1. HOME
  2. » カテゴリーアーカイブ

カテゴリー別過去記事:選挙


2008/12/23

2004年度大統領選挙における電子投票システム不正への関与が疑われた重要証人が事故死

マイケル・コネル氏

事故死した共和党系選挙ITコンサルタントのマイケル・コネル氏(享年45)。


ジョージ・ブッシュ大統領再選キャンペーンと、ジョン・マケインの2008年度大統領選挙キャンペーンでITコンサルタントを務め、“ブッシュの頭脳”カール・ローブのIT教祖と讃えられたコンピューター技術者マイケル・コネル氏が、19日に飛行機事故で死亡したと地元メディアが伝えている。

オハイオ州のアクロン・ビーコン紙によると、12月19日午後6時頃、コネル氏自ら操縦する自家用飛行機が、オハイオ州アクロン・カントン空港に隣接する住宅に墜落・炎上し、コネル氏本人の死亡が確認されたとのこと。事故原因は目下調査中とされる中、関係者からは謀殺の声も上がっている。デモクラシー・ナウもこの件で特集を放送している

マイケル・コネル氏は、2004年度大統領選挙で、大混乱となったオハイオ州の電子投票機を巡り、民主党ケリー候補への投票をブッシュ側へ変換する細工を行ったとの疑いをもたれ、2008年に地元市民団体から訴えられていた。今年10月には同裁判で証人として出廷し、選挙不正の嫌疑を否定したばかり。訴訟を提起したクリフォード・アーンベック弁護士は、重要証人であるコネル氏の身辺に危惧を感じ、今年7月に司法省に証人保護申請をしていた。

地元テレビ局の報道によれば、亡くなったマイケル・コネル氏は、最近では親しい友人たちから、破壊工作の恐れがあるので飛行機の操縦を控えるよう忠告されており、過去2ヶ月間で2度、航空機の不具合で飛行をキャンセルしていたという。2004年度大統領選挙時の不正問題を追及してきた関係者たちは、コネル氏の件に謀殺の疑いもあるとして、当局による事故原因調査の展開を注視している。

続きを読む "2004年度大統領選挙における電子投票システム不正への関与が疑われた重要証人が事故死" »

2008/05/25

オバマ暗殺を扇動するヒラリー

5月26日に追記しました
Hillary

2008年5月23日、サウスダコタ州アーガスリーダー紙編集部のインタビューで、敗色濃厚にも関わらず選挙活動を続ける理由について問われたヒラリー・クリントン上院議員は言った:

「1992年の時は、6月半ばのカリフォルニア州予備選に勝利するまで、私の夫は党推薦を獲得できなかったんですよ。ボビー・ケネディがカリフォルニア州で6月に暗殺されたのは誰でも憶えてますよ。」


つまり、ヒラリーの脳内プランによれば、ライバルのバラク・オバマ候補は、党の推薦を受ける前に、無残にも暗殺されるというわけだ。

ヒラリーのイカれた発言にバラク・オバマも仰天しているだろうが、一番驚いているのは、暗殺されたボビー・ケネディの子孫たちだろう。ボビー・ケネディの子供のうち、ロバート・ケネディ・ジュニア弁護士、姉のキャサリン・ケネディ、妹のケリー・ケネディの3人は、ヒラリー・クリントンを推薦しているのだ。(JFKの娘キャロライン、JFKの弟ロバート・ケネディ上院議員とその息子パトリック・ケネディ下院議員はオバマを推薦している)

周囲の批判に気づいたヒラリーは、慌てて「ケネディ家に無礼であったとすれば後悔している」と、謝罪に似た曖昧な会見を開いた。肝心のオバマ陣営に対する謝罪はナシである。


続きを読む "オバマ暗殺を扇動するヒラリー" »

2008/02/26

大統領選挙とロビイスト:金で買えるアメリカ外交

「われわれは、しばしば、自分より権勢を持つ人々に愛を感じているつもりになる。とはいえ、われわれに友情を感じさせるのは利害関係だけなのだ。われわれは、彼らに何かよいことをしてあげたいから献身するのではない。お返しをしてほしいからである。」

-『運と気まぐれに支配される人たち―ラ・ロシュフコー箴言集 (角川文庫)』-


日本政府首脳がアメリカ政府首脳に会談を申し込む場合、どのような手順を経由するのだろうか?少なくとも政策談義をするつもりなら、ワシントンの流儀に従って、金でアポイントを買うというのが一番確実といえるだろう。

実際に、2002年度、当時のマレーシア首相マハティール氏は、米政府との関係改善を図るため、保守系シンクタンクのヘリテージ財団を通じ、共和党系スーパーロビイストのジャック・エイブラモフ120万ドル支払って、ブッシュ大統領とのホワイトハウス会談を実現させている

一体アメリカの外交政策は、どの程度まで金で買えるだろうか?この疑問に答えるべく、米ABC放送調査報道チームが、2008年2月1日付の報道で、外交ロビイストと大統領候補の蜜月関係を暴いている。非常にわかりやすい情報なので、以下に一部要約してご紹介しよう。

See a chart of presidential fundraisers lobbying for foreign governments.

諸外国と外交ロビイスト、ヒラリー、マケイン、ロムニーの相関図:クリックで拡大(source:ABC放送サイトのFlash画像より


続きを読む "大統領選挙とロビイスト:金で買えるアメリカ外交" »

2008/01/30

石油・軍需業界が史上最高益を更新の見込み

原油価格が1バレル100ドルを突破した2008年、石油メジャーはますます絶好調になるらしい。


CNNMoneyの報道によれば、2007年度エクソン・モービル社がまたしても米国企業史上最高益記録を更新する可能性があるという。

続きを読む "石油・軍需業界が史上最高益を更新の見込み" »

2007/12/17

選挙不正大国アメリカ

ニューヨークタイムズ紙が、12月15日付けの報道で、アメリカ国民を慌てさせている。書き出しはこんな感じだ:

シンシナティ発:過去2回の大統領選挙で、ブッシュ大統領陣営に僅差の勝利をもたらしたオハイオ州で使用された5種の電子投票システムの全てが、内部に深刻な欠陥を抱えており、2008年度大統領選挙の整合性を低下させる可能性があると、オハイオ州選挙管理当局が報告している。「予想よりはるかに酷い」調査を率いたオハイオ州務長官ジェニファー・ブルナーは言う。「ひとつぐらいは他より良い結果が出せると望んでいたのですが」(以下略)

タイムズ紙の報道では、問題のある電子投票機械のメーカーとして、Elections Systems and Software(ES&S)社、Premier Election Solutions社、Hart InterCivic社を挙げている。Premier Election Solutions社は、2004年選挙ですでに問題が指摘され、評判を落としたDiebold(ディーボールド社)の新しい社名である。興味深いのは、ライバル社であるはずのES&S社を創業したのは、ディーボールド社元CEOのボブ・ウロセビッチ氏で、ディーボールド社副社長とES&S社の社長は兄弟であり、この2社だけで全米選挙の実に80%を運営しているという事実だ。

このES&S社という企業について、日経ビジネスは先ごろ面白い報道をしている。以下に記事の一部を引用する:

11月13日。来年2月に実施される京都市長選で電子投票の導入を決めた上京区は、システムの入札を実施した。今回は、米ES&S(エレクション・システムズ・アンド・ソフトウェア)と日本の電子投票普及協業組合(EVS)の一騎打ちとなった結果、日本のEVSが受注した。

続きを読む "選挙不正大国アメリカ" »

2007/10/22

2008年アメリカ大統領選挙:最新選挙資金動向

米連邦選挙管理委員会(FEC)は、2007年10月15日付けで最新の大統領候補者選挙資金報告を公開した。そこで、第三四半期(2007年7月1日から9月30日)締め後の候補者別の数字を以下に一覧表にまとめてみた。まずは民主党から:

民主党候補者選挙資金情勢(2007年9月30日末時点)
候補者名資金総額総支出額手持ちの現金第三四半期集金額
ヒラリー・クリントン$90,935,788$40,472,775$50,463,013$26,082,347
バラク・オバマ$80,256,427$44,169,236$36,087,191$20,419,020
ジョン・エドワーズ$30,329,152$17,932,103$12,397,048$6,987,596
ビル・リチャードソン$18,699,937$12,878,349$5,821,588$5,229,967
クリス・ドッド$13,598,152$9,723,278$3,874,874$1,467,093
ジョー・バイデン$8,215,739$6,329,324$1,886,340$1,723,356
デニス・クシニッチ$2,130,200$1,803,576$327,094$1,010,963
マイク・グラベル$379,795$362,268$17,527$130,598

民主党トップ、ヒラリー・クリントンの選挙資金総額は早くも100億円を超え、勢いは現在も続いている。彼女を追うバラク・オバマとジョン・エドワーズはヒラリーの議員活動や政策への批判を強めているが、資金面だけ見れば、ヒラリー優位はこのまま揺らぐことがないだろう。(アル・ゴアが出馬すれば状況は一変するが、ゴア本人は現在も出馬にかなり否定的・・・)

2007年7月から9月にかけて、ヒラリー陣営は2,608万2,347ドル(約29億8,877万6,142円)もの献金を集めているが、ヒラリーの夫ビル・クリントンの集金額は同時期(2003年第三四半期)に1,032万1,501ドル(約11億8,274万799円)。集金能力でみれば、妻のほうが上ということだ。実際ヒラリーは、あらゆる業界から金を集めることができる稀有な候補者だ。企業ロビイストやPR業界人を選挙スタッフに抱えたおかげで、モンサント社に代表されるアグリビジネスも、製薬業界も医療保険業界も、皆が競ってヒラリーに投資している。大企業では従業員を動員してヒラリーに上限一杯まで個人献金させ、献金額全額を会社側が従業員に払い戻すという違法スレスレの活動をしているところもある。

概して共和党寄りと言われてきた軍需産業界からの献金額でも、ヒラリーはトップを走っている。イラクからの米軍撤退を否定し、イラン攻撃に積極的な発言を繰り返した成果が、早くも数字となって現れているらしい。(ヒラリー陣営の好戦的な外交姿勢を主導するアドバイザーはマデリーン・オルブライト元国務長官。オルブライトは“イランとの戦争を除外すべきでない”と主張している。生まれ故郷チェコでは彼女を次期大統領に推する動きもあるようだ)

ヒラリーの選挙参謀を務める人物も一流のビジネスコンサルタントで、悪名高き軍事傭兵企業ブラックウォーター社に議会対策を施した企業の関係者として評価が高い(ヒラリー攻撃を強めるジョン・エドワーズはさっそくこの件でヒラリー陣営を批判したが、彼自身の選挙スタッフもイラク戦争で巨額の利益を得た軍需利権大手グローバル・ストラテジー・グループの関係者だ。)

ところで、ジョージ・W・ブッシュは二期目を目指していた2003年の同時期に5,006万4,633ドル(約57億3,690万6,295円)もの献金を集めていた。ブッシュ・ファミリーから見れば、クリントン・ファミリーはまだまだ規模が小さいのである。(source:FEC

続きを読む "2008年アメリカ大統領選挙:最新選挙資金動向" »

2007/08/05

CNN・YouTubeディベート:バラク・オバマの欺瞞

7月23日に開催されたCNN・YouTube主催の民主党大統領候補者ディベート大会で、ド根性大統領候補マイク・グラベルは、政治的には対極に位置するバラク・オバマ上院議員に対して、またしても以下のような興味深い論争を挑んで見せた:

マイク・グラベル:
「彼ら(民主党候補者)の誰が選出されようが、たいした違いはないだろうな。私達が一致団結していると言われたが、団結などしちゃおらん。私は多くの点で彼らとは団結しておらんのだ。・・・ここで少しバラク・オバマに伺いたいが、彼はロビイストから金を受け取っていないと言ってる。でもな、彼は134人もバンドラー(献金まとめ役)がついてるんだ。それを彼はどう考えてるのかね?それに加えて、彼はUBSアメリカ銀行の経営者、ロバート・ウルフから19万5,000ドルほど献金を受け取っているが・・・」
司会者(アンダーソン・クーパー):
「時間です」
グラベル:
「・・・あれは外国の銀行じゃないか。」
司会者:
「オバマ議員、あなたからの返答をおねがいします。」
バラク・オバマ:
「いいとも。ええとですね、私は政治団体からもロビイストからも献金は受け取っていないんです。バンドラーについては・・・マイク、誰が私に献金したのかあなたが知ってる理由は、私がこれまでの議会でバンドラーを公開するよう求める法律を押し通したからですよ。私は州議会議員時代から、そういうリーダーシップを発揮しているんです。それこそ、私が合衆国大統領になった暁にもそうしたリーダーシップを示すつもりなのです。」(会場、拍手)
グラベル:
「ちょっと待てよ・・・」
司会者:
「次の質問はバイデン議員宛です。・・・」

Democratic presidential candidates

CNN・YouTubeディベート大会の候補者集合写真。グラベルがフレームアウトされているのはなぜだろう?

バラク・オバマは巧みに議論をスピンさせ、グラベルの提示する嫌疑-アメリカ政治の“不都合な真実”-から逃げつつ自画自賛してみせた。会場の聴衆は拍手したが(これが噂のカリスマ性か?)、事実確認をすれば、オバマの姿勢が欺瞞だらけであることは明白だ。(ちなみにオバマ議員は「献金者を公開するよう求める法律を押し通した」と発言しているが、彼の言う法律が効力を発揮するのは2008年大統領選挙終了後なので、その主張は明らかにミスリードだ。現在公開されているバンドラー情報は、各候補者が自主的に公開しているだけなのである。)


続きを読む "CNN・YouTubeディベート:バラク・オバマの欺瞞" »

2007/07/29

Stop and Think:マイク・グラベル猛語録(1)

「・・・そこで1人の上院議員の登場となりました。彼は馬鹿にされることを恐れなかった。基本的に、人々を従わせるのは恐怖です。列から外れてはいけない・・・母親の膝にいる頃からそう教わっているものです・・・うまく生きていくためには、はみ出してはいけない、目立ってはいけないし、馬鹿と思われるような真似をしてはいけないとか、そういうことです。しかし、彼は恐れなかった・・・戦争の最中に徴兵制度という並外れた問題に向き合ったのです。それで私は考えました。“オーケー、この男ならいいかもしれない”。しかし私は彼に会ったことがなかった・・・彼以外の議員には以前から会っていたが、彼のことは知らなかった。“オーケー、彼はフィリバスターをしてるじゃないか”。」

-ランド研究所で軍事アナリストを務め、後に内部告発者としてベトナム戦争政策を批判したダニエル・エルスバーグが、自ら持ち出した極秘文書『ペンタゴン・ペーパー』全編を託した当時のマイク・グラベルの印象について語る(デモクラシー・ナウ!2007年7月2日付放送より

Mike Gravel

エリート・金持ち主義政治に喝!怒りのド根性大統領候補マイク・グラベル

2008年度合衆国大統領選に、民主党から一番早く立候補した77歳のド根性候補、元アラスカ州上院議員マイク・グラベル氏。今回は彼の傑作発言をいくつか以下に抜粋して紹介しよう。

続きを読む "Stop and Think:マイク・グラベル猛語録(1)" »

2007/07/22

2008年合衆国大統領選挙:選挙資金情勢

「この会場にお集まりの皆さんはこんなことを言ったら驚くだろうかね・・・お金を持たない者には正義も全く与えられないと言ったら?皆さん、驚きですかな?・・・なんてこった!皆さんが公正さを獲得する唯一の方法は、向き直って一念発起して、議員になってシステムを変えるしかないんだ。なのに今じゃ本当にシステムを変えようという発想はないらしい。相変わらずの政治だな。」

-マイク・グラベル、2007年6月28日、ワシントンDCのハワード大学で開催されたPBS(全米公共放送網)協賛の民主党大統領候補者討論会にて発言。


アメリカ合衆国の大統領選挙は、民主主義の実現というよりはむしろ投資ビジネスに近い。各候補者は全国各地を巡って出資者や支援企業を募り、その資金を元手にホワイトハウスへ敵対的買収を試み、アメリカ株式会社の乗っ取りを図るのだ。資本家から経営を委任されCEO役を買って出た大統領は、乗っ取り後に組織のスリム化を図り、部門によっては海外企業等に売却する。そういうスタイルの成長戦略をとってきたアメリカ株式会社の主な事業は戦争で、その市場は21世紀に入り再び拡大しつつある。ブッシュCEOが社運を賭けて市場に送り出したイラク戦争は不採算事業となった。経営陣の一部、従業員の多数は同事業の縮小を求めているが、一方で執行役員チェイニー副大統領の指揮の下、新商品であるイラン戦争の開発も急ピッチで進められている・・・。

そんなわけで、2008年度合衆国大統領選挙に向けて、米国連邦選挙管理委員会は各候補者の最新選挙活動資金状況を公開した。以下の表で、どの候補者がどれだけ稼いでいるのかを確認していただきたい。(1ドル=122円換算)

民主党大統領候補者政治資金表(2007年6月30日末時点)
候補者名資金総額資金総額(円)支出額手持ちの現金
ヒラリー・クリントン$63,075,927¥7,695,263,094$17,849,095$45,226,832
バラク・オバマ$58,912,520¥7,187,327,440$22,648,832$36,263,688
ジョン・エドワーズ$23,129,158¥2,821,757,276$9,785,203$13,343,954
ビル・リチャードソン$13,339,633¥1,627,435,226$6,209,949$7,129,684
クリス・ドッド$12,076,091¥1,473,283,102$5,697,820$6,378,271
ジョー・バイデン$6,461,745¥788,332,890$3,691,828$2,772,442
デニス・クシニッチ$1,117,566¥136,343,052$902,355$213,269
マイク・グラベル$238,745¥29,126,890$207,604$31,141
共和党大統領候補者政治資金表(2007年6月30日末時点)
候補者名資金総額資金総額(円)支出額手持ちの現金
ミット・ロムニー$44,432,350¥5,420,746,700$32,310,796$12,121,554
ルドルフ・ジュリアーニ$35,629,265¥4,346,770,330$17,303,045$18,326,220
ジョン・マケイン$25,328,694¥3,090,100,668$21,926,631$3,224,428
サム・ブラウンバック$3,321,965¥405,279,730$2,861,729$460,236
ロン・ポール$3,009,997¥367,219,634$655,142$2,354,855
トム・タンクリード$2,807,879¥342,561,238$2,209,606$598,451
ダンカン・ハンター$1,352,941¥165,058,802$1,140,014$212,927
マイク・ハッカビー$1,310,753¥159,911,866$873,584$437,169
トミー・トンプソン$890,398¥108,628,556$768,750$121,648
ジム・ギルモア$391,693¥47,786,546$329,928$61,765

ヒラリー、オバマ陣営はそれぞれすでに70億円以上の選挙資金を集めている。日本の選挙から見ると驚きの金額だが、前回2004年度大統領選挙で、共和党ブッシュ陣営が党大会直前までに2億6,980万ドル(約328億円)、民主党ケリー陣営が2億3,460万ドル(約286億円)稼ぎ出した実績を考えると、まだまだ先は長いのである。

資金力トップは民主党のヒラリー・クリントンだが、4月から6月の3ヶ月間はバラク・オバマが大量の資金(3,280万ドル、約39億円)を集めており、このペースだとオバマが民主党トップを獲得する可能性が高くなった。この状況を注視しているのはおそらくアル・ゴア陣営で、支持者間では早くもゴア大統領=オバマ副大統領の観測が広がっている。(日和見主義の軍人、コリン・パウエル前国務長官も外交政策をネタにオバマ陣営に接近しているらしい。)

「アメリカでは新製品の発表は9月と決まってるんだ」と言ったのはブッシュ政権のカード大統領補佐官だが、そのセオリーどおりであれば、アル・ゴアの大統領選出馬表明はおそらく8月末、ハリケーン・カトリーナ上陸2周年追悼行事の前後に行われる可能性が高い。しかし、息子の薬物中毒問題もあって、ゴアファミリーは選挙に乗り気でないらしい。家族か、ホワイトハウスか・・・アル・ゴアは選択を迫られている。

2008年度大統領選挙は予備選の早期化から、今まで以上に各候補者は地方CM等に早々と大量の資金を投入するようになったらしい。金遣いがもっとも激しいのは共和党のミット・ロムニーで、過去3ヶ月で2,000万ドル(約24億円)以上を支出している。

続きを読む "2008年合衆国大統領選挙:選挙資金情勢" »

2007/07/09

2008年大統領選挙:無党派層の動向

朝日新聞社と東京大学の共同有権者調査によれば、2004年度参院選挙で民主党に投票した4人に1人が2005年度衆議院選挙で自民党に投票し、2005年度衆議院選挙で自民党に投票した4人に1人が、今年の参議院選挙で自民党に投票しないと回答しているという。

日本の選挙では「自民党と民主党の間を揺れ動く」浮動票が選挙結果を大きく左右する。米国流に言えば、この層は“スイング・ヴォーターズ(swing voters)”と呼ばれる特定の政党に拘らない無党派の有権者達だ。最新の世論調査によれば、現在の米国では、有権者のおよそ3割(男性の31%、女性の23%)が自身を無党派と申告しているという。日本と同じく米選挙業界でも、この無党派層が2008年大統領選挙においてこれまで以上に重要な役割を果たすとみられている。

続きを読む "2008年大統領選挙:無党派層の動向" »

2007/05/22

共和党大統領予備選ディベートinサウスカロライナ

「大統領は米軍兵士がどれくらいの間駐留していつ撤退できるのか予定表(timetable)を提示することが重要です。」

「勝利とは出口戦略(exit strategy)のことで、大統領は国民に対して出口戦略を説明することが重要なんです。」

-1999年当時のジョージ・W・ブッシュ、クリントン政権のコソボ派兵を批判し、新聞各社のインタビューで発言

2007年5月15日、サウスカロライナ大学で共和党大統領候補者によるディベート大会が開催された。主催は共和党サウスカロライナ支部とフォックスニュースで、司会進行役は同放送網の名物ニュースキャスター、ブリット・ヒュームとクリス・ウォレス。同放送網としては当然ながら、二人とも熱烈なブッシュ政権支持者である。共和党側の候補者討論会はこれで2回目となる。(Transcript

フォックスニュース、ブリット・ヒュームとくれば、モノ凄いコメントが期待できるというわけで、予想どおり特定の観点においては面白いイベントになった。ディベート参加者を選挙資金順に並べてみよう。

候補者名選挙資金状況(2007年3月31日時点)
ミット・ロムニー$20,737,149(25億919万5,029円)
ルディ・ジュリアーニ$14,731,897(17億8,255万9,537円)
ジョン・マケイン$12,992,655(15億7,211万1,255円)
サム・ブラウンバック$1,257,171(1億5,211万7,691円)
トム・タンクリード$1,185,536(1億4,344万9,856円)
ロン・ポール$638,389(7,752万5,986円)
マイク・ハッカビー$544,157(6,584万2,997円)
ダンカン・ハンター$499,874(6,048万4,754円)
トミー・トンプソン$315,036(3,811万9,356円)
ジェイムズ・ギルモア$174,790(2,114万9,590円)

共和党集金力トップのミット・ロムニーは5月16日に行われたニューハンプシャーの大統領候補者支持率調査でマケイン、ジュリアーニを引き離しトップとなっている。

一般的にワシントンでは、候補者は選挙の前年末までに活動資金1億ドル以上を貯めないと、選挙の年に大統領選を継続できないと言われる。したがって選挙資金だけで見れば、共和党はミット・ロムニー、民主党はヒラリーあたりが予備選を勝ち抜きそうだが、実のところ2008年度選挙でホワイトハウスにもっとも近いのは、出馬表明していない最大の大物、マイケル・ブルームバーグ現NY市長ではないかという見方も根強い。(共和党にはもう1人、穏健派の人気者チャック・ヘーゲルが大統領選出馬を狙っており、最新のインタビューで、ブルームバーグと二人で“独立派”として出馬する可能性をぶちまけている。)

マイケル・ブルームバーグは個人資産(55億ドル)から10億ドルを大統領選出馬に拠出すると言われているので、出馬すれば選挙資金面でも共和党・民主党各候補を抑えてトップになるだろう。しかしブルームバーグ自身は、「次の大統領選にはアル・ゴアに出て欲しい」と公的に発言している。一方で、イラク撤退法案をめぐり民主党への失望感は拡大しており、民主党トップのヒラリーはウォルマート問題、オバマはネオコン傾倒問題という大きな弱点を抱えている。

アル・ゴアとブルームバーグのコンビ?共和・民主両党にとって悪夢となる2008年度究極のシナリオだ。しかしありえない話でもない。

そのような背景事情は脇に置くとして、以下にディベート内容を抜粋して茶々を入れていこう:

続きを読む "共和党大統領予備選ディベートinサウスカロライナ" »

2007/05/09

異色のド根性大統領候補:マイク・グラベル

実際に合衆国大統領になれる可能性がほとんどないとしても、マイク・グラベルほど愉快な大統領候補はいないだろう。彼ほどアメリカの懐の深さを体現した人物は、最近では珍しいのではないか。

ところで、マイク・グラベルって誰だ?

2008年度大統領選に民主党で一番早く名乗りを挙げたマイク・グラベルは、マサチューセッツ州スプリングフィールド生まれの76歳。21歳で米陸軍に入隊し、5年ほど陸軍防諜部に勤務。後にコロンビア大学で経済学を学び、1969年から1981年までアラスカ州選出上院議員を務めている。

フランス系カナダ人移民の家庭に生まれたグラベルはフランス語に堪能で、カナダのメディア取材にはフランス語で対応している。一方で、米国内メディアはこの風変わりな合衆国大統領候補を1年間全く無視してきた。しかも、選挙資金が全くないグラベルは、出馬表明後もニューハンプシャー州以外ではほとんど遊説していなかった。

2007年4月26日、サウスカロライナ州立大で最初の民主党大統領立候補者討論会が開催された。舞台に現れた8人の民主党大統領候補者の中に、見知らぬ白髪の老人の姿があった。「あの爺さん、誰?」と皆が首を傾げたのも無理はない。支持者達の関心の的は、ヒラリー・クリントン、バラク・オバマら“エリート先頭集団”が何を言うかということだった。

ところが討論が開始されると、ヒラリーやオバマは共和党議員よりもはるかに退屈な保守派であることが露呈してしまったのである。一方でこの日最も会場を沸かせたのは、知名度ゼロのために討論会に招かれるかどうかも定かでなかったマイク・グラベルだったのだ。

続きを読む "異色のド根性大統領候補:マイク・グラベル" »

2007/04/09

クルーグマン:『撹乱と公民権剥奪』

米国を代表する経済学者の1人、ポール・クルーグマン氏のNYタイムズ紙4月2日付け掲載コラムを以下に翻訳して掲載。(文中リンクは訳者による)

今回のコラムでは経済格差問題について触れられている。アメリカ国内の格差に関する報道で最近目についたものをいくつか以下に列挙していこう:

Us_usa_subprime_detroit

デトロイトで販売されている中古住宅。中古車よりも安い金額で入手可能。


  • 全米労働者のおよそ3人に1人にあたる4,000万人ほどが、医療保険・退職金・病欠手当て・家族休暇等の手当てがない低賃金労働に従事している。(経済政策調査センターの報告
  • 全米各州の都市部ではホームレスが急増しているが、各都市の行政側はボランティアによる炊き出し活動に法的制限を実施するようになった。食料の無料配給を制限すれば、ホームレスの集中を抑えられるという行政側の目論みがあるらしく、当然ながらボランティア団体側は反発している。(USAトゥデイ紙報道
  • 米国内にはホームレスになった退役軍人が20万人ほど居るという(CBS放送)が、イラク戦争から帰還後に退役しホームレスになる若者も急増している。(ワシントンポスト紙
  • 米製造業の衰退を象徴する貧困地区のひとつであるミシガン州デトロイトでは、自動車よりも安い値段で中古の一戸建てが購入できるようになった。米国で一般的なサイズの住宅が300万円くらいで販売されており、特に安い例としては、有名なモータウンレコードスタジオの近所で、寝室が4つある邸宅が7,000ドル(約83万5,000円)で売りに出されているという。(ロイター通信
  • アメリカの自動車産業は衰退しているが、CEO達にはその影響は全くないらしい。2006年度に127億ドル(約1兆5,149億1,900万円)という記録的な損失を出したフォード社の新CEOは、就任してたった4ヶ月で2,800万ドル相当(約33億3,998万円)の記録的な報酬を受け取った。このCEOの巨額報酬の影で、フォードの工場が閉鎖され、3万人の従業員が解雇されたという。(CNNMoney

続きを読む "クルーグマン:『撹乱と公民権剥奪』" »

2006/11/15

2006年米中間選挙:まだ票を数えてます!

First Selectman Richard Matters, left, looks on as Vote Moderator Mark Schwab, center, counts votes Friday, Nov. 10, 2006, in Franklin, Conn.

コネチカット州第2区の票集計風景。例によって集計作業のミスがあったもよう。

2006年アメリカ中間選挙投票日から1週間が経過した。民主党が12年ぶりに上院・下院で多数を占める地すべり的勝利を経験し、ブッシュ政権は大幅な政策変更を余儀なくされるとみられている・・・が、13日の段階で、まだあちこちで票集計が続いており、下院の議席が8人分未決のままだ。

以下は、票集計が終わっていない下院選挙区の状況である。AP通信の速報より

  • コネチカット州第2区。わずか66票差で、民主党のジョー・コーテニィが共和党現職ロブ・シモンズにリードしている。15日中に再集計を完了する予定。16日速報追記再集計の結果、わずか91票の差で、民主党新人ジョー・コートニーが現職の共和党議員を破って当選した。)
  • ジョージア州第12区。わずか600票差で、民主党現職ジョン・バロウが共和党元議員マックス・バーンズにリードしている。15日に再集計の予定。
  • ニューメキシコ州第1区。共和党現職ヘザー・ウィルソンが、民主党のパトリシア・マドリッドに1,500票リードしているが、3,700票ほどが未集計。
  • ノースカロライナ州第8区。共和党現職ロビン・ヘイズが、民主党のラリー・ケッセルに対し449票差でリードしている。暫定票が1,500人分未集計のまま残されている。
  • オハイオ州第2区。共和党現職ジーン・シュミット(通称:意地悪ジーン)が、民主党のビクトリア・ウルジンに対し2,300票差でリードしている。暫定票と不在者投票の集計にあと2週間ほど必要とのこと。
  • オハイオ州第15区。共和党現職デボラ・プライス(下院共和党指導部委員)が、民主党のメアリー・ジョー・キルロイに対し3,536票差でリードしている。地元選挙管理委員会の発表によると、11月18日にミシガン対オハイオ州立大学フットボール試合が開催されるので、それまで集計作業は休止するとのこと。19日から残りの票集計が開始される予定。
  • ワシントン州第8区。共和党現職デイブ・レイシャートが民主党のダーシー・バーナーに対し3,500票差でリードしている。大量の郵便投票分が未集計のまま。16日速報追記:元マイクロソフト社社員で民主党の新人女性候補ダーシー・バーナーが敗北宣言。共和党現職のデイブ・レイシャート議員が5,767票差でリードしていたが、全ての集計を終えたわけではないようだ。有権者の権利を軽視する姿勢は共和・民主ともに大差ないと言える。)
  • ワイオミング州第1区。共和党現職バーバラ・キュービンが民主党のゲイリー・トラウナーに対し予備集計では1,000票差でリードしている。民主党候補側は15日以降に再集計を求める構え。

2006/11/09

2006年米中間選挙:新聞に見る勝利と敗北

Philadelphiadailynews

フィラデルフィア・デイリー・ニュース紙の1面トップは傑作!

Independent20061108

英インディペンデント紙の1面トップ:「米国民、ブッシュに厳しい評決」

Gendai

日刊ゲンダイは早々とトップでブッシュ敗北を宣言。ところで同紙トップ記事には“最大の争点は「イラク問題」だった。イラクでの米兵の死者は3,000人に達した。”と書いてあるが、おそらく「イラクとアフガニスタンでの米兵の死者」の間違いだろう。11月8日の時点で、イラクでの米兵戦死者は2,802人、アフガニスタンでの米兵戦死者数は340人で、合計すると3,142人となる。

Newyorkpost

保守派のタブロイド、ニューヨークポスト紙のトップニュースはブリトニーの離婚!・・・と「民主党、下院を一掃」。同紙出版元の親会社であるニューズコーポレーション社会長ルパート・マードック氏は先日東京で行われた来日会見で過去の戦争に比べれば、イラクでの死傷者数などほんの僅かだ。」「(イラク侵攻は)正しい行いだったと信じている」と発言した。もしもあなたが、この発言を報じる記事を日本の新聞に見つけることができたなら、マードック氏のタブロイド紙を安心して笑い飛ばすことができるだろう。

2006/11/02

ティルマンは戦場へ行った

今回は、現在全米で話題となっているケビン・ティルマン氏のコラム以下に全文翻訳して掲載。

ケビン・ティルマン氏の兄、パット・ティルマンはNFLのスター選手で、911テロ事件後に愛国心に駆られ、プロ選手としての高額年収を蹴って、弟ケビンと共に陸軍に入隊。米陸軍レンジャー部隊兵士としてイラクに派遣された後、2004年4月22日にアフガニスタンで戦死した。ケビン・ティルマン氏は2005年に除隊している。

パット・ティルマンの戦死について、当初陸軍側は「敵との交戦で殺害された」と遺族に説明していた。しかし2年経過した現在では、友軍の誤射で死亡した事実が明らかになっている。その後、戦死した兵士の遺族達の追求により、米軍が友軍の誤射による死亡例を隠してきた事実が少なくとも7件確認されており、米軍の公式戦死報告への信頼性はさらに低下しつつある。

続きを読む "ティルマンは戦場へ行った" »

2006/10/25

グレッグ・パラスト:「選挙不正のレシピ」

英BBCとガーディアン紙を中心に活躍するアメリカ人ジャーナリスト、グレッグ・パラスト氏の最新コラム以下に全文翻訳して掲載。パラスト氏は2000年米大統領選挙でブッシュ陣営が行った大掛かりな不正行為を英BBC放送チームと共に暴露し、世界的に知られる(アメリカ人から忌み嫌われている)名物調査報道記者である。

Armed Madhouse

グレッグ・パラストの最新著作『Armed Madhouse

2000年と2004年大統領選挙で共和党系草の根組織による大規模な不正が行われていた件は、すでに米国と日本以外の海外メディアで報道されているが、『民主主義の主導国家』を自負するアメリカ国民は、一般的に右派も左派も自国の貧相な選挙システムの問題についてはほとんど黙認している感じだ。

しかしそれでも、下院のジョン・コンヤーズ議員や、ブラッド・フリードマンなどの著名ブロガー、各種市民団体の執念深い追求によって米国選挙システムの問題が注目され始めており、少しづつ事態は好転し始めている。(といっても、今のところ選挙不正が減少しているわけではなくて、不正を警戒し監視しようという国民が増えているだけのことだが、民主党権威派のような黙認・無視姿勢よりマシである)

Votingbooth

ワシントンポスト紙の最新報道によれば、バージニア州上院議員立候補者のうち、民主党候補の名前が候補者一覧画面で一部欠落しているという奇妙な不具合が発覚。選挙管理委員よれば「不具合修正は中間選挙に間に合わない」。これでまたしても無効票が続出?

そんなわけで今年11月7日の米中間選挙も(報道はされないだろうが)全米各地で大混乱になるだろう。サロン誌の調査によれば、オハイオ、フロリダ、アリゾナ、インディアナ、カリフォルニア、ミズーリの各州では、州の投票規定(投票抑制政策と揶揄されている)により、少数民族への投票妨害が行われると予測されている。前回選挙でもっとも大胆な不正をしたオハイオ州務長官は、すでに今年の選挙に備えて投票所での出口調査を大幅に制限(事実上は禁止)すると宣言し、メディア各社から抗議されている。イリノイ州シカゴでは、135万人分の有権者登録データベースが外部から容易に操作可能というシステム不具合が発覚している。ワシントン州シアトルでは、有権者登録用紙の配達が遅れて、1,100人ほどの住民が2006年度の投票権を失っている(遅れたのは偶然にも少数民族と貧困層の登録分だ)。米国中に設置される電子投票システムの信頼性の低さはすでに専門家のお墨付きだが、その管理体制と運用も大問題である-選挙管理スタッフが機械をまるごと持ち帰ったり、集計プログラムの内容を容易に変更できたりするのだ。

はたして、アメリカ合衆国で民主的且つ公正な投票と正確な票集計が実現する日はくるのだろうか?

続きを読む "グレッグ・パラスト:「選挙不正のレシピ」" »

2006/06/13

ブッシュ地帯を行く(2)NYタイムズ紙のユタ州訪問記

アメリカ最深部ブッシュ地帯に関する報道第二弾は、ニューヨークタイムズ紙に2006年6月4日付で掲載されたユタ州訪問記。これを読むと、アイダホ州とユタ州の保守層がソックリであることが理解できる。(記事中リンクは訳者による)

全米でもっとも保守的な土地のひとつであるユタ州だが、それでも最近では別の兆候も見られる。例えば、州都のソルトレークシティー市長はリベラル派の有名人で、その反戦主張は全米で話題になっている

続きを読む "ブッシュ地帯を行く(2)NYタイムズ紙のユタ州訪問記" »

2006/06/10

ブッシュ地帯を行く(1)英ガーディアン紙のアイダホ州訪問記

日本人が知らない、アメリカ最深部ブッシュ地帯に関する報道がイギリス・アメリカのメジャー紙で相次いだのでご紹介。今回は、英ガーディアン紙2006年6月3日付け記事を全文翻訳して掲載した。(記事中リンクは訳者による)

アイダホ州、ワイオミング州、ユタ州等の『ブッシュ地帯』では、有権者が政策よりも好感度で政治家を選択する傾向が一層強いらしいが、日本ではどうだろうか。

続きを読む "ブッシュ地帯を行く(1)英ガーディアン紙のアイダホ州訪問記" »

2006/05/17

アメリカの最新世論:赤い州と青い州の現在

2006年5月5日、ロスアンゼルス・KABC放送の保守派ラジオホスト、ダグ・マッキンタイルは、自分の番組で以下のように謝罪した

「ジョージ・W・ブッシュに投票した私の判断は間違いだった。歴史的に見て、2期続いた大統領としてはジョージ・W・ブッシュが合衆国史上最悪であると私は信じる。グラントより酷い。史上最悪の大統領といってもいいだろうと思う。」


マッキンタイル氏の個人的な懺悔の言葉は、結局のところ全米の保守層に漂う気分を代弁していることになるだろう。

2004年の大統領選挙の際、ブッシュ支持派多数の州(赤い州)とケリー支持派多数の州(青い州)の分布状況は以下のとおりだった。

2004 PRESIDENTIAL RESULTS

2004年大統領選挙の投票結果による州別支持政党分布地図。(source:ワシントンポスト紙

それから1年半が経過し、世論調査企業SurveyUSAが2006年5月15日に公表した州別のブッシュ大統領支持率に従えば、現在のアメリカは、以下の地図のような状況になっている。

州別大統領支持率分布地図

SurveyUSAの公表した州別最新大統領支持率を反映させた地図。現在でもブッシュ支持が50%を超える州は、アイダホ州、ワイオミング州、ユタ州の3州。

続きを読む "アメリカの最新世論:赤い州と青い州の現在" »

2005/05/09

「アルカイダのナンバー3を逮捕」は間違い?

