アメリカの大学生活・・・借金だらけ?!
米シンクタンクCenter for American Progressの研究部門のひとつ、大学教育関連テーマを扱うCampus Progressの主任編集者エレナ・バーコウィッツが、米国大学生の経済状態について11月28日付けコラムで触れている。以下に同コラムから主要部分の一部を抜粋してみよう:
米シンクタンクCenter for American Progressの研究部門のひとつ、大学教育関連テーマを扱うCampus Progressの主任編集者エレナ・バーコウィッツが、米国大学生の経済状態について11月28日付けコラムで触れている。以下に同コラムから主要部分の一部を抜粋してみよう:
ピッツバーグ・ポスト・ガゼット紙2005/04/29付け記事を以下に全文翻訳して掲載。(記事中リンクは訳者による)
by マイケル・A・フーコ:ピッツバーグ・ポスト・ガゼット紙2005/04/29付け記事
悲惨な紛争の結末を告げるイメージとして、サイゴンのアメリカ大使館の屋根からアメリカ人や南ベトナム人たちがヘリコプターで脱出する際に見せた恐怖と混乱ほど、戦争論議にふさわしいものはないだろう。
最後の脱出者が海外に出て4時間後、南ベトナム政府はベトコン(ベトナム共産勢力)に対する無条件降伏宣言をした。長い間多大な犠牲を生んできた戦争は終わった。
その終戦から明日(4月30日)で30年目を迎えるが、戦争における不名誉な結末について、大規模な追悼が行われないのは無理もないだろう。
理解し難いのは、教育関係者の多くが言うように、アメリカ合衆国の政策、社会、文化に深刻な影響を与えたあの戦争の教訓について、なぜ充分に米国の学校で検証されないのだろうということである。
そして、ベトナムにおける犠牲者や、成功と失敗に関する知識不足が、アメリカの若者を駄目にしているのではないか。
スティーブ・ジャクソンもそれを恐れている。
ペンシルバニア州のインディアナ大学で政治学教授を務めるジャクソン氏の説明によると、彼が開講しているアメリカ政治学入門コースに籍を置く学生のほとんどが、ベトナム戦争とその教訓について全く知らないという。イラクへの介入が続く現在は特に、ジャクソン教授はそうした無知を問題視している。
「高校の世界史の課程において、先生達は第二次大戦までは話すが、そこで学年は終わってしまうことがしばしばです」教授は言う。「あいにくのところ、高校の教育課程では、教育委員会が要求するとおり、授業の明確性が重視されますので、微妙な立場については求められないのです。善悪だけが求められるわけで、第二次大戦の物語などは好都合でしょう」
「ベトナム戦争については、教えるとしたらとても複雑な問題なので、高校教師はそれを敬遠する傾向にあるのです」
教授はそれを、全く残念な事態であると話す。なぜなら、生徒達は「同時代への適応性を欠きつつあります。それは物事を批判的な目で見る能力であり、アメリカが戦争で負けることもあると知ることは重要です」
「多くの点で、91年の湾岸戦争や、コソボ紛争への介入などは、第二次大戦の感覚そのものでした」教授は言う。
「疑問が呈されるべきです。最高権威など存在しないし、我が国は全知全能ではないのです」
ジャクソン教授は、自分の講義を通して、ベトナム戦争に関する知識がほとんどない生徒達が、その紛争内容や、それに関わる微妙な立場について興味を持つようになったことを学んだ。
ウェスト・バージニア大学でジャーナリズムを教えているジョージ・エスパーも、同じ体験をしている。彼は元AP通信記者で、ベトナム戦争の報道を行った人物である。
講義の大半は、第一次大戦以降の戦争報道に関するものだが、エスパー氏によると、生徒の興味を最も惹いているのは、ベトナム戦争であり、生徒達はその予備知識がほとんどなかったという。
講義では、口頭でのプレゼンテーションのトピックは自由に選択できるが、生徒のほとんどはベトナム戦争を課題に選択するという。
「彼等は戦争報道に深い興味を持っています。彼等にとってベトナム戦争は新鮮な話題なのです。ベトナムについて取り上げれば、多大な興味を惹くことができます。生徒はベトナム戦争に最も興味があるのです」エスパー氏は説明する。
エスパー氏は最後までベトナムに留まった報道記者の1人で、大量脱出後5週間経過してから脱出している。
