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狂牛病問題

2005/06/27

アメリカ農務省の狂牛病対策(未対策)最新事情

2005/06/26付報道で、ニューヨークタイムズ紙が米国の狂牛病対策の懸念材料をいくつか挙げている。以下に同記事の要点を列挙しておこう。

  • 米農務省は7ヶ月前(昨年11月)BSE感染の疑いがある牛の検査を内密に行い感染を確認したが、検査結果のネガティブ面を米国内で公表していなかった。
  • 新たに発覚した感染牛は米国生まれとされ、感染経路については前回と異なった飼料源と推定されているが、ジョハンズ長官の回答は曖昧なままである。
  • 狂牛病感染の検査基準について、日本では全頭検査をしているが、ヨーロッパではおよそ4頭に1頭の割合で検査している。一方の米国では、現在90頭につき1頭の割合で感染検査をしている。2003年に米国で最初の狂牛病感染が確認された際は、1,700頭につき1頭の割合だった。
  • 2004年度に米国では38万8,000頭について狂牛病感染検査を行ったが、最近までジョハンズ長官は検査頭数を4万頭に削減するよう検討させていた。
  • 現在のところ、日本、韓国、香港、台湾、ロシア、中国が米国産牛肉の輸入を禁止している。
  • ジョハンズ長官の代理を務めるチャールズ・ランバート氏とデイル・ムーア氏はいずれも全米肉牛生産者・牛肉協会出身者(業界団体の人間が官僚になるのは米農務省の通例のようになっている。)
  • 日本から派遣された衆院農林水産委員会の調査団を恫喝したとされる米農務省海外農務担当次官J・B・ペン氏は牛肉業界ロビイスト出身。米農務省広報官エド・ロイド氏の説明によると、ペン氏は恫喝などしておらず、日本側との会見は「和やか」であったという。
  • 日本のPR業界には朗報:米農務省はアメリカ食肉輸出連合向けに、1205万5,587ドル(約13億1,757万円)の販促費拠出を決定した。(source

2005/06/20

米国の狂牛病感染防止策は充分でないと批判の声

AP通信2005年6月18日付記事を以下に全文翻訳掲載。(記事中リンクは訳者による)

米国の狂牛病感染防止策は充分でないと批判の声(Critics: US Doing Too Little to Prevent 'Mad Cow')

リビー・クエイド記者:AP通信2005年6月18日付記事(commondream転載

ワシントン:アメリカの蓄牛は鶏の廃物、牛の血液、外食産業の残飯を摂取しており、狂牛病感染を促進させている---米国の感染防止体制は、ブッシュ政権が18ヶ月前に約束した内容とは食い違っている。

「カメラがオフになってメディア報道が沈静化したら、またいつものビジネスに逆戻りで、実際には何の改善もなし。相変わらず食肉加工所の廃物を食べさせているんです。」アクティビストで『Mad Cow USA: Could the Nightmare Happen Here』(邦訳は道出版 『隠されている狂牛病』)の著者、ジョン・ストーバーは言う。

彼は主張する:「米国の政策は、畜産業界が加工所の廃物を安価な飼料として使う態勢を保持させているんです」

現在、米国政府は合衆国内で発見された狂牛病感染の疑いがある牛を調査している。当該の食用牛は昨年11月に検査され、一端は感染なしと発表されたが、新たな検査により感染ありと鑑定され、現在英国の研究所でさらなる検査を受けている。

米食品医薬品局(FDA)は、2003年12月にワシントン州で最初の狂牛病感染牛が発見された直後から、飼料の基準を厳しくすると約束していた。

「現在、国民を保護するために我が国のBSE防護壁を強化しているところです」2004年1月26日に、当時の米食品医薬品局検査官マーク・マクリーラン氏は言った。米食品医薬品局の話では、血液や鶏の廃物、牛の血液、外食業界の残飯を食肉牛の飼料として与えることを禁止するとし、飼料工場に牛の飼料製造機を別に用意させるとしていた。