まずは、英BBC2005/05/04付け記事冒頭を以下に翻訳して引用する:

パキスタン政府、アルカイダ幹部を拘束( Pakistan 'catches al-Qaeda chief')

パキスタン政府は、アルカイダ幹部のリビア人、アブ・ファラジ・アル・リビ容疑者を逮捕したと発表した。リビ容疑者はアルカイダのナンバー3と言われており、パキスタン大統領暗殺を企てた件で手配されていた。米大統領ジョージ・W・ブッシュは今回の拘束について「テロとの闘いにおける重要な勝利」と説明した。(以下略)


上の記事から4日後に配信された、英サンデータイムズ紙2005/05/08付けの記事を以下に翻訳引用する(リンク、強調は訳者による)

「拘束されたアルカイダ幹部、身元誤認か」(Captured Al-Qaeda kingpin is case of ‘mistaken identity’)

先週、パキスタン情報部によりアルカイダ幹部とされる人物が拘束された件は、ブッシュ大統領から『テロとの闘いにおける重要な勝利』と歓迎された。しかしながら、欧州の情報専門家によると、拘束されたアブ・ファラジ・アル・リビ容疑者はアルカイダナンバー3などではなく単なる中堅メンバーであり、或る情報筋の言葉によれば『組織における半端者達の1人』に過ぎないとの事である。

先週水曜日にパキスタンで発表されたアル・リビの拘束劇は、合衆国内においては、オサマ・ビン・ラディン捜査における『大きな成果』であると説明されていた。

ブッシュはアル・リビ容疑者を「最高幹部」「アルカイダネットワークのまとめ役で最高計画者の1人」と呼んだ。コンドリーザ・ライス国務長官は同容疑者を「非常に重要な人物」と語った。しかし、ワシントンとイスラマバードで湧き上がった歓喜の声は、欧州のテロ専門家をおおいに驚かせている。専門家によれば、拘束されたリビア人はFBIの最高レベル手配リストには掲載されておらず、米国務省の掲げる『賞金』リストにも存在しなかったという。

一方で、別のリビア人はFBI手配リストに掲載されている。その人物、アナス・アル・リビー容疑者は、1998年の在東アフリカ米大使館爆破事件の容疑で手配されており、米国捜査当局者は二人を混同しているとみられる。当サンデー・タイムズ紙がFBIテロ対策局に、今回拘束された人物について照会したところ、FBIの担当者からは別のアル・リビー容疑者の資料が送付されてきた。

「(ファラジ)アル・リビは単なる中堅リーダーですよ」フランスの情報調査員でテロ資金網の専門家ジャン・シャルル・ブリザール氏は言った。「パキスタンと米国政府当局者は、彼の役割と重要度について完全に過大評価しています。彼はアルカイダ支部とパキスタンの地方イスラムグループのまとめ役以上の人物ではありません」

ブリザール氏によれば、拘束された(ファラジ)アル・リビ容疑者は、ビン・ラディンの側近アイマン・アル・ザワヒリ、911テロの首謀者ハリド・シェイク・モハマド、アナス・アル・リビー等のアルカイダ指導者達への連絡手段を持っていないという。

英国情報部では(ファラジ)アル・リビ容疑者と英国内工作員との電話連絡の証拠を握っているが、同容疑者が欧州でのアルカイダ作戦指令を行っているとはみられていないとのこと。

(ファラジ)アル・リビ容疑者が関与しているとみられる唯一の事件は、2003年に発生したムシャラフ大統領暗殺未遂事件であるという。昨年、同容疑者は、パキスタン政府から最高レベル手配犯として認定され、35万ドルの賞金がかけられていた。

欧州やアメリカの情報専門家達に連絡をとったところ、(ファラジ)アル・リビ容疑者がハリド・シェイク・モハマドの後任として幹部になったというパキスタン情報部の報告を知るものはいなかった。ビン・ラディンと以前親交があり、現在英国に住む或る人物は笑いながら答えた。「彼(ファラジ・アル・リビ容疑者)について憶えている事といえば、コーヒーを入れたりコピーをとったりしてた事ですね」(以下略)

『アルカイダのナンバー3を逮捕』はでっちあげなのか、誤解なのか?今のところ真相は不明である。

ところで、パキスタン情報部がアル・リビ容疑者拘束を発表した直後に、ブッシュ大統領はその成果を強調して以下の声明を世界中に配信した。

「(今回の)逮捕によって、アメリカや他の自由を愛する人々にとって直接的な脅威となる危険な敵は排除された」
(His arrest removes a dangerous enemy who was a direct threat to America and for those who love freedom.)

ブッシュ大統領は、ブレア首相への疑惑に揺れる英国民を選挙直前に安心させたかったのだろうか?

オサマ・ビン・ラディンひとくちメモ:FBIが公開している国際手配書の説明によると、オサマ・ビン・ラディンの公式容疑は1998年の在タンザニア米国大使館爆破等で、911同時多発テロに関する容疑は書かれていない。・・・ということは、FBIの考えでは、ビン・ラディンは911テロに加担していない?!

2005/03/03

「グラウンド・ゼロで大もうけ」byグレッグ・パラスト

英BBC放送のジャーナリスト、グレッグ・パラスト氏の2005年2月23日付けコラムを以下に全文翻訳掲載。(記事中リンクは訳者による。)(このコラムの原文はInTheseTimes誌2004/05/12付けコラム「Fear for Sale」

金で買えるアメリカ民主主義

文庫本で読めるグレッグ・パラスト氏のベストセラー「金で買えるアメリカ民主主義(The Best Democracy Money can buy)」

以下のコラム中に登場するチョイスポイント社は、今年2月になって、保有する顧客の財務・社会保険番号などの個人情報14万5,000人分を、個人情報窃盗組織に販売していた事実が発覚し、一気に知られることになった企業である。

しかも顧客の個人情報横流しが公表される直前、株価暴落を予測した同社の経営幹部達は、自身が所有する自社株を売り抜けていたことも判明し、批判にさらされている。まさしく、ブッシュ大統領の支援企業にふさわしい振舞いである。



グラウンド・ゼロで大もうけ(Ground Zero as Profit Center)

by グレッグ・パラスト:公式サイト2005年2月23日付けコラム


本日(2005年2月23日)、ニューヨーク市は911同時多発テロ被害者の遺骸の特定作業を停止した。類まれなる惨事の結末を飾るこの悲劇的な物語の中には、テロの恐怖から手っ取り早く金を稼ぎ出す方法を見つけた者達についての記述はない。さあ、金の流れを追うとしよう・・・


2001年9月11日、デレク・スミス氏にとってそれはラッキーな日だった。、DM(マンハッタンの惨事:Disaster Manhattan)と記されたチューブには、辺り一面に散らばった人間の欠片が詰まっていた。スミス氏の会社の仕事は、そのチューブの中身からDNAを抽出し、被害者を特定することであり、ニューヨーク市はその業務に1,200万ドルを支払うことになっていた。

他の多くの人々同様、無実の友人や同胞達が惨殺された事実を前に、スミス氏が悲嘆に暮れ、恐怖に怯え、悲痛な面持ちでいたことは疑うべくもない。1,200万ドルの死体確認料金に関しても、ほんの4年前に設立したばかりで40億ドルの資産を誇るスミス氏の会社、ジョージア州アトランタ郊外アルファレッタに本拠を構えるチョイスポイント社(ChoicePoint)から見れば、たいした額でもない。

合衆国内に流通する生死情報150億件以上の記録を扱うチョイスポイント社にとって、グラウンド・ゼロは、まさしく金に縁取られた利益センターとなった。チョイスポイント社がジョージ・W・ブッシュのために、他の有権者が決してやらないことをやってのけたという事実も、テロとの戦争という熱狂から溢れ出す業務契約を損なうことはない。チョイスポイント社は我が国の大統領を選んだのである。

そのやり方はこうだ。2000年の大統領選挙前、チョイスポイント社の子会社であるデータベース・テクノロジー社は、フロリダ州務長官キャサリン・ハリスの監督の下、400万ドルに及ぶ政府との業務契約を競争入札なしで獲得し、選挙登録人リストに違法登録された重罪犯を特定する業務を行った。チョイスポイント社は総計で94,000人のフロリダ住民を選び出した。後に判明したところでは、その住民リストの中で、実際に重罪犯歴があったのは3,000人以下であり、リスト中の住民のほとんどは投票する権利を保持していたわけだ。権利を剥奪された数万もの市民には、無実である他にも共通項があった:そのリストに掲載された大半の人が、アフリカ系アメリカ人と南米系アメリカ人であり、民主党支持者が圧倒的多数を占めていたのだ。このリストは大統領選挙の勝敗を決定付け、キャサリン・ハリスは、僅か537票差でブッシュを選挙の勝者と宣言したのである。

2億7,000万人の容疑者
しかし、チョイスポイント社の保有するアメリカ市民情報が戦時の武器になる為には、合衆国が過激な変化を遂げる必要があった。その変化はブッシュ大統領により宣言された。9月11日、アメリカ国民は皆、過酷な攻撃の犠牲者となったのである。

しかし9月12日には、国民全員が容疑者になった。

航空機をハイジャックした米国民は1人もいなかったが、ブッシュ大統領とアッシュクロフト司法長官は、米国愛国法(USA PATRIOT Act)に条文化された権力により、米国市民2億7,000万人全てを監視、調査、追跡、観察の対象にしたのである。

チョイスポイント社を単なる“データ”企業として扱ってしまえば、同社のマーケットコンセプトを完全に誤解することになる。彼等は恐怖産業の住人なのだ。秘められた危機があらゆる場所で潜行している。アル・カイダなんて氷山の一角だ。ピザの配達人は怪しくないか?---チョイスポイント社はただちに調査を行い、ピザ配達人の25%が刑務所帰りであると発表した。「あなたの好きなピザは?」スミスCEOは問いかけた。「ピザのお値段は?皆さんはリスクを背負う覚悟がありますかな・・・?」

戦争の熱狂は、恐怖産業に新たな市場をもたらしたのだ。

ハリウッドでは、ジャック・ニコルソンが時代精神を体現してみせた:「もし私がアラブ系アメリカ人なら、自分で当局に申し出るよ。市民権なんて主張してる時じゃないんだ(If I were an Arab American I would insist on being profiled. This is not the time for civil rights.)」I imagined hardened pillboxes on Malibu beach.(訳注:ジョークがうまく訳せないので原文ママ)

ひょっとしたらジャックは正しいのかもしれない:人権なんて放棄しろ、国民は安全が欲しいんだ。

待てよ、ジャック、我々はキューバ危機を経験した年寄りの愚か者じゃないか。1962年、ロシア人たちは我が国に対して“でかい奴”で攻撃するつもりでいた。しかし、我々は心配する必要もなかった。ゴードン先生が教えたとおり、机の下にもぐって、首を隠せばいい。先生が警告したとおり、“閃光を見つめない”限り、全て問題ないということだった。

チョイスポイント社のDNA情報にFBIの“CODIS”ファイル、データ収集に“テロ情報認知システム(Terrorist Information Awareness)”・・・新たな“伏せて隠れろ(Duck and Cover)”作戦というわけである。これで本当にアメリカは安全になっているのだろうか?

チョイスポイント社のスミス氏が忠告するとおり、9月11日、空港に彼のデータベースが導入されていたなら、実名を使っていたハイジャック犯達は、搭乗を拒否されたことだろう。しかしながら、専門家の話によれば、オサマ・ビン・ラディンは、マイレージサービスが無駄になったとしても、もはやチェックイン時に“ビン・ラディン”とは名乗りそうもないということだ。

それでもなお、我等が大統領が言うには、全アメリカ国民とベネズエラ国民の精子サンプルを収集し、空港で靴を脱いで、誰が拘束されて収監されているかという質問をせず、あるいは契約金額についても決して疑問を持たずにいれば、サウジ人ハイジャック犯からも、赤ん坊泥棒からも、他の連中・・・それが誰であろうと、我々は安全に暮らせるらしい。

憶えておこう。閃光を見つめてはいけない!(以上)

2005/01/08

過去100年間で2度目:米上院・下院合同議会でブッシュ大統領再選に異議申し立て

2004年1月6日に開催されたアメリカ合衆国米上下両院合同会議について、毎日新聞は2004/01/07付け記事で以下のようにシンプルに報じている:

「米大統領選で、米上下両院は合同本会議を開き、昨年12月13日に実施した大統領選挙人(総数538人)による投票結果を公式に開票した。・・・(中略)・・・これでブッシュ氏の当選が正式に承認された。」
しかし、当の議会の討議内容はそれほど単純ではなかったのである。ブッシュ大統領再選を決定付けたオハイオ州選挙の結果について、上院・下院議員が異議申し立てを行い、議会は騒然としていたのだ。
人種差別による選挙不正を糾弾する下院議員の面々

オハイオ州の人種差別による選挙不正を糾弾する下院議員の面々。議会においても人種間の格差は根強い


大統領選挙の選挙人認定をめぐる異議申し立ては過去100年に僅か1度だけ行われたとされる。1969年:ニクソン再選認定の年

議会では、多くの下院議員(大多数が有色人種)が、オハイオ州での選挙不正について声を荒げた。2000年のフロリダ州における選挙不正---ゴア支持層であるアフリカ系アメリカ人の公民権が州知事であるブッシュ実弟によって剥奪された事件---に揺れた議会の風景がまるきり再現されたかのようである。

下院での申し立てを上院で討議するためには少なくとも1人の上院議員の署名を必要とする。映画「華氏911」冒頭シーンで観られたように、2000年度のフロリダ州における公民権剥奪事件について、当時の下院議員に同意する上院議員は登場しなかったのである。

しかし今回は違っていた。上院で唯一人、カリフォルニア州選出のバーバラ・ボクサー議員が、ステファニー・タブズ下院議員と共に、正式に異議申し立てを行ったのである。当日の議長役を務めたチェイニー副大統領は冷静に振舞っていたが、体内のペースメーカーは暴走寸前だったに違いない。(議会のハイライト場面はエイミー・グッドマンのデモクラシー・ナウで視聴できる

アメリカ合衆国の選挙システムに異論を唱えることは、国家の根幹を揺るがす行為であり、激烈な勇気を必要とされる。国民の分裂を恐れたジョン・ケリーは、アル・ゴア同様、疑問を呈しながらも声を上げる気骨を持たなかった。異議申し立てをした議員達の勇気に対して、マイケル・ムーアの賞賛だけではとても足りないと感じられる。

そこで、手始めにバーバラ・ボクサー上院議員の異議申し立て声明文を公式ウェブサイトから翻訳し以下に掲載した。ボクサー上院議員の申し立ては、上院74対1、下院267対31で却下され、その結果ブッシュ大統領再選が議会により公式に認定された。異議申し立てに賛同した他の下院議員達の発言内容についても、後日翻訳掲載する予定である。)

バーバラ・ボクサー上院議員の異議申し立て声明文(公式サイトより

上院、下院の議員として、私達は自らの信念のために・・・常により良い国家を創出するべく闘いながら生きているものと思います。

私達は社会正義のために闘ってきました。経済の公正化のためにも闘ってきました。環境正義のために闘ってきました。司法の正義のために闘ってきました。

今、私達はもうひとつの闘いを加えるべきです。選挙の公正化のための闘いです。

この国では、選挙登録した全ての市民は、自らの投票が重要であり、全ての票が数えられることが保証されるべきなのです。そして、投票ブースの中では、あらゆる市民の投票は、上院議員、下院議員、大統領、閣僚、あるいはフォーチュン誌500ランクに入る企業のCEOの投票と等しい価値を持つのです。

私は、同僚である民主党員、共和党員、そして独立派の方々が、この主張に同意していただけると確信しています。投票ブースの中では、皆が平等なのです。

そこで、合衆国憲法の名の下に投票の権利が保証されているものとして、私達は以下の如く問い直すべきです。

なぜオハイオ州の有権者は、雨の降る中、何時間も待たねばならなかったのでしょうか?例えば、なぜケニオン大学に投票に来た有権者は、1,300人の投票者に対して2台しか投票機が設置されず、投票日の深夜、午前4時まで行列に並ばされたのでしょうか?

なぜ貧困なアフリカ系アメリカ人が多く居住する地区だけが、長く待たねばならなかったのでしょうか?

なぜフランクリン郡の選挙管理委員達は、5,000台の投票機が必要であると知りながら僅か2,798台しか設置しなかったのでしょう?なぜ委員達は68台の投票機を倉庫に引っ込めたのですか?その内42台の機械が、アフリカ系アメリカ人が多数を占める地区から排除されていたのはなぜですか?

なぜ、コロンバス地区だけで、およそ5,000から10,000人の有権者が、投票ができないまま、投票所から去らねばならなかったのでしょう?この知らせを聞いてから、何人が投票することもなく去ったのでしょうか?訳注1

フランクリン郡の一つの地区では638人が投票しただけなのに、投票集計機は4,258票をブッシュ票として加算したのはなぜですか?幸いにもその間違いは修正されましたが、それ以外にどれほどの票が間違えて加算されたのでしょうか?

なぜフランクリン郡の選挙委員達は、下町(ダウンタウン)では電子投票機械の設置を削減し、郊外では設置件数を増やしたのでしょう?それが長い行列の原因だったのです。

クリーブランドでは、選挙委員が有権者に間違った説明をした結果、何千票もの暫定投票が無効にされてしまったのはなぜでしょう?

お聞きのように、あまりにも多くの地域で投票の不具合が発覚しておりますので、私はステファニー・タブス・ジョーンズ下院議員と共に、今すぐ修正すべき欠陥システムの実情に光明をあてるべく行動しているのです。

民主主義は、私達の国家全体の最重要項目です。それこそ、私達が一番大切にしてきた望みであり、世界の隅々まで伝えるために尽力していることなのです。

そうした努力のために、我が国の兵士が血を流し続けているという時に、私達自身の選挙システムが非常に多くの改善を必要としており、その信頼性を失いつつあるという事実を自覚すべきなのです。

しかしながら、過去何年もの間、議会は国民の投票の重要性を確信させるための努力を怠っています。

選挙改革法(Help America Vote Act)施行後も、改善点は見られません。訳注2

1年前、グラハム上院議員とクリントン上院議員、そして私は、電子投票機における投票記録を紙で出力させる法案を提出しました。紙の記録があれば、より安全な投票と再集計の不具合を防ぐことができるのです。

上院は理由もなくその法案を却下しています。少なくとも、公聴会が開催されるべきでした。しかしその公聴会すらも未だ行われていないのです。

涙を拭うバーバラ・ボクサー上院議員

異議申し立てが却下され、涙を拭うバーバラ・ボクサー上院議員(民主党:カリフォルニア州)


最後に、下院の同僚、ステファニー・タブス・ジョーンズ議員に感謝を述べたいと思います。

彼女の署名依頼の手紙は、適切で切実なものでした。

彼女への返信に記したとおり、今回の不具合を含め、選挙システムの全体的改革を議会に検討させることは事実上不可能であるという彼女の指摘が、殊更に私を(異議申し立てへ)突き動かしたのです。

ジョーンズ議員は、自分の故郷であるオハイオ州に、並々ならぬ敬意を表しています。そして、そのオハイオ州こそが今回の争点となっているのです。

ステファニー・タブス・ジョーンズ議員は、判事として10年間活躍されました。検事としても8年間を務めた方です。2002年には、全米女性栄誉の殿堂入りを果たしています。

彼女と共にこの異議申し立てを行うことを誇りに思います。(以上)


訳注1:アフリカ系アメリカ人有権者を狙い打ちする投票妨害行為を指していると思われる)

訳注2グレッグ・パラスト記者の記事を参照の事)

2004/12/05

死者の名前が有権者リストに掲載---他にも6つの激戦州で問題発覚

シカゴ・トリビューン紙2004/12/04付け記事より。以下に記事全文を翻訳掲載。(記事中リンクは訳者による)



死者の名前が有権者リストに掲載、他にも6つの激戦州で問題発覚(Dead voters on rolls, other glitches found in 6 key states)

by トリビューン紙記者ジェフ・ダハティ(ワシントン支局記者サラ・フランクも協力)

マイケル・ピレー氏は2002年に死去したが、彼の名はニューメキシコ大学に残っている。同氏はニューメキシコ大学で建築科卒業プログラムを設立し、何年も指揮してきたからである。

しかし、ピレー氏の名前は他の場所でも残されている。死亡した有権者はリストから削除する取り決めにも関わらず、同氏は現在でもニューメキシコ州の有権者登録リストに掲載されているのだ。

トリビューン紙の投票記録調査によれば、大統領選挙当日のニューメキシコ州では、5000人以上の死亡者が有権者リストに登録されたままであったことが判明している。同州で大統領の勝敗を決めたのは6000票差である。

そして、ニューメキシコ州は例外ではない。本紙(トリビューン紙)の調査によれば、ニューメキシコ州の他、フロリダ、アイオワ、オハイオ、ミシガン、そしてミネソタ州においても、有権者登録の整合性において同様の不具合が発覚している。

これら6つの激戦州には、18万1,000人以上の死亡者が有権者リストに掲載されていた。2000年の選挙以降、投票システムの監査が図られていたにも関わらずである。

また、何千人もの投票者が2箇所で有権者登録されており、そうした有権者は、2票以上を投ずることが可能になる。

さらに、オハイオ州では9万人以上が候補者を正しく選択できなかった。候補者の選択をしなかったにも関わらず、投票機は有権者の投票を記録することに失敗し、あるいは1人以上の候補者を選択したかのように記録されている。

また、フロリダ州で共和党による大規模な投票の改ざんが行われたという疑惑について、FBIは調査を開始している。

2000年選挙以降、問題が改善されたと大方の観測筋が同意していた選挙の後で、こうした展開が待っていたわけである。

11月の選挙の投票データは、いくつかの激戦州では、今に至っても州当局者の集計を待たねばならない。したがって、2箇所以上で有権者登録をした人が、2票以上を実際に投票したかどうかは不明確なままである。同様に、どの投票が死亡者の名義で投票されたかを具体的に指摘することは不可能である。

しかし、登録から削除されるべきなのに掲載されている人数は、特に大統領選挙の勝利者が数千人規模の票差で決定されている激戦州においては、おおいに懸念されるべき材料である。

「水増しされた有権者登録リストはおおいに問題です」投票改革推進組織electionline.orgの編集者ダン・セリソン氏は語る。

2000年大統領選挙以降に発足した条例により、そのような有権者登録問題の修正を州当局者に求めることが可能になった。しかしそうした要求が有効とされるのは2006年以降と決められている。

ニューメキシコ州保険局は、死亡した住民のリストを毎月提供しており、州務長官のレベッカ・ビジル・ジロンはそのリストを元に有権者登録リストを更新している。しかしピレー氏はフランスで死亡しており、ニューメキシコ州で死亡診断書が発行されなかったのは明らかである。


「彼は見過ごされただけ」

「彼は見過ごされただけです」ビジル・ジロン州務長官は答えた。

フランシス・ウォルシュは、以前はシカゴのアメリカン缶詰社の工場作業員をしており、退職してからはアイオワ州に引っ越していた。彼はそこで2002年に死亡したが、有権者登録はシカゴに残されたままだ。

トリビューン紙の調査では、4900人ほどのアイオワ州有権者が死亡しているが、有権者リストには掲載されたままと見られている。

ブッシュがアイオワ州を制した票差は1万票である。

アイオワ州の州務長官オフィス広報担当者フィリー・ピーターズの話では、死亡した住民の名前が有権者登録リストに掲載されている件は予測済みとのことである。

ピーターズ氏によると、彼女のオフィスでは、人口動態統計課から死亡診断書が発行された住民について、毎月有権者リストから削除する作業を行っているが、州外で死亡した住民については、作業が複雑化しているという。

データ入力ミスもまた問題となっている。ウォルシュ氏の有権者登録情報によれば、彼は女性として入力されていた。しかし死亡診断書では彼は男性となっており、それゆえコンピューター上では有権者登録から削除されなかった、とピーターズ氏は語った。

不正確な有権者登録と僅差によるブッシュ勝利という事実にも関わらず、ピーターズ氏は選挙結果に自信を持っているという。彼女の語るところによれば、1万人ほどの選挙管理担当者たちが怪しい有権者登録を監視していたというのがその自信の元となっているという。

「投票区レベルでは整合性が保たれていると信じていますから」彼女は言った。

全州レベルでは、フロリダ州において6万4,889人の有権者が社会保険局の死亡者リストにも掲載されており、最も信頼性が低い。次はミシガン州で、5万51人となっている。

有権者の二重登録の件で、フロリダ州務長官グレンダ・フードと選挙管理責任者は、選挙日前に慌ててFBIの協力を仰ぎ、データの整理に追われることになったという。

「そのような違法行為と有権者登録操作は見過ごされることがないように、連邦レベルで早急な対策を行い強い姿勢で臨むことが大切です」とは、8月26日付けのフード長官の手紙の文言である。

ウィリアム・フィッシャー氏はフロリダからオハイオに引越し、そこで有権者登録を行った。フィッシャー氏はフロリダ州でも投票可能であることを知り、おおいに驚いているという。

「私はすでに退職者だし、フロリダから出ている。だからフロリダ州の有権者リストに載るべきじゃないな」彼は言った。

オハイオ州では、人権活動家のジェシー・ジャクソン氏が選挙の見直しを求めている。同氏によれば、ブッシュの勝利の背景にはあまりにも多くの疑惑が検証されぬまま残されているという。

「勝とうが負けようが問題じゃない。不正を黙認するわけにはいかないのだ」オハイオ州コロンバスのハーモン山バプティスト教会で、ジャクソン氏は話した。

オハイオ州での投票に関する苦情の多くは、時代遅れのパンチカード式投票システムを使ったことに関するものに集中している。4年前にはフロリダ州で、同様の問題が起こっていた。


オハイオ州再集計問題

ところで、オハイオ州では、第三政党の大統領候補者達が---現在ではジョン・ケリー選挙チームも参入しているが---投票の再集計を要求しており、同州での選挙結果が承認された後の月曜日から、再集計が行われる予定である。

先だって金曜日には、コロンバスの連邦裁判所で、再集計に関するヒアリングが実施された。

地区別に行われた投票集計結果がAP通信により金曜に判明したが、それによるとブッシュ勝利を決定付けた得票差はおよそ11万9,000票で、当初宣言されていた非公式の票差である13万6000票よりもいくぶん少ないことがわかった。少なくなった理由は暫定投票の集計によるものであるという。

オハイオ州のいわゆる廃棄票率は、2000年のフロリダ州の廃棄票率よりも低い。しかし廃棄された票の数(9万2000票)は、ブッシュの勝利を決定した票差が11万9000票であることを鑑みると、重大な数値ではある。

オハイオ州の民主党支部は投票の再集計を注意深く見守っている、と広報担当者のダン・トレバス氏は語っている。

「我々の負けかもしれない」トレバス氏は言う。「しかしそれ以上の事実があるとすれば、調べなければいけない。全ては公明正大に行われるべきだ」

フロリダ州では、新型のタッチスクリーン投票機により、パンチ式にみられたような曖昧さはなくなった。しかし、ATM化した投票技術は、新たな疑惑を作り出している。

カリフォルニア大学バークレー校の、マイケル・ホート教授は、フロリダ州で新投票機を使った地域の投票パターンと、従来の複数選択可能な投票システムを使用した地域のそれを比較した。

それらパターンの違いから、マイケル教授は新投票機における機器障害がブッシュ陣営に有利に働いたと結論付けることになった。教授の推測によると、ソフトウェア上の不具合によりケリーへの投票はカウントされず、あるいは誤ってブッシュ票としてカウントされたとしている。

「統計的にみれば、おおいに怪しい状況です」教授は言う。「実際にどうなっているかを明らかにするのはフロリダ州住民次第でしょう」


さらに、フロリダ州では、11月の選挙で敗北した民主党の下院議員候補ジェフ・フィッシャー氏が、共和党陣営による選挙不正計画を記した電子メールを目撃したと語っている。フィッシャー氏によると、その計画は、選挙担当者達を抱き込んでニセの有権者登録を行わせ、担当者達はそうしたニセの有権者登録を使って、電子投票機を操作しブッシュへの票に加算したとのことである。

FBIはフィッシャー氏の申し立てを取り上げ、調査中であることを認めている。

2004/11/25

米下院の調査機関が大統領選挙不正疑惑の調査を開始

米CNN2004/11/23付け記事より。

2004年度大統領選挙での不正疑惑と電子投票機、光学票読み取り機の不具合問題が表面化したことを受け、米下院の調査機関である政府説明責任局(GAO:The Government Accountability Office)が、問題の調査に乗り出す意向を表明した。(GAOの公式声明文:PDF

民主党の元大統領候補ジョン・ケリーもGAOの決定に賛同するコメントを発表している。(相変わらずきわめて消極的だが・・・)

2004年11月2日の投票日から、下院司法委員会(House of Representatives Judiciary Committee)には投票に関する苦情が57,000件ほど寄せられていたことも、今回の調査決定の動因となったようだ。

地道に「選挙システムの公正化」を訴える各市民団体にとっては、久しぶりに明るいニュースである。

しかし悪いニュースもある。オハイオ州での選挙不正疑惑を巡り、緑の党とリバタリアン党が共同で、全投票の迅速な再集計を求めていた裁判で、連邦判事は「再集計が開始されるのは、オハイオ州での(最初の)票集計が完了し選挙結果が確定する12月6日以降」という判決を出した。なんと、オハイオ州は(おそらく他の州も同様なのだが)未だ11月2日の投票を数え終わっていないというわけだ

とにかく、オハイオ州での投票の再集計が12月6日以降に開始されるなら、集計結果がケリー勝利を示したとしても、ブッシュの大統領2期目任命を阻止するには遅すぎる。オハイオ州務長官ケネス・ブラックウェル---共和党ブッシュ再選キャンペーンのオハイオ代表者を兼任する人物---の“牛歩戦術”が実を結んだわけである。

(サボっていたのはブラックウェル州務長官だけではない。遅まきながら、オハイオ州の投票再集計要求には地元民主党支部も加わることになった。)

パウエル国務長官の主張:「選挙不正は許さない!---アメリカ以外は!」
ワシントンポスト紙2004/11/24付け記事によれば、ホワイトハウスの“穏健派”として知られるパウエル米国務長官は、最新の大統領選挙の結果について「拒否」しているらしい。同氏によると、今回の大統領選挙は「国際標準(international standards)を満たしておらず、 不正選挙が横行している信頼性の高い報告があるにも関わらず、調査が行われていない」ということだ。

これは手厳しい!しかしパウエル長官が批判しているのは、あくまでウクライナの大統領選挙の話である。お間違いなく。

パウエル長官が自信を持ってウクライナ大統領選挙を批判できたのは、前述したように、その前日に米下院がアメリカ大統領選挙の調査を開始すると発表したおかげであろう。「ワシらはちゃんと調査できるもんね!」というわけだ。不正が発覚してから2週間以上も経過してからの調査開始決定で、おまけにその調査が終わる頃には、またしても不正にホワイトハウスを占拠したブッシュ暫定大統領は二期目を終えてしまうかもしれない---という事実については、パウエルは言及しなかった。

「ウクライナの指導者達には、民主主義を尊重するか否か、民衆の意思を尊重するか否かを、決断すべき時だ」と仰るパウエル長官。アメリカ国内リベラル派はすでに「恥知らず!」とパウエルをストレートに批判しているが、せっかくなので今回はギター侍風にパウエルを批判してみよう:

「でもアンタ!アンタの国じゃ、まだ投票数えてますから!残念!」

2004/11/19

大手メディアが伝えない大統領選挙不正調査:オハイオ州の勝利者は未定になった

そろそろ日本でも騒がれていい時期だ。2004年度の合衆国大統領選挙の際、オハイオ州でブッシュはケリーに何票差で勝利したのか?あるいは、ケリーは勝っていたのか?結果はまだ判明していないのである。

13万6000票差でブッシュが勝利したとされていたオハイオ州は、現在手作業による投票の再集計を準備中である。州務長官ケネス・ブラックウェル---共和党員で熱心なブッシュ支持者---が、州法を無視しない限り、オハイオ州は、未集計の暫定投票(約15万5,000票)に加えて、電子投票で不具合が発覚した地区の票、光学票読み取り機の不具合が発覚した地区などの手作業による再集計を年内に完了しなければならない。

投票集計のトラブルはほぼ米国全土で報告されている。フロリダ、ノースカロライナ、テキサス、ニューハンプシャー、ニューメキシコ、バージニア、オレゴン、ユタ、ルイジアナ・・・、電子投票機と光学票読み取り機の投票結果は、今や全く信頼性を失っている

しかし、CNN、フォックスは言うまでもなく、タイムズ紙、ワシントンポスト紙他大手メディアは、選挙不正疑惑の打ち消しに躍起になり、次々に発覚する票集計のトラブルについては完全無視をしている(これは予測された事態である。2000年選挙の時、フロリダ州の選挙不正について、大手メディアでは唯一ワシントンポスト紙が報道したが、記事が配信されたのは選挙後6ヶ月も経過した後だった。)

とりあえず、今回は大統領選挙日以降、オハイオ州で何が起こっているかを、以下ニュースリンクと共にご紹介しよう。フロリダ州ではさらに異常な事実判明しているが、それはまた後日)

(2004/11/02)
全米大手メディア各局(ABC、 CNN、 CBS、 フォックス、NBC、AP通信)が合同でオハイオ州務長官ケネス・ブラックウェルを提訴。ブラックウェルは投票所出口から100フィート(約30メートル)以内の出口調査実施を禁止していたので、メディア各局が怒ってのことだった。
(2004/11/03)
オハイオ州内各地における投票所での有色人種への威圧行為、大量廃棄された早期投票、電子投票機の不具合に怒ったオハイオ住民数百人が、コロンバスの州ビル前でデモを行った。
(2004/11/04)
ガンナ郡でおよそ4,000票が過剰にブッシュ陣営に加算されていた件をブロガーが発見。(以降、ネット上で活躍する人々が続々と票集計エラーを発見し、再集計活動の原動力となっっている)
(2004/11/04)
地元弁護士によるオハイオ州コロンバス投票状況レポート:黒人居住区での投票待ち時間は5時間から10時間投票マシンの数は通常184人につき1台、しかし貧困地区では1000人以上につき1台設置という状況が、異常な待ち時間の原因。ヤングスタウン地区では、電子投票機でケリーを選択すると“ブッシュに投票ですね?”と表示される不具合が一日中放置。「異常な数のトラブルが発生しているのにメディアは一切無視、ケリー陣営すら事態を静観している」
(2004/11/05)
「オハイオ州でブッシュがケリーに136,483票差で勝利」というブラックウェル州務長官の発表後、ガンナ郡の投票集計ミスをCNN他大手メディアが報道。3,893票が“誤って”ブッシュ陣営の票になっていた。実は全国各地で同様の集計ミスがすでに発覚していたが、各大手メディアはこの一件を最後に報道を控えるようになる。
(2004/11/05)
オハイオ州各地で、投票集計所への接見が禁止され始める州当局者の言い訳は「FBIからテロ発生の警告を受けた。」しかし直後にFBIは警告をしていないことが判明し、益々オハイオ州に疑惑の目が向けられはじめる
(2004/11/06)
オハイオ州で暫定投票155,428票分の集計開始を発表。この時点で州側は暫定票の内10%程度を“不完全票”として除外している。暫定票の他、未集計の不在者票分を合わせると、勝利判定は微妙ではとの指摘が出始める。ロスアンゼルスタイムズ紙の取材で、スタンフォード大学の情報処理専門家デビッド・ディル氏が、「選挙で使用された電子投票機は全く信頼性がない」と説明。同氏の調査により、オハイオ州ヤングタウン郡で使われた電子投票機の集計で、マイナス2500万票と記録された不具合が報告された。(オハイオ州の集計記録時にはこの不具合は除外された)この記事が後に大きな波紋を呼ぶ。
(2004/11/08)
MSNBCのニュース記者キース・オーバマンが、大手メディアで初めてオハイオ州の不正投票疑惑をテレビで特集し、全米が騒然となる。右翼評論家が同番組とオーバマン氏を一斉批判この番組以降、オーバマンはテレビに登場しなくなる。「会社から臨時の長期有給休暇をもらった」とのことらしいが・・・
(2004/11/10)
オハイオ州で、暫定投票の集計方法をめぐり、突然ルール変更が密かに行われ大量の民主党票が無効化されるという事実が発覚。地元の元大統領候補デニス・クシニッチも事態を懸念。また、オハイオ各地域の集計発表値がきわめていい加減であることから、益々市民の怒りを買い始める。
(2004/11/10)
オハイオ州の電子投票機不具合と暫定票の違法廃棄疑惑により、各市民団体(緑の党、BlackBoxVotingのベブ・ハリス他、ハワード・ディーン軍団も協力している)が全投票の手作業による数えなおしを要求。オハイオ州当局者は数えなおしコスト(約11万ドル)を理由に要求を退けようとする。
(2004/11/11)
緑の党、リバタリアン党の各大統領候補者が共同で、オハイオ州に対し、手作業による投票の再集計を正式に要求。(大統領選挙候補者は票の数えなおしを州務長官に要求できるという、滅多に使われない法律が各州に存在することを、市民団体弁護士が発見した)集計にかかる費用をネットで献金募集開始
(2004/11/12)
カリフォルニア州ソノマ州立大学ティード・ロックウェルのレポート:「オハイオ州カヤホガ郡で93,136票が余分にカウントされている
(2004/11/12)
ジョン・ホプキンス大学コンピューターサイエンス教授アヴィ・ルービン氏の談話:「ディーボールド社の電子投票機プログラム(47,609行コード)には1997年以来のバグがあり、修正されたかどうか定かでない
(2004/11/15)
ジョージタウン大学法学教授ジョナサン・ターリー氏の談話:「選挙人が連邦法により承認されるのは12月7日、選挙人が大統領候補指名投票をするのは12月13日、それが公式に下院で開票されるのは来年1月6日。したがってオハイオ州での逆転可能性はまだある。(未集計の)ニューメキシコ、アイオワ、ネバダも同様ですな。(中略)ケリー陣営が法廷闘争をしなかったのは意外だ。暫定投票分では勝負をひっくり返せないというのが敗北宣言の理由というのは少しミスリーディングだろう。暫定投票分以外にも未集計の早期投票分があるし、電子投票集計の不具合もある。それに、オハイオ州全体の投票のうち、70%はパンチカード式だ。それらを監査すれば逆転の可能性はないとはいえない
(2004/11/15)
手数料(113,600ドル)がネット募金で集まったことにより、オハイオ州の手作業再集計は避けられない情勢となった。この時点で、ケリーとブッシュのオハイオ州での獲得票数は未定となったわけである。オハイオ州での事態をふまえ、各市民団体(National Voting Rights Institute, People for the American Way Foundation,Common Cause,Demos,Fannie Lou Hamer Project)が全米規模での投票再集計を要求している。
(2004/11/16)
オハイオ州コロンバスで、選挙当日長い列ができた原因は、選挙運営者たちが投票機の一部を未使用のまま倉庫に放置し、結果として黒人居住区で投票機不足が発生したことが内部文書で確認された
(2004/11/17)
オハイオ州サンダスキー郡で、約2,600票がダブルカウントされていたことが判明、サミット郡では18人ほどが他地区でダブル投票していた件を調査中
ヒアリング風景

オハイオ州フランクリン郡で行われた選挙ヒアリングに集まった市民。

(2004/11/17)
オハイオ州フランクリン郡で大統領選挙時の選挙不正に関するヒアリングが開始され、大勢の住民が問題を指摘。この後、オハイオ州各地で同様のヒアリングが行われ、選挙結果への疑惑が拡大する。
(2004/11/17)
英ガーディアン紙がオハイオ問題を報道。未集計の暫定投票のうち、81%は有効票と予測。「オハイオ州の投票数がようやく明らかになろうとしている」

まだまだニュースは続く。ところでこれらオハイオ州での再集計への動きに、ケリー陣営や民主党幹部のほとんどが何ら動こうとしていないのは呆れてしまう。ケリー陣営にはまだ5千万ドルもの選挙資金が残っているのに、市民団体によるオハイオ州他の再集計要求には全く出資していない。連中は本当に勝つつもりだったのだろうか?