エスパー氏は講義の際、かつての報道記者仲間であるピーター・アーネット、デビッド・ハルバースタム、「ワンス・アンド・フォーエバー(We Were Soldiers Once and Young.)」の著者ハロルド・G・ムーア等を招いている。
「私が教えているのは、ベトナム戦争は戦争報道史上最もオープンなものであり、情熱とスタミナ、勇気があれば何処でも取材に行けたというものです」
「ベトナム戦争報道が成功した理由は、事実とそのアクセスであり、私達が政府に説明責任を求める報道記者の第一世代であったということです。今では大きく様変わりし、(報道界は)別方向に向かっていますが」エスパー氏は言う。
現在、エスパー氏は他の報道記者と再度集まるためにベトナムに居る。彼はまた、ウェスト・バージニア大学ジャーナリズム学部代表として、ベトナムとパートナーシップを組んで報道訓練プログラム開発に取り組んでいる。
教育、経済、文化面で合衆国とベトナムが連携しつつある今日、ベトナム戦争は「どの戦争よりも多くの苦悩と記憶を残し、30年経過しても歴史に醜悪なページを留めているので、多くの人々はそれを忘れることを選択している」とエスパー氏は語る。
そして、エスパー氏は、そうした選択を間違いだと指摘する。
ピッツバーグ公立学校地区市民教育課程担当官のレイ・マックレーンが言うような、ベトナムの教訓を生徒に教えることは不可欠という意見には、エスパー氏も議論の余地はないという。
ピッツバーグで20世紀歴史課程を学ぶ年少者は、ジャクソンやエスパーの提唱するような、ベトナム戦争や他の過去100年間に起きた重要事件について分析的な教育を受け始めている。
「ベトナム戦争は痛ましく悲しい事件であり、私達はそこから学ぶべきことがあります」42年間教育界に携わるマックレーンは言う。「絨毯の下に隠すような真似をしてはいけません。成功と失敗について文字通り考えるべきです。傷と汚れの違いや、情熱と財政のトレードオフなど、私達はベトナムから学ぼうとしているのです」
「私達は、生徒達に、当時の人々の身になって、その頃の認識について考えさせようとしています。そうした方法は生徒達が経験できるもっとも大切な歴史的手法なのです」
さらに、マックレーンによれば、教師たちは生徒の興味を惹くための基礎情報源として、ベトナム退役軍人達の協力を得て、授業で体験を語らせたり、従軍日記について議論をしているという。
「自分達と何ら違いのない実在した人々についての授業です」彼は言う。「時間をかける価値ある仕事ですよ」
他にも、時間をかける価値ある仕事はある。明日(4/30)、ベトナム退役軍人アメリカ基金(Vietnam Veterans of America Foundation)はオンラインで戦争記録を公開し、兵士個人や、家族、友人等、戦争に関わり影響を受けた人々の個人的な体験を配信する。
そして、スミソニアン歴史博物館は、新たに恒久展示として「自由の代償:アメリカ人と戦争(The Price of Freedom: Americans at War)」を開始するが、それは今月初旬に全米44州から700人が出席してピッツバーグ・ヒルトンで開催された全国歴史教育協議会のセミナーによって提起されたものである。
ベトナム戦争の展示では、実際のイメージと言葉を伝える当時のニュース映像で、紛争から分裂していくアメリカを伝えている。
また、ベトナム戦争の展示には、戦場から戦傷者を運んだヒューイ・ヘリコプターも含まれている。
30年前に、アメリカ人達を乗せ、乗客超過になりながら街を脱出したそのヒューイ・ヘリコプターは、決して忘れてはならないあの戦争から、ようやくそこにたどり着いたのであった。
(以上)
Ohio.com2005/03/21日付け記事より。同記事から面白い(?)雑学をいくつか以下に抜粋。
フィラデルフィアの新聞phillynews.com2004/12/11付け記事より。
ペンシルベニア州フィラデルフィア北東部にあるホルム小学校の持ち物検査で、かばんの中に8インチ程度(20センチ)のハサミを“隠し持っていた”10歳の女の子が、学校長の通報により、手錠をかけられ地元警察署に連行された。