しかしながら、昨年7月に、米食品医薬品局はそうした規制案を廃案にしていた。マクリーラン氏の後任、レスター・クロフォード氏の話では、農務省により組織された国際専門家チームがさらに強力な規制を要求しており、米食品医薬品局はその勧告案に従い新たな規制案を施行することになるだろうとのことだった。

今日に至るも、米食品医薬品局は未だにその約束を果たしていない。同局はインタビューを拒否し、新たな規制案のスケジュールは未定であると声明文を出している。

「議論しただけということでしょう」農業問題を専門とするローザ・デラーロ下院議員(民主党・コネチカット)は話した。「たくさん議論して、たくさん記者会見して、実行はなし。」

他の感染症と違い、牛海綿状脳症(BSE)いわゆる狂牛病は、空気感染はしない。科学者の知る限り、牛への感染は既に感染した牛の大脳や他の神経節を摂取することにより発生することになっている。

1997年まで、食肉処理の使い残しから作られる肉骨粉は、タンパク源として牛の飼料に転用されていたが、英国で狂牛病が発生すると、合衆国でも飼料業界に飼料への転用を禁止するよう求められた。しかし英国と違い、米国では飼料規制には抜け穴がある。

例えば、牛の肉骨粉を鶏の飼料に使うことは禁止されていない。容器からこぼれた鶏の飼料は、鶏の廃物と一緒にかき集められ、牛の飼料として転用されている。

科学者達は、BSEタンパクが飼料精製課程でも残留し、鶏の内臓を通して摂取されると信じている。

そうしたことにより、結局は牛のタンパクが合法的に牛の飼料として摂取されると、かつて農務省の獣医として狂牛病対策を数年にわたり担当してきたリンダ・デウィラーは言う。

「それほど普通に行われていることではなく、量もごくわずかだとは言えるでしょう」デウィラーは言った。しかしそれでも、システム内に牛のタンパクがあるということは、牛が再摂取することもある、と彼女は言う。

牛のタンパクは鶏の飼料としても、ブタや家庭のペットの飼料としても使われており、飼料工場で突発的に汚染が発生するリスクはある。

議会の調査機関である会計監査院が先月発表したところでは、或る飼料工場では、禁止されているタンパクが偶発的に牛の飼料に混入した事例があったという。その際、監査官は問題を発見し飼料はリコールされたが、汚染された牛の飼料はすでに市場に1年以上出回っていたとのこと。

食肉加工の廃棄物を扱う動物飼料精製業界では、新たな規制はコスト高で、廃物は健康被害を発生させると主張する。業界は、規制の変更は理に適っていないと主張している。

「1年におよそ500億ポンドの飼料を生産しています。わかりやすく言うと、トレーラーの車列が4レーンの道路を、ニューヨークからロスアンゼルスまで1年中埋め尽くせるくらいです。」精肉業界団体である米国食肉協会研究財団の会長、ジム・ホッジスは言う。

新たな規制が膠着する中、カナダ産牛の米国への輸入を許可する前に、規制の抜け穴を塞ぐべきという政権内の専門家のアドバイスも、ブッシュ政権は無視している。

カナダで最初の狂牛病が発覚してから直後の2003年6月15日に、動植物衛生検査部のBSE研究グループの専門家によって書かれた農務省内部のメモによれば、牛の取引は飼料規制の抜け穴が塞がれるまで再開されるべきではないと記されていた。

牧場主の団体であるカリフォルニア家畜飼育協会は、農務省に対する訴訟により、そのメモを入手した。

規制の抜け穴が残されたままで、農務省は、昨年末に国境を解放する許可を出した。モンタナ州の連邦判事だけは、国境を閉ざしたままである。同判事は、ワシントン州で感染例が発見されたことから、感染牛が南下することを恐れるカリフォルニア家畜飼育協会と連帯している。

今日においても、農務省は、メモ発覚後も以前どおりの体制を維持している。同省の上級職員獣医リサ・ファーガソンが言うには、メモに書かれた内容は、政府が飼料規制が不適切と考えていることを示したものではなく、その当時の職員の提案のひとつに過ぎないとしている。

「我が国の飼料規制は完全無欠で全く問題なしといえるかといえば、そんなことを主張する人はいないでしょう。規制の変更は行われるかといえば、行われるでしょうね」彼女は言った。
(以上)

2005/02/04

イギリス:美容整形に狂牛病感染のリスク?