2004/11/17

ブッシュの閣僚人事とコリン・パウエル経歴メモ

第二期ブッシュ政権に向けてめまぐるしく閣僚が入れ替わろうとしているが、コリン・パウエルの辞任とコンドリーサ・ライスの国務長官人事は、すでに保守派ジャーナリストのボブ・ノヴァックが9月に暴露したとおりの展開となっている。

ちょっと奇妙に思ったのは、日米マスメディアがコリン・パウエルをひたすら“穏健派”と評する風潮である。狂気が支配するブッシュ政権内部では、確かにパウエルは普通に振舞っていたかもしれないが、以下にあげるとおり、その経歴は決して穏やかなものではないsource1,source2

  • 1963年から1968年まで、コリン・パウエルは米軍の戦略アドバイザーとして南ベトナム軍と活動を共にした。パウエルの参加した極秘作戦は、北ベトナム軍に協力する村々を焼き払い敵側戦略拠点を絶つ“枯渇作戦”であった。1968年に発生した悪名高き“ソンミ村虐殺事件”(パウエルはこの事件の隠蔽を図った)はそうした作戦の一部に過ぎなかった。
  • 1986年1月、キャスパー・ワインバーガー国防長官の副官として、4508機の対戦車ミサイルをCIAに譲渡する作戦を指揮。それらミサイルの半数は、レーガン政権下における在イラン・アメリカ大使館人質解放の交換条件にイランに武器供与する極秘作戦に転用された。パウエルは下院議会の調査の際、武器供与の事実を隠蔽した。
  • レーガン大統領の国家安全保障担当大統領補佐官として、パウエルはニカラグア政権転覆作戦を指揮した。1988年1月、南米各地を訪問したパウエルは、ニカラグアの市民虐殺を繰り返すコントラゲリラの武装蜂起を支持しない国への経済支援を打ち切ると脅迫してまわった。また、コスタリカ共和国大統領オスカー・アリアスの提案する中米和平活動を妨害した。
  • 1989年12月20日、米軍のパナマ侵攻時、パウエルは統合参謀本部長としてパナマ侵攻を熱心に主導した。侵攻開始の数時間で数百人のパナマ市民が虐殺された。侵攻当日パウエルは宣言した:「我々はドアの外に“超大国ここに在り”と看板を掲げるべきである」
  • 2000年の年末、数千人のアフリカ系アメリカ人が共和党の戦略により選挙権を剥奪されていた時、パウエルはジョージ・W・・ブッシュの牧場へ訪問し、ブッシュ陣営への支持表明と記念撮影を行った。

パウエルの盟友アーミテージ国務副長官も同じく辞任表明をしているが、彼はイラン・コントラ事件関係者であった。そして新国務長官は、情報部からの明確なテロ警告情報を無視して多くのアメリカ国民を犠牲にしておきながら、なぜか出世しつづけるコンドリーザ・ライスである。ホワイトハウス人事においては、「失敗は成功の元」というわけだろうか。

ところで、国務長官人事のニュースの影で見過ごされがちなのが、農務長官アン・ベネマンの退任である。ベネマンの後任候補にはホワイトハウス農作物貿易交渉アドバイザーとされるチャック・コナーの他にテキサス共和党人脈の名前が数人挙がっているらしい。

ベネマン長官の辞任理由は、やはりアメリカ国内の狂牛病騒動におけるズサンな対応と、日本への牛肉輸出再開時期が確定しなかった件が大きいだろう。後任が誰であれ、新たに農務長官になる人物が真っ先に成果を挙げるべく日本政府へ牛肉輸出再開を焦るあまり何らかの譲歩をするか、あるいは単に圧力を強化するのか、注目である。(個人的には、日本側は全頭検査条件を緩める必要は全くないと考えているが・・・)

2004/11/11

「不正投票(Voter Fraud)」と政府不信

「イギリスの選挙では、投票を数えてから、勝利者を発表する。
しかしフロリダでは、まず勝利者を発表して、その後で投票を数えるわけです。」

---グレッグ・パラスト記者、英BBC放送番組「2000年大統領選挙:フロリダで何が起こったか?」より(ビデオ

不正投票(Voter Fraud)
BlackBoxVoting.org(DOS攻撃により休止中)DemocraticUnderground.comから始まった2004年大統領選挙疑惑は、不正投票(Voter Fraud)をキーワードに、米国内に論争を巻き起こしはじめ、有権者達は路上で騒ぎはじめている。疑惑を耳にした下院議員達は、すでに会計検査院に今回の大統領選挙の調査を依頼した

メインストリームメディアもこの疑惑を様々な形で取材・報道し始めている。MSNBCのキース・オーバマン(Keith Oberman)は自身のテレビ番組「カウントダウン」で「不正の可能性はある」と特別レポートを披露した。(ビデオはこちら

一方でABC放送は「小さなトラブルはあったが大きな問題はない」と大統領選挙を総括、出口調査と実際の票の異常な差については、大手シンクタンク「エンタープライズ公共政策研究所(American Enterprise Institute:AEI)」アナリストのふざけたコメント(AEIアナリスト曰く:“出口調査の結果と実際の投票結果では、実際の数字を信頼すべきだ”)と共に出口調査の信頼性を否定し、不正疑惑についてはネット上に広がるありがちな陰謀説とまとめている(エンタープライズ公共政策研究所が、ディック・チェイニーやリチャード・パールなどネオコン陣営を輩出してきた事実について、ABC放送には言及する時間がなかったらしい)

ところで、今年の選挙は「大きなトラブルもなく進行した」という大手メディアの言い分は正しいのだろうか

例えば、雨の中、有権者が何時間も行列を作った件や、電子投票システムのトラブル報告が千件以上もあったという事実、デンマーク他ヨーロッパから来た選挙監視団がオハイオ、フロリダなど決戦州で見学を拒否された件(ヨーロッパの人々は“先進国”アメリカの選挙システムに懸念を表明している。監視団の話によればアメリカの選挙は「カザフスタンより密室的で、電子投票機はベネズエラよりもトラブル対策が未熟」らしく、第三者の監視を迎える米国当局者の対応について「セルビア選挙監視のほうがはるかに簡単だった」と語っている、例年どおり投票所前で嫌がらせをされた大勢のマイノリティ有権者の件は?これらは充分に大きなトラブルではなかったのか?

日米大手メディアは、同業他社の報道に気をとられて、眼前の大きなトラブルからひたすら目を逸らしていたのではないか。

ブッシュ再選に拡大する不安
ハーバード大では選挙翌日から「ブッシュが国をまたしても盗んだ」と抗議活動が始まったコロラドの高校ではブッシュ再選に怒り狂った生徒が校内を占拠した。サンフランシスコでは選挙翌日におよそ2,000人がブッシュ再選に抗議し、57人が逮捕された。シアトルでは・・・まあ、数えたらキリがない。

「カナダにアメリカから移住希望者が殺到」というニュースに慌てたアメリカ人は、親切なカナダ人ボランティアの申し出も聞かずに、ニュージーランドに殺到しているカリフォルニアの大学新聞は「カリフォルニアは合衆国からの離脱を検討すべき」と主張する(それより先に州知事をクビにしたらいい)。ハリウッドの大御所ロバート・レッドフォードは、「イギリス・・・いやアイルランドがいいかな」とあっさり移住プランを吐露している

これら騒動の根底に見えるのは、ブッシュ政権への不安に加えて、「アメリカでは今後も正常な選挙は行われないのではないか」という漠然とした不信感である。そうした不信を解くためには、(レッシグ教授の言うように)、投票エラーや出口調査データ乖離の原因についてキチンと調査するべきなのだ。そして、全ての投票(廃棄票も含めて)を数える。公正で円滑な選挙のために、実施手順を連邦法で統一する。こんな簡単なことも実行できないとしたら、誰だってもっと民主的な諸外国に逃げ出したくなるだろう。

つい数年前に、合衆国議会は、クリントン大統領の私生活と、研修生の着ていた服に関する馬鹿げた調査7,000万ドル(約74億円)も費やしたのである。公民権のためにはさらに莫大な予算と手間をかけるのは当然ではないか。それとも、投票をカウントしたら困るような秘密があるのだろうか。

「投票した者が決定できる事など何もない。投票を数える者が全てを決定するのだ。」
"Those who cast the votes decide nothing. Those who count the votes decide everything."

---ロシア独裁者:ヨシフ・スターリン

2004/11/09

Video The Vote:カメラが捉えたオハイオの投票妨害

11月2日の大統領選挙投票日、激戦州であるオハイオで、マイケル・ムーアにより派遣された選挙監査団体が、アフリカ系アメリカ人居住区の投票所における人種差別行動---投票に来た黒人有権者にいいがかりをつけて“暫定投票”扱いにしたり、投票できなくさせる威圧行為---をビデオに収めていた。(このオハイオでの共和党運動員の行動はボストン・グローブ紙でも報道されている

以下、「Video The Vote - Ohio」より、いくつか重要シーンをピックアップして解説する。

オハイオ投票所シーン:白人二人組

投票所内部で動き回る白人二人組。投票に来た有権者を嘘で惑わせ、威圧している。持っているのはおそらく共和党オハイオ支部が準備した“ニセ前科者リスト”「あなたは前科者だから投票資格無し」と言いがかりをつける道具だ。

オハイオ投票所シーン:白人による威圧

投票を待つ黒人有権者に近づく男。

オハイオ投票所シーン:女性有権者の声

女性有権者の話:「投票所に来たら“選挙人リストに載ってないから暫定投票扱いだね”って言われたわ。」もちろん彼女は登録済みだった。嘘をつかれたわけだ。オハイオ州で大量に発生した未集計の暫定投票の多くはこうして集められ、その一部は集計所に向かう前に不当に廃棄されている・・・

ビデオ撮影者のコメントはBoingBoingブログで確認できる。今のところマイケル・ムーアはこの映像を次回作として公開するつもりはないそうだ。映像の所有権は撮影者と協力した市民団体に託されたとのこと。(こんなビデオが全米で公開されたら、市民暴動が起きるかもしれない)

オハイオ住民デモ

オハイオでの不正選挙に抗議するため州公館に集まった住民達。(2004/11/05)

オハイオ州では、共和党による一連の不正な選挙手法に怒った住民が州ビル前でデモを行っている。実際に投票操作の疑いを伝えるニュース配信され始めるにつれ、そうした抗議デモはジワリジワリと全米に拡大しつつあるようだ。(あのラルフ・ネイダー氏も、ニューハンプシャーで電子投票のカウント監査を請求している。ひょっとしたら集計やり直しの前例を作って全米に投票カウントの裁判を拡大するつもりかもしれない。ネイダー氏は自分の役割にやっと気づいたのか?)

こうした市民蜂起の機運を察知したブッシュ陣営は、さっそく来年1月の第二期就任式典での警備強化プランを練り始めたらしく、就任式当日には全米から約2,000人の警官が警備に呼ばれ、FBI、SWAT部隊の狙撃チームが建物をガードし、さらにおよそ4,000人の陸軍戦闘部隊がパレードを守るということである。(まるで何処かの国の軍事パレードみたいだ)

現在の米国は、イラク戦争へ大部隊を派遣している関係上、戦場向け訓練の未熟な各地の州兵までが大勢海外に渡っており、国内防衛体制は極めて脆弱であるという。その上大統領就任式で大袈裟な警備をやれば、本土防衛は(ビン・ラディンの追跡捜査同様に)きわめていい加減なものになるだろう。

戦闘部隊による大統領就任式警備はニクソン大統領以来(戦闘兵2,000人が警備)とのことである。どうせなら、ブッシュにもニクソン同様の二期目を迎えてもらいたい。


2004/11/07

アメリカはパープル(紫)になった

ブログサイトBoing Boingの投稿より。

ジェフ・カルバー氏のコメント:

「今日ずっと考えてたんだが、大統領選挙の接戦状態を考慮すれば、赤対青で分かれているグラフィックは、すごいミスリーディングじゃないかと思うんだ・・・で、自分でも地図を作ってみた。」

USA map

今回の大統領選挙による共和党vs民主党の支持率パーセントをグラデーションで表現すると、こうなる。接戦により、アメリカは赤でも青でもなく、パープルになった。(地図クリックで拡大)(source

この「パープルアメリカ」案を詳細に検討したプリンストン大学教授ロバート・バンダーベイ氏のサイトによると、さらに面白い状況が判明する。

usamap/purple_america_2004b_small

共和党vs民主党の都市別(選挙区別)対立図。(地図クリックで拡大)(source

usamap/mountain

都市別対立図に地形図人口分布(密集地を山で表現)を加えたもの。(地図クリックで拡大)(source

usamap/darksky

衛星から見たアメリカの夜。(地図クリックで拡大)(source

2004/11/06

BlackBoxVoting.orgの重大プレスリリース

電子投票監査を目的にした市民団体BlackBoxVoting.orgの重大プレスリリースを以下に掲載。アメリカに存住されている方でご興味のある方---公民権の行使に前向きな方(アメリカ人は普通そうだと思うんですけどね)---コンタクトされることをお薦めします。(2004/11/07追加日本の毎日新聞がこの件の報道を開始している

また、先日の投稿BlackBoxVoting.orgのリンク先を間違ってしまいました。(.com)ではなくて(.org)です。重大なタイプミスをしてしまったことを後悔しています(チェイニーじゃあるまいし)。この場を借りて、BlackBoxVoting.org代表のベブ・ハリス(Bev Harris)さんに謝罪します。ベブ・ハリスさんは、もっとも早い時期から米国電子投票システムの危険性を警告し、FBI他政府の脅迫行為、公式サイトへの度重なる攻撃にも屈することなく(現在も復旧中)公民権活動に尽力されているスゴイ女性です。

「暗いニュースリンク」などというフザけたサイト名を掲げる間抜けで怪しい管理者(Deepthroat)に、激励のメールを送ってくださっている大勢の皆様(驚いたことに、大半はアメリカ存住の日本人の方でした!)に感謝します。今後は全ての投票をカウントするために奔走するアメリカのアクティビスト達に注目してください(でも今アメリカに居る人は、勢い余って路上に出ると逮捕されるのでご注意!)

(From BlackBoxVoting.org

CONSUMER PROTECTION FOR ELECTIONS

2004年11月4日

11月2日に何が起こったのか懸念されている方は、私達の組織に加わってください。アメリカの監査に助力してください。(Help America Audit)

Black Box Voting(.ORG)は、2004年大統領選挙において、電子投票システムによる不正行為が行われたと考えています。私達の考えは物的証拠、公文書、内部情報、その他電子投票の不正操作を示す確たるデータに基づいています。私達が知り得ていないのは、詐欺行為の詳細情報です。私達は現在、状況証拠ではなく、歴史上最大規模の情報公開法の行使により、証拠を整理しようとしています。

私達が必要とするのは、情報公開法の行使に協力してくれる弁護士です。いくつかの地区では、すでに公的記録の公開を遅らせる試みが始まっています。私達は個別の案件における市民の協力者を必要としています。私達は情報セキュリティの専門家で、DMCA(デジタル・ミレニアム著作権法)に触れるかどうかを問わず、私達の掴んだ証拠と共に正式な意見表明を公的な場所でしていただける方を必要としています。証拠のコピー作成のための基金も必要としています。

(訳注:コンタクト先はBlackBoxVoting.orgで確認してください)

情報公開法の行使は無料ではありません。私達はできるだけ早く、権利行使に必要な費用である5万ドルを集める必要があります。昨日から、私達は情報公開法行使のためのおおがかりな行動を開始し、以降も2つの行動を大慌てで開始します。今こそそのときです。献金が無理でも、時間を提供してください。私達のチームにメールをください。

(重要:このフィルムを観てください

ブッシュ再選:オレゴン州有権者の反応

英BBC放送の選挙レポートより。ブッシュ再選後のアメリカ国民の反応を、オレゴン州ポートランドの住民の声と共にレポートしている。普通の(?)アメリカ人の意識をなかなか見事に伝えているように思えるので、以下に全て翻訳掲載。

フレッド・シュミット(40歳:ケリーに投票)
「悲劇だね。ケリーがゴアみたいに敗北宣言をしたのは素敵な振舞いだけど、頭がおかしいんじゃないか。俺自身一番がっかりしたのは中西部の結果だ。連中は恐ろしくだまされやすいから、ブッシュに投票したんだろう。考えてみろよ。オサマはまだ元気で、イラクは未だに悲惨な状態なんだぞ。目下最大の嘘は共和党員の主張する“神はこちら側に居る”ってやつさ。」

リンダ・ペイン(62歳:ブッシュに投票)
「無事に終わって良かったわ。もう煩い思いをせずに済むわね。私がブッシュ支持を決めたのはほんの数日前。トークラジオでジョン・ケリーが、PR活動のためにハンティングをしているって聞いた時ね。ブッシュ大統領の唯一の失敗は、まだビン・ラディンを捕まえていないことね。ケリーはアメリカを国連に売り渡そうとしてるのよ」

ソフィア・フランツ(21歳:ケリーに投票)
「信じられないわ。あれだけ恐ろしくバカな事をしてきたブッシュを、また大統領に?ガッカリよ。ケリーは歯切れの悪いところは直さなきゃいけないけど、希望は持てたのに。今はほかの事にとりかかるつもりよ。」

フロレンシア・クール(62歳:ブッシュに投票)
「民主党支持者は寝込んだり死んだみたいになるつもりはないでしょう。でも大多数のアメリカ国民は彼等のやり方が気に入らないんですよ。私はブッシュ大統領の働きぶりを完全に支持しますが、国境沿いの移民問題は気がかりです。ケリーがアメリカ国民に団結を呼びかけたのは、ちょっと偽善者ぽいですね。今までさんざん国を分断しようとしてきたんだから」

エマーソン・バー(38歳:ケリーに投票)
「ケリーには勝って欲しかったけど、今言えることは、ブッシュに責任をとってもらうってことだね。ケリーなら経済問題も解決してくれたと思うんだけど。ケリーは精一杯やったと思うよ。カリスマ性には欠けるけど、戦争については彼の姿勢は正しかった。ブッシュが今後トーンを変えるとは思えない。レーガン時代も我慢したんだ。今度の4年間も我慢できると思う」

レイ・リン・ヒンクリフ(ブッシュに投票)
「ここはヒッピーと、環境団体だらけの街よ。マイケル・ムーアみたいな連中には本当にムカツクわね。ケリーはいつもコロコロ態度を変えるから、主義を変えないブッシュを尊敬するの。でも大統領の全てを支持するわけじゃあないの。私は中絶に賛成なのよ。大統領は今度の接戦を制したんだから、国ももっと良くなるんじゃないかしら。国民はもっと団結すべきね。」

デレック・マーティン(52歳:ケリーに投票)
「ブッシュが国の福祉プログラムをどんどん削ったもんだから、私みたいに大勢が仕事を失くしたんだ。私は刑務所に居たから、自立するために何でも自分だけでやらなきゃならないんだ。今は必死で仕事を探してるが、難しいねえ。私はベトナム戦争に従軍したが、イラク問題を解決する唯一の方法はもっと金を使うことだろうなあ。見通しは厳しいよ。」

ビル・マクニール(48歳:ブッシュに投票)
「アメリカが団結できるかどうかは、あまり楽天的にはなれないね。ブッシュ大統領の減税政策は正しいよ。政府が雇用を増やすわけじゃなく、雇用増加のための環境作りをしてるんだよ。アフガニスタンは大成功だ。歴史に残る偉業になるよ。イラクだってうまくいってると思うね。大統領の再選が決まって安心したよ。」

2004/11/05

「ケリーは勝っていた」byグレッグ・パラスト

TomPaine.com2004/11/04付記事より。グレッグ・パラスト記者の記事を全文以下に翻訳掲載。

すでに全米各地の市民団体が調べ始めているようだが、今回の大統領選挙は前回を上回る不正が横行している。オハイオ州に関しては、廃棄票に加え、電子投票の問題も調査が開始されているようだ。(電子投票マシン問題はblackboxvoting.org(注:blackboxvoting.comは間違いでした)で情報が集まっている)

出口調査と投票結果があまりにもかけ離れている件は、ワシントンポスト紙他でも触れられているが、決定的に怪しいのは、フォックスと負けないくらい慌ててブッシュ勝利を伝えた米CNNネットワークが、あらかじめウェブ上に掲載していた出口調査結果の記録を、実際の投票結果に沿うように改ざんしている事実が明らかになった件である。ずっと調査中だったのか?(CNN問題と、以下のキャプチャ画面のsource
cnnexitpoll.gif
ジョン・ケリーは公民権よりも学友との友情を選択した。結局のところ、今回も、大統領選挙に似せた単なるイベントが行われているだけなのではないか。ロシアから来たオブザーバーも、アメリカ選挙の実態に驚き、「選挙違反ばかりじゃないか」と失望している。



ケリーは勝っていた(Kerry Won)

by グレッグ・パラスト


ブッシュはオハイオ州を136,483票差で制した。一般的にアメリカ合衆国では、およそ3%の投票が失格とされることである---選挙用語では「欠陥票」と呼ばれる---投票相手が未定とされるのだ。パラスト記者の調査によれば、オハイオ州で廃棄された票がカウントされていたなら、ケリーが勝利を収めていたと推定される。クリーブランド・プレーン・ディーラー紙の本日の記事によると、同州で廃棄された92,672票に155,000票の暫定票を加えたとすれば、オハイオ州全体で247,672票がカウントされていないという。

ケリーは勝っていた。事実は以下のとおり。

誰も聞きたがらないのはわかっている。これ以上紙くずを見たくもないだろう。しかし選択の余地はない。アメリカ民主主義という名の腐ったソーセージを検査するジャーナリストとして、決定州で誰が最も多くの票を獲得したかを伝えるのが私の仕事なのだ。火曜日、オハイオとニューメキシコで、勝利したのはジョン・ケリーだった。

ほとんどのオハイオ住民は、ケリーに投票したつもりでいた。CNNの出口調査によれば、オハイオの女性票では53対47、男性票では51対49でケリーの勝ちだった。第三の性がオハイオ州の投票用紙に登場しないかぎり、ケリーが州を獲得していたのだ。

じゃあ、一体何があったのか?回答:出口調査は正しかったのだ。調査員が聞いたのは「誰に投票しましたか?」だけだ。残念ながら、彼等は決定的な質問を忘れていた:「あなたの票はカウントされましたか?」投票者にわかる術はない。

つまりこういうわけだ。オハイオ州の出口調査では、ケリー・エドワーズ組が票の大半を占めていたが、それら何千もの票は端的に言って記録されなかったのである。これは予測できたことだし、実際予測された。(11月1日の記事を見よ

もういちど言う。オハイオ州のカウントされない投票ゲームの主役を果たしたのは、報告するのも残念だが、つながったパンチ穴(hanging chads)と凹んだだけのパンチ穴(pregnant chads)、さらに新旧のインチキ投票が少々というところだ。

オハイオ州の選挙結果は投票によって決定されたのではなく、「欠陥票」の類で決まっていたのだ。一般的に、アメリカ合衆国では、およそ3%の票は破棄されるか、放り出されるかして、記録されない。頭スカスカのカワイ子ちゃんが(the bobble-head boobs)オハイオ州かどこか、51対49で勝利とテレビの生放送で言う時、あなたには信じられるだろうか?そんな事態はアメリカ合衆国では起こり得ないのだ。なぜなら、獲得票の合計は決して100%には届かないからだ。テレビでは、破棄された票は、ただ単に差し引かれているのである。

そして、全ての票が平等に破棄されるわけではない。公式報告で何度も登場するとおり、破棄される票の大部分は、アフリカ系アメリカ人もしくは少数民族居住区の住民の投票分なのである。(詳しくは報告書を見よ

このことを私達は2000年のフロリダですでに経験している。出口調査では、ゴアが得票差で少なくとも5万票上回ると見られていたが、公式の集計とは全く違っていた。その理由は、フロリダ州務長官キャサリン・ハリスが、179,855件の票を破棄したからであった。フロリダでは、オハイオと同じように、破棄された票の大半は不完全なパンチカード投票用紙---穴が不完全か、2回パンチされていた---だった。誰の票が廃棄されたのか?政府の依頼で廃棄票を調査した専門家の報告によれば、ゴミ箱に入った票の54%は黒人票だった。(合衆国市民権委員会の報告書

重要な点はここだ:フロリダは典型例である。放り出された票の大半(火曜日の選挙ではおよそ200万票が廃棄されたことだろう)は、アフリカ系アメリカ人もしくは他の少数民族市民なのだ。

さあ、またこれだ。いや、こんどは違う。なぜなら、前回と違い、民主党はオハイオ州にそれら不完全なパンチ穴の投票用紙(選挙用語では“保留票”)のカウントを要求すらしていない。

オハイオ州は破棄されやすいパンチ式投票用紙を併用している数少ない州のひとつである。オハイオ州務長官のJ・ケネス・ブラックウェルは、選挙前にこう書いている。「州の基本投票機であるパンチカード方式を抱えて接戦になったときには、フロリダ州のような災難が起こるだろう」

しかし今週、ブラックウェルは、熱狂的な共和党員だが、民主党の票を食べてしまうクセのある投票機の結果を心待ちにしていたのだ。今年のキャサリン・ハリス役を担う可能性について尋ねられた時、ブラックウェルが強調したのは、投票工作の努力が報われて、彼女は下院に加わることができたということだった。

一体どれだけの投票が欠陥品として処理されたのか、ブラックウェルのオフィスは教えてくれないが、法律では報告が義務づけられている。ふう。しかし前回の選挙では、オハイオ州の投票全体のうち、廃棄された投票は民主主義ギリギリの1.96%だったのだ。機械はいつもどおりの失敗し---実数では11万票だが---その圧倒的多数は民主党の票だった。


投票忌避の衝撃(The Impact Of Challenges)

最初から何よりもまず、ケリーはパンチ穴に悩まされた。しかし民主党が負けたのはパンチカードだけではない。「投票忌避」がある。それはオハイオ州の共和党で使われる旧式のクー・クラックス・クラン技術の丁寧語に過ぎない:投票所で何千もの有色人種を妨害するための試みである。オハイオ州、ウィスコンシン州、フロリダ州では、共和党が不可解な---滅多に使われていない---党により選出された選挙監査官が有権者個人の投票を忌避できることを可能にするという法律の下、投票に来る市民を待ち伏せする計画をしていた。オハイオ裁判所は震え上がり、連邦法では忌避の要因に人種がある場合、投票者を指弾するのは違法としていた。しかし我等が最高裁判所は、共和党が投票所のドア前に立てるように準備を整えていたのだ。

結局、投票監査官は圧倒的多数ではないにしろ、投票所に現れたのである。その結果、多くは、“暫定票”になり---ニセ投票扱いだが---カウントされたかどうかは定かではない。ブラックウェルの試算では、暫定票は175,000件、民主党の主張では250,000件だ。お好きな数字をどうぞ。投票忌避が少数民族を狙っていたことは明らかなので、疑いなく、またしても、その多くは民主党票である。それらを全て数えて、破棄されたパンチカード票と合計すれば(人間の目で再集計すれば簡単)その総数は出口調査と一致してくる。そして・・・なんと、新大統領の誕生である。ブッシュは136,483票の得票差で勝利宣言していることをお忘れなく。


魅惑の州の魔法の票(Enchanted State's Enchanted Vote)

さて、ニューメキシコに移れば、ケリーの得票差は、---もし全ての投票がカウントされるなら---もっと明白だ。選挙前、TomPaine.comで私は書いた:「ただの一つの票が数えられる以前、ジョン・ケリーは何千票も失っていた」

なぜこんなことが起きたのか?またしても廃棄票である。それと、暫定票。

CNNの話では、ジョージ・ブッシュはニューメキシコを11,620票差で獲得したことになっている。再びここでも、放送局は全体票数を、存在しない“100%”としている。

ニューメキシコ州の前回選挙での投票廃棄率は2.68%、廃棄票の大部分はヒスパニック系住民、ネイティブ・アメリカン系住民の住む貧困地区のもので、民主党の票田である。火曜日の選挙では、同じ率の廃棄があったとして、ゴミ箱には18,000票ほど見つけることができるはずだ。

ニューメキシコ州では廃棄票はあまりにも民主党風の外見をしているという。同州でのヒスパニック系住民は2対1の割合でケリーに投票しており、彼等の票の破棄される確率は白人のそれに比較して5倍である。これらカウントされない票を集めれば、簡単にブッシュの“得票差”を凌駕するだろう。

すでに、廃棄票の選挙歪曲効果は、まさしくそれが期待される場所で浮かび上がっている。つまり、極めてヒスパニック系住民の多い選挙区で、共和党員が選挙管理を務める地域である。チャベス郡---ニューメキシコ州の”リトル・テキサス”と呼ばれる地区では、人口の44%がヒスパニック系、アフリカ系、ネイティブアメリカン系住民だが、ジョージ・ブッシュは68%対31%で“勝利”しているとのことだ。

選挙前に、私はチャベス郡の共和党事務員と話したが、彼の話によれば、ヒスパニック系住民の投票破棄率が異常に高いのは、ただ単にそのような人種の住民は大統領を選択する決心ができないことを示しているに過ぎないということであった。奇妙なことに、砂漠を旅してきた褐色肌の人々は、投票所で優柔不断票を投じたというのだ。

さて、ニューメキシコ州の暫定票集計の効果についてふれておこう。

「キャンディーを渡すみたいに配ったんです」アルバカーキのジャーナリスト、レニー・ブレイクは暫定票について話してくれた。およそ2万票分が配布されたという。誰に?

ニューメキシコのカソリック大司教区で“誠実な市民権(Faithful Citizenship)”プログラムを主催するサンティアゴ・フアレスの話によれば、彼の抱える有権者---貧しいヒスパニック系住民は、好意的なケリー支持者だったが、あやふやな暫定投票用紙を受け取ったという。ヒスパニック系住民は、数えられることの多い通常票よりも、ほとんど規則的に(宗教上)暫定票用紙を受け取っており、投票所では、少なくとも有権者証明について質問されることになる。サンティアゴの話では、単純に門前払いを食らう住民も多少居たようである。


皆さんのケリー勝利パーティに(Your Kerry Victory Party)

オハイオとニューメキシコはケリーの勝利だ---もし全ての票が数えられたなら。

しかしそれはありえない。民主党の約束にも関わらず、今回の指導者はまたしても人種上の公民権剥奪に屈服したのだ。なぜ?疑いなく、暫定票と破棄票の集計にはブラックウェル州務長官の協力を必要とすることを民主党員は知っている。彼はどの破棄票と暫定票が集計されるか決定できる。ブラックウェルは、キャサリン・ハリスの政策に加わることを切望しており、票の全集計まで許可するとはとても考えられない。それに、民主党の顔役達も、票の集計を要求したらメディアから叩かれることをよく承知している。

ではどうする?ケリーは勝利したのだ。勝利パーティでも開くがいい。しかし幕が下ろされていることも知っておくべきだ。愛国法3においては、全ての票のカウントを要求することは違法になるかもしれない。

私はかつて、ロンドンのガーディアン紙にコラムを書いてきた。友人からは、再び私が故国を去るかどうか尋ねられている。全ての票をカウントすることに失敗したという点で言えば---2度目なのだが---その必要もないだろう。去ったのは故国のほうで、私は置き去りにされたのだ。

英デイリーミラー誌の大統領選挙評

英デイリーミラー誌の11月4日付け表紙タイトル:
「59,054,087人ものアメリカ人はどうすりゃそこまで間抜けになれるのか?」

The Daily Mirror: How Can 59,054,087 people be so DUMB?

2004/11/04

「皆さんがテレビで聞くことができなかった事柄」byハワード・ディーン

youhavethepower.jpg

ハワード・ディーン新刊

Democracy for Americaブログより。次期大統領候補ハワード・ディーン氏のコメントを以下に全文掲載。

皆さんがテレビで聞くことができなかった事柄(What You Won't Hear on TV Today)

もっとも共和党の強い土地と言われたモンタナ州は、新知事に民主党員を迎えることになった。

ハワイからコネチカットまで、初出馬の候補者が現職の共和党候補を打ち倒した。

記録的な数の有権者が、この国の方向を変える為に投票している。史上最大数のアメリカ国民が、反ブッシュに票を投じたのだ。

今日は終末の日ではない。

昨日の結末がどうであれ、私達は民主主義の再興のために立ち上がっている。大統領選挙では、望むような結果が得られなかったが、私達は民主主義の指導者となる新世代のために土台を築いてきたのだ。

Democracy for America」は数千人の幹事役を教育し、政策現場に新指導者を送り込んできた。投票現場では、各州で、民主党再興の曙を飾る役割を担う「ディーン軍団」からの候補者を選出してきた。

何千万人ものアメリカ国民が本日落胆したのは、あまりにも今回の選挙に入れ込んでいたからだ。献金し、友人を説得し、いくつものドアをノックしてきた。私達は政治プロセスに自らを投じてきた。

その試みは終わらない。短期間で終わる投資などありえない。義務感と責任感がずっと私達の人生の一部となったとき、私達はこれからも終わりなき変革を作り出していくだろう。

マーチン・ルーサー・キング牧師は仰った。「問題に口をつぐむようになったとき、我々は終末へと歩み始める。」

私達は沈黙するつもりはない。

この選挙を戦うために皆さんが果たした全ての献身に感謝したい。しかし私達は立ち止まることはないのだ。

ハワード・ディーン

「腐り果てた選挙」byグレッグ・パラスト

TomPaine.com2004/11/01付け記事より。英BBC放送の調査報道記者グレッグ・パラスト氏の記事を全文翻訳して以下に掲載。



腐り果てた選挙(An Election Spoiled Rotten)


選挙日を迎える以前、ケリー・エドワーズ選挙チームはすでに100万余りの票を失っている。なぜなら、重要な州であるオハイオ、ニューメキシコでは、選挙人登録名簿から有権者が意図的に削除され、不在者投票は無視される。特にマイノリティ居住区においては、例えばニューメキシコ州リオ・アリバ郡のような地域では、ヒスパニック系住民の投票が除外される確率は白人票の5倍である。調査報道記者グレッグ・パラストが、廃棄された投票について報告する。

票が集計されるずっと以前から、ニューメキシコ州では、ジョン・ケリーはすでに数千票を失っていた。コロラドでもオハイオでも同じだ。はるか南のフロリダでも・・・火曜日夜の票集計を待つまでもない。

洗練された投票操作---選挙権上の民族浄化、不在者票は行方不明、票を削除する投票機などなど---によって、ジョン・ケリーは100万票余りを失ってからの選挙スタートとなったのである。

推進された票の粛清
コロラド州務長官ドネッタ・デビッドソンは、数週間前に、数千人の有権者を投票名簿から削除した。彼女はそれら有権者に「凶悪犯罪前科者」の印をつけて、投票権を奪ったのだ。非常に興味深いことに、フロリダ州や他の南部州とちがって、コロラド州では前科者の投票権を法律で認めている。投票権を失うのは、実際に有罪判決を受けて服役しているものだけなのだ。

コロラド州において、刑務所から脱走した受刑者が投票したという事例は未だ確認されていない。以前に、無実の市民から投票権を剥奪した件を反省した連邦裁判所は、現在では大統領選挙前の90日間において、投票権の不当剥奪を防止するために、有権者は市民権確認の申し立てができることを認めている。

連邦法から逸脱することを見逃してもらうために、デビッドソン長官は“非常事態宣言”をしている。しかしながら、コロラド州における「非常事態」とは、ブッシュが世論調査でケリーに負けているという事実だったようだ。

なぜ突然、投票権剥奪を行ったのか?デビッドソン長官の下で選挙管理官を務めるのはドルー・ダーラム・・・以前にテキサス州検事総長の下で働いていた人物である。カウボーイの土地で検事総長の広報を務めていた人物は、ダーラム氏をこう評している:「(ダーラム氏は)公務員には向いていないんだ・・・人種差別主義者で思想的に偏見のある経歴の持ち主だからね」まさしく、大多数が非白人の有権者を抱えた地域の粛清業務にふさわしい評判ではないか。

そうした政府を粛清リストを調査してきた私自身の経験から言えば、こうしたリストに実際の違法投票者が多く含まれている事例はあまりない。

それどころか、リストに掲載されているのは民主党支持者ばかりだ。民主党員はあまり声を上げたくないだろうが、数々の調査により、有罪判決を受けた前科者の内、およそ90%は出所後に民主党に投票するという事実が判明している。共和党員であるコロラド州務長官は、そうした現状を知っていたと疑惑を抱く者も居るようだ。


有権者名簿上の民族浄化

有権者名簿の民族浄化という話題を扱うなら、オハイオ州を無視するわけにはいかない。オハイオでは、共和党の州務長官が、キャサリン・ハリスの後継者の座を狙っているということだ。

カイヤホガ郡(クリーブランド)では、有権者登録をしている黒人市民がいくらか見受けられる。南部の市民監視団体「 Democracy South」の調査によれば、南部各州では、黒人の有権者登録は、白人のそれに比較して、3倍多く拒否されるということだ。

有権者名簿をより「白く」するために、ジム・クロウ時代以降初めて、共和党は選挙日における投票権の確認を計画している。共和党委員会の発表した計画によれば、オハイオ州で、判事の怒りに抵抗する35,000人の投票を阻止するとのことだ。フロリダ州では、同じような計画がこっそり進行していることが、「収監リスト」の発見により判明している。先週英BBCテレビで暴露された「収監リスト」に掲載されていた有権者達は、奇妙なことに、ほとんどがアフリカ系アメリカ人居住区の人々だった。

投票を阻止する際に使われる、そうした人種プロファイリング行為は、投票権法の下では、違法である。それにも関わらず、法廷も判事も、リンカーンの政党を説得して、投票を妨害する類のブラックリスト作成を禁止するという民主党の要望を適えることはできなかった。

選挙事務所のゴミ箱に葬られた数百万の投票
「もしここで票が盗まれるとすれば、リオ・アリバ郡で行われるだろう」ニューメキシコ州の政治家は教えてくれた。その推論には根拠がある:2000年において、投票全体の1/10はカウントされなかった。封印され、削除され、廃棄されたのだ。投票業界では、技術上の問題で消失された票は「欠陥票」とされる。市民が投票しても、機械は気づいてくれない。リオ・アリバ選挙区では、前回の選挙で、投票された票はひとつもなかった・・・少なくとも、機械にはひとつの票も残されていなかった。

全ての投票者が等しく排除されるわけではない。リオ・アリバ郡住民の73%はヒスパニックだ。著名なハミルトン大学の選挙統計学者フィリップ・リンクナー博士に、ヒスパニック系住民の欠陥票に対して「再帰的」調査を依頼してみた。博士の試算によれば、ヒスパニック系住民の欠陥票が発生する確率は、白人票に比較して、5倍多いことが判明した。ネイティブ系住民の場合はさらに酷い。インディアン居住区においては、欠陥票は大流行している。

冷蔵庫から出したからといって、票が腐るわけはない。原因は機械なのだ。貧乏な住民には朽ち果てた学校や病院があてがわれるように、投票機もオンボロがあてがわれているわけである。

ヒスパニック系住民には災難である:しかしアフリカ系アメリカ人にとって、投票箱はホロコーストだ。アメリカ版民主主義の非常に由々しき事実の典型例は、全国で200万票ほどが、未登録、もしくは未確認票として廃棄されるという事実である。合衆国市民権委員会とハーバード・ロー・スクール市民権プロジェクトの調査によれば、廃棄された票の54%はアフリカ系アメリカ人の投票であるという。100万の黒人票が消失?!なんてことだ!