地元警察署の広報担当者の話では、学校への武器持込を禁止する州の法律に従っただけで、逮捕手順に一切問題はないという。
捜査当局は少女を武器持込容疑で5日間ほど調査し、ついに少女がハサミを学校に持ち込んだ動機を解明した。担当刑事の話では、少女は他人をハサミで脅す意図は全くなく、単に新しく購入した音楽CDを開封するためだったという。
警察から逮捕の知らせを聞いて、少女の両親は驚愕した。「娘は泣き続けました。何が悪いことだったのか理解できません。あまりにも厳しすぎます」通報した学校長に対しても、「まず両親に連絡すべきだ」と怒っている。
母親の話によれば、少女は容疑を否定し、こう主張したという:「ハサミなんて学校で誰でも使ってるのに・・・」
Los Angeles Times2004/10/08付記事より。
今夏、米教育省は、副大統領の妻の批判を受けて、小学生が合衆国の歴史を学習する際の保護者向け教育小冊子の内、在庫分の30万冊以上を廃棄していたことが判明した。
今年6月から、教育省は、小学生の児童を養育する保護者の歴史教育の手引きとして10年来配布している73ページの小冊子「Helping Your Child Learn History」の、通常の改訂作業を終えた最新版の配布を開始していた。
その小冊子は、連邦政府の助成によりUCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)で策定された国家歴史基準(National Standards for History)へ何度も言及していたが、この基準に反対する極右層の代弁者である副大統領の妻リン・チェイニーが組織的に教育省に抗議し、慌てた教育省担当者が、同冊子の在庫廃棄と改訂を渋々ながら決定したという。(UCLAの策定した国家歴史基準は、あくまで推奨基準であり、導入するかどうかは教育現場の判断に依存しているが、すでに多数の州で導入されてきた実績がある)
リン・チェイニーの主張では、UCLAの策定した合衆国の歴史に関する記述は「アメリカの達成した偉業について充分にポジティブとはいえない」として、特にクー・クラックス・クラン(Ku Klux Klan)やマッカーシー議員、50年代の反共産主義扇動時代についての記述、特に地下鉄組織(南部の黒人奴隷を北部に逃がす活動をした地下組織)と、自ら奴隷として逃亡し、組織運営に貢献した黒人女性ハリエット・タブマンに関する記述について、「多すぎる」と批判を展開している。
チェイニー妻の抗議により、教育省は、在庫を一掃した後で、改訂版歴史教育ガイドを発刊することになったが、それにはUCLAの歴史基準に関する部分が全て削除されているという。
「エドワーズ候補はラッキーだ。ディベートの相手が、リンではなくて夫のディック・チェイニーなんだからね」---ビル・プラス(テレビ司会者)

リン・チェイニーの歴史小説「シスターズ」現在入手困難でプレミア付きの初版本表紙。心無いリベラル派からは「完全なレズビアン・ポルノ小説」と笑いのネタにされるが、異性同士、同性同士の性描写が満載されているからといってそれは失礼だろう。ましてや敬虔な宗教右派である女性がポルノを書くはずがない・・・かどうかは読めばわかる(本文抜粋はオンラインで読める)
今年、目ざとい出版元は「シスターズ」の米国内での刊行を決定したが、著者自身の抗議により書店に置かれるには至らなかった。(オンラインでは入手可能)
副大統領の妻にとって、小説「シスターズ」は、同性愛者である最愛の娘メアリと共に、現在最も触れて欲しくない話題のひとつとなっている。(メアリ・チェイニーが同性愛者であることが世間に知れ渡ってから、父親のディック・チェイニー副大統領は、ブッシュ政権の反同性愛政策から距離を置くように政治姿勢を変更している。一方、母親のリン・チェイニーは、「娘のメアリが同性愛者であるはずがない」と周知の事実を頑なに否定している。)
1994年から2001年にかけてロッキード・マーティン社の役員を務めたリン・チェイニーは、今ではネオコン陣営のゆりかごといわれる保守派シンクタンク、エンタープライズ公共政策研究所(American Enterprise Institute for Public Policy Research)の上級研究員と、保守系企業リーダーズ・ダイジェスト社の役員を務めている。
