヴァックであった。

今回の漏洩事件において、ローブの情報を元にCIA工作員名を最初に記事にしたボブ・ノヴァックは、なぜかまだ収監されていない。


毎日が暴発寸前のホワイトハウス定例会見


2003年10月6日のホワイトハウス定例会見より
記者:
「スコット、大統領はCIA工作員名漏洩事件問題の結果を心待ちにしていて、誰が関わっていても大統領は説明責任を果たすと話してますが・・・」

マクレラン報道官:
「そのとおりです。」

記者:
「ところで、ホワイトハウス関係者が機密を漏洩していた場合、それが誰であろうと大統領は解雇すると確約できますかね?」

マクレラン報道官:
「それは先週はっきり言いましたよ。この話題が出た時に言いましたが、機密の漏洩元が政権内の人物であった場合、それ以上その人物はこの政権内で仕事はできません。これはきわめて深刻な事件なのです。大統領はつい最近もイーストルーム(ホワイトハウス東棟)で言ってましたが、機密漏洩は深刻な事態なのです。だから大統領は(捜査の)結末が知りたいんですよ。早ければ尚いいです。」

ScottMcClellan

定例会見で疲労困憊のマクレラン報道官。(source)テキサス州有力者の御曹司スコティは前任者アリ・フライシャーのように記者を脅迫できない。ワシントンのロビイストに転職し、すっかり愛想良くなったフライシャー元報道官は、ローブと同じ漏洩元の容疑で捜査対象になっている

カール・ローブが機密漏洩元との報道が配信されてから、ホワイトハウスの定例会見は異常な盛り上がりを見せている。前任者アリ・フライシャー報道官の恫喝姿勢と違い、現在のホワイトハウス報道官スコット・マクレランは、穏やかな口調で滑らかにウソを言い問題を誤魔化す技術に長ける優秀な人物だ。(英語を使って最大限曖昧な表現を試みるとき、マクレラン報道官のテキストほど参考になるものはない)しかしその“テディベア・スコティ”(マクレラン報道官のニックネーム)も、最近では、詰め寄る記者たちを誤魔化すことができず苦戦している。

今週月曜日(2005年7月11日)のホワイトハウス定例会見の様子を以下に抜粋してみよう:

記者:
「大統領は、CIA諜報員名漏洩事件に関わった人物を解雇するという以前の約束を果たしてくれますかね?

マクレラン報道官:
「ご質問ありがとう。あなたの質問は現在継続中の犯罪捜査に関する報道に関するものだと思います。現時点で、当該捜査は継続中ですね。したがって以前申し上げたとおり、捜査が完了していないので、ホワイトハウスはこの件に関してコメントできません。大統領は捜査に全面協力するよう職員に指示しています。捜査に全面協力するという方針から、捜査中の件に関してはコメントしないように決定したのです。」

記者:
「捜査についての質問じゃないんですけどね。大統領は、2004年7月に、今回の機密漏洩事件に関わった者は誰であろうと解雇すると言ってるんです。だから知りたいんです。大統領は今もその姿勢ですか?」

マクレラン報道官:
「そうですが、あなたの質問は現在継続中の捜査の文脈に絡んだものですから、ホワイトハウスとしては、会見の場において継続中の捜査に関するコメントをしないという方針を貫きたいわけです。捜査を担当する検察官は、捜査協力の一形態として、会見でコメントしないという我々の決定に好意を表明しています。従って、ホワイトハウスとしては継続中の捜査に関するコメントはできないし、それに関係する質問にもコメントできないのです。」

記者:
「スコット、ちょっと指摘させてくれ。君の主張に反して、2003年9月23日まだ調査中の段階で、君はコメントしてるじゃないか。ホワイトハウス内部で事件に関わった人物が居たら、その人物は解雇されると言ったのは君が最初だぞ。その後でも、2004年6月10日に、これも捜査が行われている最中だが、大統領自身も、ホワイトハウス内部で事件に関わる者があれば解雇するとコメントしてるんだよ。これまで、過去に捜査が継続している最中に堂々とコメントしているのに、今になって突然カーテンを閉めて『継続中の捜査に関するコメントはできない』なんて言い出すつもりかい?」

マクレラン報道官:
「ジョン、質問ありがとう。結果を知りたいのはわかります。しかし最も捜査の結果を心待ちにしているのは大統領自身なんです。捜査にもっとも協力的な姿勢を示すとしたら、捜査中はコメントしないことだと思うのです。捜査を担当する人々もそうした姿勢を望んでいます。そういうわけで、その方針を続けているんです。もちろん、以前言ったことはよく憶えていますし、時期が来れば、喜んでそういう話をしたいと思いますが、それは捜査終了後にさせてください。」