英タイムズ紙2005/01/29付け記事によれば、美容整形で使われるコラーゲンを媒介とした狂牛病感染の危険性について、政府が調査を開始したという。以下に同記事を翻訳して引用する:

唇に注入する組織と狂牛病感染の関連

患者の衛生懸念による政府取締強化により1/6の美容整形サービスが閉鎖に追い込まれる可能性

頬や唇の美容整形に用いられる組織注入施術から、変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)---狂牛病の人間版---が感染する懸念により、英政府は調査を開始している。

医療局長官リアム・ドナルドソン卿の話によれば、美容整形に使われるコラーゲンのような移植用組織が、変異型クロイツフェルト・ヤコブ病のような血液感染症に汚染されている場合に、ヒトに感染する可能性について、現在のところ専門家が検査を行っているとのこと。今のところそのような感染例は発見されていないが、血液・組織移植細菌安全委員会はその危険性について懸念している。

英国社会における高い頬骨と甘美な唇への憧憬により、多くのイギリス人がそうした顔面部位への組織移植という手段へ急いでいる。

イギリス国内では、唇にコラーゲンを注射して肉厚にする手術が人気を博しており、費用は300ポンド(約5万8,590円)程度。身体部位への組織接着に用いられる移植繊維状タンパク質の一種、コラーゲンを注射していると噂される著名人として、エリザベス・ハーレーやカイリー・ミノーグ、レスリー・アッシュなどが挙げられる。

専門家グループによる美容整形用賦形剤類(ヒトや牛の組織から作られる移植用組織)の研究によれば、すでに死骸や鳥類から混入したとみられる物質が発見されている、とリアム卿は言う。

今回の調査は美容整形業界全体の見直し政策の一環であり、ボトックス注射、移植及び薬品による皮膚剥離などの無制限な施術を行う「カウボーイ」と呼ばれる業者が急増している実態を掴む目的で調査が行われている。新たな法令の下では、患者の安全性改善のために、違法クリニックや施術者は摘発される。この政策により、業者の1/6は強制的に閉鎖されることになるという。(以下略)


この記事が伝える範囲で考えれば、美容整形業界の引き締め政策のために狂牛病不安が利用されているようにも見える。それにしても、美容整形が盛んな日本や韓国などでは、こうした血液感染症の危険性について調査されているのだろうか?興味深い課題である。

ちなみに同記事では英国の美容整形利用の実態も触れられている。以下に引用しておこう:


女性の美容整形トップ5
胸を大きくする手術3731
胸を小さくする手術2417
瞼の手術1993
顔面・首の皺取り1511
腹部の脂肪取り1465
男性の美容整形トップ5
鼻の整形362
耳へのピン(ピアス?)295
瞼の手術280
脂肪吸引術130
顔面・首の皺取り93

美容整形手術の件数は、前年から50%以上増加しており、1万6,367件の施術中、女性が92%を占めている(文中及び表中の数字は英国美容形成外科医協会による施術についての調査数値)

2005/01/27

「狂牛病とアメリカ人」byジョン・ストーバー

In These Times誌2005/01/18付けコラムより。全文を翻訳して以下に掲載。(文中リンクは訳者による)このコラムを書いたジョン・ストーバー氏は全米ベストセラー本「Mad Cow U.S.A.: Could the Nightmare Happen Here?(邦訳は道出版:隠されている狂牛病)」の共著者である。