また、保守系教育団体ACTA(American Council of Trustees and Alumni)の創始者であるリン・チェイニーは、911テロ発生後に、米国の大学について「愛国心が足りない」と批判を展開し、「マッカーシズムの再来」として全米の教育関係者から危険視されている人物でもある。
ローラ・ブッシュ、リン・チェイニー・・・選挙で選ばれてもいないのに、国家政策に強い影響力を持つ“レディ”と呼ばれる人々。
ホワイトハウスが仲間を集めて石油のための戦争を開始すれば、副大統領の妻は武器販売でぼろ儲け。その夫は戦後復興でさらにぼろ儲け。入金の事実を公表していながら、ディベートで企業との癒着を堂々と否定する副大統領。
これだけでも充分異常な事態なのに、息子を戦場に奪われ、財布をカラッポにされながら、そうした政権を支持する国民が半数を占めるアメリカ合衆国。「希望はきっと来る(hope is on the way)」という弁護士の無邪気な言葉を信じるには、あまりにも世界は狂い過ぎてしまっているが、戦争屋と宗教右派政治家の並べる嘘をこれ以上聞くのはもうウンザリだ。
デモクラシー・ナウの2004/07/28付レポートによると、米国陸軍は新兵募集キャンペーンに2億ドルを投入し、8万人の新規兵士獲得を目標に地方イベントを開始しているという。どうやって入隊希望者のリストを集めるかというと、陸軍の公式PCゲーム「America's Army」のプロモーションという形で、地方でゲーム大会アトラクションを開催し、集まったゲーム中毒の若者に「クールな陸軍」をアピールして入隊登録を促す仕組みだ。
このPCゲームトーナメントにはオンラインからも参加できる仕組みで、すでに370万人以上がユーザー登録しているという。ゲーム内容は、単純に中東地域での戦闘を疑似体験できるアクションゲームらしい。米軍の公式サイトに陸軍主催のゲームイベントの模様を捉えた写真が掲載されているのでいくつか以下にピックアップしてみよう。(写真コメントは勝手な創作です)
このような米陸軍のイベントでは、悲惨なはずの軍隊生活が、ユニバーサルスタジオのアトラクションのように映る。これに比べると、プラカード持って通りを行進する反戦イベントは、皮肉にも退屈で苦痛に満ちたものに見えることだろう。これじゃあ戦争はなくならないわけだ。しかし、軍人が集まるイベントには、地味なものもある。例えば、マサチューセッツ州ノーザンプトンで開催されたthe Veterans Education Project (退役軍人教育計画)と the American Friends Service Committee(アメリカの友・奉仕委員会)が主催するイベントでは、ゲームで戦場を疑似体験してもらう代わりに、戦場から帰還した兵士の実際の戦闘体験を聞かせている。地元の新聞The Republican紙2004/07/26付けの記事が講演の雰囲気を伝えているので以下に引用してみる:
・・・米海兵隊員としてイラク戦争に赴いたジミー・マッセイ軍曹は、ガムをゆっくりと噛みながら150人の聴衆をじっくり眺めた後、イラクでの体験を話し始めた。「手を揚げていた(降参した)男を撃ったよ。女子供でさえ撃ったんだ」
ノースカロライナ出身で、12年の経験を持つベテラン戦闘員のジミーは、イラク戦争前には「殺し殺される準備は完全に整っていた」という。しかし、今のジミーは、心的外傷後ストレス障害(PTSD)を抑えるために、抗鬱剤と抗不安薬の錠剤を5種類づつ飲んでいる。
住民へ発砲することや、石油採掘地域の保安業務は、入隊時の契約にはなかった、とジミーは言う。
「どういう理由で海兵隊員が石油の油井の閉鎖法を覚えなきゃならないんだ?俺たちは環境保護団体か?(中略)アメリカ国民の税金は戦場で活用されてる。あいにく、皆さんの税金は大勢のイラク市民の体にぶち込まれてるんだ。俺はそこに居た。俺は引き金を引いた1人さ」
「12年間、俺の人生の目的は、戦場で敵とぶつかって殺すことだけだった。イラクに出発したときだって、死んでもかまわないと思っていた。戦闘で死ねれば、名誉だからな」・・・
・・・ここまで読まれた読者の方は、暗い気分で思考を凍らせる前に、苦悩の先に残された小さなメッセージを受け取るべきだ。ジミー軍曹の記事は、以下のように締めくくられている。