そうした状況を好む政治家は両党に大勢居る。政治家にとって、マイノリティの抑圧は選挙で選ばれるための手段なのだ。誰を責めるにしろ、火曜日には、ケリー・エドワーズコンビは打撃を被ることになる。リオ・アリバ郡では、民主党支持者と共和党支持者の選挙人登録の比は8対1で、民主党が大幅リードしている。アフリカ系アメリカ人での割合は・・・まあ、計算はご自分でどうぞ。

アメリカの投票所から漏れ出した投票の総計はあまりにも多すぎて、自分達を盛り上げるのに熱心な大手ニュースメディアの報道では、こうした話題を見つけることはできない。失われた100万の黒人票、廃棄された投票、そして何千もの拒否された有権者登録・・・これらは我々の国の秘密なのだ:人種隔離政策下の民主主義においては、金持ちの白人の投票は常にカウントされ、少数民族の投票は剥奪され、忌避され、記録されることもない。結局のところ、最初のレバーが押される以前、カードがパンチされる以前、あるいはタッチスクリーンがタッチされる以前に、ケリーは100万票ほど負けているのである。

2004/11/02

「終末は近づいている」byカート・ヴォネガット

In These Times誌2004/10/29付けコラムより。米国現代文学を代表する作家、カート・ヴォネガットの最新コラムを以下に全文翻訳して掲載。



「終末は近づいている(The End is Near)」


by カート・ヴォネガット(In These Times誌2004/10/29付けコラム

わたしはこの文章を選挙前に書いているので、ジョージ・W・ブッシュとジョン・F・ケリーのどちらが、私達の新大統領になって・・・万事うまくいけば・・・次の4年間を務めることになるのか、知ることが出来ない。北欧系で貴族的な大金持ちであるこれら二人は、言ってみれば双子のようなものであり、大方の人々と違って、少々おかしな白子の双子と呼ばれるのがふさわしい。しかし私にとってはこちらの事実が時宜に適う:両候補共に、現在でもイエール大学の排他的な秘密結社“スカル・アンド・ボーンズ”のメンバーであるという。つまりこういうことだ・・・どちらが勝利しようが、私達はスカル・アンド・ボーンズ(骸骨と骨)大統領を迎えることになる・・・地上や海、大気に毒を撒き散らしたおかげで、全ての脊椎動物が・・・さあお立会い、まさしく骸骨と骨だけに変わり果てようとしている時代にである。

なんと詩的な!

この終末への道のりは何から始まったのか?アダムとイブと禁断のリンゴのことを言う人もいるだろう。私ならむしろ、ギリシャ神話に登場する神々の子で、親たちから火を奪い人類に与えた、タイタン族のプロメテウスを挙げておきたい。神々は怒り狂い、裸のプロメテウスを岩に縛りつけ、背を晒して、集まったハゲワシに内蔵を食べさせた。

今日では、神々のそうした行いが正しかったのは明白である。我々の親類であるゴリラやオラウータン、チンパンジーやテナガザルは、生の野菜を食べながらいつでも元気に暮らしているが、一方で我々は、食べ物を温めるだけでは飽き足らずに、かつては生命維持装置として健全であったこの星を、もっぱら化石燃料をめぐる熱力学的どんちゃん騒ぎのおかげで、わずか200年足らずの間にほとんど破壊し尽くそうとしている。

英国人のマイケル・ファラデーが、力学的エネルギーを電気に変える能力を備えた人類最初の発電機を発明したのは、わずか173年前のことだ。合衆国で最初の、今では空井戸になってしまった油田は、ペンシルバニア州タイタスビルで、エドウィン・L・ドレイクによって発見されたが、それも145年前の話。ドイツ人のカール・ベンツは、人類初の内燃機関駆動の乗り物を開発したが、それもわずか119年前の出来事なのだ。

アメリカ人のライト兄弟は、周知のとおり、人類初の飛行機を発明して飛んだ。101年前のことである。飛行機にはガソリンが必要だった。そろそろあの魅惑的などんちゃん騒ぎの話をしたくなったでしょう?

残念でした。

化石燃料は、あまりにも簡単に燃えてしまう!そう、そしてブッシュとケリーが遊説しているときも、我々は残り少ない燃料のひと吹き、一滴、一塊に次々と点火しているわけだ。全ての灯りは消えようとしている。電気もやがてなくなる。あらゆる形態の移動手段は停止し、地球はやがて骸骨と骨、動かなくなった機械で覆われることになる。

もはや誰も抗うことはできない。ゲームに加わるには遅すぎる。宴を台無しにしてはいけないが、真実に目を向けよう:我々は、空気や水も含めて、まるで明日などないかのように地球の資源を無駄遣いしてきたので、今では本当に明日というものを失いつつある。

さて、ダンスパーティーはもうお終い。でも、お楽しみはこれからなのだ。

2004/10/31

ブッシュ選挙チーム関係者:ビン・ラディン登場は「ささやかな贈り物」

New York Daily News 2004/10/30付記事より。

オサマ・ビン・ラディンの最新テープ登場に、ブッシュ選挙チーム関係者が喜びのあまりホンネを漏らす様子がレポートされている。以下記事より抜粋:

「投票前の最後の4日間で、国民にテロリズムについて考えてもらいたいんです」ブッシュ/チェイニー選挙チーム関係者は語る。「そして、国民にその話題について気づかせるような事態は、すべて我々にとって都合がいいんです」

共和党の上級選挙参謀は付け加えて言う:「安全面において国民を不安にさせるような事態は、すべてブッシュ有利に働くんです」その参謀はそうした事態を「ささやかな贈り物」としてブッシュ有利に働くとしたが、再選を保証するものではないと語っている。


一方でケリー陣営はというと、「重苦しい空気が漂う」と同記事は評している。以下にケリー選挙チームスタッフのコメントを抜粋:
「私達にとって大切なのは、前進することなのです。このまま予定どおりイベントを進行させていくつもりです」ケリー陣営の広報担当者マイク・マッカリー氏は話した。

ところで、選挙を間近に控えた米国では、さらにABC放送が、先週日曜日にパキスタンから入手した最新の未公開アルカイダメッセージビデオを放送するかどうか検討中であるという。

AZZAM THE AMERICAN

「いつでもアメリカ本土を攻撃してやるぞ!」最新アルカイダテープでアメリカン英語を喋りまくる謎の人物

「次のアメリカ本土攻撃を予告している」と噂されるこの75分間のビデオには、非常に奇妙なアルカイダメンバーが登場することで話題になっている。この新タイプのメンバーは、パレスティナ風スカーフを纏い、サングラスをかけ、大袈裟なジェスチャーで色白の手を振り回しながらアメリカ訛りの英語を流暢に話し、自らを「アザム・アル・アメリキ(アメリカ)」と名乗っている。このメンバーは、ビデオの中でアラブ語も話すが、ネイティブレベルではないとのことである。

パキスタンの軍事情報部ISIのアナリストは、このテープを「本物」であると認めているという。また、過去にアルカイダのビデオを多く入手してきたアル・ジャジーラのパキスタン支局員アーマド・ムファク・ザイダン氏も、この「アメリカン・アルカイダ」映像を本物としている。

しかし、これら専門家の言う真偽の判断基準は、ビデオの製造元が過去にアルカイダビデオを提供してきた実績のある「アス・サハブ(as-Sahab)」であることを認めているに過ぎない・・・

2004/10/30

オサマ・ビン・ラディンの最新声明(英訳版)を翻訳

アルジャジーラが10月29日に放送したビン・ラディン演説ビデオでの声明内容(英語訳)を全文翻訳して以下に掲載。英BBC掲載版米RadiofreeUSA版の英文を元に翻訳)

全文を通じて西欧風レトリックを感じるのは英訳文のせいだろうか?あるいは、噂にあるとおり、アルカイダに通じたアメリカ人ブレーンが声明文を書いているのかもしれない。いずれにしろ、この演説映像が本当にオサマ本人の行っているものであるならば、テロとの戦いに負けたブッシュは、演説でもオサマに負けている感じである。



オサマ・ビン・ラディンの演説(2004/10/29アルジャジーラ放送分)


アメリカの人々よ、あなた方への私からの言葉は、戦争やそれに至る動機と結果によるさらなる衝突を避ける最良の手段となるであろう。私の言いたいのは、安全とは人間らしい暮らしをする上で大切な柱となるということだ。そして自由な人々は自らの安全を放棄しない---このことは、我々が自由を憎んでいるというブッシュの主張とは相反する。

例えば、私達がなぜスウェーデンを攻撃しなかったのか、ブッシュは私達に説明すべきなのだ。周知のごとく、自由を憎む人々は、神に召された19人のような気高い魂を持たぬ。我々があなたがたと戦うのは、我々は自由な民である故、抑圧に直面して沈黙するつもりがないからだ。あなたがたが私たちの安全を脅かすなら、我々はイスラム国家の自由を取り戻すために、あなたがたの安全を脅かすだろう。

私はあなた方に驚いている。911テロ事件から4年目に至り、ブッシュは今でも事実を歪曲し、あなた方を誤った方向に導いており、事件の本当の理由を隠蔽し、それゆえ以前と同じことが繰り返される動機も存在し続ける。これら事件の本当の理由を、あなた方に話しておくとしよう。

決断に至る状況について、正直に話そう。元々タワーを攻撃するつもりはなかった。しかしアメリカとイスラエルの連合軍がレバノンとパレスティナで行っている抑圧にうんざりし、攻撃を思いついた・・・直接私を怒らせたのは、1982年から始まった一連の事件に遡る。米国が第6艦隊の支援によりイスラエルのレバノン侵攻を支持した際のことである。

そうした悲惨な出来事は、私にとって説明しようのない多くの意味を持つことになり、やがて抑圧に抗うという一般感情と、抑圧者を罰するという激しい決断を私にもたらしたのだ。レバノンの崩壊した建物を見ながら、抑圧者を同じように罰し、米国の建物を破壊して、レバノンの人民と同じ苦しみを味あわせ、我々の世界の女子供を殺戮することを止めさせようと思い立ったのだ。

ブッシュや彼の政権と渡り合うのは困難なことではなかった・・・我々の国々(訳注:おそらくビン・ラディン家のあるサウジアラビアの事)とブッシュの体制は似通っているからだ。軍事態勢が国家の半分を支配し、残り半分は大統領や王家の息子達により支配されているという体制は、我々も長く経験してきたことだ。両国とも横柄で、強情で、貪欲で、何の権利もなしに人民の金を取り上げる。

もっとも似通っているのは、ブッシュ(訳注:父ブッシュを指す)が我々の国々に訪問する間、我々側の人民は米国に好印象を持ち、彼等の訪問により自分達の国に影響を及ぼすと期待する部分だ。実際には、ブッシュはむしろ訪問先の国々の体制、軍事、王家の影響を受けているのである。そしてブッシュは、(サウジアラビア王家が)権力の座に何十年も君臨し、誰の監視も受けずに国家の財産を収奪していることを羨んでいたのだ。ブッシュは(サウジアラビアで学んだ)自由への抑圧体制と専制政治を自分の息子に託し、それを愛国法と名づけテロとの戦いと称している。ブッシュは狡猾にも自分の息子達を各州の知事にして、重要な場面で利益を得られるよう、我々の国々の支配体制を真似て、周到にフロリダの虚飾に満ちた選挙システムに導入したのだ。

我々はモハメド・アッタの行為に同意する・・・彼に神の祝福があらんことを・・・ブッシュと彼の政権が気づく前に、彼は全ての計画を20分間で達成したのだ。

米軍の最高司令官が、大いなる脅威に直面しながら、2つのタワーに居た5万人もの市民を、緊急な対処が必要なときに、そのまま放置しているなどとは、我々にも思いがけないことだった。

なぜなら、航空機が高層ビルに突入していく重大事態に集中するよりも、大統領は子供の話すヤギの物語に夢中になっていたように思われるからだ。

そのおかげで、作戦遂行のために必要な機会を3回も与えられたのである。全ては神の思し召しであろう。

あなたがたの安全は、ケリーや、ブッシュや、アル・カイダの手に委ねられているわけではない。あなた方の安全は、あなた方自身の手中にある。全ての状況が我々の安全を脅かすものでなくなった時、あなた方の安全も確実なものになるだろう。

2004/10/29

判事と弁護士が決める大統領選挙

選挙を目前に控え、アメリカの地方新聞を見れば、投票トラブルに関する報道がテンコ盛である。今回大統領選挙の重要州であるフロリダ、オハイオ、ペンシルバニアから最新トラブル事例のほんの一部を以下に挙げておこう。

フロリダ州:
大統領の弟ジェブ・ブッシュ知事の指揮の下、ありとあらゆる差別と不正が行われている。新規採用の電子投票システムは正常動作せず、何でもブッシュ支持票にしてしまう。無実の人々が、肌の色によって犯罪者とされ、投票権を剥奪されるのも毎年恒例。華氏911の影響を受けた新規の選挙人登録は基本的に却下される。地元の大学生は自分の知らないうちに共和党支持にされてしまう・・・フロリダ州では選挙不正の事例が多すぎて報道が追いつかない状態である。

オハイオ州:
ケネス・ブラックウェル州務長官は、極めて厳密な有権者登録規定(登録用紙の重さと厚さの規定!)を持ち出して、新規の有権者登録を最小化する努力をしている。またブラックウェル州務長官率いるオハイオ州選挙管理当局は、投票所の設置場所を大幅に変更しておきながら有権者に知らせずに居ると批判されている。共和党員であるケネス・ブラックウェル州務長官は、偶然にもブッシュ大統領再選委員会のオハイオ州共同議長である。
また、共和党オハイオ支部は州法を利用して、オハイオ州第二の都市カイヤホガ地区の住民(大半が黒人で民主党支持者)35,427人分の選挙人登録の忌避を要求している
さらに、共和党オハイオ支部は、オハイオ州の各投票所で有権者を監視するために、3,600人の監視官を日当100ドルで雇い入れた。投票に来た人に対して、投票権の正当性を個別に確認するという共和党の監視官計画に、民主党は「黒人有権者に対する威圧行為であり、投票を遅らせる常套手段」と批判している。(同じような監視官問題はフロリダでも派生している)地元の裁判で共和党の試みは禁止されたが、他の州で共和党は探偵を使って同様の有権者監視行動を実行しているので、オハイオでも実行されるだろう。
ちなみにオハイオ州の選挙では、黒人居住区の住民の投票が数えられない(無効票)確率は、白人居住区のそれに比較して3倍とのこと。

ペンシルバニア州:
州内の大学に勧誘員がやってきて、「自動車保険料の負担低減と医療用マリワナの合法化、レイプ対策の厳密化に協力してほしい」と学生達を次々と説得、請願書への署名を求めつつ選挙人登録用紙にも署名させ、署名者の同意なしに共和党員の登録として書き換えられていた事件が発覚。勧誘員達の雇い主は地元共和党支部だった。

ところで、国際選挙監視団の件を憶えている読者の方も居ることだろう。アメリカ合衆国大統領選挙投票プロセス監視のために世界各国から米国に派遣された---アルゼンチン、オーストラリア、イギリス、カナダ、チリ、ガーナ、インド、アイルランド、メキシコ、ニカラグア、フィリピン、南アフリカ、タイ、ウェールズ、ザンビアからやってきた専門家達---は、フロリダ、アリゾナ、ジョージア、ミズーリ、オハイオの各州を視察した後、さっそくアメリカの選挙システムの問題点(特に電子投票システム)を指摘、「法律改正すべき」と提言している。民主主義のリーダーシップをとっているつもりの合衆国専門家にとっては、面目まるつぶれといった感じだ。

国際選挙監視団だけでなく、アメリカ国民自身、今回の大統領選挙を不安に感じている。AP通信の調査によれば、アメリカ人の60%が、開票結果では勝者が確定しないと予測し、48%が「大統領は(前回同様)裁判で選ばれる」と見ているという。

前回選挙でブッシュを最終的に大統領と認めたのは---つまり、合衆国憲法は全ての投票が数えられることを保障するわけではないという判例を作ったのは---連邦最高裁だった。今回もまた大統領選択の大役を担うことになる連邦最高裁判事の1人、ブッシュ支持派のウィリアム・ランクイスト判事(80歳)は、甲状腺ガンに侵された病床の身をおして、引退前の最後の大仕事である大統領選挙後の裁判に備えている。

ブッシュを熱烈に支持しているもうひとりの判事、アントニン・スカリアは、4年前の大統領選挙裁判において、親友ディック・チェイニーの依頼により、フロリダ州の票の再集計を拒否する判決に手を貸した見返りに、弁護士である自分の息子(企業弁護士)が出世できるようブッシュ家に助けてもらった。キリスト教右派を公言するスカリア判事は、数々のスキャンダルにも関わらず、ブッシュが再選されれば判事を続けることができると期待しているだろう。

というわけで、大統領選挙が裁判に持ち込まれた場合、ブッシュ有利となる可能性は高いが、ケリー陣営はこれを座視しているわけではない。これから始まる米国最大規模の連続訴訟に備え、ケリー陣営は少なくとも1万人以上の弁護士を全米に派遣することを計画している。その内2,000人は、前回問題のあったフロリダに派遣されるとのことだ。このあたりはエドワーズ候補の面目躍如といった形だが、果たして民主党弁護士軍団は、ブッシュの秘密兵器ジミー・ベイカー率いる世界戦争謀略弁護士企業ベイカーボッツに対抗できるだろうか?

また、裁判で大統領が決定されることが慣例となった場合、国民にとって選挙参加にどれほどの意義があるのだろうか。

アメリカでは現在、国民は民主党支持派と共和党支持派でほぼ真っ二つに分かれている。民主主義の重要プロセスであるはずの大統領選挙は、米国民を統治ではなく分裂へと導いたわけだ。選挙が終わっても、こうした分断が修復される可能性は低い。おまけに投票はカウントされず、選挙結果は曖昧なまま、国の代表は法廷で、弁護士と判事により決定される。選ばれた大統領は、大口献金者である大企業の意向に沿って政策を決定する。がっかりした国民は「仕事時間を削って投票に行くのは無駄」と感じるようになる。

このようにして、北米大陸に新国家、アメリカ合衆国(USA:Ununited States of America)が建設されていくわけである。

2004/10/28

英BBC放送:フロリダで新たに選挙不正の疑い

英BBC放送「ニューズナイト」2004/10/26放送記事より。前回フロリダ州投票集計中にジェブ・ブッシュ州知事による大規模な不正を暴いたグレッグ・パラスト記者が、今度は選挙前に発覚した新たな選挙違反計画を英テレビでレポートしている。以下に全文を翻訳して掲載。(放送ビデオはオンラインで視聴できる)前回同様、英BBCと提携関係にある日本の各テレビ局は、この調査報道番組の放送を控えているようだが・・・


フロリダで新たに選挙不正の疑い(New Florida vote scandal feared)

英BBC放送「ニューズナイト」特集:レポートbyグレッグ・パラスト

フロリダ州のブッシュ選挙チーム本部から入手した極秘書類には、ある計画・・・合衆国法に違反する可能性のある計画について記されていた・・・フロリダ州でアフリカ系アメリカ人居住地域の投票を妨害するための計画である。BBCニューズナイト調査チームが事実をお伝えしよう。

2つの電子メール---ブッシュ選挙チームのフロリダ州責任者と同選挙チームの全国調査担当者に宛てられたメールには、「収監リスト」と呼ばれる15ページ分の書類が添付されていた。

リストの中身は、伝統的に民主党支持者の多いフロリダ州ジャクソンビルの黒人有権者1,886人の名前と住所だった。

タラハシーの選挙管理官は、リストを一目見て、ニューズナイト取材班に話した:「連中がこんなリストを作る理由はただひとつだろう。投票日に有権者の投票を忌避するためだ」

民主党支持者の選挙管理官アイアン・サンチョ氏が強調したのは、政党要員が投票所内部で有権者から投票用紙を取り上げる行為は、フロリダ州法により認められているということだった。


大量の投票忌避(Mass challenges)


リストに掲載された人たちは、自らの権利状況を証明するための宣誓供述書にサインした後で、“条件付で”投票することになる。

このような大量の投票忌避はフロリダでも前例がない。サンチョ氏が言うには、「選挙管理官を16年間務めてきて初めての経験」とのことだ。

「率直に言って、こうした試みは投票作業を遅らせて、選挙日に混乱を巻き起こし、有権者に投票を躊躇させるために仕組まれたのかもしれない」

サンチョ氏はそれを「脅迫」と呼び、法に反する可能性があると指摘している。

ワシントンで名の知られた人権弁護士ラルフ・ニース氏が言うには、合衆国連邦法は、たとえ相応な理由があっても、人種が人定手段となる場合は、投票の忌避を禁止しているという。

リストに記された有権者の居住するジャクソンビル地区は、住民の大半が黒人である。

ニューズナイト調査チームからリストに関する説明を求められて、共和党広報担当者が説明したのは、リストは単に資金拠出要請相手、もしくは、新たに選挙人登録した有権者宛てに選挙資料送付先住所の確認のために送付されたメールなどの、返信者の記録ということだった。

共和党の州選挙広報担当を務めるミンディ・タッカー・フレッチャーの声明によれば、リストは「(忌避リストを)作り出すために」まとめたものではないとのことだが、その用途に使われていないとは言わなかった。

その代わり、党の票調査担当者達が「法に則った形で」投票を忌避するための講義を受ける予定だと彼女は付け足した。

なぜそうした事務手続き書類がブッシュ選挙チームのフロリダ支部責任者とワシントン本部宛てに送付されたのか、説明はなかった。


私立探偵


共和党員がリストを使うか、あるいは別の手段で投票者を脅迫しているかどうか見極めるために、我々は、ジャクソンビルで、私立探偵が黒づくめの車の陰から全ての“早期投票者”(大多数は黒人)をビデオ撮影している場面をフィルムに収めた。

探偵は、誰に日当を貰っているのかについて教えてはくれなかった。

それを見ていた民主党の女性下院議員のコリー・ブラウンは、そうした監視業務は共和党による活動の一環であり、アフリカ系アメリカ人---大部分は民主党支持者---を脅迫し怯えさせるための常套手段だと説明した。

2004/10/24

メリーランド大学最新調査:ブッシュ支持者の72%が「イラクに大量破壊兵器が実際に存在したか、開発計画が進行していた」と信じている

メリーランド大学の国際政策意識研究(Program on International Policy Attitudes)2004/10/21公開資料より。

メリーランド大学の国際政策意識研究グループの主催により、今年9月3-7日(768回答)、8-12日(959回答)、10月12-18日(968回答)に実施された合衆国全国調査の結果によれば、ブッシュ大統領支持者の内72%が、「イラクには大量破壊兵器が存在したか、もしくは開発計画が進行していた」と誤解していることが判明している。

また、ブッシュ大統領支持者の内56%が「イラクに大量破壊兵器が実在したと大半の専門家が認めている」と回答、57%は「米調査団(チャールズ・ドルファー団長)はイラクに大量破壊兵器が実在したか、もしくは開発計画が進行中だったと結論づけた」と事実と異なる解釈をしているという。

イラクとアルカイダの関係についても、ブッシュ支持者の内、75%が「イラクがアルカイダをサポートしていた」と考え、63%が「イラクがアルカイダをサポートしていた確たる証拠が見つかっている」と回答。55%が「911テロ調査委員会はイラクがアルカイダをサポートしていたと結論づけている」と誤解している。

アメリカと世界の関係については、「世界の大半がアメリカのイラク侵攻に反発している」と理解しているブッシュ支持者はわずか31%で、42%は「アメリカ支持国と不支持国は同率」と理解しており、「世界の大半がアメリカのイラク侵攻を支持している」という回答も26%あり、「世界の大半がブッシュ大統領の再選を望んでいる」と回答したブッシュ支持者は57%に達している。(世界35カ国最新調査で、ブッシュ支持が大半を占める国はわずか3カ国であることが判明している)

ちなみに、ブッシュ支持者の51%は、「ブッシュ大統領は京都議定書の批准に賛成している」と回答しているということである。

2004/10/21

今更カナダから輸入?米国のインフルエンザ対策事情

「カナダはもうわが国の助けにならない。連中の軍隊はお話にならないし、社会主義体制のおかげでカナダ国家は破産寸前だ。クレティエン首相はもはや過去の人だ。新政権の時代になるだろう。そろそろカナダとの問題を解決すべきなんだ」
"Canada can't help us anyway. They have no military to speak of. And the socialistic system they have there has nearly bankrupted them. So Chretien is history. A new administration is upcoming. We should be trying to work things out with Canada."
---2003年12月11日、米フォックステレビの超保守派人気番組オライリー・ファクターでのビル・オライリーの発言。(オライリーの主張に反して、実際には、カナダの国家財政は(アメリカと違い)黒字である。さらに悲惨なことに、オライリー氏はこの番組プロデューサーの女性から、つい先日セクシャルハラスメントで訴えられてしまった。

チェイニー副大統領は「テロリスト達はアメリカ本土に核攻撃を仕掛けるかもしれないぞ!(だからブッシュに投票してチョーダイ)」とアメリカ国民を脅迫しているが、CIA局員の話によれば、911テロ発生前にブッシュ政権がテロ対策を怠っていたという証拠資料と報告書が米情報局内に存在しており、ブッシュ陣営は報告書の隠蔽に必死であるらしい。(タイムズ紙上を借りてさっそくCIA批判を再開している)

それはさておき。(ボネガット風:「タイムクエイク」を読み返したばかりなのだ)

ブッシュ政権はテロ対策、国内経済対策に加えて、さらにヘマをやらかしているらしい。それは国内インフルエンザ対策であるという。(アメリカ国内では毎年およそ4万7,000人がインフルエンザその他のウイルス感染で死亡している

以下に、The Center for American Progress 2004年10月20日付けレポート「FLU VACCINE:Oh, Canada?」を全文翻訳して掲載。



インフルエンザ・ワクチン:やっぱりカナダ製?(FLU VACCINE:Oh, Canada?)

ここ何年もの間、ブッシュ政権は、FDA(米食品医薬品局)認可済みの安価なカナダ製処方薬の入手を、製薬業界の強い要請により、「安全でない」という理由をつけて阻止してきた。しかし昨日、ブッシュ政権は、FDAがインフルエンザのワクチンを追加で150万ダース入手するために、カナダの製造業者と「積極的に交渉中」であると発表した。FDA理事代理のレスター・クロウフォードによれば、「FDAはカナダの製造設備を視察し、米国基準を満たしているか監査中である」とし、もし基準に見合うなら、カナダ製ワクチンが「今年のインフルエンザ流行時期に米国内の消費者に届く」ことになるという。FDAは、なぜカナダ製ワクチンの輸入体制確立がそんなにも早いのか説明しておらず、カナダから再輸入されたワクチンの安全性についても説明を避けている。(記録によれば、カナダ製処方薬による障害例は一例も報告されていない

米政府説明と矛盾するカナダ側の説明:

クロウフォード氏は面目を保つために、アメリカの記者たちに「外国製ワクチンの購入は政府間交渉により実施され、追加補充は米政府当局が所有する」と説明している。しかしカナダ政府当局者の話では、それは事実ではない。カナダ公衆衛生当局のデビッド・バトラー・ジョーンズ医師は「全く知らなかった」と言う。「必要なワクチンは、すでに民間企業経由か、地方や国境地域で(アメリカ人にも)入手可能だし、もう一度買い上げるなんておかしな話だ」

政府は警告を受けていた:

ワクチンの不足について、ブッシュ大統領は「製造側のミス」と非難を繰り返しているが、ブッシュ政権はワクチン供給問題について過去に警告を受けており、あらかじめ不足を予防することもできたのである。今年9月13日に、カイロン社(米のワクチン開発大手)は、イギリス・リバプール工場で未解決の汚染問題について報告しており、英国政府も別の製造業者を手配して追加補充に備えていた。一方で、ブッシュ政権は、全てのワクチンが売り切れるまで対策を怠っていたのである。それ以前にもブッシュ政権は、将来発生するワクチン不足に関して、会計検査院が提出した2件の報告を無視している。

少なすぎるし、遅すぎる?:

昨日、米国保健省長官は、追加されたインフルエンザ・ワクチン260万ダースが、アベンティス・パスツール社(FDAから認可を受けているワクチン販売企業のひとつ)を通じて入手可能になると発表した。これら追加供給があっても、ワクチンを求めるアメリカ人の40%は、ワクチン接種を受けることができない。新規の輸入分は「政府がアメリカ人への接種を推奨する時期」以降に到着するということで、「追加分のワクチンがどれほどの役に立つのかは疑問」とのこと。新規入荷分は来年1月まで入手不可能であるが、米疾病対策予防センターは国民に10月もしくは11月のうちに接種するよう勧告している。

議会は元気いっぱい:

合衆国内で唯一、インフルエンザ・ワクチンの不足に悩まない場所がある。それは議会である。「政府の方針に直接反する形で」上院多数党院内総務ビル・フリスト(共和党-テネシー)と国会に助言する内科医達は、「年齢と健康状態に関わらず、535人の全ての議員はワクチンを速やかに接種すべきである」と要請している。国内のワクチン不足にも関わらず、議員の多くはすでに予防接種を済まして地元の選挙キャンペーンに向かった。予防接種の予定をたてていない議員、例えばジョセフ・リーバーマン議員(民主党/コネチカット)は、インタビューで「未接種だが、接種するつもり」と回答している。結局のところ、議会の内科医事務所では「2000人以上の予防接種を今秋に行っており、昨日の時点でも接種可能であった」とのことである。行列に並ぶことなくどういう手段で接種をうけることができたのか、あなたの地元議員宛てに、メールで問い合わせることも必要であろう。

ワクチン不足で兵士の従軍体制も影響:

AP通信によると「軍基地ではすでにアフガニスタンやイラクでの戦時要求に緊張しきっているが、国家を護る兵士たちはインフルエンザへの備えすらできていない。」通常なら「ルジューン基地の海軍病院には5万から6万ダースのインフルエンザ・ワクチンを保有している」が、今年は、基地には1ダースのワクチンも入荷していない。戦時において、これは極めて危険な状態である:海軍の特殊部隊はいつ何時でも出動できるように準備されているが、インフルエンザについては、国防総省が必要とするワクチンを入手する手段を決定するまで予防接種ができない。「インフルエンザ流行地域に派遣された場合、準備面で問題が残る」ルジューンの地域病院理事長ジョージ・レイノルズは話している。


2004/10/14

選挙不正が続々:共和党系有権者登録活動団体が各州で民主党支持者の申込を大量廃棄

ネバダ州klas-tvのスクープより。

ネバダ州で、共和党系の有権者登録代行団体が、民主党支持者の登録票を大量廃棄していることが判明した。さらに、同様の不正行為が、コロラド、オレゴン、アリゾナ、ペンシルバニア、メーン、バージニア、ミズーリ、ミネソタ、ミシガン、オハイオ、ウィスコンシン、その他各州でも進行している可能性がある。(ひょっとしたら4年前のフロリダ以上の大騒ぎになるかもしれない)

現在までに発覚している不正の概要は以下のとおり:

  • 無党派を自称する「Voters Outreach of America」という団体が、ショッピングモール、商店街、政府施設前など、人の集まる場所で有権者登録票を配布し、大統領選挙への参加を促した。各地の住民は次々とその登録票に記入、同団体のスタッフが用紙を回収した。その後同団体スタッフは、回収した登録票のうち、民主党支持者の申込分を全て廃棄した。廃棄の事実は、当然ながら、申込者には知らせていないので、投票日当日になって、はじめて有権者は自分に投票資格がないことがわかる仕組みである。
  • 組織的な選挙不正を行っている団体「Voters Outreach of America」に資金援助しているのは共和党全国委員会。団体代表はアーロン・ジェイムズという人物で、その背後にいる資金提供者はネイサン・スプロウル---スプロウル・アンド・アソシエイツという政策コンサルティング企業を経営する元アリゾナ州共和党委員長で、アリゾナ州キリスト教徒連合を率いる人物である。この二人は、アリゾナ州でラルフ・ネイダーの大統領選挙活動を支援している
  • スプロウル・アンド・アソシエイツが愚かなのは、登録申込を促すために、スタッフに成果報酬を約束しておきながら支払いを怠っていたことだ。怒ったスタッフが内部告発者としてメディアに登場し、民主党支持者の登録用紙の廃棄事実が暴露されてしまったのである。
    (その他参照リンク:コロラド州の報道/事件を追求する有名ブログ:Daily Kos

ところで、今回の不正が発覚したきっかけのひとつは、オレゴン州ミッドフォードの図書館長を務めるメーガン・オフラティさんが、オレゴン各地の図書館宛てに配達された手紙に疑惑を抱いたのが始まりだった。

その手紙---「図書館に有権者登録のブースを作るので協力して欲しい」という依頼の手紙には、スプロウル・アンド・アソシエイツと記されていた。

「スプロウル・アンド・アソシエイツは、無党派の全国有権者登録活動“America Votes”に認定された政策コンサルティング企業です」という手紙の説明を疑った彼女は、ネットでリサーチして、手紙の主が前アリゾナ州共和党委員長であることを発見。そのネイサン・スプロウルという人物が、無党派の全国活動“America Votes”とは無関係でありながら、紛らわしい名称を使い(スプロウル・アンド・アソシエイツは自らの活動を正式には“Project America Votes”と名乗っていた)図書館側を騙すつもりであったことをつきとめて、同僚たちに警戒連絡をしたのである。

マイケル・ムーアの著作を言論の封殺から助け出し、司法長官の違法な国民監視から読者を守り、今度は国民の投票を守ったわけだ。ヴォネガット氏の言うとおり、図書館員の皆さんに拍手を送りたい。(もちろん、元図書館司書のファーストレディは除外する)

民主主義を本当に擁護する気があるのなら、合衆国政府は、国防総省ではなく図書館に投資すべきではないか。

2004/10/13

「ディベート前に事実を確認する」byクルーグマン

ニューヨーク・タイムズ紙2004/10/12付けコラムより。

今やタイムズ紙名物となった、経済学者ポール・クルーグマン教授の最新コラムを以下に全文翻訳して掲載。



「ディベート前に事実を確認する(Checking the Facts, in Advance)」

by ポール・クルーグマン

明日、ブッシュ大統領が---すっかり自暴自棄になっているように見えるが---ディベートで何を言うかを予測することは難しくない。以下にあなたが耳にすることになる歪曲された嘘と事実を、8つ挙げてみよう。

雇用の創出
ブッシュ氏は、2003年夏から170万人分の雇用が創出され、景気は「強く、さらに強くなっている」と言うことだろう。それは中間試験で単位を落として、科目を終了するために少なくともCクラスを獲得する必要があるときに、最終試験でDクラスに陥ることを自慢するようなものだ。

ハーバート・フーバー以来、雇用を減少させたのはブッシュ氏が初めてである。これは言葉以上に重大な問題だ。なぜなら、人口増加率に間に合わせるには、毎年およそ160万人分の雇用創出が必要だからである。これまでに創出された雇用は、初期の雇用消失よりは良いニュースだとしても、とても人口増加に追いついていない。しかも、この国が必要とする仕事数と実際に募集している仕事数の非常に大きいギャップは、埋るようにも見えない。

失業率
ブッシュ氏は、2003年のピーク時から失業率が低下していることを自慢するだろう。しかし就労人口数は全く上昇していないのだ。失業率が低下しているのは、失業した人々の多くが、仕事を探すことを諦めてしまっているからであり、そうした人たちが失業率の統計から省かれているだけのことである。就労率---仕事に就いているか、もしくは仕事を探している人口の割合---は、ブッシュ政権下で急激に降下している。2001年1月の統計から考えるとすれば、公式な失業率は7.4%ほどになるだろう。
赤字
ブッシュ氏は、不景気と911テロが財政赤字の原因と言うだろう。しかしながら、米連邦議会予算事務局の試算によれば、2004年度の財政赤字のおよそ2/3は、大規模な減税が原因ということである。
減税
ブッシュ氏は、ジョン・ケリー議員が「中産階級」向け減税に反対していると言うことだろう。しかし米連邦議会予算事務局の数字によれば、ブュシュ氏の減税政策のほとんどは、米国内の上位10%の裕福な家庭向けであり、しかも減税額の1/3以上は上位1%の、年収が100万ドルを超える人々に恩恵をもたらすことが判明している。
ケリー氏の減税計画
再度、ブッシュ氏は、ケリー氏の計画では多くの中小企業の税金が上昇すると言うだろう。実際には、かなり少ない影響に過ぎないのである。また、ケリー氏が先週ディベートで指摘したように、ブッシュ政権の中小企業経営者という定義はあまりにも誇大なので、2001年には、実際に材木業者に出資しているブッシュ氏自身も、中小企業経営者に含まれてしまっていたが、当人はあまりにも無頓着なので、忘れていたようだ。
財政責任
ブッシュ氏は、ケリー氏が2兆ドルの支出を提案していると言うだろう。これは党派色の強い主張で、独立した見積よりもはるかに誇張されている。ところで、共和党大会後にワシントン・ポスト紙が指摘したように、ブッシュ政権自身の提示する数値によれば、ブッシュ氏の掲げる計画では「支出は3兆ドルを超える見込み」で、「ケリー氏の計画をはるかに上回る」金額である。
支出
先週金曜日に、ブッシュ氏は防衛費以外の自由裁量分の支出を僅か年率1%に抑えたと言った。しかし実際の数字はインフレ調整後でも8%である。ブッシュ氏は自身の予算公約---ずっと裏切り続けている---と現実を混同しているようだ。
医療政策
ブッシュ氏は、ケリー氏が医療に関する裁量を個人から奪おうとしていると言うだろう。ケリー氏の計画では、メディケイド(低所得者向け医療扶助制度)を(メディケア:高齢者向け医療扶助制度も同様に)拡大し、特に、児童が医療保険を受けられるようにすることを目指している。この計画は国民を悲惨な医療費から守ることになり、特に慢性的な病状の人々を助けることになるだろう。患者の裁量を狭めるということには全くならない。

ブッシュ氏の嘘と不当表示を並べ立てて、ケリー氏はミスを犯していないと私が言うとお考えだろうか?それは違う。

ケリー氏は時々、言葉足らずのことがあり、あら捜しする連中を喜ばせることになる。彼は160万人の雇用が失われたと言っている。それは民間企業の雇用についてであり、公務員の雇用上昇分を差し引けばいくらか少ない数値になるだろう。しかし、雇用状況が本当に酷い状況であることに変わりはない。ケリー氏はイラク戦争の費用を2,000億ドルと話しているが、実際に使われた費用は今のところ1,200億ドルである。しかし、この先800億ドル以上の戦費が必要になることは疑いようもない。要点を言えば、ケリー氏は、せいぜい、おおざっぱな言い方について批判される余地があるだけのことなのである。彼の主張の要旨は全く正しい。

一方で、ブッシュ氏の主張は、基本的に不正直なのである。大統領は黒を白と言い、失敗を成功と言い張っているのだ。報道関係者たちは、自身の安全のために、ブッシュ氏の嘘を暴くのと同じだけの時間を、ケリー氏の言葉の選択への攻撃に割り当てているが、それは読者を裏切っているのではないか。

2004/10/10

シンクレア・ネットワークが投票日直前に反ケリー映画を放送予定?