米国牛肉輸入再開問題について、これまでのところ米国側は、日本への輸出対象を生後約14カ月齢以下とみられる牛に絞り込む「妥協案」を提示してきたが、以下のコラムに書かれているとおり、米国産の子牛が安全などという主張は全く信用できない。

さらに悪いことに、ベネマンから業務を引き継いだ米農務省の新長官、マイク・ジョハンズ氏(元ネブラスカ州知事)は「米国のグッド・サイエンスを下に判断すべき」とひたすら米国牛の安全性を主張しており、日本に対しては前述の妥協案を撤回して、全ての輸入規制を撤廃させると豪語している(もっとも、採用時に大風呂敷を広げるのはアメリカ人ビジネスパーソンの典型的行動パターンである)

反戦家の活動監視を主要な業務としている奇妙な国内テロ対策を見ればわかるように、米国の役人に安全確保について理解させることはとてつもなく難しい。一方で、日本の政府関係者にイエスと言わせるほど簡単なことはないと、米国政府当局者は堅く信じているのである。

日本側の実務者はどう対応すべきか?「前向きに検討します」と頭を下げて、事態を一切進展させないという日本人特有の高度な交渉術を崩さないのもひとつのやり方かもしれない。


狂牛病とアメリカ人(Mad Cows and Americans)


北米牛の手薄な検査基準は感染の拡大を隠蔽している

by John Stauber:In These Times誌2005/01/18付けコラム

1月2日、カナダ政府当局者は、アルバータ州の乳牛が狂牛病検査に陽性反応を示したと公表した。北米大陸の牛で神経系疾患と確認された事例としては3例目である。

大部分のカナダ国民とアメリカ国民は、BSE(牛海綿状脳症)---の感染を防ぐために自国の政府が必要な措置をとっていると信じている。過去10年間、両国の政府当局関係者と食肉企業、畜産業界は、牛のタンパク質を飼料として牛に与えることを禁止して脳疾患の感染を防ぐとされる“1997飼料禁止措置”のような広範囲な防御措置により、カナダと米国では狂牛病の発生はないと主張してきた。

しかしながら、1997年度に米国とカナダで導入された規制は、あまりにも非力で、いささか遅すぎたのである。例えば、牛の血液をタンパク源とした調整乳を子牛に与えることは、両国において今でも合法である。

なぜ今日までにたった3例しか狂牛病感染が確認されていないのか?カナダと米国の両国では、政府当局による検査件数を増加させているが、その検査基準はEUや日本で行われているものに比較して、悲惨なほど不適切なのだ。

2004年度に食肉加工され、一般食品や飼料向けに供給された3,600万頭の牛の内、検査されたのは17万6,468頭に過ぎない。少なくとも、都会的な“クイック検査”により狂牛病感染の可能性があると診断された3頭に関しても、米国農務省は、詳細検査の結果感染を否定している。しかし、政府による検査は非公開で行われているため、疑わしいものである。独立した科学者や研究所による検査は全て拒否されている。農務省が狂牛病感染の可能性について警告するたびに食肉市場は大混乱に陥るので、業界団体は政府に感染疑惑について一切発表しないよう圧力をかけている。

ドイツで狂牛病感染牛の存在が確認されたきっかけは、企業独自の検査によるものだった。したがって、カンサスを拠点とするクリークストーン・ファームズ・プレミアム・ビーフ社が、日本への輸出用牛に対する独自検査の協定を日本側と締結した際、米農務省が1913年の法を持ち出して、企業による独自検査を違法として警告した件も何ら驚くに値しない。