「今日は死ぬには良い日だ」名誉除隊してから、ジミー軍曹にはそう思う日が続くこともあった。しかし講演の日、ホールに人が集まっていくのを見て、午後の日差しを頬に感じた時、ジミー軍曹はさらにもう一度悟ったのだ。「日のあたる場所に出られて嬉しい」
The News-JournalOnline2004/05/15付コラムより。全文を以下に翻訳掲載しました。(文中リンクはDeepthroatによる)
by ビル・ヒル
10代の詩人グループが、ネビンスに彼等のクラブの指導教官になってもらうよう依頼しました。ネビンスは、その内気な若者達に、自分の詩を聴衆の面前で、大きな声で読むように指導しました。リオ・ランチョ高校はそのクラブを、週一回校内放送に出演させることにし、詩の朗読は成果をあげていました。
2003年3月、コートニーという名の女の子が、アルバカーキのバーンズアンドノーブル書店に集まった聴衆の前で、自作の詩を披露しました。それから校内放送に出演し、その詩を朗読しました。
程なくして、高校の米軍連絡委員と校長が、彼女のことを「反アメリカ的」と非難しました。彼女の詩はイラク戦争と、ブッシュ政権の「落ちこぼれゼロ」教育政策を非難する内容だったからです。
校長は、教師をしている少女の母親に、娘の詩を破棄するように命令しました。母親は命令を拒否した結果、職を失うことになりそうです。
ビル・ネビンスは、生徒の詩の内容を検閲しなかったという理由で停職処分となりました。言っておきますが、いかがわしい詩などひとつも存在していなかったのです。後日、校長はビルを解雇しました。
ビル・ネビンスが解雇され、学校内で詩の朗読と指導が停止されてから、校長と米軍連絡委員は、校舎に国旗を掲げて、自分たちが書いた詩を読み上げました。校長は国旗を拡げながら、米軍連絡委員との協調関係を自画自賛しました。
そして、校長と政治的に相反する全ての生徒と教員に、校長は「黙れ」と怒鳴りつけたのです。ニューメキシコで最大の公立高校で、3,000人の生徒に向かって、校長はなんと素晴らしい授業を実施したことでしょう。校長の心の中では、特定の意見しか許されないわけです。
しかし事態はこれだけで収まりませんでした。美術部の生徒が描いたポスターは、いかがわしい点は全くないにも関わらず、戦争政策を風刺した内容ということで、破り捨てられることになりました。教室に張られたポスターを剥がすように命令され、拒否した美術の先生は、学期内に教室に戻ることを許されませんでした。
そのメッセージはとてもわかりやすいものです。批判的な考えや、公的政策への疑問、言論の自由は、校長と意見が合わない人間に対しては一切許可されないということなのです。
ニューヨークに本拠を構える全米記者組合(NWU)は、この学校を相手取って訴訟を起こし、教員組合がこれに加わりました。NWUの全州代表、サマンサ・クラークはアルバカーキに居住しています。
アメリカ自由人権協会(The American Civil Liberties Union)も連邦政府で係争中の同訴訟に加わりました。
一方、ネビンスは他校での教員の仕事に申し込み、働き口を紹介されましたが、リオ・ランチョ高校の校長が信任状を送付しない限り、働くことができません。校長は信任状を書くことを拒否しており、その件でも新たな訴訟案件として裁判の日を待つことになりました。
生徒たちは詩の朗読、詩のクラブと授業を禁じられているので、ネビンスは他の場所で自身の詩を書いています。
イランや北朝鮮、スーダンの書き手のエッセイ、映画、詩、科学記事、著作などを長年翻訳してきた作家や編集者は、米国財務省から活動を止めるよう警告を受けており、違反者は罰金、あるいは収監される恐れがあります。出版社や映画プロデューサーは、そうした国の作家の作品を編集することを禁止されています。1988年の法令により、出版物は貿易制裁措置から除外されているにも関わらず、ブッシュ政権は、そうした編集翻訳活動が敵国との取引に影響を与えると主張しているのです。
米国化学会出版部門部長のロバート・ボウェンシュルト氏(Robert Bovenschulte)は、イランの科学資料を英文翻訳することにより、この法解釈問題に挑戦しています。
次は、禁書ということになるのでしょうか?