Los Angeles Times2004/10/09付記事より。

アメリカ国民のおよそ24%が視聴しているという巨大放送網シンクレア・ブロードキャスト・グループが、11月2日の大統領選挙投票日直前のゴールデンタイムに、反ケリー映画を放送する予定であることが暴露されている。

放送される作品は「盗まれた名誉:癒えることのない傷(Stolen Honor: Wounds That Never Heal)」で、ジョン・ケリーのベトナム戦争従軍時代から反戦までの活動を批判するドキュメンタリー。原作者のカールトン・シャーウッドはベトナム従軍後に保守派メディアのワシントン・タイムズ紙記者となった人物で、統一教会の文鮮明(Rev. Sun Myung Moon)に関する書籍「Inquisition: The Persecution and Prosecution of the Reverend Sun Myung Moon」の著者でもある。(ワシントン・タイムズ紙のオーナーはUnification Church(統一教会)関係者。カールトンは同著作の中で、文鮮明と信者を“アメリカの宗教的偏見のもっとも顕著な被害者”と擁護している)

かつてペンシルベニア州知事であったトム・リッジ(後にブッシュ大統領により国土安全省の長官に任命された)の部下として働いていたカールトンは、現在反テロリズム対策企業WVC3の副社長を務めている。

シンクレア・ブロードキャスト・グループの抱える62の放送局のうち14ヶ所は、今回の大統領選挙の重要州であるオハイオ、フロリダ、ペンシルバニア、ウィスコンシンに拠点を持っている。

さらにシンクレア・ブロードキャスト・グループと提携関係にあるFox, ABC, CBS, NBCも、同作品の放送を検討中とのこと。放送日は10月21日から24日の間とみられ、放送にあわせて同作品に関する有識者を招いたパネル・ディスカッションも予定しているという。放送網の話では、ディスカッションにはケリーを招待する予定というが、ケリー陣営は招待状を未だ受け取っていないと語っている。

シンクレアの政治キャンペーンはこれがはじめてではない。ごく最近では、テッド・コッペルの人気番組「ナイトライン」が特番でイラク駐留米軍の戦死者リストを放送したとき、提携局でありながら放送拒否をした件で話題になった。

シンクレアの反ケリー映画放送キャンペーンは、明らかにマイケル・ムーアの「華氏911」テレビ放送に合わせた共和党側の対抗活動であろう。まさしく、ドキュメンタリー映画が大統領選挙を左右することになってしまったわけだ。

(2004/10/12追加:)
1996年8月15日、シンクレアのCEOを務めるデビッド・デニストン・スミスは、ボルチモアの風俗街において、会社所有のメルセデス・ベンツ車内で、買春行為の現行犯で逮捕されている。(ボルチモア署のおとり捜査に引っかかっていた)「愛国心」を扇動する人物の実像はこんなものだ。

2004/10/08

大統領選の投票用紙に早くもミスプリント?

Livejournalの投稿より。

ミシガン州の大統領選不在者投票用紙に早くも問題が発覚しているようだ。ミシガン州選挙管理局は例によってパンチカード型投票用紙を使用しているが、大統領候補の名前とパンチ指示位置がズレて印刷されてしまっている。

ミシガン州大統領選用の不在者投票用紙

ミシガン州大統領選用の不在者投票用紙(赤字は訳者:投票用紙の全体表示


票の自動集計機械を使うと、この印刷のズレにより、ジョン・ケリー投票分はブッシュへの投票と間違ってカウントされる可能性があるようだ。(なんという偶然!)

ミス印刷の発見が早かったおかげで、現地では69人がこの投票用紙を受け取ったのみで、間違いは修正されたという話だが・・・


2004/10/07

最新調査:42%のアメリカ人が「フセインは911テロに関係がある」

Editor and publisher2004/10/05付け記事より。

USA Today/CNN/Gallupが10月1-3日にかけて行った全米世論調査によると、アメリカ人の42%が今でも「サダム・フセインが911テロに直接関わっている」と誤解していることが判明。また、32%が「サダム・フセインが911テロ計画に関わっている」と回答。

今年6月に行われた同様の調査では、共和党支持者の56%が「サダム・フセインは911テロに直接関わっている」と回答していたが、最新の調査によるとそうした誤解をしている共和党支持者は62%に増加しているとのこと。

ところでアメリカの世論に関する面白本「数字でわかるおかしな国アメリカ」(ピーター・ストラップ著:ランダムハウス講談社)によると、「世界地図でアメリカの場所を指すことができる」アメリカ人は10%、「反戦に関わる書籍・記事の検閲」に賛成するアメリカ人は40%だそうである。

こうしたデータを知るにつれ、おおいに不安に駆られてしまう。チェイニー副大統領とエドワーズ候補のディベート内容を理解できるアメリカ人は果たして何パーセントだろうか?

2004/10/04

ギャラップ社の共和党寄り調査手法に批判続出

ad in the New York Times, questioning Gallup's poll numbers

MoveOn.orgがニューヨークタイムズ紙2004/09/28版に掲載した全面広告。「ギャラップ、右に走る」

ディベート後の調査でも活躍しているが、米国で最も影響力のある世論調査企業ギャラップ社の大統領候補支持率調査において、共和党に有利に働く調査手法をとっている事実が判明し、問題になっている。

ギャラップ社が9月13-15日にかけて行った支持率調査では、ブッシュ支持が55%、ケリー支持が42%という大差がついていたが、この調査の回答者757人の内訳は、共和党支持者が305人(40%)、民主党支持者が253人(33%)、無党派が208人(28%)というわけで、とても正当な調査とはいえないというのが主な批判理由である。

リベラル系団体ムーブオンは、ニューヨークタイムズ紙に全面意見広告を掲載して、ギャラップ社を批判しているが、今のところ同社は批判を無視しているようだ

米大統領選ディベート第1ラウンド:調査と、CNN・FOXと、コケたボブ・ノヴァック

フロリダで行われた第1回米大統領選ディベートの様子を観て、ブッシュの出来の悪さが全米で話題になっている。トークラジオを聞いていると「ブッシュはカール・ローブのレッスンを受けるときに耳栓をしていたのか?」とか、「飲まずにディベートに臨んだのが間違いだ」などと散々だ。

第1回大統領選ディベートに対する視聴者の評価
sourceケリーの勝ちブッシュの勝ち
CNN/USAトゥデイ/ギャラップ共同調査53%37%
CBS放送調査44%26%
ABC放送調査45%36%
ニューズウィーク誌61%19%

ディベート後に行われた最初の全国調査(ニューズウィーク誌)によれば、ケリー支持47%、ブッシュ支持45%と、再びケリーが逆転トップになっている(ラルフ・ネイダーは2%)

ディベート前のニューズウィーク誌調査ではブッシュ49%、ケリー43%だったから、共和党陣営は大慌てしていることだろう。


ゾグビーは浮かれるケリー陣営に警告:「このままではケリーの負け」

今年5月にケリーの勝利を予測したゾグビー社CEOは、共和党大会前後からブッシュ支持票が急増したことにより、ケリー不利と予測を変更している
ゾグビーの指摘するケリー不利の理由は以下のとおり。

  • ブッシュのリードは平均4ポイント程度だが、リードしていることに変わりはない。


  • 決断していない有権者は米国全体でおよそ600万人、その内ブッシュが再選に値すると感じている人は僅か16-20%で、40%は新しい大統領を求めているが、ケリーに投票する動機には欠けている。(この反ブッシュ票をケリーが獲得する可能性は今後のケリー次第)


  • ケリーはブッシュとの姿勢の違いについて、まだまだ充分にアピールできていない。
そして、ケリーが勝利するためには、今後全てのディベートで勝利し、且つディベート外でのアピールを強化する必要があるとゾグビー社CEOは分析している。


ディベート報道でブッシュ寄りの姿勢を鮮明にしたCNN

今回のディベート報道に関して、メディア監査団体Mediamatters.orgが面白い記事を書いている。以下に引用。

CNNホスト:ウルフ・ブリッツア(Wolf Blitzer)のディベートに関するコメントの変化:
ディベート直前:
「大統領選挙にとって重要な夜であり、おそらく決定的な瞬間となる。民主党の挑戦者ケリーにとっては絶好の機会でしょう」 「決断の夜です。誰でもそう思っていることでしょう。まさしく全てが決まるのです。歴史研究家は今夜のディベートを将来何度も引用することになるでしょう」

ディベート後:
「(今夜のディベートで)ケリーは圧倒的な勝利をしましたが、結論を出すには早すぎます

CNNニュースアンカー:マイルズ・オブライエンのディベートに関するコメントの変化:

ディベート直前:
「(ディベートは)選挙キャンペーンの最も重要な瞬間となるでしょう」

ディベート後:
「さて、手元には数字があがっています・・・ディベート後の各社調査結果の大半はケリー勝利となってますが、3回のうち1回のディベートで勝利したからといってケリーの大統領選勝利が確定するわけではありませんね

記者の妄想(?)を報道したフォックスニュースは慌てて謝罪

フォックスニュースチャンネルの主任政治報道記者カール・キャメロンは、ディベート後の金曜日に、フォックスニュースのウェブサイト上で、自分で書いたでっち上げの記事を掲載した。キャメロンの妄想記事によると、ディベート後のジョン・ケリーがフロリダ州の支持者に向かってこう発言したことになっている:

「いい討論会だったね。指先もキューティクルも綺麗だったでしょう?」
「女性は皆私の支持者になるさ。私はマニキュアもしてるからね」
「私はメトロセクシャル(metrosexual)だが、奴(ブッシュ)はカウボーイだからな」
(metrosexual:衣服やスキンケアに注力、ライフスタイルにこだわる、都市部のストレートの男性/source:英辞郎ontheWEB
このでっちあげ記事を慌てて引っ込めたフォックスニュースは、キャメロンの記事内容が虚偽であることを認め、謝罪した。ちなみに、キャメロン記者の妻はブッシュ選挙チームで働いているとのこと。(フォックスニュースに出演するアナウンサーや保守系タレント達は、ケリー候補の身奇麗なスタイルを「東部の同性愛者っぽい」と揶揄することが多い)


ブッシュの失態とボブ・ノヴァックの災難

ブッシュ政権に極めて近い保守派の政治批評家ロバート・ノヴァックは、ディベートでのブッシュの出来の悪さに慌てたのか、ディベート会場となったマイアミの滞在先ホテルの風呂でコケて腰を負傷し、今後の選挙戦取材が困難になってしまった

2004/10/02

「ノッポさんとおチビさん」byグレッグ・パラスト

ジャーナリストのグレッグ・パラスト氏の2004/09/30付けコラムより。全文を翻訳して以下に掲載。



「ノッポさんとおチビさん(Mr. Tall and Mr. Small)」

byグレッグ・パラスト

我等が大統領はディベートで聴衆に語った:「矛盾したことを言うようでは指導者になれないだろう(You cannot lead if you send mexxed missiges)」本当にそう願いたいですな、大統領。

しかし、国民が直面しているのはまさしくそうした矛盾だ。皆さんもご覧になったであろう、我等が大統領の姿を---神経質に手を隠したり、我慢できずに水の入ったグラスをいじったり、焦るあまり“ウィスキーが欲しい!”表情をしてみたり・・・視聴者はこう思うはずだ:「なんてこった!こんな奴がアルカイダから国を護ることになってるのか?」

テロとの戦いにどうやって勝利するおつもりですかね?大統領?

「まず言いたい---オサマ・ビン・ラディンがわが国を攻撃したということぐらい、私だってわかっている」と大統領。ええと、それが前提でしたね。確かに。

まあ、片方に固執するのは止めにしよう。ここはアメリカ、勇士の溢れる国・・・学校で習う限りでは、国民は大統領選挙に参加できるし、投票はきちんと数えられているはずだ。そこで、大統領の隣に立ってる背の高い人物に注目してみるとしよう。

「(イラクでは)兵士の数は充分ではない」とノッポさんは仰る。そうなんですか上院議員?じゃあもっと兵士を送り込む?そうでもないらしい:ノッポさんはわが国の兵士を撤退させる計画をしているのだ。彼は「連合国」と話し合い、その後連合国は自分達の子供をファルージャにボランティアとして送ることに大挙して同意するらしい。フランス、インドネシア、クウェートは兵士と一緒に死体袋を輸送したくてワクワクしているというわけだ。愛してるぜ、ジョン---しかし仲間のホビット達は助けに来てくれないんだよ・・・あれは映画だけの話さ。

まあ、彼でも「大統領っぽく」見えなくもない。しかし、ニクソン、フォード、ブッシュ親子に並べてみれば、それほど見栄えがするともいえないだろう。

申し訳ない。ケリーがゴアみたいなヘマをやらなかったことを賞賛すべきだとは承知している。実際、大手メディアの放送で大統領討論会を観た人が、オリンピックのフィギュアスケートの要領で採点するなら、ケリー候補の勝ちと言えるだろう。

しかし私が感じているのは、私達は何ひとつ勝利できないということだ。

(司会者の)ジム・レーラーから、アメリカをテロリズムから護るために何をしたらいいかと聞かれて、ノッポさんはもっと消防士を雇い入れると答えている。そして警官の増員もするそうだ。ひょっとしたら、彼は市長に立候補してるつもりなのかもしれない。

ノッポさんの回答にはがっかりしたが、おチビさんの回答は率直に言ってゾッとするものだ。「(わが国は)もっと攻撃的になるべき」で、しかも「ずっと攻撃的であるべき」で、さらに「繰り返すが、ずっと攻撃的であるべき」だそうだ。オチビさんが極端に攻撃的なのは間違いないが、悪人たちがどこに居るかもわからない状況では、その攻撃性も正しい方向に向くはずもない。これに関しては、彼は無知も同然だ。

私がノッポさんの口から聞きたかったのはたったの2語:「サウジ」と「アラビア」だ。彼が率直にこう言ったとしたらどうなったろう:「テロリスト達はハイジャックにクレジットカードを使っているわけじゃないんです、大統領殿。連中を支援するサウジ王家は戦争で高騰した石油価格で膨れ上がっているんですよ。それなのにあなたの湾岸の仕事仲間達はお咎めなしですか?大統領殿。最高指令官として、私なら取引を停止して、戦略石油備蓄(Strategic Petroleum Reserve)から石油を使うだろう。それから米国にある彼等の財産を没収して、テロ遺族への補償にまわすつもりだ」

大統領が国民に伝えてきた大嘘についてノッポさんが尋ねられたとき、おチビさんがイかれた聖戦に勝ち損ねたことよりも記憶に残る事実は他にいくつでもあったのだ。

以下は私の夢の中でノッポさんが言った内容である:

  • 「2001年3月の初旬から、あなたの政権は石油企業の重役達と会議を重ねて、イラクの征服と油田の支配について打ち合わせた。アメリカ人たちの血を代償にする計画だ。あなたはそれを“イラク解放作戦(Operation Iraqi Liberation)”と名づけたが、オ・イ・ル(O.I.L.)なんて洒落を賞賛することはできませんね、おチビさん」


  • 「バグダッド陥落から1ヶ月後、あなたはジェイ・ガーナー将軍をイラク責任者として指名しておきながら、彼がナジャフでの早期選挙を要求し、イラクの油田を売却するというあなたの計画をガーナー将軍が拒否した途端、彼を解雇しましたね。ナジャフでは、住民は投票を否定して、武器を手にすることになった。そして、ガーナー将軍が予測したとおり、植民地支配を企みイラク資産を没収したことは結局戦争に繋がったのだ」


  • 「チビさん、あなたは中東で何千もの人々に民主主義をもたらしたと宣言しましたね。しかし今のところ、あなたの言う民主主義は、結局のところ、アメリカがイラクに設置した傀儡政権と、サウジ王家がワシントンに設置した傀儡政権に行き着いてしまったんだ」

まあ、上記の全てを大統領討論会に期待するわけでもない。どうせ放送に見合った発言しか流れないのだ。しかしそれでも、ノッポさんはたった2語で私の票を獲得できるかもしれない。30年前、現在と同じような質問をされた時、ジョン・ケリーはたった2語で答えてみせた。---「この悲惨な戦争からどうやってわが国の兵士達を脱出させるつもりなのか?」

当時、澄んだ心を持っていた背の高い若者はこう言ったのだ。「船で。(In ships.)」



2004/09/28

ブッシュ版「民主主義」が子供達を殺す

共和党全国大会でのスピーチで、ブッシュ大統領は「貧しい子供たちのために、新たに10億ドルを国家予算から拠出し」政府の抱える二つの低所得者向け医療保険制度に充てると約束した。

そのスピーチから1週間後、ブッシュ政権は低所得家庭児童向け医療保険基金(State Children's Health Insurance Program)から11億ドル財務省に戻す計画を提案した。

このブッシュの政策転換(簡単にいえば“嘘”だ)により、2005年度には新たに75万人の貧しい子供が医療保険を失うことになるという。しかしこれは、ブッシュ政権の得意な「カメラ前民主主義」が生み出す犠牲のほんの一部に過ぎない。

9月21日、国連総会演説でブッシュ大統領は「民主化基金」の設立を提案した。基金の目的は「法治国家に必要な裁判制度や報道の自由、複数政党制などの整備に必要な資金を途上国に支援するほか、選挙監視活動の支援」ということだ。

当面の間、「民主化基金」の資金は米政府が提供するとブッシュは主張している。しかし国連総会に参加した他国の閣僚たちは(日本政府はともかく)ブッシュの提案を全く信用できないと感じているだろう。米政府がイラク復興用に拠出した184億ドル(約2兆468億円)の内、今年6月22日までにイラク現地で使われた金額はその僅か2%の3億6,600万ドル(約407億円)。しかも拠出された資金の大部分は暫定占領当局(CPA)の維持費用であり、「イラク復興資金」の設立目的であるはずの建設、医療、公衆衛生、水道設備のためには1ドルも使われていない

ブッシュ政権が、自分達で破壊した国の復興のために国民から集めたはずのお金を、ハリバートン他米企業の金庫に大切に保管している間(多くはファルージャ他の爆撃のための費用に拠出される)、イラク復興のために実際に資金を提供している国がある。イラクだ。すでにイラク国民は、自国の資産である石油の売り上げ金約200億ドルを、自国の復興費用として拠出している---より正確に言えば、復興費用に使われているとイラク国民は信じて、暫定占領当局代表のルイス・ポール・ブレーマー三世に手渡しているはずだった。

代表者のおおげさな名前から著名な窃盗犯を連想された方は、鋭い勘の持ち主だ。結局のところ、暫定政府当局に渡ったイラク石油売り上げ金の大半は紛失し、CPA関係者達は27件の不正会計容疑で調査されることになったのである。(8月までの調査で、少なくともイラク石油売り上げ金のうち、19億ドルは、ハリバートン、ハリスコーポレーション(フロリダ企業)に渡ったことが判明している。)

アメリカ企業がイラクで他人のお金を使ったマネーゲームに興じている間に、現地の水道設備は壊れたまま、医療施設も薬品も不足したまま、衛生環境も悪く栄養不良状態のイラク住民の間には感染症が蔓延し、不発弾、地雷、米軍の爆撃から逃れることもできず、イラク保健省の話では1ヶ月間に約3,000人---1日平均100人のペースでイラクの子供が死亡しているという

ハーバード・ ビジネス・スクールでMBA(経営学修士)を獲得したはずの合衆国大統領に、正しい目的のためにお金を使って、正直に会計報告させるということがこんなにも困難だと、誰が想像しただろうか?

イラク復興を本気で考えるなら、日本政府は武器を持った自衛隊員を派遣するよりも、医療器具を持った医者と、電卓を持った会計士を大量に派遣すべきかもしれない。

2004/09/08

シュワルツェネガーのスピーチは失言の宝庫

国際政治に関心のある方なら、ブッシュ大統領こそアメリカ史上最も馬鹿なスピーチをする政治家と思っていることだろう。しかしアメリカは広い・・・下には下が居るのだ。スピーチに関して言えば、アーノルド・シュワルツェネガーはまさしくブッシュの後継者にふさわしい。

共和党大会でのシュワ氏のスピーチに比べれば、かつてターミネーター役で彼に与えられたセリフは、遥かに効果的で拝聴に値するものだったように思う。アーノルド・シュワルツェネガー氏は、自身のアクションシーンと同じように、政治舞台でのスピーチでは代役を立てるべきだったのだ。

今回は、ガバネイターが2004年8月31日の共和党全国大会で行ったスピーチを一部翻訳しながら、観客に混じって野次を飛ばす気分で解説しよう。(スピーチ全文source)

スピーチの冒頭、シュワルツェネガー氏は、多分誰も思い出せない類のB級アクション映画に言及した。

「私の出た作品に『トゥルー・ライズ(ホントの嘘:True Lies)』という映画があるが、民主党大会はまさしくそう呼ばれるべきだった」

(one of my movies was called "True Lies." And that's what the Democrats should have called their convention.)


映画「トゥルー・ライズ(True Lies)」はシュワ氏演じる政府の諜報部員が、妻の浮気調査のために政府機関を私物化し、あげくは妻を拘束して尋問する変態夫の話だ。「家族の価値」を重んじる共和党員にいかにもふさわしい設定じゃないか。(拘束と尋問といえば、アブグレイブ刑務所の事件はどうなった?)ところで、そんなくだらない作品に主演した自分のことを棚に上げて何をおっしゃる。
「私はニクソン(共和党)とハンフリー(民主党)の大統領選テレビ討論を観ていた。ドイツ語と英語を話す友人が通訳してくれた。ハンフリー候補が語る内容はまるで社会主義者そのものだった・・・それは私が(当時のオーストリアに)捨ててきたものだ。・・・それからニクソンのスピーチを聞いた。ニクソンは自由企業経済について語り、国民を政府の重荷から解放し、減税をして軍隊を強化した。(観客の拍手)ニクソンのスピーチはまるで新鮮な空気みたいだった。私は友に聞いた。“彼の所属する党は?”友は答えた。“ニクソンは共和党だよ”それで私は言った。“それじゃ、私も共和党員だ”・・・それ以来、私はずっと共和党員だ」

(I remember watching the Nixon-Humphrey presidential race on TV. A friend of mine who spoke German and English translated for me. I heard Humphrey saying things that sounded like socialism, which I had just left. Then I heard Nixon speak. He was talking about free enterprise, getting the government off your back, lowering the taxes and strengthening the military. (APPLAUSE) Listening to Nixon speak sounded more like a breath of fresh air. I said to my friend, I said, "What party is he?" My friend said, "He's a Republican." I said, "Then I am a Republican." )

イジワルなシュワルツェネガーの友人はウォーターゲート事件について教えてくれなかったのだろう。ところで記録によるとニクソンとハンフリー候補の大統領選テレビ討論会は行われていないらしい。これぞまさしく「トゥルー・ライズ」だ。
「私がアメリカで学んだことの一つは、一生懸命働き、ルールに従っている限り、この国は誰にでも開かれているということだ。何でも成し遂げることができるんだ」

(And one thing I learned about America is that if you work hard and if you play by the rules, this country is truly open to you. You can achieve anything.)

シュワ氏のスピーチを真に受ける方々は、大会の直前に配信された「米国の貧困率、3年連続で上昇』という新聞記事を読む機会もないのだろう。現在貧困に苦しんでいる3,590万人、あるいは医療保険受給資格のない4,500万人のアメリカ国民(特に南部で急上昇らしいが・・・)は、シュワルツェネガー氏に言わせるとルールに従わない怠け者というわけだろうか?
「我が同胞の移民の皆さん、アメリカ人の皆さん、自分が共和党であると自覚するのはどんなときだろう?・・・それでは、教えてあげましょう。もしあなたが、国民が政府に対してではなく、政府が国民に対して説明責任があると信ずるなら、あなたは共和党員だ。」

(My fellow immigrants, my fellow Americans, how do you know if you are a Republican? Well, I tell you how. If you believe that government should be accountable to the people, not the people to the government, then you are a Republican. )

シュワ氏の言うとおり、最近のアメリカ政府は国民に対して説明責任を果たしていない。アメリカ国民は、テロ対策と無関係なイラク戦争を始めた本当の理由を説明されていないし、911テロ直後にビン・ラディン近親者とサウジ関係者だけが合衆国からの渡航を許された理由も知らされていない。国防総省内部のイスラエルスパイ疑惑についてはアッシュクロフト司法長官が必死で捜査妨害しているし・・・CIA工作員の名前をボブ・ノヴァックにリークした犯人はどうなった
「もしあなたが、利益集団のメンバーとしてではなく、個人として扱われるべきと思うなら、あなたは共和党員だ」

(If you believe a person should be treated as an individual, not as a member of an interest group, then you are a Republican. )

この話題はマズイな、ガバネイター君。今回の共和党大会の責任者デビッド・ノークロスは防衛産業のロビイストとしてタイムズ紙で紹介されてるし、ブッシュは親子揃ってカーライル投資グループの役員で、副大統領は元CEOとして古巣のハリバートンを褒めてるじゃないか。おまけに今度カリフォルニア州知事になったオーストリア人の共和党員はエンロンCEOとロスチャイルド銀行の支援で立候補できたことは皆知ってる。全員共和党員失格ってことか?
「もしあなたが、政府よりも自分の家族のほうがあなたのお金を賢く使う方法を知っていると信ずるのなら、あなたは共和党員だ」

(If you believe your family knows how to spend your money better than the government does, then you are a Republican. )

経済の話題も共和党大会ではタブーだ。ブッシュ政権の作った04年度(03年10月-04年9月)の財政赤字は過去最悪の5,210億ドル。ブッシュの応援演説をするはずだったのに、シュワ氏は皮肉を言っているのか?
「もしあなたが、わが国の教育政策は児童の成長について責任を負うべきと信ずるなら、あなたは共和党員だ」

(If you believe our educational system should be held accountable for the progress of our children, then you are a Republican. )

シュワルツェネガー氏自身の成長にいちばん役立ったのは教育システムではなくて筋肉増強剤だと信ずるのなら、あなたはオハイオ州の「Arnold Fitness Weekend」出場者だ。(注:Arnold Fitness Weekendはシュワルツェネガー氏が出資しているスポーツイベントで、出場したボディビルダー達がコンテストでドラッグを使用した(ステロイド剤)という容疑でイベント全体が捜査対象となっているが、自身もドラッグ使用者であるシュワ氏は事態に沈黙している
「もしあなたが、国連ではなくて、アメリカ合衆国こそが民主主義への最高の希望だと信ずるのなら、あなたは共和党員だ」

(If you believe this country, not the United Nations, is the best hope for democracy, then you are a Republican.)

この世界には、少なくとも2種類の人々が国連をひどく嫌っているテロリストとアメリカ共和党員だ。国連をそんなに嫌うのなら、さっさと国連本部をニューヨークから別の国に移転させたらどうだろう
「わが国の経済状況に悲観的な批評家達に私は言いたい:景気について女々しいことを言うな!

(And to those critics who are so pessimistic about our economy, I say: Don't be economic girlie-men. )

「政府は国民に説明責任がある」とさっき言ったばかりなのに、経済政策の失敗についての説明がこれでは・・・そういえば現カリフォルニア州知事も同じことを地元で言ってたな。ところで共和党の友人たちは、シュワルツェネガー氏にPC(politically correct)という言葉を教えてあげないのか?
ウォーレン・バフェット、シュワルツェネガー、ヤコブ・ロスチャイルド卿

支援者と記念撮影:(左から)ウォーレン・バフェット氏、シュワ氏、英ロスチャイルド家当主ヤコブ・ロスチャイルド卿(source


2004/09/07

オクトーバー・サプライズ:オサマ・ビン・ラディン拘束済み?

8月上旬に、パキスタンの北部(チトラルとペシャワールの近辺)で、パキスタン治安警察がオサマ・ビン・ラディンを拘束した」という未確認情報がネットに出回っている。

これは単なるデマだろうか?この情報の指す拘束時期を考えると、全くのデタラメとも言い難い。


ジョセフ・コーファー・ブラック

元CIAの“テロ対策コーディネイター”コーファー・ブラック:「オサマ拘束は迫っている」

すでに過去記事で触れたとおり、パキスタン政府は7月にブッシュ政権から「アルカイダ幹部の拘束」を依頼され、ブッシュ再選チームに有利な7月末に、約束通りアルカイダ幹部(アフメド・ハルファン・ガイラニ)の拘束を発表している。ガイラニの拘束時に、オサマ・ビン・ラディンも同時に拘束されて、すでにパキスタン政府施設に監禁中という可能性は充分ありえることだ。

偶然にも、この未確認情報が出回った直後の9月3日、AP通信が重要な情報を配信した。米政府のテロ対策コーディネイターであるコーファー・ブラック氏(元CIAエージェント)が、その日に行われたパキスタン政府とのテロ対策会議直後に「オサマ・ビン・ラディン拘束は間近」と自信タップリに取材に答えていたというのだ

仮にオサマ・ビン・ラディン拘束のニュースが10月中旬に配信されたら、ブッシュ再選支持率は急上昇するだろう。それでも支持率が期待以上に伸びなければ、ブッシュは再び国内テロをでっち上げて・・・今度はイラン政府に罪をなすりつけるかもしれない

2004年も残り4ヶ月・・・またしても不安な年末が近づいている。

2004/09/03

アメリカの選挙と人種差別:フロリダだけではない

他国に押し売りするほどに民主主義を誇るアメリカで、今、現実に何が起こっているのか?

2000年大統領選挙時に、フロリダ州で共和党による大規模な不正行為があったこと---知事であるブッシュ弟の指示により黒人住民の投票権が不当に剥奪され、大量の少数民族票がカウントされなかった---については、イギリスを始めヨーロッパ、アジアでも広く報道されており、政治に関心のある人であれば大抵が知っている事実だ。
(もちろん例外もある。日本の大手メディアは2000年大統領選挙について未だに正確な報道を行っていない)

2004年8月25日、合衆国の二つの有力市民団体、NAACP(全米有色人種向上協会)とPFAW(People for the American Way)が、「ジム・クロウ(黒人差別法)の長い影:今日のアメリカにおける有権者への脅迫と弾圧The Long Shadow of Jim Crow: Voter Intimidation and Suppression in America Today)」というレポートを共同リリースした。NAACPのジュリアン・ボンド委員長によれば、「投票者への脅迫と弾圧は、民主党が黒人票をより多く獲得している状況に対抗するために、共和党が用いる常套手段になりつつある」という。

共和党全国委員会広報担当のクリスティン・イバーソンはこのレポートに激怒して「これら二つの市民団体は単なる出来事を陰謀論に仕立て上げて、民主党のジョン・ケリーがブッシュ大統領を打ち負かせるように手助けしようとしている」とワシントンポスト紙の取材に回答している。しかし彼女は、共和党が行っている選挙における有色人種差別活動については否定できていない。

CNN、フォックス他大手メディアが必死で無視するアメリカの恥部は、地方メディアでは頻繁に報道されている。以下に、最近のアメリカ国内選挙における人種差別の実例を挙げてみよう。(source:The Long Shadow of Jim Crow: Voter Intimidation and Suppression in America Today、他地方ニュースサイト)

  • 20年ほど前から、共和党は「投票保安」「投票者の質的向上」という名目で、有色人種への組織的な攻撃活動を開始している。少なくとも過去に3度、共和党による選挙妨害活動は法廷闘争へと持ち込まれている。

    最初の事例:1981年、ニュージャージー州で、武装警備員によるヒスパニック系、アフリカ系アメリカ人有権者への妨害事件が発生、同時に郵便による投票権侵害行為が明らかになった。

    第二の事例:ニュージャージーの事件から6年後、同じタイプの「投票保安」活動がルイジアナ州、ジョージア州、ミズーリ州、ペンシルバニア州、ミシガン州、インディアナ州で行われていたことが発覚。暴露された共和党全国委員会の記録によれば、ルイジアナ州だけで6〜8万人の有色人種が投票から排除されたとされている。(1986年、ルイジアナ州知事選では、選挙管理事務所の共和党員が1万人の黒人の投票権を剥奪した事件が発覚している。)

    第三の事例:それからさらに3年後の1990年、ノースカロライナ州の上院議員選挙では、共和党候補ジェシー・ヘルムズの選挙チームが、「投票時に住民登録証を表示しないと逮捕される」という嘘が書かれたニセ選挙連絡ハガキを、125,000世帯(アフリカ系アメリカ人が97%を占める)に配布、アフリカ系アメリカ人有権者を投票所から遠ざけた。
  • 1988年の大統領選挙では、カリフォルニア州オレンジ郡の投票所に制服を着たガードマンが現れ、ヒスパニック系住民の投票を妨害したガードマン達は共和党が雇い入れていた
  • 1998年、サウスカロライナ州の黒人居住区で、州議会議員が、「警察当局は選挙日に捜査活動を行う」と書かれたパンフレットを3,000枚ほど配布し「刑務所に行く犠牲を払ってまで投票する必要はない」と有権者を脅迫した。
  • 2000年の大統領選挙時、フロリダ警察は異例の交通警備を実施して、黒人有権者が投票所に行けないように威圧した。フロリダ警察は貧困層の多く住むレオン、ベイ、エスカンビア郡の道路を封鎖し、免許証、住民登録証を検査、レオン郡に至っては無許可の道路封鎖を実施し、投票所から2マイル離れた場所に150台以上の車を停車させた。
  • 現在、フロリダ州オーランド地区では、武装した州捜査当局の私服捜査員が、2003年度市長選挙の不正捜査の調査と称して、黒人のお年寄りが住む住民宅へ個別訪問を繰り返している。地元住民はこの行為を、黒人住民の2004年度大統領選挙参加を諦めさせるためのフロリダ州当局による威圧行為と批判し、司法長官に人権侵害を訴えている(司法に訴えるのは無意味だ。フロリダ州知事はブッシュ弟、司法長官は・・・)
  • サウスダコタ州では、共和党員が運営する選挙管理事務所によるアメリカ先住民への差別が継続している。2004年には、法律の裏づけがないにも関わらずアメリカ先住民、黒人他有色人種に写真つき身分証明書の提示を要求している。(当然ながら白人には要求されていない)

    サウスダコタのアメリカ先住民は約16,000人で、大半が民主党支持者。先住民は免許を持っていないことが多く、写真付き身分証明書を提示できない

    2003年に地元の選挙管理事務所を共和党員が占めてから、写真つき身分証明書の提示を求める条例が制定されたが、写真つき身分証明書を持っていない場合は宣誓供述書に署名すれば投票できるという適用除外がある。それにも関わらず、ほとんどのアメリカ先住民は投票所の職員から威圧され、証明書の携帯と提示を強制されている。しかも公共の広報システムが整備されていない田舎では、この身分証明書提示の件は投票日の当日に初めて有権者に知らされるという。(source

    現在、フロリダ州、ミシシッピ州、ミズーリ州でも、同じように有色人種住民に対して投票時に写真付き身分証明書の提示を求めているという。(ブッシュ政権により新しく制定された投票支援法(The Help America Vote Act)は全州に写真付き身分証明書の提示を求めているが、多くの州が反発している。)
  • 2002年、ルイジアナ州の黒人居住区で、「上院議員選挙の投票日は12月10日火曜日です」というチラシが配布された。実際の投票日は12月7日だった。
  • 2002年のアーカンソー州上院選挙では、共和党選挙調査委員が、投票にやってきた黒人有権者の投票シーンを写真撮影して、嫌がらせをした。
  • 2003年、フィラデルフィアでは、法執行機関を偽装した記章付きの黒塗りセダン300台ほどが、黒人居住区で投票行為を妨害した。
  • 2004年初頭、テキサス州ウォーラー郡で、地元の地方検事が、黒人が多数を占める地元大学に在籍する学生は投票資格がないと説明した。26年前に、この土地では連邦裁判所が学生への人種差別を禁止している。
  • 2004年7月、ケンタッキー州の黒人共和党員が、同州の共和党委員会委員長に、アフリカ系アメリカ人居住区での投票妨害計画を見直すよう申し入れている
  • 2004年夏、ミシガン州の共和党議員ジョン・パパジョージ氏の発言:「デトロイト住民の投票を弾圧しておかないと、今年の選挙は我々にとって苦しくなるぞ」(デトロイト住民の83%はアフリカ系アメリカ人が占めている)
  • 現在、テネシー州ナッシュビルの下院議員に立候補している共和党のジェイムズ・L・ハート氏の公約は、アメリカ全土に優生学(eugenics)浸透させることであるという

    同氏は、政府が移民流入を禁止し、福利厚生を停止しなければ、アメリカ合衆国は「巨大なデトロイトになってしまう」と警告している。他にもハート候補は「全ての白人家庭はその児童も含め防弾チョッキと銃を携行すべき」と主張している。(この危険な共和党候補は、既に予備選挙で勝利している

国内選挙にこれだけの差別問題を抱えながら、ブッシュ大統領は何をしているかというと・・・
  • 2004年、アリゾナ州に遊説に来たブッシュ・チェイニー選挙キャンペーンの選挙事務所に、地元新聞の記者が取材を申し込んだ際、「取材に来る記者の人種を教えてくれ」と言われ話題になっているアリゾナにはアメリカ先住民が多く居住し、記者も先住民系であった

    ブッシュ選挙チームの広報担当者によれば、取材者の人種を記録することは「シークレットサービスが報道関係者を識別するために必要」だとしているが、取材を申し込んだ企業によって対応を変えていることが明らかになっている。(ブッシュ・チェイニー遊説の際に取材申込をする記者は、人種情報の他、事前に名前、生年月日、社会保険番号を申告する義務があるという)

・・・どうやら、ブッシュ政権は中東地域での民主主義販売に忙しく、合衆国や自身の選挙チームの人種差別問題にまで手がまわらないらしい。

今年の大統領選挙の投票日、マイケル・ムーアや欧州安保協力機構(OSCE)の選挙監視団はフロリダ州の投票状況を監視するというが、選挙不正はフロリダだけではないので、間に合わない可能性が高い。だいいち、たいていのアメリカ人は「監視」などという消極的な手段よりも、積極的に「民主化」するほうを好むだろう。(他国にもそれを勧めているのだ)

一方で偶然にも、米国の最友好国を自称する(イスラエルを考慮に入れていない)日本政府内では、防衛庁が自衛隊の海外活動を本来任務にしようと躍起になっているらしいから、自衛隊の実績を積む意味でも、日本政府には、ぜひともアメリカ合衆国全土に自衛隊による選挙民主化部隊を派遣してもらいたい。そうすれば似たもの同士で退屈な今年の大統領選挙をよりエキサイティングに演出できて、大手メディアは視聴率急上昇に大喜びだろう。

ついでながら、派遣される部隊の先頭は、見栄えのしない石破長官よりも、よりエキゾチックなお遍路さんスタイルの菅氏に任せたい。四国霊場八十八カ所巡りの次は、合衆国50州投票所巡りこそがふさわしい。(日テレの24時間テレビ放送チームも同行させれば、菅氏の名誉回復イベントにピッタリだ。)

2004/08/27

共和党全国大会の影で・・・(3)共和党支持者が隠したい経済効果

8月30日からニューヨークで開催される共和党全国大会は、開催地にどのようなメリットがあるのだろう?市の観光当局が「約2億6,500万ドルの経済効果」といえば、市会計検査当局は「3億900万ドルの損失」と愚痴をいう。しかしニューヨークの地元新聞によれば、党大会開催によって売り上げが確実に急上昇する職種があるという。

・・・というわけで、ニューヨーク・デイリーニュース2004/06/28付け記事の一部を以下に翻訳して掲載する。
(デモクラシー・ナウ!のエイミー・グッドマンはこの件の後追いとしてインタビューを実施している)

「性のプロフェッショナル、党大会に準備OK」
( Sex pros get ready for party )

ニューヨーク・デイリーニュース2004年6月28日付記事:ホセ・マルティネス記者


何千もの共和党員と支持者がニューヨークにやってくるこの夏、高級エスコートサービス女性とストリッパー達は党大会に向けて準備を進めている。

8月30日から9月2日の間にマジソン・スクエア・ガーデンで開催される共和党大会に向けて、参加者のあらゆる嗜好にあわせるために、「代理店」は世界中から売春婦を集めるために奔走しているのだ。

「(党大会の週には)ロンドン、シアトル、カリフォルニアから女の子達を呼び寄せてますわ」マンハッタンのエスコートサービス業の女主人は語る。「稼ぎ時ですからね」

「大変な売り上げになると思います」ミッドタウンのエスコートサービス受付担当者も同意している。

1時間の付き添いからそれ以上のサービスを取り扱い、300ドルから1,000ドル以上の料金設定をしているエスコートサービス提供業者にとって、党大会はいつも稼ぎ時だという。

「どの党派なんてのは関係ないんです」1時間に500ドルを課金するカリフォルニア女性のロビン・フューは語る、彼女は現在、労働者擁護団体「性労働者福祉計画(Sex Workers Outreach Project)」を率いている。「買いたいときはいつでもどうぞ」

エスコートサービス業者達は、好色な共和党員からの予期せぬ利益へ期待を膨らませている。

「なんでも用意できますよ。ホテル、飛行機、広告でもなんでも」別のエスコートサービス業者が言う。「普段は30人の女の子も、党大会の週は60人に増やしますよ」

政治集会は、長きに渡り性風俗産業にとって恵みをもたらすイベントとなってきた。

1992年にニューヨークで行われた民主党大会では、マジソン・スクエア・ガーデン前に停められたトラック上でビキニを着た女性によるオイルレスリングが実施され、女性たちはトップレスとなっていた。

1996年にサンディエゴで開催された共和党大会では、代議員たちの懐を探るエスコートサービス業者が共和党に新たな呼び名を与えたという。曰く、「共和党:古き良き快楽の党(GOP: Good Old-Fashioned Pleasure)」。
(以下略)

ニューヨークのエスコートサービス業界が売り上げ上昇を期待するのも無理はない。共和党全国大会には、「古き良き快楽」に関して数々の逸話を残すアーノルド・シュワルツェネガー知事がブッシュ応援のためにやってくるからだ。(ガバネイターがブッシュ応援の見返りに何を期待しているかは、誰でも想像できよう。最近のシュワルツェネガー氏は、メディアに登場するたびに、カリフォルニア州の話題から話を逸らして、外国人でも合衆国大統領になれるよう、合衆国法の改正(ブッシュ流に言えば「規制緩和」)をひたすら主張している。)

さて、経済効果の話はともかく、党大会で乱痴気騒ぎをするアメリカの政治活動と、首相が料亭で芸者と戯れながら政策を決めている日本の政治活動では、どちらが自国民の信任(あるいは軽蔑)を集められるだろうか?