危機に関する広報活動の基本ルールは、“怒りを管理する”ことである。2003年12月23日、米国内での狂牛病感染確認の発表の際にメディアは色めき立ったが、周到に用意された農務省とPR企業との連携活動により、騒ぎは数週間で沈静化された。それ以来、メディアは主に農務省長官と、業界に支援されたさまざまな第三者団体---例えば、ハーバード危機分析センターのような素敵な名の団体による事態の沈静化を企図した主張を反復するのみである。その結果、ほとんどのアメリカ国民は、狂牛病感染防止のために必要な防護手段が行われていると思い込み、ヨーロッパで発生した、米国政府に対してヨーロッパの基準を遵守させ、家畜を家畜に飼料として与えることを全面禁止し、検査の拡大を求めるような大々的な抗議活動が起こることもない。

狂牛病とその人間版といわれる謎めいた致死病、クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)の問題解決のために必要な手順は、単純且つわかりやすいものである。この病気は スタンリー・プルシナー博士の命名した異名である“プリオン”というタンパク質により感染拡大する。感染した家畜が人間や他の家畜に与えられると、狂牛病感染が起こる可能性がある。家畜を飼料として家畜に与えることを禁止すれば解決するが、そうなると畜産業界は、廃棄物---食肉処理後の臓物を、動物性タンパク質と脂肪補助食品という価値資源に転換する手段を奪われることになる。

合衆国が専門家の意見を聞き入れ、1996年に人間の死亡が確認された際に英国が行ったような家畜飼料化規制を導入したとすれば、米国内の狂牛病危機は回避されたことだろう。その代わりに、現在の北米には狂牛病が実在し、合衆国とカナダの子牛は牛の血液入りミルクを飲み、米疾病対策予防センター(CJD)は、突発性のクロイツフェルト・ヤコブ病によるアメリカ人の若者の謎めいた死亡原因が、狂牛病に感染した米国製の牛肉を食べたことによるものなのか、密かに調査しているのである。

米疾病対策予防センターによれば、突発性のクロイツフェルト・ヤコブ病は、100万人に1人の割合で発生する珍しい致死性感染病であるという。予防センターの報告で言及される20代、30代、40代の死亡患者は、過去5年間にカリフォルニア州、ユタ州、オクラハマ州、ミネソタ州、ウィスコンシン州、ミシガン州、ニュージャージー州、テキサス州その他の州で表面化している。アメリカ国内の鹿にみられる狂牛病タイプの感染病は慢性消耗病と名づけられ、また米国内の羊はスクレーピー病(狂牛病の羊版)に感染することが知られており、これら感染病が人間にも発生する恐れが拡大しつつある。しかしながら、痴呆症による死者は解剖検査されることもなく、クロイツフェルト・ヤコブ病による死亡例の報告とその調査が全国的に義務付けられているわけでもない。

1985年以前には、狂牛病は確認されていなかった。1996年までは、その感染による人間の死亡が確認されていなかった。2003年まで、血液感染により狂牛病が拡大するという報告は記録されていなかったが、同年には北米で最初の感染例が2例確認されることになった。

こうした感染例における最大の謎のひとつは、変種の実在と、研究所での試験で起こるような、特定の種が新たな宿主に感染した際に変種が出現する過程、そして、感染した飼料と感染家畜から、いわゆる種の壁を乗り越えた感染がいつ発生するのかというものである。

最悪の事態も予想されるので、政府の対応を求めていくべきである。例えば、動物同士の感染による狂牛病の拡大は確認されていない。しかし北米の鹿やヘラジカにおける同系の感染症である慢性消耗病は、同種での感染がみられる。一匹の鹿の唾液や糞から、他の鹿も感染するのである。悪夢のシナリオはこうだ:致命的な痴呆症が、キスで感染することになる。

2004/03/12

ロバート・ゼーリック通商代表と「健全」な職歴

ZAKZAK2004/03/10の記事を読んで、日本の牛丼ファンはこのゼーリック米通商代表という人物に激怒していることと思う。

健全な科学に従う必要があることを、メキシコの輸入解禁によって他国に教えたい」と偉そうに話すこのアメリカ政府の営業マンが、「健全」という言葉の意味を理解している可能性は極めて低い。ロバート・ゼーリック通商代表は、ブッシュ政権入閣前は不正会計の結果破綻したエンロン社の顧問を務めていた人物だ。奇妙なことに、在日米国大使館のウェブサイト上に記載された彼の職歴には、この超有名企業、エンロン社との関わりについては一切言及されていない