先日発表された「The New Landscape of Imprisonment: Mapping America's Prison Expansion」という調査報告書によると、アメリカ合衆国では、1980年から2000年の間に刑務所が急増し、住民の30%が囚人という市/郡もいくつかあるという。
調査を担当したThe Urban Institute のジェレミー・トラビスの言葉を引用すると:
「アメリカンライフと刑務所は深く絡み合っており、物質的にも経済的にも多くの地域と融合している。」「刑務所運営は地域の雇用を生み、囚人は収監された刑務所のある地域の住民としてカウントされるため、連邦と州の助成金に大きな意味を持ち、政治的にも影響力を持っている」
| 1 | テキサス |
| 2 | フロリダ |
| 3 | カリフォルニア |
| 4 | ニューヨーク |
| 5 | ミシガン |
| 6 | ジョージア |
| 7 | イリノイ |
| 8 | オハイオ |
| 9 | コロラド |
| 10 | ミズーリ |
1923年のアメリカには、刑務所は61ヶ所だけだった。しかし1974年には592ヶ所となり、2000年には1,023ヶ所に増加。
全米でもっとも刑務所建設に熱心なのは(ブッシュが州知事を務めた)テキサス州で、過去20年間に120の刑務所を増設、今日では137ヶ所の刑務所を稼動させている。2番目に刑務所が多いのは(ブッシュ弟のジェブが州知事を務める)フロリダ州で、(20年間に84ヶ所増設)カリフォルニア(83ヶ所)、ニューヨーク(65ヶ所)がそれに続いている。
合衆国全体でもっとも囚人の割合が多い地域はテキサス州コンチョ郡で、4,000人弱の住民のうち、33%は刑務所に居るとのこと。
CNNの2004/01/30の記事より。米国南部、ジョージア州では今後、「進化(evolution)」という言葉は通じないかもしれない。
ジョージア州教育長キャッシー・コックスは、同州のK12(小学校から高校まで)教育カリキュラム改訂案において、科学分野での「進化(evolution)」という言葉を「長期に渡る生物学的変化(biological changes over time)」に置き換えるよう提案している。彼女の考えでは、「進化」という言葉は単なる流行語(buzzword)に過ぎず、ジョージア州の学校教育現場では適切ではないとのことである。(同州は聖書原理主義/キリスト教原理主義が主流の土地柄らしい)
加えて、新教育カリキュラムでは、地球が誕生した時期について、45億年前に誕生したとする従来の説を撤回し、聖書の教えに沿って(?)「推定6,000年から1万年」として教えることにするという。
また、新教育カリキュラムでは、米国の歴史について1876年以前の史実(南北戦争など)については省略し、西暦1500年より以前の世界史についても教えないらしい。
(地元紙に登場した教育長の得意げな微笑みに注目して欲しい)
同州の下院議員ボビー・フランクリン(共和党)はジョージア州の新しい教育カリキュラム案に呆れている。
「馬鹿げた事だ。例えば、“引力”という言葉を使わずに引力について教えられるか?」
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