2004/08/25

共和党全国大会の影で・・・(2)ブッシュの成果自慢は逆効果?

「全ての児童に優れた教育を施すために学校の改革に取り組むとなれば、成果が大切だ。 家族がより多くの手段と選択肢を得られるよう医療保障改革に取り組むとなれば、成果が大切だ。 わが国の経済状況の改善と雇用の促進に取り組むとなれば、成果が大切だ。 私たちの国をより安全にしてテロの脅威と闘うならば、成果が大切だつまり大統領を選ぶとなれば、成果が大切なのだ。」

---ジョージ・W・ブッシュ(2004年7月30日、ミズーリ州スプリングフィールドでの遊説にて)

現在、ブッシュ選挙チームは「成果が大切(results matter)」というキャッチフレーズを前面に、キャンペーンを続けている。ブッシュがホワイトハウスを乗っ取ってから、良い成果が出ているかのように大衆をミスリードすることを意図して作られた見事な標語だが、「成果」を数字で評価する米国社会にあって、これほど反論を導きやすい戦略はないだろう。ブッシュ政権の「成果」について、ブッシュ自身のスピーチに沿って以下に記してみた。(source:The Progressive TrailThe Center for American Progress Claims vs. Facts Database

教育:
  • ブッシュ政権が誕生してから、4年制公立大学の学費は35%上昇した(平均年額1,207ドルの増加)。
  • ブッシュの「落ちこぼれゼロ法」の施行により、合衆国内の学校予算は2004年度だけで94億ドル(約1兆316億円)も減額された
  • 2004年度予算で、ブッシュは3万人分の教師訓練プログラムを削除し、自身の提案した「落ちこぼれゼロ法」で要求されている9万2,000人分の教師の訓練プログラムも予算不足で実施されていない
  • ブッシュの2004年度予算では、若者向け職業訓練プログラム(Youth Opportunities Grants)予算は全額(4,800万ドル)削除されている。
  • 全米州議会議員連盟によれば、ブッシュの「落ちこぼれゼロ法」の内容に23の州が異議を申し出、連邦政府の補助を全面的に拒否してでも同法に従わないと決定する州もあるという。
  • ブッシュは、自身が法制化した「落ちこぼれゼロ法」の予算を、署名時に比べ270億ドルも減額している。
  • ブッシュ政権の2004年度予算によれば、児童の課外プログラム予算は40%減額されている。
  • ブッシュの2005年度予算によれば、パーキンズローン(大学生向け連邦学資貸付制度)の支出は4億2千700万ドル減額される予定である。
  • 「私の提案により最も予算が増額された省庁は教育省だ」とブッシュは語っているが、実際に最も予算が増額された省庁は国防総省であった。(142億ドル増加)

医療保障:
  • ブッシュ政権誕生後、医療関連の個人負担額は、平均25%上昇した。
  • 現在米国では4,400万人以上(ブッシュ政権誕生後に400万人増加)が医療保障を受けられない状態であるが、ブッシュの提案する2005年度予算では、低所得者向け医療扶助制度(Medicaid)予算は10年間でおよそ160億ドル減額される予定である。

景気と雇用対策:
  • 2001年から2002年の僅か1年間で、貧困家庭に属する18歳以下の児童の割合は、15.8%から16.3%に上昇した。
  • ブッシュ政権誕生から現在まで、新たに210万人以上が失業したままである。2004年の任期満了までに、ブッシュ大統領はフーバー大統領(第31代:1929-1933:共和党)以来最悪の失業率を記録する見込みである。
  • 一般教書演説で、ブッシュ大統領は5億ドルの雇用計画予算を宣言したが、その後同じ計画予算から7億ドルを削減した。
  • ブッシュは演説の度に米国の失業率を5.6%と主張し、「悪くない数字」と自画自賛して国民をミスリードしている。実のところ、現在米国では870万人が積極的に雇用先を探す失業者で、正社員になりたいがパートの仕事しか見つけられない労働者は490万人(過去10年で最大数)。仕事をしたいが「個人的に経済状態が悪すぎて」積極的に雇用先を探す余裕がない失業者は150万人。これら3つの層を合わせると、現在の合衆国の実質失業率はおよそ9.7%。ホワイトハウスの発表する「5.9%から5.6%に失業率が低下した」という内実は、積極的に雇用先を探していない失業者数を省いている。

国土防衛・テロ対策:
  • イラク戦争に触発された結果、アルカイダの組織力は以前より強大になり、現在では世界60カ国に18,000人のアルカイダ構成員が潜伏していると見られている。(国際戦略問題研究所の2004/05/25付けレポート)
  • 国防総省予算増額のために、合衆国内322地区の都市警備予算は25%以上減額されている。
  • 911テロ発生時に活躍した消防員達は英雄と呼ばれたが、ブッシュ政権の提案により合衆国内の消防署の予算はテロ後に1/3ほど減額された。約2億5千万ドルの地域消防署向け予算が削除された結果、アメリカ国内の防災体制はきわめて脆弱になっている。合衆国全土の消防署員はブッシュ政権の施策に猛烈に反発している。

まさしく、「大統領を選ぶとなれば、成果が大切」という言葉どおり、ブッシュ政権の4年間の成果を有権者が正確に知ることになれば、そして正常で民主的な選挙が実施されるとすれば、ブッシュは絶対に再選されないだろう。

そうした「無残な成果」に関する正確な事実が有権者の間に知れ渡ることを防止するために、ブッシュ陣営と共和党は様々な趣向を凝らしてマスコミを煙に巻こうとしている。

例えば、ブッシュとチェイニーの地方選挙遊説イベントの際に、マイケル・ムーアやその他「政治的に立場の偏った(by小泉首相)」ジャーナリストが取材に来ることを恐れたブッシュ選挙チームは、一風変わった入場制限をしている。演説チケットを入手するには、ブッシュ政権を支持するという誓約書にサインしなければならないのだ

しかし、共和党全国大会でそんな報道制限を設けたらすぐ話題になってしまうので、この方策はうまくいかないだろう。

そこで、ブッシュ政権の「無残な成果」を攻撃するヒマをケリー陣営に与えないように、ブッシュ陣営と共和党は「ケリーの軍歴は嘘」という虚偽情報に基づく無謀なPRキャンペーンを開始して、政策論議から国民の目を遠ざけようとしている。

なぜこのキャンペーンが無謀なのかといえば、お金で引っ張りだしてきたベトナム退役軍人の中には、ケリーと同じ時期にベトナム戦争に従軍していたことを「ケリーと共に闘った」と誇張する者がいたり、「嘘をついた」と謝罪する者もいたり、また実際にケリーと一緒にベトナムで高速艇チームに居た退役軍人もケリーの証言を裏付けているなど、ケリーを攻撃する当事者たちの嘘があまりにも簡単に暴かれてしまっているからだ。

しかも、このケリー攻撃キャンペーンの出資者であるボブ・ペリーという人物はテキサス州で最大の共和党献金者で、「ブッシュの頭脳」カール・ローブ大統領上級顧問の個人的な友人であることが暴露されている。さらに、ケリー攻撃騒動により再びブッシュ大統領自身の脱走兵騒動が再燃し始めている。(しかもブッシュの脱走兵騒動は事実に基づいている)まさしくブッシュ再選キャンペーンにとって逆効果なのだ。

このような失敗を繰り返している中、共和党全国大会後にブッシュ陣営が活動方針をどう変えていくかが、おおいに注目されている。やはり政府内で検討されているとおり「テロによる選挙の延期」を目指すのだろうか?

2004/08/23

共和党全国大会の影で・・・(1)復活したCOINTELPRO(敵対情報活動計画)

スプリングスティーンを攻撃するテレビ広告画面キャプチャ

「ブルース・スプリングスティーンはレーガンを批判し、ニューヨーク警察を非難し、ブッシュ大統領を弾劾しています。彼は歌で何百万ドルも稼いで、選挙への参加を呼びかけています。だから私も投票させてもらうわ。ボスをボイコットしましょう私はマリリン・オグレディ。保守派の上院議員候補です。私はブッシュを支持します。」(・・・つまり彼女は市民に選挙参加されては困るというわけだ)

8月30日からニューヨークで始まる共和党全国大会は、正式に共和党大統領候補として党から推薦される予定のブッシュ再選チームにとって大事なイベントだ。しかし党大会の警備という重責を担うブルームバーグ・ニューヨーク市長(共和党)をはじめ、共和党関係者が現在もっとも懸念している問題は、国土安全保障省が発するテロ警告ではなくて、「反ブッシュ」というキーワードらしい。

もっとも、共和党大会と同じ期間に近所で開催され、ブルース“ザ・ボス”スプリングスティーンが出演予定という「反ブッシュ」コンサートについては、すでに共和党の上院議員候補であるマリリン・オグレディスプリングスティーンを攻撃するテレビ広告に投資しているので、ブッシュ政権にとっては「対策済みの脅威」だ。

ブッシュ陣営が反ブッシュコンサート以上に警戒しているのは、共和党大会会場周辺での、反戦団体、環境保護団体、中絶権利擁護団体等による反戦デモ行進の勃発だ。ニューヨーク市長率いる警備当局は、先手を打ってセントラル・パークでの市民団体による反戦デモを禁止しているが、「合衆国憲法違反だ」と市長を訴える市民達に、共和党関係者は安心できないのである。(過去に触れたとおり、ブッシュ政権率いる共和党員とその支持者にとって、市民団体による反戦活動は「テロリズム」と定義されている)

そうした状況にあって、「民主主義との闘い」を得意とするアッシュクロフト司法長官は、共和党大会に市民団体が押し寄せることを防止するために、司法組織を総動員して、効果的な「対テロ活動」を開始することにしたらしい。

現在、FBIは反戦運動に参加経験のあるアメリカ市民の自宅へ片っ端から突撃訪問を実施している。FBI捜査官は訪問先の市民に夕飯のメニューを尋ねる代わりに、共和党大会に向けて反対運動を行う予定があるかどうか尋問し、活動を止めるよう威圧しているというのだ。この件をいち早く伝えたニューヨークタイムズ紙の2004/08/16付け記事を以下に引用しておこう:

「FBI、政治的に問題ある市民の住居へ個別に訪問を実施」

ニューヨークタイムズ紙2004/08/16付け記事より抜粋)

現在、FBIは、共和党大会での暴力的なデモ活動の発生を未然に防ぐための積極策として、合衆国全土にわたり、政治活動に参加する市民へ職務質問をするだけでなく、まれにそうした市民を当局へ召喚する活動を展開している。

FBI幹部は、捜査員たちを各地域住民宅へ個別訪問させて、共和党大会の開催地での騒乱を招く行為を計画に関する情報を捕捉し、騒動を引き起こす可能性のある市民のリストを作成していると話している。民主党大会にあわせて先月から開始されているこの捜査活動では、政治的意向の相違ではなく犯罪の可能性がある事例のみに注目して活動していると当局は説明している。

しかしFBIによって訪問された市民によれば、捜査当局の意図は明らかにされず、政治的活動に対して質問されたのは嫌がらせではないかと感じている。

21歳のサラ・バードウェルは、デンバーの反戦団体に所属し、2週間前に6人の捜査官から訪問されている。「(FBIの訪問で)感じたのは・・・当局はデモに参加しないよう私たちを脅して、こう言いたいのよ。“監視されてるんだぞ”ってね。」

サラ・バードウェルと仲間達

FBIから訪問を受けたサラ・バードウェルと仲間達。仲間と歩く姿はいかにも危険なテロリストに見える・・・と司法省は考えているらしい



司法省に率いられた、この異例ともいえる捜査活動では、インターネットを通じて資金集めや参加者募集をしている市民団体の情報等も、捜査資料として当局に蓄積されているという将来トラブルを起こす可能性がある(といっても反戦デモだ)というだけで犯罪者扱いなんて、スピルバーグの「マイノリティ・レポート」みたいじゃないかという批判もあるが、アッシュクロフト司法長官が「テロ対策」のためと言い張れば、合衆国愛国法の下、国民に逃げ道はない

強大な権力を託されたアッシュクロフト長官は、政敵への攻撃方法も一味違う。米航空業界のテロ容疑者リストである「搭乗拒否リスト('No Fly' List)」には、議会でのブッシュ批判の急先鋒として知られる民主党の重鎮、エドワード・ケネディ上院議員の名前も掲載されているのだ。おかげでケネディ議員は、地元ボストンからワシントンへ飛行機で往復するたびに「あなたには搭乗券を販売できません。理由は言えません」と空港職員に止められたという

もちろん、アッシュクロフトに「商用航空機に乗るな」と言われても、自家用機に切り替えるほどケネディ議員は馬鹿ではない。ケネディ議員は知っているのだ。ミズーリ州の上院議員選挙で、アッシュクロフトと席を争った民主党候補メル・カナハン氏は、投票日が間近に迫る2000年10月16日に、息子の操縦する小型飛行機に搭乗して選挙キャンペーンに向かった。しかしカナハン親子を乗せたセスナ335モデルは、離陸直後に操縦不能に陥り墜落カナハン親子と同乗者の三人は死亡したのである
(それから2年後の同じ時期、ミネソタ州上院議員選挙でも同じような事故が発生しているが、いずれもブッシュの周辺で起こる偶然の一部であろう)

後日ミズーリ州で実施された選挙で、死亡したカナハン氏に得票数で負けたアッシュクロフトは、2001年に誕生したブッシュ政権によって拾われたわけで、史上最悪の不人気閣僚といってもいい。

映画「華氏911」で、「鷹よ舞い上がれ(Let the Eagle Soar)」という自作の歌を聞かせてくれたアッシュクロフト長官。曲のタイトルからしてすでに充分狂っているが、この曲の歌詞カードは司法省内部で配布されていて、司法省職員は長官と共に職場で合唱する栄誉を与えられているそうだ。司法省の或る女性職員は、英ガーディアン紙の取材にこう語った。「あの歌を聞いたでしょ?本当に最悪よ

しかしアッシュクロフト長官は国民を感動させるために歌ったのではなく、国民に警告してくれていたのだ。今、彼の愛する鷹は、空高く舞い上がり、アメリカ国民を民主主義という敵から守るために、上空からジッと監視している

2004/08/17

他人に戦争を奨励する人々

ジョージア州の民主党上院議員マックス・クリーランドは、25歳の時にベトナム戦争に従軍し、戦友が足元に落とした手榴弾によって両足と右腕を失った。ベトナムで手足を失って帰還した兵士は6,878人、そのうち52人は三肢を失っている。クリーランド議員もその1人として、青銅星章と銀星章を叙勲している人物だ。

そして、クリーランド議員はブッシュ大統領をストレートに批判する数少ない議員でもある。

さて、アメリカにはビル・オライリー、ラッシュ・リンボーに代表される、極右評論家(Ultra right-wing pundit)という奇妙な職業がある。フォックスニュースチャンネルや保守系ラジオ局を根城にする彼等は、メディアに登場するたびに「イラクを爆撃しろ!」「反戦を唱える奴はテロリストか共産主義者だ」「大統領を批判する奴は恥を知れ!」「民主党員はアルカイダの味方」などと繰り返す。そして、驚くほどの視聴者を抱え、彼等の書く本は飛ぶように売れる。

彼等は報道済みの情報を歪曲し、他人を攻撃する際には実在しない発言を捏造する。また、「イラクとアルカイダは911テロの主犯」という誤解をアメリカ国民に信じこませる際に、彼等はブッシュ政権と共に重要な役割を果たしている。(このあたりは米メディア操作監視サイトMedia Matters for Americaに詳しい:わかりやすい動画もある

アン・カルター

アメリカの極右アイドル:アン・カルター

極右アイドルのアン・カルターもそうした扇動家の1人だ。従軍経験がない彼女は、ブッシュのベトナム逃れを批判するクリーランド議員を攻撃するために、自らのコラムで以下のように書いた。(2004/02/12付けTownhall.com(ヘリテージ財団の広報サイト)掲載コラムより抜粋)

「クリーランド議員が手足を失ったのは、日常業務である非戦闘任務中、戦友とビールを飲もうとしたときに発生した事故のせい。クリーランドは地面にあった手榴弾を見つけ、拾い上げただけ。フォート・ディックス(米陸軍訓練基地)でも起こりそうなことよ。実際、クリーランドは州兵(彼は“週末兵”と馬鹿にするけど)の時に手榴弾を落としたかもしれないわね。クリーランド自身の経歴とブッシュ大統領への尊大な態度は、ラッキーなことに、ベトナムに居る間にそうした出来事に遭遇したおかげよ。」

(Cleland lost three limbs in an accident during a routine noncombat mission where he was about to drink beer with friends. He saw a grenade on the ground and picked it up. He could have done that at Fort Dix. In fact, Cleland could have dropped a grenade on his foot as a National Guardsman ・or what Cleland sneeringly calls "weekend warriors." Luckily for Cleland's political career and current pomposity about Bush, he happened to do it while in Vietnam. )


もちろん、カルターが言うクリーランド議員の事故内容は全くの嘘である。実際には、クリーランドは敵が包囲するベトナムの戦闘地域にヘリで降り立った際、他の兵士が落とした手榴弾を発見し、自軍の被害を防ぐために自ら拾い上げたのだ

アメリカの保守派論客や、いわゆるネオコン陣営はメディア上で盛んに戦争を賞賛し、反論するものには暴言を吐き、戦争に反対するものを「裏切り者」と呼ぶ(アン・カルターの得意技)。「兵士を助けろ(Support our troops)」と人に言いながら、実際に戦争に従軍した兵士が反戦を主張した途端、平気で(嘘に基づく)人格攻撃を行う。そして、戦傷を負った兵士を中傷する。

現在も、ブッシュ陣営はベトナム戦争の退役軍人をお金で集めて、ジョン・ケリーの軍歴を侮辱させる選挙活動を行っている。(第三者団体をでっちあげてケリーを攻撃する周到さは、まさしく“ブッシュの頭脳”カール・ローブのやり方だ)それに沿う形で、ラッシュ・リンボーやオライリー、アン・カルターはケリーへの人格攻撃を同じセリフで毎日実施している。

なぜこれら「米国右派」の人々は、自国の兵士を平気で人格攻撃し、人が死ぬ戦争を賞賛できるのか?答えは簡単。彼等にとって戦場は他人事でしかないからだ。

米国では、戦争を賞賛・扇動しながら自らは従軍・戦場経験がない人々を「Chickenhawks」と呼ぶ。

以下に、米国の政治舞台に登場する共和党有名人達の軍歴を「ブッシュ脱走兵サイト」から引用しておこう。誰がChickenhawksに該当するかよく覚えておいて欲しい。

名前・肩書き軍歴と発言
ジョージ・W・ブッシュ大統領ベトナム逃れのためテキサス航空隊に親のコネで裏口入隊、成績が悪いために特別に個人講習を受けるが、コカイン所持がバレるのを恐れ脱走、給与のみ受け取る。「私は戦時大統領だ!
リチャード“ディック”チェイニー副大統領ベトナム徴兵拒否。「他に優先事項があった」と本人談。「もしイラク戦争に反対票を入れたりしたら・・・」
ドナルド・ラムズフェルド国防長官海軍飛行教官として三年勤務。戦場経験なし。「アフガニスタンはいい標的がないからイラクに爆弾を落とせ」
ポール・ウォルフォウィッツ国防副長官軍隊経験なし。「イラク国民は囚人虐待事件をあまり気にしていない
ジョン・アッシュクロフト司法長官軍隊経験なし
フロリダ州知事ジェブ・ブッシュ軍隊経験なし
カール・ローブ大統領上級顧問ベトナム徴兵拒否
ロナルド・レーガン元大統領(故人)第二次大戦中、入隊するも視力障害のため兵役免除。代わりに陸軍のプロパガンダ映画に出演。「爆撃隊に居た」と嘘をついたり、キューブリックの映画「博士の異常な愛情(Dr. Strangelove)」に憧れて大統領就任時に「WAR ROOMへ案内してくれ」と言うなど、現実と映画の区別がつかなかった。(source
コリン・パウエル国務長官ジャマイカ移民でブロンクス育ち。軍隊経験30年以上、ベトナム、朝鮮戦争に従軍。「金持ちの子息がベトナムを逃れるのは許せない」と自伝で告白。
下院・院内総務トム・ディレイ議員ベトナム徴兵拒否。「貧乏な少数民族の若者が金を稼ぐために軍隊を溢れさせたので、私のような愛国者が入隊することはできなかった」と語る。(source
ラッシュ・リンボー(極右タレント)軍隊経験なし。(アブグレイブ刑務所虐待事件について)「俺は連中がお楽しみしただけだといってるんだ。息抜きしただけさ
ビル・オライリー(極右タレント)軍隊経験なし。「もうイスラム世界に我々が干渉するのは止めにしよう。我々に出来ることは、連中を爆撃して徹底的に痛めつけることだ
ショーン・ハニティ(極右タレント)軍隊経験なし。「ジョージ・ブッシュの再選を神に祈りましょう
マイケル・サベージ(極右タレント)軍隊経験なし。「アメリカ国民の大部分はブッシュ大統領にアラブ世界に核爆弾を落として欲しいと願ってる。(中略)イラク戦争を、日本との戦争と同じようにして終わらせてやりたいんだ
ジョン・マケイン上院議員海軍戦闘機パイロットとしてベトナム戦争に従軍。母艦から離陸時に友軍の誤射で負傷。帰国する代わりに再度出撃し、撃墜されて5年間を捕虜として拘束された。銀星章、青銅星章、パープル・ハート勲章を叙勲。民主党大統領候補ジョン・ケリーは盟友。
アーノルド・シュワルツェネガー加州知事1965年にオーストリア陸軍入隊、脱走してボディビルディング大会に出場。優勝トロフィーを持って陸軍に戻りそのまま刑務所へ。軍事訓練を免除されボディビルダーの道に進む。戦場経験なし。(source)「どこかの国で独裁者となるか、イエスのような救世主になることを夢見ていた

2004/08/11

パウエル米国務長官、共和党大会欠席?

AP通信2004/08/10付記事より。

共和党内で慎重派として人気の高いパウエル米国務長官が、8月30日からニューヨークで開催される共和党全国大会を欠席する予定であるというニュースに、共和党関係者が動揺している。

共和党全国大会では、ブッシュ大統領が共和党の大統領候補として正式に指名される大事なイベント。それに欠席するとなれば、「ブッシュ再選不支持」と党内で受け取られかねない。

そういえば、11月の米国大統領選挙に欧州安全保障協力機構(OSCE)の選挙監視団を受け入れると国務省が発表した件も、民主党議員団の説得を受けて、パウエル長官が決定したものだ。(事実上ブッシュ政権誕生が選挙不正によるものであったことを国務省が認めたようなものだ)

パウエル長官は、ブッシュと違い、アファーマティブアクション(差別是正措置)と女性の中絶権利に賛成しているわけで、政策的にはケリー陣営により近い。コリン・パウエルはダンス以外に、世間をアッといわせる秘策を用意しているのだろうか?

2004/08/07

エドワーズの民主党大会演説ハイライト

民主党全国大会での、ジョン・エドワーズ副大統領候補の指名受諾演説からハイライトを以下に翻訳掲載。(原文とビデオ

---今夜、私たちがこの会場でお祝いをしている時間にも、アメリカのどこかで、キッチンテーブルに座る母親がいます。彼女は眠れない。彼女は請求書の支払いができるかどうか不安なのです。家賃と子供の食費を稼ぐために、彼女は毎日一生懸命働いています。彼女は正しい生き方を貫いているのに、ゆとりのある生活には程遠いのです。

かつては彼女の家ではそんなことはなかったんです。彼女の夫は軍の召集を受けて、もう一年以上もイラクで勤務しています。夫は先月帰ってくると思っていたのに、今ではいつ帰れるかわからない。

彼女は自分ひとりだけと思いつめる。しかし今夜、この会場や皆さんの故郷では・・・皆さんわかりますか?彼女には大勢の友人がいることになるのです。自分の言葉がきちんと聞かれていることを彼女に知って欲しいんです。彼女の家にも公平なチャンスが訪れるべき時期なのです。

私たちは、これからは、彼女のような人がゆとりある生活を送れるように、アメリカ国内に力を注ぎます。これから私たちはアメリカを世界から尊敬される国に変えて、彼女の夫を故郷に連れ戻し、アメリカの兵士がイラク戦争やテロとの闘いを独りで行う必要がないように力を注ぐのです。

ですから、これから家に戻り、母親を深夜勤務の仕事に送り出す時には、彼女にこう伝えてください・・・「希望はやって来る」と。

あなたの兄弟が電話で、オフィスで年中働いているのに出世できないと話す時は、彼に言うんです・・・「希望はやって来る」と。

あなたの両親が電話で、医療費が高すぎて支払いが追いつかないと嘆く時、両親にこう言ってあげてください・・・「希望はやって来る」と。

あなたの隣人が電話で、娘が大学に行くために必死に働いていると話した時には、彼女に言いましょう・・・「希望はやって来る」と。

イラクの自由を守るために、国家に身を捧げる子供たちと話すときは、彼等に伝えてください・・・「希望はやって来る」と。

朝起きて、子供とキッチンテーブルに座り、彼等にアメリカの偉大な可能性について話す時には、ジョンと私が心の底から信じているように、明日は今日よりももっと良くなると子供がわかるように話してください。

皆さんと同じように、私も人生から様々なことを学びました。もっとも大切なことを二つ挙げると、まず最初に、心の痛みや苦労は常にあるということです。もうひとつは、良き魂と強い意志を持つ者は、物事を変える力があるということです。片方は悲しい教えですが、もう片方は勇気を与えてくれます。私たちはアメリカ人なので、勇気づけられることを選択するのです。

私たちは絶望を超えて希望を選択するのです。問題を超えて可能性を選択し、悲観主義を超えて楽観主義を選択するのです。「できるはずがない」と周りに言われても、正しいことを行うことを選択するのです。私たちはもっとうまくやれることを知っているから、立ち上がることを選択するのです。このアメリカでは、全ては今でも可能なのです。

私たちの信じていること---ジョン・ケリーと私が信じていることは、決して他人を見下すようなことをせず、国民を奮い立たせるべきということです。国民を分裂させるようなことは信じていません。国民を団結させることを信じているのです。私たちが信じ、私自身信じていることは、アメリカにおいては、生まれた家族の状況や、肌の色によって、運命が決まってしまうことはあってはならないのです。

この運動に加わってください。アメリカ国内を強くして、世界から尊敬される国にしましょう。もう一度、ひとつのアメリカを目指しましょう。私たちのアメリカです。今日よりも良い明日はきっと来ます。どうもありがとう、皆さんに神のご加護を。


極めて巧みに構成されたスピーチ原稿であることがよくわかる。エドワーズはこの優れた言葉を、メモも何も見ずに支持者たちに聞かせて見せた。エドワーズが演説で強調した言葉---「希望はやって来る(hope is on the way)」---は、民主党大会以降、支持者たちのキャッチフレーズとなっている。

2004年度大統領選挙は、両陣営共に副大統領候補が重要な役割を果たすだろう。つまり、エドワーズはケリー陣営にとって最大の強みだが、ブッシュ陣営にとってチェイニーは最悪の弱点になるだろう。8月30日から行われる共和党大会で、心臓障害を抱えるチェイニーは「健康上の問題により」選挙から降りるという予測も根強い。もちろん、ブッシュ陣営のホンネは、チェイニーのペースメーカーの具合よりも、米軍幹部や米国民を激怒させているハリバートンとイランの取引ナイジェリアでの賄賂問題人格問題のほうが頭が痛いのである。

2004/08/04

恐怖による統治:3年前の情報で今頃厳戒態勢のニューヨーク

ワシントンポスト2004/08/03付け記事より。

米国土安全保障省が、ワシントンの世界銀行やニューヨーク証券取引所などの金融関連施設の警戒レベルをオレンジに引き上げた件で根拠となった情報は、9/11テロ以前の古い計画に関するものであったことが判明。ワシントンポストの取材した複数の情報部関係者によれば、「今のところ新しいテロ計画が進行中という情報はない・・・なんで今になってこんなに危険レベルを上げるのか、さっぱりわからない」と話しているという。

国土安全保障省の制定したテロ警戒カラーコード

国土安全保障省の制定したテロ警戒カラーコード。(source)この警戒コードの基準についてはすでに政府内でも疑問視されている

つまり、ブッシュ政権は、これまで無視し続けてきて、各情報局に山積にされた過去のテロ計画情報に、情報入手から3年経過してやっと対応しはじめたわけである。この調子では、CIAやFBIの引き出しの奥から、埃をかぶったアルカイダのテロ計画情報が見つかる度に、ニューヨーク市街は厳戒態勢になってしまう可能性がある

米国土安全保障省のトム・リッジ長官は、実のところ米国のテロ対策が全くダメな状態であることを自覚し、そのプレッシャーに耐えられないと弱気になっている。国内テロ対策チームを率いた前任者リチャード・クラークの著作によれば、業務引継ぎの際に、トム・リッジは新ポストに乗り気でない旨が書かれているが、それを裏付けるかのように、今回のテロ警告の直前(7月30日)、トム・リッジ長官はブッシュの再選如何を問わず辞任するつもりであることをうっかり漏らしている

トム・リッジ長官は、FBI、CIA、NSA各情報組織の調整役という重責に加えて、薄給(年間17万5,700ドル)という現在の立場では、二人の子供(トミーとレスリー)を大学に入れられないと愚痴をこぼしているらしい。(リッジと同じレベルの米政府高官は、年間100万ドル程度稼いでいる)

ところで、ニューヨークにテロ厳戒態勢を敷いた日は、偶然にもブッシュ再選キャンペーン開始と重なっている。国内テロ対策はブッシュ再選の売り文句のひとつであり、9/11調査委員会最終報告の直後に情報組織の再編政策をいち早く打ち出すなど、ブッシュは、あたかもテロ対策に真剣に取り組んでいるかのように振舞っている。そんな時にテロ警告で厳戒態勢になれば、誰でも次期大統領のテロ政策に注目するというものだ。(皮肉なことに、ブッシュが新たに打ち出した情報組織再編案は欠陥政策としてすでにタイムズ社説で批判されている)

今回のニューヨーク厳戒態勢はトム・リッジ長官が辞任前にブッシュに宛てた「サンキューレター」の意味合いが強いのかもしれない。テロ警告を出した次の日に、トムは国民に向けて以下のように呼びかけている

「アメリカらしさを継続しましょう。仕事に行ってください。追って施行される安全対策があなたを守ってくれることでしょう。さあ、仕事に戻りましょう

国土安全保障省のテロ警告なんて深刻に考えないでくださいね、私もいずれ転職しますから・・・という意味では決してないのだろうが・・・

2004/08/02

「ジョニーはいい奴だったか?」byグレッグ・パラスト

調査報道記者、グレッグ・パラストの2004/07/31付け最新コラムを以下に全文翻訳掲載。

ボストンで開催された全米民主党大会。保守派が支配したその内容に、民主党内の分裂は一層拡大したかのように見える。クシニッチ候補は選挙戦から撤退し、反戦活動家は会場から叩き出され、「招かれざる客」マイケル・ムーアは民主党大会会場では無視され、代わりに近所のリベラル系講演会でスピーチ。(同じ講演会で彼の直前にスピーチしたのはハワード・ディーンだった)厳戒態勢の会場では、遅刻したオクラハマ選出の代議員が手錠をかけられ退場させられる始末

そもそも今回の民主党大会の費用9,500万ドルのほとんどは大企業の寄付で賄われていて、その中には軍事企業レイセオンも含まれているとあって、「反戦」は禁句だったようだ。(大会参加者の名札にしても、献金額によってデザインが異なるのだ)

ブッシュ再選は絶対に避けるべきだが、民主党がこのまま保守化・分裂していけば、2008年には再びブッシュ家が政権を握ることになるかもしれない。いや、そもそも、本当にケリーで勝てるのか?


ジョニーはいい奴だったか?(Johnnie been good?)

by グレッグ・パラスト

ボストン。金持ちどもの宴だ。ジョン・ケリー、ジョン・エドワーズとその核家族に風船が舞い踊る。

デカいスピーカーから流れるのは「ジョニー・ビー・グッド」。民主党員達は喜び、ぴょんぴょん跳ねる・・・まるでJFKがダラスに立ち寄ることもなく、ビル・クリントンが決してヘマをやらなかったみたいに振舞ってる。まるでイラクに派遣された息子たちを、生きたまま故郷に連れ戻せるチャンスがあるかのように。まるで、アメリカがディック・チェイニーの穴倉から這い出して、再びお日様を拝めるかのようだ。

民主党大会エンディング風景

だが、「ジョニー」ケリーはそんなにいい人物だったのだろうか?

今夜、ケリーは、オハイオの哀れな連中の話---会社が工場を閉鎖して南米に移転したという連中のことを話してくれた。でもちょっと待てよ、ジョニー、君はNAFTA(北米自由貿易協定)に賛成票を入れたんだろう?