ひょっとして、米国大使館の人々は「Enron」のカタカナ表記を知らなかったのかもしれない。なにしろ、企業の会計報告で売り上げを水増しすることは「クリエイティブ」と評価されるし、牛肉の全頭検査と「一部検査」を混同するお国柄である。ゼーリック氏が正確な職歴を忘れてしまっても責めることはできない。(日本の政治家だって、自分の学歴すら憶えていないのだ

ゼーリック氏は日本の牛丼の魅力をよく理解していらっしゃるようだ。それなら、次回来日の際にはぜひとも「牛丼つゆだく」をアタマにかけて、記者団の前に登場していただきたい。

2004/03/08

遺伝子組み換え作物が米国農産物を広範囲に侵食中

英インディペンデント紙2004/03/7付け記事より。同記事によると、初めての遺伝子組み換え作物(Genetically-Engineered Crops)の承認をめぐる議論が進行中のイギリス国内では、遺伝子操作済みDNAによって、アメリカの伝統的な農産物が広範囲に渡って汚染されているとのレポートを元に、GE農作物を承認することは、将来的には人類の健康に深刻な影響を与えるものと危惧されているという。

同記事が言及するレポートとは、ワシントンで活動している団体「Union for Concerned Scientists (UCS) 」の発表したものだ。このレポートによると、非GEとされる各主要農作物(とうもろこし、大豆、菜種)が、実際には遺伝子組み換え済み作物のDNAが混入していて、すでに純粋な非GE農作物を生産することが困難になっていると報告している。(commondreamsの参照記事

全米とうもろこし生産者協会(the American Corn Growers Association)の会長、ラリー・ミッチェルは以下のように語っている。

私たちは農作物の輸出市場をどんどん失ってしまうだろう。遺伝子組み換え作物に無関心だった報いだ
実際に、米国の農業生産者は、遺伝子組み換え作物に懸念を示すEU諸国、日本、韓国などへの輸出市場を失いつつあるという。

良心的な生産者の発言には共感できるが、米国政府が日本へのGE農産物の押し売り圧力を強化する可能性は高い。Commondreamsの記事が指摘するように、「遺伝子組み換え規制は手遅れ」かもしれないが、しかし一方で、日本人としては食用農作物の完全自給の可能性も信じたいのである。

2004/02/28

牛肉業者の自主的な全頭検査を停滞させる米農務省

ニューヨークタイムズ2004/02/27付け記事より(リンク先は会員登録要)。

米カンサス州カンサスシティで高級黒毛アンガス牛肉を扱うクリークストーン・ファームズ社は、日本への輸出を再開するために、自主的な牛肉全頭検査の許可を当局に申請したところ、米農務省と食肉業界団体から反発を受けて、検査の開始が遅れているとのこと。(日経新聞の関連記事

クリークストーン・ファームズの社長、ジョン・スチュアート氏によると、同農場で生産されている牛肉の1/4はアジア市場に輸出していて、輸出停止により毎日8万ドルの損害を招いているという。「日本と同じ検査システムを実施すれば、日本政府は輸入再開するだろう」と彼は期待しているが、こんな愚痴もこぼしている。

「今私たちが抱えている問題は、米国農務省が全頭検査をさせたくないと考えていることです。彼等は検査をしたくないし、BSE問題を認めたくないのです。いつ、どうやって検査するかを農務省が決定するまで、自主的検査を許可しないのです。ひょっとしたら彼等は検査を実施するつもりが全くないのかもしれません

カリフォルニア州ハーキユリーズ市のバイオラド社は、日本でも使用されている異常プリオン検査キット導入についてクリークストーン・ファームズと検討中であるという。バイオラド社の広報担当者、スーザン・ベルグは語る。