記者:
「じゃあ、聞いていいかな?捜査中でも以前はコメントできたのに、いつ心変わりしたのかな?」

マクレラン報道官:
「えーと、会見の冒頭でテリーの質問に対する私の回答をあなたは聞き漏らしていると思うんです。要点は、捜査が継続する間は、捜査担当者達の言うとおり・・・捜査継続中にコメントすることは控えたほうが好ましいのです。そのほうが、捜査への協力姿勢としてもっともふさわしいと思うのです。」

記者:
「スコット、この質問はどうだい?カール・ローブは罪を犯したのかな?」

マクレラン報道官:
「デビッド、もういちど言いますが、その質問は継続中の捜査に関わっていますから、私の答えはすでに申したとおりです。それ以上その件に言及するべきではないと思います。捜査継続中にはコメントはするつもりはないんです。」

記者:
2003年の秋、カールとエリオット・エイブラムズ、スクーター・リビーについて質問された時、あなたは『彼等に聞いたところ、事件には関わっていないと話してくれた』とあなたは回答されましたが、まだあの時の主張を変えるつもりはないですか?」

マクレラン報道官:
「憶えてらっしゃると思いますが、私がそう発言したのは、調査を先に進める助けになると思ったからで、今それにコメントするつもりはありません。それはもう充分説明しましたよ。」

記者:
スコット、こりゃ馬鹿げてるぞ。君が今やろうとしてることは、すでに詳しくコメントしてきた件について、国民の目の前で、どういうわけか話すのを止めたってことになるぞ。公式記録があるじゃないか。過去にここで言った言葉を追認するのか、それとも撤回するのか?」

マクレラン報道官:
「あなた同様、以前何を発言したかは、私もよくわかってますよ。適切な時期になれば、喜んで話したいです。その時期は捜査が・・・」

記者:
(遮って)「いつが適切でいつが不適切なんだい?」

マクレラン報道官:
「終わりまで話させてくれ。」

記者:
だめだ!話すも何も、君は何も答えてないじゃないか!君はその演台で、カール・ローブは関わっていないと言ったんだぞ。それが今になって、ジョゼフ・ウィルソンの奥さんについて話したのはローブだとわかったんだ。だから、アメリカ国民に説明する責任があるだろう?ローブは事件に関わっていたのか、違うのか?君が以前国民に話したのと正反対に、ローブは実際に漏らしていたんだよ。そうだろ?」

マクレラン報道官:
「いつか話せる時期が来ると思いますが、今はその時期ではないのです。」

記者:
「今日の君の説明で、国民が納得すると思うのかい?」

マクレラン報道官:
「繰り返しますが、すでにその回答は終わってます。」

記者:
スコット、今日は大変な場所に来ちゃったねえ!」(記者爆笑、以下略)

ところで、報道官はともかく、ブッシュ大統領本人は今、事件をどう考えているのか?7月13日の時点で、記者に問われたブッシュは、以下のように説明している。
記者:
「大統領殿、ローブ氏とはもう話されましたか?・・・バレリー・プレイムについて記者と会話した事実を、ローブ氏はいつ話しました?それに関連して、ローブ氏が当該事件に関わっていないと断言したホワイトハウス広報担当官の発言は適切だったと思いますか?」

ブッシュ:
「エレーン、今は捜査の真っ最中なんだ。これは深刻な捜査なんだよ。それから重要なのは、国民はメディアの報道によって判断を急ぐべきではないということなんだ。繰り返すが、捜査が終了したら、喜んでこの件にコメントをするよ。」

ブッシュ大統領の発言がマクレラン報道官のそれと全く同じに聞こえる?それこそ、カール・ローブが現在も業務を遂行している証拠なのであった。

今のところカール・ローブ本人は、このスキャンダルをまんまと逃げおおせると思っている。ひょっとしたら、ホワイトハウス西棟1階にあるカール・ローブのデスク上には、今頃「ザルカウィ拘束」「オサマ・ビン・ラディン拘束」とラベルのついたファイルが開かれているのかもしれない。

2005/07/03

ブッシュ政権危機がまたひとつ:CIA工作員名の漏洩元はカール・ローブ

カール・ローブ大統領上級顧問は、国家機密漏洩で訴追される可能性がきわめて高くなった。

CIA工作員リーク事件---元米外交員ジョセフ・ウィルソンの妻、バレリー・プラムがCIA職員であることが米政府内の何者かによって3人のジャーナリスト(ボブ・ノヴァック、ジュディス・ミラー、マット・クーパー)に漏洩された国家機密漏洩事件---の裁判で、マット・クーパー記者の雇い主である米タイム社が、政府側の漏洩元(情報源)を記した取材メモを連邦大陪審に引き渡す事態となったが、早くもその真相が漏れ始めた

以前から噂されていたとおりホワイトハウス側の漏洩元の1人は、カール・ローブ大統領上級顧問であった。MSNBCの政治アナリストであるローレンス・オドネル氏と、ニューズウィーク誌記者マイケル・イシコフ氏が、ローブが漏洩元の1人であることを確認したと報道されはじめている