ホワイトハウスは教師や生徒を司法からの逃亡者みたいに扱って、退学を促していると批判したケリーを、観客は賞賛した。でもジョニー、君は、公共教育を攻撃する政策であるジョージ・W・ブッシュの「落ちこぼれゼロ法案」に賛成したじゃないか。

それから、党の政策に関して、まるでどのようなときでも頼りにできる男性であることを示すようなステキな話を聞かせてくれた。「党内でも多くの人と袂を分かつこともあった」ケリーは言った。「財政均衡法に賛成したのは、それが正しいと思ったからだ」それは違うだろう?ジョン。反政府主義的ヒステリーの流れに沿って、泣かせるプログラムの最中にナイフをかざして見せるような、へっぴり腰の臆病政策だったじゃないか。

ケリーは、ホワイトハウス前で膝を抱えてうずくまる哀れなホームレスの悲しいお話も聞かせてくれた。これがクリントンの金持ち改革法案に賛成票を入れた人物と同じ口から出た言葉だろうか?その法案はフードスタンプ(食料配給制度)に5年の制限を設けて、合衆国法の名の下に子供を飢えさせることになったのだ。レーガンだってケチャップを野菜として分類しただけだったのに。

貧乏人を食べさせるために、ケリーは貯めてきた現金を最大限活用してくれたそうだ。「10万人の警官を街頭に配備するためにがんばった」そうかい、ありがとうよ、ジョン。

私が今夜のショーで傑作と思ったのは、ケリーがこう話した時だ。「イラクに大量破壊兵器があることが証明できないという話だ。大統領として、私なら厳しく質問して確固たる証拠を求めるだろう。」

しかしなあ、上院議員の時はそうしなかったんだろう?質問なんて何もしなかったじゃないか。目をつぶって、嘘に投票したんだ。誰でも知ってるし、君だってよくわかってるはずだ。

それから、今夜君は国家を守るために闘った事を何度も話したね。勲章も受け取ったんだろ?悪いけど、自分の国を護るために闘っていたベトナムの若者を背中から撃ったような人物が英雄になれるわけないよ。

昨日、友人のマイケル・ムーアと私はボストンで記者会見を行った。何人かの間抜けな記者が「ミスター華氏911」にケリーのイラク駐留継続方針について質問した。マイケルはそわそわして質問をはぐらかした。彼が回答を偽ったことにはちょっと居心地の悪い思いがしたよ。「ケリー大統領なら我々を戦争に送りこんだりしなかっただろう」しかし上院議員のケリーは、それをやってきたんだぜ。

私はマイケルよりも楽な立場にある。ジャーナリストとして、どの候補も擁護する必要はないのだ。そうは言うものの、民主党員の友人なら、私をギュンタナモ刑務所に送って尋ねたいところだろう:「君はケリーを信じるだろうが、ケリーは君を信じるかな?」

憶えといてくれよ、兄弟。私は質問をしているだけなんだ。もし回答が君たちの金持ち仲間にとって気分を害するものなら、お気の毒さま。

皆さんの言いたいことはわかるよ。「ブッシュのほうがずっと悪党じゃないか?」

そりゃ間違いない。ケリーがブッシュと同じくらい悪いかどうか尋ねることは、ビンタされることが頭蓋骨をレンガで叩かれるのと同じくらい苦痛なのかどうか尋ねるようなもんだ。

でも、偽善の塊のような特権階級の政治屋連中に酷い目にあわされておきながら、そいつらを賞賛するなんてことにはもうウンザリじゃないか?どんなにステキな風船が頭上で舞っていても、気分のいいものじゃないだろう。



Bush Family Fortunes

グレッグ・パラストのドキュメンタリー最新作、「Bush Family Fortunes(ブッシュ家の財産)」は2004年9月28日DVDとして発売される。ブッシュのベトナム逃れから2000年大統領選挙の不正、911テロとの関係をもっとも早くから映像として暴露し、「華氏911」の下地となった英BBCのドキュメンタリー作品に追加再編集した内容らしい。必見である。

2004/07/28

「クリントンのせいにしろ!」軍団とクリントン・ノスタルジー

CBS放送の最新調査によれば、米国民の65%が「現在の合衆国は間違った方向に進んでいる」と感じているという。まあ、そうだろう。トリプル赤字の経済政策、嘘に基づいて始まったイラク戦争の泥沼、司法長官の奇妙なテロ対策等々、現在の米国政治にいいところは一つも見つからない。もちろん問題の責任は現ブッシュ政権にある。

Catastrophe:Clinton’s Role in America’s Worst Disaster

「クリントンのせいにしろ!」の典型

しかし、そうした悲惨な現状に関して、ブッシュ政権陣営や保守系コメンテイター(政治家、テレビタレント、ジャーナリスト、フォックスニュースチャンネルのキャスター・・・)達は、機会あるごとに「クリントンが悪い!」というヤケクソな説明をしている。

こうした人々をアル・フランケンは「クリントンのせいにしろ!」軍団(The Blame-America's-Ex President-First Crowd)と呼んでいるが、これら軍団の姿勢を象徴する事例として、例えば保守系ニュースサイトNewsmax社の記者が刊行している書籍「Catastrophe:Clinton’s Role in America’s Worst Disaster(大惨事:米国史上最悪の事件とクリントンの役割)」がある。同書の説明文はこんな感じだ:

「1993年1月20日、ウイリアム・ジェファーソン・クリントンが42代大統領としてオフィスにやってきたとき、大災難は始まった。(中略)それからの8年間、ビル・クリントンは米国史上最も堕落した政権を仕切ることになる・・・」

クリントン政権がテロ対策に熱心だったという事実は、すでにリチャード・クラークの暴露本「爆弾証言:すべての敵に向かって」でも明らかになっているだけでなく、911テロ調査委員会の最終報告書でも記されている。ワシントンポスト紙の要約によれば、クリントン大統領は情報部から提出された詳細なメモを熟読し、ノートとコメントを追加してさらに追加の報告を求めるというのが好みだった。一方で、書類を読むのがキライなブッシュ大統領は、早朝にCIA長官のジョージ・テネットから口頭で説明を受けるのみだった。クリントンはビン・ラディン暗殺計画まで考えたが、ブッシュはアルカイダと無関係のフセインに夢中だったことは誰でも知っている。
ブッシュ大統領のブリーフィング風景

ブッシュ政権の「ブリーフィング」風景


ブッシュ政権は単に怠惰というだけではなく、ビン・ラディンの資金ネットワーク(パキスタン軍事情報部-サウジアラビア王家-国内イスラム過激派組織に及ぶ)の捜査を封じていたことも知られている。ビン・ラディン資金網の捜査を担当していたFBIのジョン・オニール捜査官は、ブッシュ政権の怠惰な姿勢に腹を立てて辞職し、WTCビルのセキュリティ担当者となって、同時多発テロで一度は退避しながら、ビル内の人間を避難させるために再びオフィスに戻り、帰らぬ人となったのである。ブッシュ政権とクリントン政権、どちらがテロ対策に真剣に取り組んでいたのか?知らないのはNewsmax社だけだろう。(Newsmax社といえば、「華氏911」上映妨害キャンペーンを支援する企業としても有名だ)

民主党保守派(極右派?)のクリントンは、民主党リベラル派から見れば共和党員のような存在かもしれないが、経済政策面で華々しい成果を出したクリントン時代の繁栄を懐かしむ「クリントン・ノスタルジー」に陥る米国民は急増している。

ビル・クリントン政権と、ジョージ・W・ブッシュ政権の経済面での成果の違いをまとめた記事The Center for American Progressから以下に引用したのでご覧いただきたい。経済政策だけを見ても、ブッシュ政権こそが「大災難(Disaster)」なのだ。

貧困
クリントン大統領時代、貧困率は1992年のブッシュ父政権時代に比較して、25.2%減少した。しかし、現ブッシュ政権になってから貧困率は逆に7.1%上昇している。2000年から2002年の間、貧困率は13年ぶりに2年連続して上昇し(11.3%から12.1%)2002年度の米国内の貧困人口は3,460万人に増加した。(その内1,210万人は子供が占める)

税制
ワシントンポストの記事:「多くのアメリカ国民は2001年から生活状況が後退したと感じており、約71%の国民は減税の恩恵を全く受けていないと回答している。CBSニュースとニューヨークタイムズが3月に実施した調査によれば、ブッシュ政権の減税政策により税金が下がったと信じる国民は僅か22%であり、25%の国民は実際には税金が上昇したと回答している」

失業率
4年前に比較して、仕事を見つけられない人の数は増加している。現在の米国全体の失業率は5.6%。4年前は4%だった。クリントン政権時代、2,270万人の雇用が新たに創出された。現ブッシュ政権においては、新たに110万人の雇用が消失したままである。

賃金
ここ4年間で賃金上昇率は劇的に降下している。2000年の時点では、中流層の賃金は4.9%上昇していたが、2003年の時点では2%にとどまっている。インフレ率を考慮すると、2003年度の賃金は実質的に低下している(1996年以降初めての賃金低下)。就業中の一般労働者にとって、企業の収益率が向上しているにも関わらず、一般家庭の住宅費用、教育費用、医療費用が急速に(2桁の率で)上昇している「さかさま経済」の状況では、経済再生という価値観そのものが疑問となりつつある。

財政
2000年の会計では、アメリカ合衆国の財政の余剰金は230億ドルで、総予算よりも1,760億ドルも多い数字だった。2000年度の合衆国の財政黒字は230億ドルであり,クリントン時代の累積黒字は1,760億ドルであった。一方、2004年1月の時点で、米連邦議会予算事務局の見積によれば、本年度の合衆国の財政は4,770億ドルの赤字となる予定である。

破産
現在、自己破産率は過去最高を記録している。AP通信によれば、「3月末までの12ヶ月で自己破産は2.8%増加」、その期間中の自己破産件数は161万8,062件。

ボストンで行われている民主党大会に登場したビル・クリントン元大統領は、最近人気が急上昇しているというアル・ゴア元副大統領と同じく、根強い人気をアピールしていた。手書きのメモ用紙を切り貼りしながら自作のスピーチ原稿を用意しているという少々暢気なジョン・ケリー大統領候補は、クリントン・ノスタルジーに酔う米国民を救えるだろうか?

2004/07/13

ホワイトハウスからパキスタン政府へ:7月末にビン・ラディンを拘束してくれ!

The New Republic2004/07/09付け記事より。

ホワイトハウスがパキスタン政府に、ビン・ラディン、その代理人といわれるアイマン・アル・ザワヒリ、もしくはタリバンのムラー・モハマド・オマル(この三人は高価値の標的/high-value targets :HVTsとの略号で呼ばれている)の拘束を、せめて11月の大統領選挙までに、可能であれば7月末に実行してほしいと強力な圧力をかけているという情報が、パキスタン軍事情報部(ISI)関係者から暴露されているという。

この情報によると、ホワイトハウスがパキスタン政府に、これら重要テロリストの拘束時期として要請しているのは、7月26日から28日、---ボストンで開催される民主党大会の最初の3日間----とのことである。

この拘束要請に関して、ホワイトハウスがパキスタン政府に報酬として用意しているのは、F-16戦闘機の販売と、カーン博士(パキスタン政府の支援で核兵器を開発し、北朝鮮、イラン、リビアに販売している人物)の黙認であるという。

ところで、パキスタン政府とその軍事情報部は、ムラー・モハマド・オマールの組織を直接支援してきた実績がある。さらに、同時多発テロ直前の2001年9月10日から、ビン・ラディンはパキスタンの軍事病院で腎臓病の治療のため入院していたという情報もある。

果たしてパキスタン政府がホワイトハウスから依頼されたのは、ビン・ラディンの「拘束」だろうか?あるいは「移動」なのか?

2004/07/08

ムーア効果?反ブッシュに動く米国エンターテイメント業界

ブッシュ選挙チームは明らかに「マイケル・ムーア効果」を軽く見積もっていたのだろう。テレビ、ラジオ、新聞の三大政治メディアをコントロールすることに集中しすぎて、映画界を疎かにしていたのだ。

ムーア人気に慌てたテキサスのブッシュ支援団体は、活気づくマイケル・ムーアに対抗するべく「保守派向けカンヌ映画祭」を自負するというイベント「The American Film Renaissance」を開催するという。公式サイトの説明によれば「米国支持を称賛するために捧げられる映画(movies dedicated to celebrating pro-American values)」を集めるイベントらしいが、そんなヒネリのないテーマで創造性が刺激される映像作家が果たしているのだろうか?

「華氏911」以外にもブッシュ陣営を悩ませる映画はある。例えば、地球温暖化による災害を描いた「デイ・アフター・トゥモロウ」のヒットにより、ブッシュ政権の環境非保護政策が世間の注目を集めている。環境関連の訴訟にも詳しいエドワーズが加わったことにより、環境保護団体の票がケリー陣営に集中する可能性は大きい

他にも、ビル・クリントンへの個人攻撃における共和党の謀略を暴露したドキュメンタリー作品「ハンティング・オブ・ザ・プレジデント/The Hunting of the President: The Ten-Year Campaign to Destroy Bill Clinton」が公開され、じわりじわりと人気を集め始めているという。クリントン本人の自伝刊行も重なって、再びモニカ・ルインスキー/ポーラ・ジョーンズ事件が脚光を浴びるかもしれない。そうなれば、ビン・ラディン調査よりも多くの税金をつぎ込んだといわれるスター検察官のクリントン大統領のスキャンダル調査がより一層問題視されることになるだろう。

ところで、ブッシュ陣営の支持母体のひとつ、キリスト教原理主義系団体「Focus on the Family」が、信者向けメーリングリストでマイケル・ムーアの自宅住所と連絡先を公開して嫌がらせを開始している。これにより、ムーア本人と家族への殺人脅迫が続いているようだ。大勢のガードマンに24時間身辺警護されているとはいえ、ムーア監督は標的としてはかなり大きいので警戒が必要だろう。(ところで、ムーアの活動こそ「テロとの闘い」と呼ばれるべきである。日本政府はただちに警察庁警備局の要員をミシガン州フリントに派遣していただきたい。費用は北海道警他各警察本部のヘソクリから出してもらおう)

2億丁以上の銃が一般人の手に握られている国では、もちろん大統領も安心してはいられない。米文学界の異色作家ニコルソン・ベイカー氏8月24日に刊行する最新作「チェックポイント」は、登場人物が「ブッシュ暗殺」について語る物語だ。なるほど、司法長官が図書館・書店の顧客データを欲しがるわけである。

音楽界では、6月11日に開催された「全国ヒップホップ政策会議」を端緒に、これまで選挙に行かなかった若いアフリカ系アメリカ人層が、ラッパー達の民主主義ムーブメントに影響を受けてはじめている。(日本のラッパーはどうした?)彼等が選挙に参加すれば、ブッシュ陣営にとっては脅威のひとつになるだろう。(但し、票が正しくカウントされると仮定しての話である)

さて、米音楽界で最も注目されている話題といえば、9月1日に行われる民主党系コンサート「Concert for Change」だろう。同コンサートには、ひょっとしたら、米ロック界の“ボスブルース・スプリングスティーンが参加し、本格的に反ブッシュの狼煙を揚げるかもしれない。(「Concert for Change」は共和党大会への対抗イベントとして開催され、参加予定アーティストにはボブ・ディランカルロス・サンタナの名もある)

スプリングスティーンは、ベトナム戦争と米国社会への強烈な皮肉を込めたヒット曲「Born in the USA」が、共和党・民主党両陣営から愛国ソングと勘違いされてから、同曲を選挙活動に使用することを禁止し、政治利用されることを警戒しつづけてきた。しかし911テロ直後には、多くのアメリカ市民同様、ブッシュ大統領を熱烈に支持している。真実を知らされていない普通のアメリカ人にとって、それはよく見られる過ちだった。

しかし、ディクシー・チックスの反ブッシュ発言に対して湧き上がったバッシング騒動を目の当たりにして、スプリングスティーンは、再び米国社会に対する深い疑念を持ち始めていた全米巨大ラジオネットワーク・クリアチャンネルからの恫喝に怯えるテキサスの女性グループを擁護すべく、彼は以下のように話している

俺たちはイラクで自由を根付かせるために戦っているはずなのに、同じ自由を故郷で主張する人々に対して、恫喝したり罰したりする連中がいる・・・
(Right now, we are supposedly fighting to create freedom in Iraq, at the same time that some are trying to intimidate and punish people for using that same freedom here at home)」

そして今、スプリングスティーンの公式サイトには、アル・ゴアの強烈な反ブッシュスピーチが掲載され、ブルース自身の推薦文が添えられている。多くのアメリカ市民と同じように、ボスもまた立ち上がり始めたのだ。

2004/07/07

ニューヨークポスト紙の大誤報

ニューヨークポスト紙の大誤報:民主党副大統領候補はゲッパート

7月6日付けニューヨークポスト紙のトップ:「ケリー、副大統領候補にゲッパートを選択」

この「特報」が流通してから数時間後、ジョン・ケリーが副大統領候補にジョン・エドワーズを選択したという報道が始まったとのこと。(source-smokinggun.com


(関連情報:2月24日付け投稿:全米商工会議所、反エドワーズに動く

2004/06/14

「電子投票---表舞台にはまだ早い」byハワード・ディーン

政治風刺漫画サイトCagle Cartoonsの2004/05/31付けコラムより。民主党大統領候補ハワード・ディーンの連載コラム第1回分を、以下に全訳掲載。

大手メディアからの執拗なバッシングと、選挙チームの資金難から、大掛かりな選挙キャンペーンを中止しているとはいえ、ハワード・ディーンは再び注目を集めつつあるようだ。民主党リベラル派および中道派にとっては、相変わらずジョン・ケリー以上に影響力を持っているという見方もある

Democracy for America」として生まれ変わった草の根支持団体の活動も順調で、「ディーン世代」と呼ばれる若い政治家を次々と誕生させている。ディーン候補のド根性溢れる(無鉄砲な)スピーチと草の根活動は、民主党が忘れかけていた気骨を呼び覚ましはじめたのかもしれない。



「電子投票---表舞台にはまだ早い」
(Electronic Voting - Not Ready For Prime Time )

by ハワード・ディーン


2000年12月、連邦最高裁の5人の判事は、フロリダ州大統領選挙投票の数えなおしは是認できないと結論するに至った。この決定により、フロリダ州最高裁が州内全ての投票の数えなおしを要求したにもかかわらず、僅か537票差で勝敗を決定する大統領選挙を生み出すことになったのだ。州内での選挙不正に関する明確な情報に直面して、合衆国の最高司法の決定は、全てのアメリカ人の投票が実際に数えられるかどうかについて重大な不信感を作り出した。フロリダ州で起こったことを今更ひっくり返すことはできないが、同じ事態が再び起こることを防ぐために、私たちは民主主義に対する責任を負っている。

政治家の中には、この問題を解決する答えは電子投票にあると信じる者もいるようだ。最近、連邦政府は、「タッチスクリーン」投票機の利用を促進する法案を成立させたが、当の電子投票システムは票集計内容を記録する機能を持たないために、票の再集計ができない。さらに、その電子投票機は、投票者が本当に希望する候補者に投票したかどうかを確認する機能すら持たないのだ。あいにく、今年11月には、アメリカ国民の内28%、約5,000万人が、その電子投票システムを利用することになるわけで、信頼できない不確実な投票結果が生じる可能性がある。

2000年に利用されはじめたばかりのタッチスクリーン式電子投票システムは、利用が拡大するにつれ、信頼性の欠如による問題を発生させている。例えば、ノースカロライナ州ウェイク郡では、2002年に、ソフトの不具合により436票が消失している。ミシシッピー州ハインズ郡では、投票機のトラブルが多すぎて有権者が投票できず、選挙そのものをやり直すことになった。ヴァージニア州フェアファックスの選挙管理担当者によれば、最近の選挙では100人につき1人の票が消失していたそうだ。多くの州では、ニューハンプシャー州やメーン州の例のように、紙の記録を残さない(ペーパーレス)タッチスクリーン投票機の利用を禁止することになり、他の州でも同様の決定を行う計画であるという。

信頼性も透明性も欠如している状況では、いくら機械が動作しても、正しく動作しているのかどうかを検証することができない。アメリカ国民は、少なくとも進行中の不具合と技術的失敗の防止に必要な時間を確保するため、2006年度選挙までは、ペーパーレス電子投票機の利用を容認すべきではないのである。なんとしてでも、全ての有権者が、投票が集計される前に、自分の投票内容を、正確な紙の記録を残すことによって確認できるようにすべきであろう。

民主党支持者も共和党支持者も、この民主主義に対する重大な打撃となる可能性を修正することに、真剣に取り組もうとしている。ラッシュ・ホルト議員(ニュージャージ州議員/民主党)の提出した超党派の法案は、紙の記録を求める法案のひとつだが、できるだけ早く議会で承認されるべきであろう。VerifiedVoting.orgなどの組織によって活発化している、確認可能な投票システムを支持する草の根活動は、国民全体の機運に適ったものなのである。

私たちの民主主義や分別を存続することは、党派には無関係である。国民と国家全体の価値以上に、片方の党派の成功を優先するようなことはできないし、してはならない。50州をまとめる政府として、共和党員・民主党員のどちらに対しても、2006年まで、あるいは充分に信頼できる状態で再集計が可能になる日まで、ペーパーレス電子投票機を箱に収めたままにしておくことをお願いしたい。誰が勝利しようと、民主主義の下では全ての票は数えられるべきなのである。その基本原則を廃止することは、アメリカを捨てることと同じだ。



2004/05/08

ジョン・ケリー、芸能界から支持者総動員

フォックスニュース2004/05/06付け記事より。

ジョン・ケリーが大統領選キャンペーンで、リベラル系芸能人を総動員する予定とのこと。以下に予定を抜粋。

  • バーブラ・ストライザンドニール・ダイアモンドが6月7日にジョン・ケリー支援集会でミニコンサートを開催。ストライザンドは2000年にアル・ゴア支持のコンサートでも活躍している。
  • 6月10日には、ニューヨークのラジオシティミュージックホールで、ケリー支持者向けイベントが開催される。ベティ・ミドラー、ジョン・メレンキャンプ、シェリル・クロウ、ロビン・ウィリアムス、ウーピー・ゴールドバーグ、スティービー・ワンダーらが出演予定。同じ時期にソングライター殿堂ディナーも開催されることから、アル・グリーン、ホール&オーツ、マッチボックス20らも加わり、特別コンサートとしてイーグルス登場も噂されている。

ところで、極右メディアのフォックスニュースがわざわざこうした「ケリー支持芸能人」ニュースを掲載している意味は・・・考えないほうがよいかもしれない。

2004/05/03

「消えていく投票」by グレッグ・パラスト

ネーション2004/04/29の記事より。またまたヘタな訳で申し訳ないが、以下に全訳を掲載する。



「消えていく投票」by グレッグ・パラスト

2002年10月29日、ジョージ・W・ブッシュは投票支援法(the Help America Vote Act, HAVA)に署名した。ママの手作りアップルパイを思わせる優しい名称の背後には、公民権の時限爆弾という、むかつく事実が隠れている。

まず最初に、公民権剥奪について話そう。2000年11月の大統領選挙に先駆けて、フロリダ州務長官キャサリン・ハリスは、州知事ジェブ・ブッシュと申し合わせながら、地元の選挙スーパバイザーに、選挙人名簿から57,700人分の名前---フロリダ州での投票を禁止されている前科者と見なされていた----を削除するように命じた。公民権が剥奪されることを予定されたその「ろくでなし名簿」リストの少なくとも90.2%は、実際には無実だった。驚いたことに、その半数以上---約54%は黒人もしくはヒスパニックであった。削除された人数について一晩中かけて議論してもよさそうなものなのに、自分の兄にホワイトハウスを譲るためにジェブ・ブッシュが命じたこの電気的人種虐殺行為について、議論が沸き起こることはなかった。投票支援法は、そうした公民権剥奪を祝福するだけでなく、同じような索敵殲滅作戦(サーチ&ディストロイ)をアメリカの50の州全ての脆弱な選挙民に対して導入させるものだ。具体的には、全ての州は、2004年選挙までに、フロリダ州と同じ選挙民リストのコンピューター管理システムを導入しなければならない。投票支援法は、50の州の州務長官---50人分のキャサリン・ハリス---に対して、「被疑者」から公民権を剥奪する権限を与えることになるのだ。

公民権剥奪だ。大変である。2000年12月、黒人有権者の公民権剥奪が英オブザーバー紙によって暴露されてから、全米有色人種向上協会(NAACP)の弁護士はフロリダ州を訴えた。市民権グループは、ジェブ・ブッシュ州知事とキャサリン・ハリス州務長官の後継者に、間違って選挙民リストから削除された市民の復帰を約束する書類を書かせることに成功した。チョイスポイント社(選挙民リストを管理している企業)によって法廷に提出されたデータによると、前科者とされたフロリダ市民の人数は91,000人に及んでいた。ウィリー・スティーン氏もその1人だ。最近、タンパ病院にあるスティーン氏のオフィスの外で、本人に会うことができた。彼の事例はわかりやすいものだった。前科のある者は病院に勤めることはできないからである。(私の手元にあるキャサリン・ハリス作成のリストによれば、オスティーンという前科者に名前が似ているという理由でウィリー・スティーン氏の投票権を剥奪していた)全米有色人種向上協会は、おぞましい投票権剥奪行為のもっとも顕著な事例として、スティーン氏の件を法廷に持ち込んだ。

州側は、スティーン氏の無実を認めた。しかし、全米有色人種向上協会が勝利した裁判から1年が経過しても、スティーン氏は投票することができなかった。なぜ彼は今になっても被疑者扱いされているのか?スティーン氏のことを「重罪犯罪者の可能性がある」とジェブは呼んだが、我々は彼について何を知っているだろう?我等が大統領と違い、スティーン氏は米軍で4年間兵役を経験している。正直なところ、彼が被疑者扱いされる理由はこれしかない:スティーン氏はアフリカ系アメリカ人なのだ。

黒人にとっては、アメリカで選挙に参加することは大きな賭けである。第一段階では、投票申し込みカードがあっさりと投げ捨てられる可能性がある。何百万人ものマイノリティ市民が「ドライバー投票者フォーム」によって投票申し込みをしている。(訳注:「ドライバー投票者法」と呼ばれ、忙しい労働者がきちんと投票する機会を得られるための法律)共和党員もそれは承知している。それら投票者たちが選挙民にカウントされていないという失敗が拡大しているという事実を、市民権委員会が発見したとしても、驚くことはない。私の情報源の報告によれば、選挙事務所には、そうした申し込み用紙がゴミと一緒に山積されているという。

第二段階では、投票申し込みをしたら、重犯罪者扱いされる可能性がある。フロリダ州では、キャサリン・ハリスのインチキな犯罪者リストに加えて、60万人もの住民が、同州での犯罪の前科があるという理由で、合法的に選挙権を剥奪されている。これは一つの州での話。合衆国全体では、有罪判決を受けた140万人の黒人男性は、投票することができない。これは国内の黒人男性全体の13%である。

第三段階になると、本当のギャンブルが始まる。1965年制定の投票権法により、アフリカ系アメリカ人には投票する権利が保障されている---しかし、その投票が数えられる権利については保障されていない。現実には、7件の投票のうち1件は数えられていないのだ。

ガズデン郡の例を見てみよう。ガズデン郡は黒人住民比率が58%で、フロリダ州の67の郡の中では最大の比率である。そしてガズデン郡は最大の「除外率」を誇っている。つまり、投票用紙は技術的理由によりはじかれるのだ。同郡では8人に1人の割合で投票はカウントから除外された。ガズデン郡の隣、レオン郡は大多数の住民が白人で、ほとんどの投票用紙はカウントされている(除外率は1/500)。

どうやって投票が除外されるのか?外見上、投票用紙に余分な記入がある場合はカウントから除外される。ガズデン郡では、名前にチェックを入れる代わりに、アル・ゴアと記入する人がいた。その投票はカウントされなかった。

ハーバード法律学校の教授で市民権委員会の会員、クリストファー・エドリー・ジュニア氏は、そうした除外の匂いがキライだった。そこで彼は、使用済みの投票用紙を掘り起こし、委員会の見つけた公式証拠を調べて、こう報告した:黒人票の14.4%---7人に1人---は「無効」、つまりカウントされなかった。対照的に、黒人以外の票の除外率は1.6%だった。

フロリダ州の選挙民の11%はアフリカ系アメリカ人である。フロリダ州は179,855人分の除外された票をカウントすることを拒否した。中学生レベルの代数学を駆使した結果、「除外」された票のうち、54%(97,000人分)は黒人の投票で、その90%以上はゴア支持者だった。黒人以外の票はゴアとブッシュで均等に割れていた。それゆえ、キャサリン・ハリスが票のカウントを許可すれば、アル・ゴアはおよそ87,000の得票差でフロリダ州を制していたのである。なんと、ブッシュがゴアを破った公式得票差の162倍だ。

フロリダの話はそこまで。ではアメリカ全体の話をしよう。2000年大統領選挙では、190万人分の票がカウントされなかった。ゴアと記入されていたり、投票機械の故障などなど、技術的な理由で「除外」されたのである。票がカウントされなかった理由はいろいろあるだろうが、ゴミ箱に廃棄された投票用紙には疑惑の影がある。ハーバードの専門家、エドリー氏のチームが、フロリダ州と同じように発見したことは---郡という郡、管区という管区ごとに---除外された投票用紙の数は、その地域の黒人住民数に正比例しているということだった。

フロリダ州の人種プロファイリングは国全体のそれに酷似している---黒人有権者の比率と、カウントされなかった投票の人種比率の両方において。「2000年のフロリダ州では、白人の投票に比較して、黒人の投票は10倍もカウントから除外される傾向にあった。」こう説明してくれるのは、エドリー氏の報告書を共著した、政治科学学者のフィリップ・クリナー氏だ。「国全体のデータから見ると、フロリダ州の事例は、驚いたことに、典型例なのです。白人有権者と非白人有権者の比率から、米国内でカウントされなかった投票のうち、およそ半数の100万人分が、非白人の投票とみられています。」

もうおわかりだろう。前回の大統領選挙では、黒人やマイノリティが投票したおよそ100万人分の投票用紙は捨てられたのである。2004年11月にも、同じように除外されるだろう。より効果的に、コンピューターによって---投票支援法と、その他インチキ改革施策は、複雑なIT化によって、説明されることもなく、カウントされない投票の人種バイアスをより悪化させているのである。

100万人の投票がどす黒い煙の中で消失していく。煙が晴れたら、ブッシュ一味は自らの政治生命を投票用紙の焚き火で暖めるのだろう。それではごきげんよう。(HAVA nice day)


2004/04/05

ブッシュとケリー、どちらも約400年前のリード家が祖先

ご先祖サーチエンジンAncestry.comの調査ページより。

ジョージ・W・ブッシュの11代前の先祖はマーガレット・リード(1672年没)、ジョン・ケリーの9代前の先祖はエリザベス・リード(1672年没)。この二人はエドモンド・リード(1623年没)とエリザベス・クック(1637年没)の間に生まれた姉妹ということです。なんとも奇妙な因縁で・・・

2004/03/21

ブッシュ大統領ロゴ入りフリースはブッシュ自身が禁輸したミャンマー製品

Newsday.com2004/03/19付け記事より。

ブッシュ大統領再選キャンペーンの公式サイトで販売されているオリジナルロゴ入りフリースジャケットは、ブッシュ大統領自身が昨年度に「民主主義活動家を弾圧していることへの制裁」として、禁輸措置を発動していた相手国、ミャンマー(旧ビルマ)で作られた製品であることが暴露されている。

他にも、ブッシュチーム公式グッズのデニムシャツはメキシコ製、帽子は生産国不明。製造業の国外流出が米国内雇用環境の悪化を招いている時に、なんとも皮肉な選挙グッズである。その公式グッズを提供しているのはケンタッキー州で20年の歴史を持つ米スポルディンググループ。これまでに5人の共和党大統領候補向けの公式グッズを扱っているという。

一方で、ジョン・ケリー選挙チームの公式グッズは全て米国製とされている。提供元はファイナンシャルイノベーション社

ブッシュ陣営はこのスキャンダルをどう乗り越えるつもりだろう?天安門事件を無視して中国支持を宣言したように、スーチー女史のことを忘れて、突然ミャンマー支持を宣言するかもしれない。

2004/03/15

ジョン・ケリー支援企業はジョージ・ブッシュにも大量献金

OpenSecret.orgの2004/03/4付けプレスリリースより。

現在までのところ、選挙資金集めに関してジョージ・ブッシュはジョン・ケリーを1億ドルほどリードしているが、ケリー支援企業の多くは、ケリーとブッシュの両陣営に同時に献金していることが判明している。

例えば、ジョン・ケリーの上位三番目の支援企業であるシティグループは、少なくとも79,000ドル以上をケリーに献金しているが、同時にブッシュ陣営に対して187,000ドルを献金している。(ブッシュ陣営の選挙資金額リストでは、シティグループは上から12番目の支援企業となる)総じて、ケリー支援企業の半数以上は、より多くの金額をブッシュに献金しているとのことである。

そんなわけで、2004年米国大統領選挙は史上空前のホワイトハウス・オークションとなることが決定的になったようだ。さて、企業のCEOにとって、ジョン・ケリーとジョージ・ブッシュのどちらがより魅力的に映ることだろう?

これまでの実績をみると、ケリーの企業サービスは製薬業界、通信業界向けの規制緩和などで活躍しているが、ブッシュといえば、エネルギー企業向けに電気・水道サービスの民営化、石油企業向けに環境保護法案の弱体化、軍事産業向けにアフガン、イラク戦争の開始、防護服・サバイバル用品業界向けに炭素菌騒動(憶えてますか皆さん?)と大量破壊兵器の捏造、データベース企業向けにテロ対策名目で個人情報収集事業開始、教材企業向けに「落ちこぼれゼロ事業(No Child Left Behind Act)」実行と、大企業のために誠心誠意尽くしていることを支援企業は高く評価しているので、ブッシュ再選は濃厚といえよう。

しかし、もしも悪趣味な選挙広告のおかげでブッシュ支援が気まずい雰囲気になったら、ケリーへの献金が増加するかもしれない。いずれにしろ、支援企業にとっては通常の投資活動と同じで、二人のうちどちらかが大統領になっていただければ満足なのである。

ビジネスの、ビジネスによる、ビジネスのための合衆国政府(Government of the business, by the business, for the business)の誕生だ。

ジョン・ケリーとブッシュに同時献金している企業の一覧表へのリンク

2004/03/11

ハワード・ディーンとケリーが和解、共闘か?

ニューヨークタイムズ2004/03/11付け記事(要無料会員登録)より。

お互いにバッシングでつぶしあいを演じてきた民主党大統領候補が、いよいよ反ブッシュ活動で共闘を宣言。どうやらジョン・ケリーから歩み寄りがあったようだ。ハワード・ディーンは、3月末までに公式にジョン・ケリー支持宣言をする見込みであるという。(ディーンの公式サイトもそれを匂わせている)ケリーはエドワーズとも共闘の道をさぐっているので、どうやら民主党内部の完全分裂は避けられそうな雰囲気である。

ケリー陣営としては、二人の民主党リベラル派候補を味方につけて、「第三の候補」ラルフ・ネーダーにリベラル層の票が流れることをなんとしても避けたいのだ。だが60万人を超えるディーンサポーター達にとって、ケリー支持は大きな妥協であり、反発も多い。今後のジョン・ケリーの選挙運動では、リベラル向け政策のアピールなど、ディーン側へのさらなる譲歩を要求されるだろう。一時的であれ、民主党が保守派から民主派へとシフトするのは喜ばしいことである。

2004/03/04

ヴァネッサ・ケリー、ハイチ問題でブッシュを大批判

フィラデルフィア・デイリーニュース2004/03/02の記事より。

2004年の民主党大統領選挙キャンペーンでリベラルな人物といえばディーン候補かクシニッチ候補だが、この女性の前にあっては霞んでしまうかもしれない。ジョン・ケリーの末娘、ヴァネッサ・ケリーは、父親の選挙キャンペーンでフィラデルフィアニューヨーク・ストーニーブルック大学でのディベートに同席し、ハイチ大統領の失脚について以下のように発言している。

「ブッシュ政権は、民主的プロセスで選ばれた大統領の転覆に加担していると思います」
「私たちは、沈黙することによって、(ハイチ大統領の)退陣を促したのです」
ジョン・ケリーと前妻ジュリア・スローンの間に生まれたヴァネッサは、現在ハーバード・メディカル・スクールの学生だが、父親の大統領選挙キャンペーンを人一倍熱心にサポートし、女性としての立場からポリティカルな発言をすることで民主党リベラル派からも人気がある。しかし彼女の今回の発言は、民主党保守派としての勢力を固めている父親にとって、追い風となるかどうかは疑問である

フォーブス家とスローン家の両財閥の家系を継ぐヴァネッサは、ケリーの財閥寄りの結婚遍歴(ジュリア・スローンの結婚当時の資産額は3億ドルといわれている)とともに、ブッシュ率いる「偽庶民派」共和党ネガティブキャンペーンの標的になる可能性は極めて高いだろう。

2004/02/29

ケリーVSエドワーズ、鍵を握るディーンサポーター

米CNN2004/02/28付け記事より。

民主党の大統領候補推薦をめぐり、ケリーを追撃するエドワーズ候補は、12の予備選挙州で勢力を温存するディーンサポーターとのミーティングを実施し、民主党系としては最大の草の根組織の支持を取り付ける構えのようだ。

エドワーズはハワード・ディーン本人とも頻繁に会談し、協力関係を築こうとしている。「ディーン氏はまだ決断していないようだ」。しかしエドワーズの選挙スタッフはディーン氏の支持を期待していないと語っている。

一方のケリーもディーン氏と頻繁に会談しているという。ケリー曰く、「ディーン氏は素晴らしい働きをしているし、ジョージ・ブッシュを倒すことの切迫性や、民主党が一致団結する必要性を説いた際に抜群のリーダーシップを発揮している」。

さて、ハワード・ディーン陣営は、どう動くのか?ディーンのインターネット草の根活動を指揮した元キャンペーンマネージャーのジョー・トリッピは、ディーンのウェブサイトとは別に、草の根活動サイト「Change for America」を立ち上げた。「ディーン陣営、分裂か?!」とさっそくボストングローブ紙が叩いたがLAタイムズ紙の記事によると、どうやらディーンとトリッピは完全に分裂したわけではなさそうである。

もっとも、ディーンはトリッピの散財のおかげで、予想どおり借金を抱えてしまい公式サイトでも借金返済のための寄付を募っている有様なので、ネガティブな憶測は今後も頻出するだろう。トリッピも責任を感じて、自身のサイトで借金返済寄付を募っているが、Balance budget(健全な財政)をスローガンのひとつにしているだけに、格好の良いものではない

ディーン氏は知事時代にも同じようなヘマをやらかしている。ディーン自身が自慢するように、バーモント州は医療保障面でずば抜けた良い環境だが、高額な保険料が企業と州の財政を圧迫しているのも事実だ。おまけに州最大の病院は経営者のずさんな管理がきっかけで経営危機に陥り、州民の税金で賄う融資も焦げ付き寸前だったようだ。(彼が知事時代の執務記録を封印している理由はここにある

怒りっぽさと頑固さと、数々の失言(決して間違った内容ではないがストレートすぎる)により、メディアの格好の餌食になったドクター・ディーンだが、専門ライターの下書きを使わない即興スピーチのウマさとその強いメッセージ性、政治家らしからぬ率直な人柄とトレードマークの安物スーツ(87年にJCペニーで購入した125ドルのスーツを着まわしている)により、選挙戦を離脱しても支持者の人気は揺らいでいない。それどころか、ディーン氏と仲間たちの興した草の根民主主義ムーブメントは、Deaniacsという新語を生んだだけでなく、今後も確実に米国の政治システムに影響を与えていくだろう。

大学生や若年層を多く抱えるDeaniacsは、若くエネルギーに富み、情報能力に長けていて将来性がある。例えば、ディーン支持者の一人、ユージーン・ヘッドランドの立ち上げたディーン支持組織「Truthandhope.org」は、10の州で45,000ドルのラジオ広告を配信し、次の予備選でもディーン候補へ投票するよう呼びかけている。リベラル系メディアにおいてもディーンの影響は大きい。(関連コラムはここにもここにも

メインストリームからドロップアウトした大統領候補は、この先何を可能にするだろうか?それは誰にもわからない。

ひょっとしたら、現在の米国大統領選挙システム(実質はホワイトハウスのオークションである)は、アメリカが掲げる民主主義から大きくズレているという事実に、米国市民は目覚めつつあるのかもしれない。

2004/02/25

ジョン・ケリー快進撃の秘密(3)ブッシュ、ハインツ、ケリーの奇妙な絆

WingTVの示唆的なコラムより。

ジョン・ケリーの選挙用PRでは、ジョン・ケリーとテレサ・ハインツは1990年代の環境保護活動を通じて知り合いになったとされている。環境保護!?地球サミット!?この民主党支持者向けのロマンチックな宣伝文句がお好きな方は、この先の文章を読んではいけない
(ハインツ家は環境運動にご熱心のようだが、テレサ・ハインツが委員を務める「環境防衛基金the Heinz Environmental Defense Fund」は奇妙な団体だ。ブッシュ家の親友でエンロンCEOのケン・レイも、かつてこの基金の委員であり、偶然にもエンロンのメインバンク、シティグループはジョン・ケリー支援企業でもある。世界中の天然資源を米政権の外交政策を使って買いまくり、高額に転売することで急成長したエンロンのビジネスモデルは、ハインツの目には「環境保護活動」に映ったのだろうか?)

さて、ケリー公式サイトに掲載されなかった記録によると、テレサの前夫でハインツ財閥の直系相続者、故ジョン・ハインツ三世(共和党・ペンシルバニア州議員)とジョン・ケリーは少なくとも2つの活動を通じて顔見知りである可能性が高い。

ジョン・ケリーとジョン・ハインツ三世の二人は、共にイエール大学出身のスカル&ボーンズ会員で、共に80年代のイラン・コントラ事件の調査に関わっている。そして偶然にも、イラン・コントラ事件の疑惑の渦中にいたのがジョージ・H・W・ブッシュ(ブッシュ父)で、ブッシュ家は三代にわたるイエール大学+スカル&ボーンズの家系である。

ジョン・ハインツ三世は妻のことをケリーに内緒にしていたのだろうか?だとすれば、彼は共和党内の長年の知人であるブッシュ父のことも内緒にしていたに違いない。ブッシュ父とジョン・ハインツ三世の関係が最初にスポットを浴びたのは、80年代の「オクトーバーサプライズ疑惑」の時だ。


オクトーバーサプライズ疑惑とは何か?