「クリークストーン・ファームズとは検査技術の提供について話し合っています。しかし法に反することはできません。違法な販売を行うつもりもありません」

彼女の説明によると、同社は今年始めに米農務省の動植物衛生検査部に対して異常プリオン検査キットのライセンス販売に関するデータを提出済みで、認可を待っているとのことである。

さて、毎度同じことばかり主張して申し訳ないが、日本政府は、米食肉業者の自主的な全頭検査を「人道支援」するために自衛隊をアメリカに派遣すべきである。いくら治安が悪い国とはいっても、カンサス州は「非戦闘地域」と認定しなければ失礼だし、「非戦闘地域」に武器を持ち込んでも小泉政権の下では違法性はないので、マシンガンと丼を持った自衛隊員が米国の市街地で活動することは何ら問題はないはずなのだ。

吉野家、松屋他企業はただちに牛丼復興連合を組織して自民党にロビー活動をしてほしい。

2004/01/19

「狂牛病は大きな危険ではない」とPRする「研究機関」の正体

Guerrilla News Network2004/01/16の記事より。米国内でBSE問題についての危機感が異常に低いという調査結果に呆れた日本人も多いと思うが、それは権威あるハーバードリスク分析センターの熱心な活動の効果によるものらしい。

アメリカ農務省が各国機関の説得や会見の際に頻繁に引用している、「第三者機関」であるはずのハーバードリスク分析センターは、実のところアメリカ保存食品製造業者協会などの生産企業団体が資金を提供しているわけで、学術組織というよりは、立派な業界フロント組織、PR担当窓口にすぎないのである。

2004/01/09

アメリカ農務省報道官は全米肉牛協会出身

すでにネット系メディアや各個人サイトでは報道済みだが、なぜか日本のマスコミはこの事実に触れようとしていないのでいちおう書いておこう。狂牛病問題で「アメリカ牛肉は安全」と繰り返しているアリサ・ハリソン米農務省報道官は元々全国肉牛生産者・牛肉協議会(National Cattlemen's Beef Association:NCBA)の広報担当者だ。(ご丁寧にも農務省サイトのスタッフ紹介ページで確認できる)この件は「 ファストフードが世界を食いつくす(Fast Food Nation)」の著者、エリック・シュローサーがニューヨークタイムズ2004/01/02付けコラムでみごとに批判している。

牛肉を売る立場の人間が、官僚として政府の牛肉流通施策に食い込んでいる・・・日本の天下りシステムとは全く逆の仕組みではあるが、同じように有害である。しかしそもそも米国においては、企業イコール政府なのだ。例えば米エネルギー計画を仕切るのは、発電所開発も手がける大企業、ハリバートンの元CEO、チェイニー副大統領と、「協力者」でブッシュのテキサス人脈王ケン・レイ元エンロンCEOである。911テロの直後に、保険会社Marsh & McLennan内に「テロ対策事業」を立ち上げたポール・ブレマーは、今ではイラク暫定占領当局代表を務めている。まさにアメリカ株式会社。

2004/03/31追記:そういえば、アメリカ農務省(USDA)長官アン・ベネマンも、モンサント社の買収した企業、カルジーン社の重役だった。(参照元)カルジーンもモンサントも遺伝子組み換え食品推進派として有名。モンサント社は司法長官アッシュクロフトの支援企業としても活躍中。

2004/01/03

狂牛病はフライドポテト産業にも打撃

komo4news2003/12/31の深刻な記事より。アメリカの牛肉を使った牛脂(油)はフライドポテトの隠し味として利用されている。牛脂にBSE病原体が混入する事例は今のところ確認されていないが、消費者にとっては不安材料であることに変わりはない。

さて、米国の冷凍フライドポテト製品の最大の輸出先は日本。年間約13万トンの米国製冷凍フライドポテトの扱いがどうなっているか、日本国内の情報では今までのところ知ることができない。

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