この工作員漏洩事件の捜査で最も奇妙だったのは、実際にCIA工作員名を記事に書いたボブ・ノヴァク(保守派の大物ジャーナリスト)が、今まで追求を免れていたことだった。しかしそのノヴァクも、裁判に出頭して情報源を明かす決心をしたとテレビで語っていた。ブッシュ政権ベッタリのノヴァクも、世論の批判に耐えられなかったというわけだ。

結局のところ、事件の全体像は、被害者の夫であるジョセフ・ウィルソン元駐ガボン米大使の語っていた内容を裏付けたことになる。つまり、イラクの大量破壊兵器情報の件で、ブッシュ政権が情報操作を行っていたと批判したウィルソン氏に復讐するために、大統領の側近カール・ローブが、ウィルソン夫人の身に危険が及ぶ可能性のある国家機密を友人のボブ・ノヴァックに漏らして、ブッシュ政権批判を封じようとしたわけだ。

クーパー記者の保護のためにタイム社が捜査側に取材メモを明かすという事態は、ローブとノヴァックにとって計算違いだったのかもしれない。二人の記者を収監して事件はお終い!というわけにはいかなくなったのだ。ホワイトハウス側の事件捜査に対する圧力が充分に効果を発揮しなかった理由は、おそらくワシントンの風向きが変わったせいだろう。つまり、カール・ローブは向かい風に向かって唾を吐いてしまったのである。

さて、カール・ローブが機密漏洩をした際、ブッシュ大統領はローブの行為を黙認したといわれている。ブッシュは自分への追求に怯えて、個人的に政府外の弁護士まで雇っているという。ブッシュ家お抱え弁護士ジェームズ・ベイカーはサウジ王家とのビジネスで忙しくて、落ち目になった親友の弁護までは手が回らない。そのサウジ王家も、王位継承をめぐり政変の兆しがある。(在米サウジ大使でブッシュ家の盟友、バンダル“ブッシュ”王子はすでに辞職し帰国すると発表している焦るホワイトハウスは国民の目を逸らせるためにイランとの暗い過去を持ち出しているが、これもブッシュにとって得策ではない。ブッシュ父の絡むオクトーバーサプライズ事件とそれを発端とするイラン・コントラ事件に再び注目が集まってしまうからだ。

まさしく、ブッシュは泥沼にはまり込んでいる。

2005/05/16

イラクの自爆テロ実行者、大部分はサウジ出身

ワシントンポスト紙2005/05/15付記事によれば、過去6ヶ月間にイラクで自爆テロを実行した人の内、61%がサウジアラビア出身者で、残りの内25%をシリア人、イラク人、クウェート人が占めているとのこと。また、イスラム過激派により運営されている自爆テロ実行者を賞賛するWebサイト等を調べた結果では、自爆テロ実行者の70%がサウジアラビア人で、その多くが比較的高い教育を受けた20代後半の妻帯者であるという。

ファハド国王死亡説が伝えられるなど、政情不安に怯えるサウジ王家にとって、殉教に燃える若者達は政権転覆の火種になりつつある。そんなサウジアラビア政府に救いの手を差し伸べるのが、自称『任務完了(Mission Accomplished)』大統領、ジョージ・W・ブッシュである。

先月末、ブッシュ家の中東における最大のビジネスパートナー、サウジのアブダラ王子の訪問を受けたブッシュ大統領は(王子にとって真面目な話し相手は副大統領らしいがサウジの原油生産努力の御礼に、テロ対策のため施行していた諸外国から米国へ入国する際の渡航制限を、サウジアラビアに対して大幅緩和する約束をしている。

石油と一緒に自爆テロ志願者が輸出されたとしても驚くべきでない。米国内のテロ危機が高まれば、ブッシュ政権にとっては好都合なのだ。元米国土安全省長官のトム・リッジは、最新のインタビューで、情報部の確証なしに、ホワイトハウスの意向次第でテロ警報レベルが変わることを暴露している。(先日、ホワイトハウスにセスナ機が接近した際に最高度のテロ警報が発令されたが、ブッシュ大統領は郊外でサイクリングを楽しみつづけ、シークレットサービスは大統領に警告すらしなかった。一方で、それより前の4月末にテロ警告が発令された際、シークレットサービスは大統領を地下シェルターに避難させたが、未確認飛行物体の正体は雲だった。この事件により、米国のシークレットサービスは天候の変化に物凄く敏感ということが判明した)

ちなみに、米国が渡航制限の緩和を約束した相手国はサウジだけではない。1年前にはイスラエルに対しても同様に規制緩和を約束している。(米国政府はイスラエルに対して、どういうわけか国防機密情報の『規制緩和』も行っている。)

米国への渡航規制に関しては、日本の外務省も条件緩和を求めているが、さて米国政府の対応は・・・?

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