1979年11月4日、在イラン(テヘラン)の米国大使館が武装したイラン人学生に占拠され、米国人大使館スタッフ70人が人質となった。1980年4月、米デルタ・フォースによる人質救出作戦は失敗し、2期続投を目指すカーター政権への打撃となる。結局カーターはその年の大統領選挙で新人の共和党大統領候補ロナルド・レーガンに破れた。1981年1月20日(レーガン大統領就任直後)、アルジェリア政府の仲介により、米大使館の人質は444日ぶりに開放された。

この在イラン米大使館人質事件当時に、CIA長官退任後、ロナルド・レーガン政権の副大統領へ転身を企むジョージ・H・W・ブッシュ(父ブッシュ)とレーガンの選挙チーム責任者ウイリアム・ケイシー(後のCIA長官)は、1980年10月18/19日にパリで密かにイラン政府関係者と会談し、ホメイニ氏他イラン政府関係者に賄賂と武器供給を約束し、人質解放時期をレーガン大統領就任時まで延長するように交渉したという疑惑がある。この交渉の目的は、カーター大統領の在任中(1977〜1981)に人質事件を解決させないことで彼の人気を落とし、レーガン大統領就任時に人質解放を実現することで「強いレーガン大統領」を演出することであった。

その極秘交渉のためにパリに赴くブッシュ父が搭乗する特別機に同乗したメンバーに、ジョン・ハインツ三世が含まれており、後のイラン・コントラ事件調査の重要人物、ジョン・タワー(共和党・テキサス州議員)も同乗していたといわれている。

そしてレーガン政権最大の未解決スキャンダル、イラン・コントラ事件において、ジョン・ケリー、ハインツ、タワー議員は重要な役割を果たしている。以下の年表で何が起きたか想像してみてほしい。

1986年4月ジョン・ケリー「テロリズム,麻薬,国際作戦に関する上院小委員会」(ケリー委員会)を主催。後にイラン・コントラ事件、BCCIスキャンダルの調査に発展する。
1986年11月ジョン・ハインツ三世、レーガン大統領の命により,三人の議員からなる大統領審議委員会を主催。イラン・コントラ事件を正式に米国政府内スキャンダルと認定する。
1986年12月ジョン・タワー議員、イラン・コントラ事件を含めたCIAの違法活動の調査のため、大統領特別検討委員会(President's Special Review Board.通称タワー委員会)の委員長に指名される。
1987年1月29日イラン・コントラ事件の重要証人、元CIA長官ウイリアム・ケイシーが証言直前に脳腫瘍で病死
1989年1月20日ジョージ・H・W・ブッシュ、第41代大統領に就任。
1991年4月4日ジョン・ハインツ三世が小型飛行機の事故で死亡
1991年4月5日ジョン・タワー議員、小型飛行機の事故で死亡。ジョン・タワーはタワー委員会主催時に入手した極秘資料を元に、イラン・コントラ事件とオクトーバーサプライズ疑惑の暴露本を執筆中といわれていた。

イラン・コントラ事件をめぐるこれら調査委員会(JFK暗殺で有名なウォーレン委員会メンバーの一部も参加している)は、実行犯達を白日に晒しつつも、レーガン政権内部の黒幕まで到達することなく、むしろ事件の詳細については隠蔽する役割を果たしている。

特にタワー議員の調査報告(タワーレポート)では、疑惑の中心人物、ブッシュ父を賞賛する表現が加えられており、事件調査は明らかに歪曲されていた。(その後タワー議員はブッシュ父の口利きで国防長官のポストを約束されるが、実際にブッシュ父の政権で国防長官に任命されたのはディック・チェイニーだった)

そして2004年。イラン・コントラ事件で疑惑の追及を見事に逃れた人物---ジョージ・H・W・ブッシュ---の息子、ジョージ・W・ブッシュのライバルが、自らイラン・コントラ事件を調査し、共和党を壊滅に追い込むことなく手を引いたジョン・ケリーであり、レーガン政権成立の秘密とイラン・コントラ事件の秘密を握ったまま死んだ人物の未亡人と結婚している。

しかも、これら三人の政治家が揃って同じ秘密結社の会員であるとは、なんとも奇妙な絆ではないか。

2004/02/24

全米商工会議所、反エドワーズに動く

THE HILL紙2004/02/18付け記事より。全米商工会議所CEO、トーマス・ドナヒューが、以下のような爆弾発言をしているようだ。

もしジョン・エドワーズ氏が民主党の大統領候補に推薦されるなら、全米商工会議所はブッシュ大統領の再選を支持する
全米商工会議所が大統領選挙で支持活動を表明するのは今回が初めてとのことだが、この企業支援団体は大統領、副大統領のどちらにもエドワーズが推薦されることを全力で阻止しようとしている。

全米商工会議所がエドワーズ候補を嫌う理由は、エドワーズ自身が弁護士として「大企業叩き」の急先鋒であり、彼の支持母体である弁護士団体の「大企業を訴えろ!」戦略が気に入らないからだ。

ジョン・エドワーズは、法学生時代に知り合った妻のエリザベス・アナニア(弁護士)と共に、ノース・カロライナ州で、主に医療事故を扱う弁護士として辣腕をふるってきた。
(アメリカの医療事故の増加は深刻である。1999年の調査によると、毎年約9万8千人のアメリカ人が病院内の医療ミスで死亡しているという

エドワーズの名を世の法曹界に知らしめた裁判、5歳の女児、ヴァレリー・レイキー事件の賠償金2,500万ドルの他にも、90年代に彼の担当した医療事故関係の裁判は63件以上、依頼人に渡った賠償金は1億5千200万ドル以上といわれている。

エドワーズの専門は医療事故だが、彼の支持母体の弁護士事務所や団体には「タバコ産業裁判」や「アスベスト被害裁判」などで名を馳せる弁護士達が強力にバックアップしている。(ジュリア・ロバーツが映画で演じたエリン・ブロコビッチ所属の弁護士事務所、ジラルディ&キースもエドワーズを支援している

さて、ハワード・ディーンの活動停止宣言の影響で、ディーンサポーターの行方が注目されるが、その一部はエドワーズ支持に移行し始めている

また、緑の党を率いていたラルフ・ネーダー氏が、無党派として大統領選出馬を宣言したことで、再び民主党の候補者選びは混乱の様相を呈している。緑の党内部でも、ネーダー支持層とクシニッチ支持層で分裂があるようだ

ブッシュ陣営からのスキャンダル暴露攻撃に怯えるジョン・ケリー陣営(民主党保守派)は、こうした民主党支持者達の分裂を抑える政策的魅力に欠けている。かくして、民主党支持者の苦悩は続くのである。

2004/02/20

ジョン・ケリー快進撃の秘密(2)Money talks.(金がモノをいう)

ジョン・フォーブス・ケリーの母ローズマリーの父親(ジョンの祖父)は、マサチューセッツ州でもっとも古いWASP(プロテスタント系白人アングロサクソン)家系で東部有数の名門財閥、フォーブス家のジェームス・グラント・フォーブス氏であり、したがってジョン・ケリーはフォーブス家資産継承者のひとりである。ジョンの父親、リチャード・ケリーはユダヤ教から後にカソリックに改宗した人物で、第二次大戦ではアメリカ陸軍航空隊のパイロットであったが、戦後はフォーブス家の事業、ヨーロッパとの貿易ビジネスに加わっている。

ジョン・ケリーの妻、テレサ・ハインツ・ケリーは、ケチャップで有名な食品財閥ハインツ家の子孫ジョン・ハインツ議員(共和党、1991年に飛行機事故で死亡)の未亡人であり、ハインツ家の遺産相続人である。ハインツ未亡人が相続した資産額は5億ドル程度と噂されている。ハインツ家の伝統にならい、テレサも熱心な共和党員だったが、夫の立候補に合わせて2003年1月に民主党支持に切り替えている

以下の大統領候補達の申告資産ランキングをみれば、ジョン・ケリーがいかに恵まれているかが理解できるだろう。

大統領候補の資産ランキング(自己申告分)
source:The Buying of President2004
候補者名所有資産額
(最大額概算)
ジョン・ケリー 885億1,683万円
ジョン・エドワード38億5,067万円
ジョージ・W・ブッシュ 23億1,420万円
ハワード・ディーン 5億3,392万円
デニス・クシニッチ337万円
ジョン・ケリー夫妻の申告した933件の資産のうち、ジョン個人の所有は87件、約680万ドル分(約7億円)である。つまりジョン・ケリーの豊かな生活はもっぱら妻の資産と投資活動によって支えられている

米国の選挙法では、妻個人名義の資産を直接選挙活動に使うことはできない決まりなので、妻の豊富な資産を選挙用に持ち出すには法律の抜け道(たくさんある)を探す必要がある。ケリー自身、金持ち候補と言われることを嫌い、自費の選挙資金分は自宅を担保に借金をして捻出している。そのケリー夫妻の自宅の評価額は700万ドルといわれている。

ジョン・ケリー夫妻は共同名義の自宅のほかにも、妻のハインツ名義で4つの私邸を所有している。ジョージタウン(ワシントン)に大邸宅、ピッツパーグにハインツ家代々の屋敷、ナンタケット島とアイダホに別荘があるという。

また、ケリーが選挙に利用する自家用ジェット機(ガルフストリーム2)はハインツ家の航空ベンチャー企業の所有である。

ケリー夫妻のレジャーは誰でも真似できるものではない。冬はコロラド州アスペンの、テレサ・ハインツ個人が所有する保養地でスキーを楽しむ。夏はナンタケット島の別荘で、マーサ・スチュワートも同じタイプを所有するという、ヒンクリー製パワーボートに乗るという。(ボートの販売価格は最低でも695,000ドル。ジョンはもちろん現金で購入している)

ジェイ・レノのトゥナイト・ショーに出演した際に、ジョン・ケリーは自慢のバイク、ハーレーダビッドソンに乗って登場している。しかし、ジェイ・レノのショーに出演する以前には、ジョン・ケリーはイタリアの高級バイク、Ducati Paso 907 IE(8,600ドル相当)に乗っていたとのことである。

テレサ・ハインツ・ケリーは実業家として忙しい日々と送っているが、派手な投資活動(と強面な発言)でも知られている。以下の表はテレサ個人の投資活動の状況(一部)である。

テレサ・ハインツ・ケリー個人が運用する有価証券資産の推定評価額(概算/最大値)souce:The Buying of President 2004/print edition
国債、地方債420億円
通信系企業株48億円
金融サービス企業株20億円
医療サービス企業株6億円
製薬企業系株6億円
保険企業株8億円
メディア企業株8億円

これらの投資内容が、夫であるケリー自身の議員活動と密接に関係することはいうまでもない。前回投稿で紹介したケリーとFCC(連邦通信委員会)の関係は、テレサの4,700万ドルに及ぶ通信企業株への投資に貢献していることは否定できない

ケリーは他にも銀行取引委員会(住宅ローン監査業務)財務委員会(医療保険調査業務)に席をおいている。妻のテレサは不動産業界と医療業界に700万ドルから3,500万ドルを投資している。あらゆる業界にまんべんなく投資しているので、ケリー議員が法案を通す度に、彼の妻の資産は増えてしまうのである。まさに財閥流錬金術だ。ジョージ・W・ブッシュやチェイニー等ネオコン連中の軍産企業との露骨で下品な取引に比較しても、はるかに洗練されているではないか

ハワード・ディーンが苦悩しながらも選挙活動をストップしたのは、活動資金の枯渇が原因といわれる。大量に残された未払いの費用を個人で負担することになるので、ディーンはおそらくこの先しばらく借金に苦しむだろう。ジョン・ケリーの選挙活動には、(テレサ・ハインツが夫のスキャンダルに腹を立てないかぎり)そんな心配は無用である。

日本の平均的サラリーマンと同程度の資産しかもたないクシニッチ候補は、まともに広報活動も実施できないばかりか、テレビ討論会でも発言シーンがカットされるというヒドイ扱いである。無理もない。資本主義社会では金がモノをいうのである。

2004/02/19

ジョン・ケリー快進撃の真相(1)大手メディアとの協力関係

民主党大統領候補、ジョン・フォーブス・ケリーの快進撃は、マット・ドラッジの慌てすぎたスキャンダル記事にも今のところ影響を受けていないように見える。このあたりで、そろそろこの「次期大統領候補」の快進撃の理由を考えてみたい。

ケリー人気の理由その1:メディアはケリーを支援している

2003年6月2日、FCC(Federal Communications Commission:連邦通信委員会)は通信業界の規制を大幅緩和した。この規制緩和により、クリアチャンネル、ニューズコーポレーション、ヴァイアコム、ディズニーなどの巨大メディア連合による地方メディアの買収が一気に加速され、アメリカ国内メディアの横並び報道に拍車をかけることになる。

ジョン・ケリーはFCCの監督局、Commerce Subcommittee on Communication(通信商工小委員会)の委員であり、その規制緩和の立役者である。ジョン・ケリーの最大支援企業、ミンツ・レビン法律事務所は通信業界・メディア企業のロビー活動が主事業であり、同事務所の設立者の一人、チャールズ・D・フェリスはカーター大統領時代にFCC委員長を務めた人物。彼は在任中にケーブル通信、衛星通信、電話、ラジオの規制緩和に努めている。さらに、ジョン・ケリーの実弟であるキャメロン・ケリー氏(弁護士)はミンツ・レビン法律事務所のお抱えロビイストで、FCCの規制緩和に貢献した人物の一人である。

ミンツ・レビンだけではない。下記に記した「ジョン・ケリーのスポンサー企業」を見てみれば、メディア企業向けロビー活動を行う企業が並んでいることがおわかりになると思う。

ジョン・ケリーのスポンサー企業上位10社
The Buying of President 2004より抜粋
企業名業務内容
ミンツ・レビン・コーン・フェリス・グロフスキー、ポペオPC(ボストン)AT&T他通信、メディア企業のロビー活動(ケリーの実弟キャメロンも勤務)
フリートボストンファイナンシャル(ボストン)ニューイングランドで最大の総合銀行サービス
AOLタイムワーナー(ニューヨーク)総合メディア企業
ヘイルアンドドールLLP(ボストン)通信、バイオ企業のロビー活動
ヒル・ホリデイ・コナーズコスモプロス(ボストン)総合マーケ企業
ハーバード大学教育機関
スケイドン・アープス・スレイト・メガー・フロムLLP(ニューヨーク)米最大の法律事務所、ニューズコーポレーション、AOLタイムワーナー他のロビー企業
バーナー・リップフェルト・バーンハード・マクファーソン&ハンド・パイパールドニック通信、ハイテク企業のロビー活動
シティグループ総合金融サービス
ゴールドマンサックス総合金融サービス

表の他にも、AOLタイムワーナーが134,960ドル、ディズニー(ABC)ヴァイアコム(CBS)ニューズコーポレーション(FOX)が300,000ドルを、ケリーに献金している

メディアから見れば、ジョン・ケリーは、ハワード・ディーンとは正反対のポジションにいたわけだ。メディアが積極的にケリーの弱点を報道する心配は(民主党候補者選びの段階では)あまりないといえよう。(もちろん、これら巨大メディア企業はブッシュ政権にも献金しているので、ブッシュVSケリーの際には、各候補からの見返りの有無によって報道内容は影響されるだろう)

加えて、ケリー陣営の隠れた味方が、メディアを利用してハワード・ディーンを攻撃していたことが判明している。元ニュージャージー州民主党議員のボブ・トリチェリとディーン自身の支援団体であるはずの労働組合のいくつかがハワード・ディーン個人を攻撃するテレビCM(アイオワ、ニューハンプシャーとサウスカロライナで放送されていた)に投資しているのだ。(このCMにはゲッパート議員も出資している)

ハワード・ディーン陣営が弱体化すると、彼らはさっさとジョン・ケリー陣営に加わっている。つまりディーン陣営は最初からケリー陣営のスリーパーによって監視され、罠をかけられていたわけだ。

これがジョン・ケリー陣営のメディア戦略である。ビル・クリントン率いる民主党保守派(リーバマン、ゲッパート、ヒラリー・クリントン)は最初からジョン・ケリーを候補者に推していたようなものだ。

この抵抗を肌で感じ取っていたハワード・ディーンは、自身の選挙活動を「民主党を民主化する運動」と表現している。しかしそれは叶わぬ夢だった。立候補当時から、ハワード・ディーンは民主党内部において「リベラルすぎる」と敬遠されていた。ディーンはそうした批判に以下のように答えている。

「私の政策はちっともリベラルではない。もし私をリベラルと感じるとしたら、それはアメリカという国がいかに保守化してしまったかを示している」

ハワード・ディーンやデニス・クシニッチなどのアウトサイダー(民主党進歩派)が、深く保守化した現状の民主党から大統領候補推薦を受けることは、あまりにも困難だったのだ。(続く)

2004/02/17

ウェズリー・クラークは大統領選撤退で本業に復帰するか?

マイケル・ムーアの(はた迷惑な)支持にもかかわらず、あっさり大統領選から撤退したウェズリー・クラークは、早々とジョン・ケリー支持を表明して周囲を驚かせた。何しろクラークはケリーについて「私は司令官、彼は中尉」と失言し、自らの支持層である退役軍人達からも顰蹙をかったことがある。

はじめから選挙活動に馴染めなかった「司令官」は本業に戻る道を選んだに違いない。ウェズリー・クラーク氏は、大統領選への出馬宣言をした直後の2003年10月まで、地元アーカンソー州のデータベース企業、Acxiom Corporation (アクシオム社)の役員を務めている

1969年設立のアクシオム社の業務はダイレクトマーケティング用の顧客データベースの構築と管理(Customer Data Integration:CDI)である。(正確に言えば、管理に失敗したこともある

アクシオム社は商業データベース企業として成功しているが、近年では政府向けサービス「CAPPS2」の提供により脚光を浴びている。CAPPS2(Computer Assisted Passenger Pre-Screening System:旅客事前調査システム)とは、米国内の空港で搭乗客がチェックインした際に、テロリスト容疑者かどうかを判別する際に利用される、悪名高き個人情報管理システムであり、この航空テロ対策システムが、米国人の自由を大幅に制限していることは以前書いたとおりである。(同社の日本オフィスの事業展開は今後注目を集めるだろう)

ウェズリー・クラークは、このシステム導入のためにブッシュ政権の各部署に積極的に働きかけた張本人であり(チェイニー副大統領にも個人的に面談している)このロビー活動に対してAcxiom社からクラーク氏に、83万ドル(約8,700万円)以上が支払われている。これはどう考えても、反ブッシュムードと相反するビジネスである。

ウェズリー・クラークが立候補を表明し、マイケル・ムーアが支持宣言をした時、リベラル系ジャーナリスト達は一斉に首をかしげた。「なぜ戦争屋なんかにムーアが入れ込むんだ?

彼らが懸念したのも無理はない。ウェズリー・クラークはNATO時代に旧ユーゴスラビア紛争で、意図的に一般市民の居住エリアに対してクラスター爆弾、劣化ウラン弾を打ち込み、地元の放送局を破壊して従業員のジャーナリスト16人を殺害した作戦を指揮している。ムーアは許しても、一般ジャーナリストはこれを許容するわけにはいかないだろう。

大統領選を続ければ、必ずこれらのネガティブ情報がアメリカ国内に知れ渡ることになる。有名になってしまうと、本業であるロビー活動に戻れなくなるのだ。選挙からの早期撤退は悪評を防ぐためであり、ケリー支持は次のロビー活動のポジションを確保するための準備である。ジョン・ケリー自身も大企業スポンサーのために政策上の便宜を図ることには慣れっこなので、すぐに「友好的関係」が築けると踏んだに違いない。ケリー政権の閣僚になれば恩の字。仮にポストがなくても、ロビー活動はずっとやりやすくなるのだ。

軍事作戦を遂行する上で大切なのは、人的資源、適切な装備、脱出ルートの確保であるという。ウェズリー・クラークがいかに優秀な軍人であるか、今回の大統領「作戦」で充分アピールされているではないか。

2004/02/10

米マスメディアがハワード・ディーン候補を排除したい理由

アイオワ州民主党大会で3位に終わったハワード・ディーン民主党大統領候補は3,500人の熱狂するサポーターの前で叫んだ

「アイオワ州で3位に終わると1年前に予告されたとしても、私はけっして諦めないだろう!」

この「怒れる反ブッシュ大統領候補」の人気を抑えるために、米テレビ局各社は一斉に「絶叫スピーチ」ビデオをトーク番組やニュースで流しまくり、記者、コメンテイターやトークショーホストは「怒りっぽい田舎者」「民主党のアイスホッケーコーチ」「大統領にふさわしくない」としてディーン候補を徹底的に笑いものにしてみせた。スピーチ後の4日間に、主要テレビ局だけで633回もこの「絶叫」を取り上げたのである。

そして、その繰り返し放映されたビデオは巧みに選択・編集された作品だった。ハワード・ディーンの叫びだけが増幅されたビデオを、各テレビ局は意図的に使用していたのである。実際のスピーチ現場では、サポーターの声援でディーンの叫びなど聞こえなくなるほどだったのだ。もしこの「本物バージョン」が放送されたなら、ディーン人気に視聴者は心動かされ、その後の民主党候補者選びに大きな影響を与えたかもしれないのである。(それこそ米マスメディアが最も恐れていることだ)

ディーン夫妻のインタビュー番組を主催したABC放送のダイアン・ソウヤーは、インタビュー中にこのカラクリを発見し、「ディーン“叫び”の真相:テレビで放送されなかった現実」として新たに放送し、各テレビ局に事実関係を糾すとともに、(少々遅すぎたのだが)ハワード・ディーン氏の名誉回復に努めたのである。

ここまでの例を見るまでもなく、米マスメディアはディーン候補を必死につぶそうとしている。2003年度においてディーン候補を取り上げたテレビ番組の内、好意的に扱ったものはわずか49%。つまりディーン氏はテレビに出る度に2回に1回づつ番組内で批判されているわけだ。こうしたメディア側の努力がアイオワ州でのディーン人気下落を決定づけたのはいうまでもない。

ディーン候補はスピーチの度に、巨大メディアの放送網独占、横並び報道を痛烈に批判している。実際、5大メディア企業(ヴァイアコム、ディズニー、AOLタイムワーナー、ニューズコーポレーション、NBC/GE)は米国内プライムタイム放送の70%を独占し、ケーブル放送、ラジオ、出版、映画、音楽、インターネットにまで支配の手を伸ばしている。この「メディア独占問題」はメディア企業がアメリカ国民に最も気づいて欲しくない事実であり、ディーン候補の意見に耳を傾ける視聴者が増えるのは困るわけである。(ついでに、日本国内でもディーン候補に関する報道が消えたことに注目してほしい)

もっとも、2004年選挙---ブッシュ政権、イラク占領体制、歴史的財政赤字の是非が問われる重要な選挙---では、マスメディアは候補者に関する報道を控えたいようだ。2003年度における選挙関連報道は、2000年選挙前の同時期に比較して32%減少している。選挙報道を減少させて、代わりにテレビで流れている情報は?新生ジャクソンズ(兄妹)を利用したゴミ報道である。

イギリスではBBC放送が政府と闘っていて、国民の半数以上が首相よりもBBCの報道を支持している。同じ時にアメリカでは、およそ9,200万人が、フットボールとジャネット・ジャクソンの粋な演出に熱狂している。(史上最大の視聴者数らしい

しかもブッシュ政権は、9/11同時多発テロの調査を放り出して、ダンサーの「衣装の不具合」について調査するという。これにはハワード・ディーン候補も怒りを通り越して呆れている

米国が高らかに謳う「(借り物の)自由」のうち、少なくとも「報道(表現)の自由」に関しては、レンタル期間を過ぎたに違いない。母国のイギリスに返却すべき時期だろう。

2004/02/04

民主党大統領候補アル・シャープトンは共和党の操り人形?

ビレッジボイス誌の記事より。

民主党の異色大統領候補、アル・シャープトンの選挙キャンペーンを影で支配する人物がいる。「ブッシュの代理人」共和党系政治コンサルタントのロジャー・ストーンである。ロジャー・ストーンは2000年大統領選でフロリダ州の手作業による投票集計作業を停止させることに貢献した共和党の「工作員」と呼ばれる人物だ。

アイオワ党員集会に先駆けて、ブッシュ選挙チームが、その時期にフロントランナーだった民主党大統領候補ハワード・ディーンを攻撃するテレビCMの放送を始めている時に、民主党のディベート大会でアル・シャープトンは、ディーンが知事を務めたバーモント州の閣僚に黒人がいないことをとりあげて、ディーン候補を批判。このリサーチをしたのもロジャー・ストーンが採用したキャンペーンマネージャーであり、ロジャーはディベートでディーン攻撃のスタイルをアルに指導したと告白している。

アル・シャープトンは知っていたのか、嵌められたのか。どちらにしろ彼は、もはや共和党にとっても民主党にとっても用なしだ。もちろん、ブラザー達の信頼も失くしてしまったことは間違いない

2004/02/02

アメリカ大統領選挙とベトナム戦争

民主党大統領候補ウェズリー・クラークの支持者集会で、応援演説に登場したマイケル・ムーアは「司令官VS脱走兵のディベートが見たい!」とまくしたてた。言うまでもなく、脱走兵とはブッシュ現大統領のことである。

この発言に(愚かにも)噛み付いたのはABCネットワークのピーター・ジェニングスだ。ニューハンプシャーの民主党ディベート大会後、彼は以下のようなインタビューをして、クラーク候補を困惑させている。

「クラーク司令官、問題の多い映像作家のマイケル・ムーア氏があなたを前にして、司令官であるあなたと、彼言うところの“脱走兵”ブッシュ大統領のディベートが見たいと発言しました。この、大統領に対する、事実に基づいていない誹謗中傷に関して、あなたが反論しない理由をお聞かせください。反論されるかどうかはともかくこれは倫理的に憂慮すべき事だと思いますよ」

このインタビューのオンエアを観てムーアは激怒し、早々に自分のウェブサイトで大々的に抗議した
「ピーター・ジェニングスの質問は、メディアが本来の問題から国民の目を逸らすべく、いいかげんな仕事をしていることの象徴だ

図らずも、ジェニングス氏はジャーナリストとして致命的な無知をさらけ出しただけでなく、この時期最も触れて欲しくない話題にブッシュ大統領を巻き込むことになったのである。

ベトナム戦争の時、現大統領とライバル達は何をしていたか?

幼い頃に父親を亡くし、貧しい家庭に育ったウェズリー・クラーク氏は苦学の末に奨学金を手に入れ、英オクスフォード大に進学した途中で陸軍に入隊し、歩兵隊としてベトナムのジャングル戦で4度撃たれて銀星章他勲章を授与され、ベトナム戦争後も軍に残り軍人としてキャリアを重ねている。

民主党大統領候補として首位を独走中のジョン・ケリー氏は、財閥家系にも関わらず海軍に入隊し、ベトナム戦争では最も危険な戦闘地域のひとつ、メコンデルタ地帯でCIA、グリーンベレー隊員と共に、小型高速艇を操縦して危険な任務に就き、激戦を生き抜いた。青銅星章、銀星章、3つのパープル・ハート勲章を授与され、英雄と讃えられたが、多くの戦友の死に心を痛めたケリー氏はやがて反戦運動に傾倒し、戦後は退役軍人の権利保障に大きく貢献している。

民主党の反ブッシュ第一人者ハワード・ディーン氏ベトナム徴兵検査で脊椎損傷の為、従軍不適格とされた。従ってディーン自身はベトナムを知らないが、実弟の死をきっかけに、反戦志向、民主党支持へと方向付けられたと語っている。ディーン氏の2歳年下の実弟チャーリー・ディーンは、ノースカロライナ大学を卒業後、ヒッピー時代にふさわしく日本を始めアジア各国を旅していた。1974年、ラオス・メコン川沿岸のバンガローに友人と滞在していたチャーリーはパテト・ラオ(ラオス愛国戦線)の部隊に拉致され、行方不明になる。一般旅行者であったにも関わらず、POW-MIA(戦争捕虜/行方不明兵)に認定されたチャーリー・ディーンは、CIAと米軍の捜索の結果、処刑され、埋められていたことが判明した。2003年、ラオスで発見された遺骸は棺に納められ、遺族が静かに迎える中、米国に帰還した。(ディーン氏自ら語るように、滞在地と捜索の過程から、チャーリー・ディーンはCIA工作員であったことが伺える)

さて、ジョージ・W・ブッシュにスポットをあてよう。イエール大学を卒業したばかりのジョージは、テキサス州兵航空隊に入隊を果たしたので、ベトナム行きを免除された。州兵航空隊の入隊試験におけるジョージ君の得点は100点満点中25点。ベトナム行きを避けるため、入隊待ちの志願者が何百人もいた州兵航空隊に、こんな落第点にも関わらず特急入隊できた(そしてベトナムに行かずに済んだ)理由は、父ブッシュである。当時、下院議員であった父ブッシュは、友人でテキサスの有力石油商シドニー・エドガーに、息子がベトナム徴兵を避けられるよう依頼した。エドガー氏は当時の友人でテキサス州副知事だったベン・バーンズ氏にブッシュ息子の件を依頼し、バーンズ氏はテキサス州兵隊のローズ准将に入隊を依頼したのである。しかもジョージは、テキサス州兵航空隊の訓練が嫌で途中で抜け出し1年ほど勤務をサボっていたことが明らかになっている(だから脱走兵)。

ブッシュ現大統領が父親の権力を使ってベトナム徴兵を逃れた件はともかく、州兵勤務をサボっていた件は米国内ですでに何度も報道されている。米軍の退役軍人達は、「イラク戦闘終結宣言」の際の派手な「トップガン大統領」演出に激怒しているはずである。ピーター・ジェニングスはなぜ、わざわざ問題をむしかえしたりしたのだろう?

さて、メディアの怠惰を批判するマイケル・ムーアの主張は立派かもしれない。しかし一方で、「司令官」「ベトナムの英雄」が大統領選の目玉になり、一貫して反戦を訴えるクシニッチ候補が変人扱いされる米国の現状を見ると、何か釈然としないのである。

戦争に参加したことをリーダーシップの基準にする社会は、何かが狂っているのではないか。普通の人々や社会にとっては、戦争をしないと決めるリーダーシップのほうが、はるかに価値あることだと思われるのだ。

例えば「ロード・オブ・ザ・リング(指輪物語)」を観て欲しい。この長大な物語においても、武器を持たない非力な小人族が、世界を滅ぼす兵器となる「指輪」を捨てるために闘う勇気を讃えているではないか。

2004/01/21

ジョン・ブキャナンの危険な挑戦:反ブッシュを掲げるもうひとりの大統領候補

NewYorkPressのコラム記事より。

アイオワ州の民主党党大会で、苦戦していたはずのジョン・フォーブス・ケリー候補はトップに返り咲き「これはブッシュ政権の終わりの始まりだ」と宣言した。皮肉なことに、ずっと以前から反ブッシュ、反イラク戦争を唱えたディーン候補は3位に落ち込んだ。イラク戦争に賛成票を投じたケリー候補は、ブッシュを批判する以上に、民主党仲間のディーンを批判するPR広告に投資し、今回の逆転劇を実現している。

ブッシュ、ケリー、ディーンの三人には共通項がある。いずれも共和党支持者の資産家を両親を持ち、共にイエール大学出身のアイビーリーガーである。しかし、もしもケリーがブッシュ以上にディーンを嫌っているとしたら、それは大学時代の素敵なクラブ活動のおかげかもしれない

ところで、反ブッシュを唱えるのは民主党の専売特許ではない。ブッシュ政権を嫌っている「古いタイプの」共和党員は大勢いるのである。ジャーナリスト、ジョン・ブキャナンもその1人だ。彼は、反ブッシュ派の共和党大統領候補として2004年選挙に立候補を宣言している。

ブキャナン氏は、プレスコット・ブッシュ---ブッシュ現大統領の祖父---が第二次大戦中にナチスドイツの戦争資金運用に関わっていた事実を暴露したことで、反ブッシュの急先鋒として一気に有名になった。(ナチス軍資金に始まるブッシュファミリーの錬金術については最新刊「アメリカの支配者(American Dynasty:ケビン・フィリップス著)」に詳しい)

例によって米マスコミは、ブキャナン候補を無視するだろう。問題は、彼が今後どのような形で再びニュースに登場するかである。テロリスト扱いされるとしたらまだ幸運かもしれない。2000年の大統領選挙キャンペーン時に、ブッシュのテキサス時代のコカイン使用事件の醜聞を暴いた書籍「Fortunate Son(翻訳版である“幸運なる二世ジョージブッシュの真実”は絶版)」はベストセラーでありながら出版差し止めとなり、その著者J. H. Hatfieldは、不審な「自殺」を遂げている

この出版差し止め事件の顛末はドキュメンタリー映画「Horns and Halos」として、2年間の沈黙を破り2004年2月にアメリカ国内で上映されることになったが・・・。

2004/01/04

ジョン・ケリーとブッシュは同じ秘密結社会員

民主党の次期大統領候補で、名門財閥ハインツ家未亡人を妻に持ち、自身も名門財閥フォーブス家の後継者、ジョン・ケリーは、テレビ番組「ミート・ザ・プレス」のインタビューで秘密結社スカルアンドボーンズのメンバーであることを事実上認めている

米国のアイビーリーグ名門イエール大学の怪しい秘密結社スカルアンドボーンズについては、悪魔信仰であるとか、政治結社であるとか、さまざまな噂や憶測がある。しかし実在しているのは確かだ。ブッシュ家は代々この結社のメンバーである。詳しくはCBSのドキュメンタリー「60ミニッツ」の特集を観て欲しい。

2003/12/25

露プラウダ紙はディーンサポーター?

ロシアの新聞プラウダオンライン版2003/12/24の記事より。米大統領選の民主党候補ハワード・ディーン氏の「反戦姿勢」に賛同する社説。ロシアとアメリカの関係がブッシュによってどんどん悪くなっているのを受けて、ロシアメディアは明らかにこの「反ブッシュ系民主党候補」に関心を寄せているようだ。

プラウダの論調はこうだ。「フセインの拘束によって“2004年米大統領選はブッシュの勝ち”などと米メディアは報じているが、大きな間違いである。当初からイラク戦争反対を表明していたハワード・ディーン氏は、フセイン拘束直後のコメントで“フセイン拘束によってアメリカが安全になることはない”と、浮かれるマスコミの論調を批判した。そしてディーン氏のコメントからわずか数日で、アメリカ国内は再びテロ警戒度を急上昇させた。ディーン氏の指摘どおりにホワイトハウス自身が国内の危険性を認めたのはなんとも皮肉である」

ハワード・ディーン民主党候補の存在はもはや世界各国の注目の的である。しかしなぜか、日本のマスコミと政治家はこうした事情には疎いらしい。ハワード・ディーンが大統領になれば、「ブッシュ利権追随政権」は全く無意味な存在になることに、日本の小泉首相は気づいていないようだ。

2003/12/18

マドンナが民主党クラーク候補を推薦

CNNの記事より。最近復活著しいマドンナが、民主党の次期大統領候補のひとり、ウェズリー・クラーク元NATO最高司令官を支持するとのこと。

「マテリアルガール」にとっては59歳で腕立て伏せをスイスイこなす元軍人はセクシーなんだろう。しかしマドンナほど稼いでいない平均的アメリカ人にとって、クラーク候補の財政政策に対する姿勢は不安が一杯だ。

2003/12/13

リーバーマン候補の妻がディーン候補を推薦

Intervention Magazine誌の記事によると、民主党大統領候補のリーバーマン氏の奥様が、なんと民主党内のライバル候補者、ハワード・ディーン氏を推薦することが判明。いよいよディーン人気はホンモノか。

2003/12/12

アル・ゴアの民主党批判はヒラリーへの復讐?

ニューヨークデイリーニュース誌によると、アル・ゴアがディーン候補を推薦したのはヒラリーへの挑戦という観測がかなりあるらしい。まあ、アルゴアはヒラリーにもその夫にも2000年選挙の際に冷たくされたので無理もない。

ヒラリーといえば、なぜか米国では大統領待望論があるが、とんでもない話だ。この人物は米国民保険を推進しているように見せて、実は保険対象から移民を排除することに余念がない。アーカンソー州出身のヒラリー・ロダム氏は、同州が生んだ世界最大企業にして超タカ派、移民差別、重労働、組合排除経営により全米で最も多くの訴訟を抱える(現在でも元従業員の女性約100万人からセクハラで告訴されている)ウォルマートの弁護士兼役員という輝かしい経歴の持ち主。しかしこの経歴では、民主党員を名乗るには無理がある。「ザ・民主党」を自認するゴア氏が嫌うのも無理はないのだ。

2003/12/09

アル・ゴアがディーン候補を推薦?

APの最新ニュースによると、2000年の米大統領選でブッシュと死闘を演じ、投票数では勝利していたのに、ブッシュファミリーのホワイトハウス乗っ取り活動のおかげで大統領になれなかった、悲劇の民主党員アル・ゴア元副大統領が、民主党の反ブッシュ候補で現在一番人気のハワード・ディーン氏の推薦に動いているらしい。

アル・ゴアの盟友クリントン前大統領は、同じく民主党から大統領選に立候補している元NATO最高司令官ウェズリー・クラーク候補を推薦しているので、党内の混乱を避けるため、そして打倒ブッシュのためにクラーク・ディーン連合として大統領・副大統領候補宣言をする可能性もある。

ディーン候補はネット経由で民主党史上過去最高額の寄付金を集めたり、マイノリティ層、労働組合、移民層、保守層など多様な支持団体を形成するなど、新世代のリーダーとしてカリスマ的人気を獲得しているが、早くもブッシュ陣営から批判TVCMが作られて攻撃の対象となっており、単独活動では苦戦を強いられそうだ。

一方でクラーク候補はブッシュの最大の弱点である「豊富な軍隊経験」「世界情勢に詳しい」を武器に、悪化するイラク情勢を解決できるリーダーとして人気を獲得しつつあり、タカ派も味方にできるので次期大統領の本命と噂される人物だが、イラク戦争支持から不支持にまわったり、元々民主党員でなかったりと、リベラル層の間ではあまり人気がない。つまり、ディーン氏とクラーク氏はお互いを補完するポジションにいるわけだ。

いずれにしろ、なんとしてもブッシュ再選を阻止しないと、世界はどんどん悪くなってしまう。アメリカよ!民主党よ!目を覚ませ。アメリカ人は投票しろ!

2003/12/04

ポール・クルーグマンの重要コラム「Hack the Vote」

経済学者ポール・クルーグマンがニューヨークタイムズに寄せた重要なコラム「Hack the Vote」。これはアメリカの電子投票システムの不正を警告する重要な記事だ。アメリカを「民主主義が実現されている国」と信じる人には、この記事が告発する事実を理解できないかもしれない。大手メディアがあまり熱心に報道しないアメリカ選挙システムの暗黒面は、インターネットを中心としたボランティアジャーナリズムの活躍によって明らかになりつつある。(ワイアードによる記事も問題追求に貢献している)

米国では州知事選挙を中心として電子投票システムの導入が拡大しているが、そのシステムを提供する企業はディーボールド社同社のCEO、ウォールデン・オニールは共和党の熱心な支持者でブッシュファミリー支援グループに加盟し、ブッシュの再選支持のため活動する人物だ。

この電子投票システムでは、タッチスクリーン投票機が使われているが、その内部プログラムには不具合があって、投票数を不正に操作できるなど、問題が放置されている。しかも、この投票機は紙の証拠を残さない。投票数の操作があっても、不正を追跡する手段がないのである。しかもこの問題に注目する個人ジャーナリスト、ウェブマスター達に対しては、ディーボールド社は訴訟という手段で脅迫している。

不正な投票の疑惑を抱えたまま、タッチスクリーン投票機はすでにジョージア州知事選挙で導入されて、共和党候補に「奇跡の逆転当選」を実現した。カリフォルニア州知事選挙でも衆目を集めにくい田舎地域で密かに導入されていて、具体的な政策を持たない代わりに、エンロン元CEOと共謀して知事リコールを仕組んだ、ハリウッドの嫌われ者でヒットラー支持者で共和党員のアーノルド・シュワルツネガーが当選している。(このイカサマ筋肉マンの不正な政治活動については別の機会に詳しくお伝えしよう)

この危険なタッチスクリーン投票機は、2004年のアメリカ大統領選挙でも導入予定だ。どんな混乱が起こるか誰でも予想できる。2000年のフロリダ州での不正をはるかに上回る騒ぎになるだろう。もっとも、前回の選挙不正はマスコミによって無視されたままだが。

さて、日本でもタッチスクリーン投票機導入を推進する運動が盛んになりつつある。便利さだけが強調されがちだが、果たしてそのプログラムの中身、運用手順を一般人が検証することは可能だろうか?