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カテゴリー別過去記事:中東情勢


2009/01/24

オバマ大統領、パキスタン北部集落へのミサイル攻撃を指示、子供3人が死亡

1月23日、パキスタン北部の集落で、米軍の無人機によるミサイル攻撃が行われ、現地の住民15人が殺害された。そのうち7人は親タリバン系武装兵とみられるが、現地の子供も3人が巻き添えで死亡したと報道されている

この地域では、ブッシュ政権末期の昨年夏から頻繁に同様のミサイル攻撃が行われ、標的とされた“テロリスト”と共に、すでに大勢の住民が巻き添えで殺害され続けている。米政府の公式発表では、昨年9月以来ミサイル攻撃はおよそ30回実行され、220人以上を殺害したとしている。

折しも22日、オバマ大統領はパキスタン・アフガニスタン特使としてリチャード・ホルブルック元国連大使を任命したばかりである。オバマは、選挙期間中から「テロ戦争」政策の一貫としてパキスタン国内への直接攻撃を主張しており、今回の攻撃は、ただ単にブッシュ政権の軍事作戦を継続するだけでなく、オバマ大統領が公約通りアフガニスタン・パキスタン地域での戦争拡大戦略をさっそく実行に移したものとみられている。

今回のミサイル攻撃報道に関して、ホワイトハウスは今のところ沈黙している。同様に、日本のオバマ支持団体も、今のところ沈黙を保っているようだ。

2009/01/05

ガザの大虐殺

2008年12月27日から始まったイスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザへの攻撃は、人口密集地への空爆から地上軍による侵攻へとエスカレートし、現在もイスラエル軍とハマスとの間で交戦が続いている。1月4日までの時点で、イスラエル側は5人が死亡し9人が負傷、一方パレスチナ側は少なくとも454人が死亡し、負傷者は2,300人以上と報道されている。(source:英ガーディアンの特集図解記事

イスラエル側は「人道に配慮した攻撃」と繰り返しPRしているが、国連の発表によれば1日の時点で少なくとも34人の子供が爆撃で死亡しており、現在も女性や子供を含む多数の武器を持たぬ一般市民が殺害されているのは現地からのリアルタイム報道を見れば明らかである。

2008年12月18日、少なくとも形式上は6ヶ月間続いていたイスラエルとの暫定停戦合意を破棄すると宣言したハマスは(途中11月にイスラエル軍がガザ地区を攻撃し、ハマス側もロケット攻撃で報復)、イスラエル領内へ80発ほどのロケットを発射し、攻撃を再開した。イスラエル側にこの攻撃による人的被害はなかったが、その後続くハマス側による散発的なロケット攻撃は、結果としてイスラエル政府に(あらかじめ周到に計画された)大規模な軍事侵攻への口実を与えることになった。

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2008/07/13

オサマ・ビン・ラディン、目標の一部を達成

今から10年前の1998年、原油が1バレルあたり11ドルほどで取引されていた頃、アメリカ合衆国を相手に聖戦を宣言していたオサマ・ビン・ラディンは、アメリカがイスラムの土地から石油を安く買い叩いていると批判し、本来であれば原油相場は1バレルあたり144ドルが適正であるべきだ、とインタビューで唱えていたという。

2008年7月3日、原油相場は1バレル144ドルを超えてしまった。オサマの目標のひとつが、あっさりと達成された瞬間だった。(source:ThinkProgress

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2008/01/01

パキスタン・ブット元首相暗殺事件:早々に暴かれた隠蔽工作

2007年12月27日午後5時、パキスタン首都イスラマバード近郊のラワルピンディで遊説中のベナジル・ブット元首相が、観衆の中に居た暗殺者の銃撃を受け死亡、さらにその直後に発生した自爆テロと思われる爆発で、遊説に集まっていた人のうち約20人が死亡し、他にも大勢が負傷した。

ブット元首相狙撃犯人

ブット元首相を銃撃した犯人の映像。銃撃犯のそばに立つ白いショールを被った人物が自爆犯とみられている。(source:英BBC

事件当時、ブット元首相は防弾ランドクルーザーのサンルーフから身を乗り出して、支持者に手を振っていた。すると車輌左側から近づいてきたサングラス姿の若い男が、オートマチック銃でブット氏に向かって発砲し、被弾したブット氏は車内に倒れた。銃撃は3発で、同乗していた側近や、多くの観衆が、ブット元首相が頭部に銃撃を受け、出血しながら倒れた姿を目撃している

現場に居合わせた目撃者らの証言によれば、パキスタン政府側の保安要員たちは会場警備をサボタージュし、いつの間にかブット元首相の傍を離れていたという。

パキスタン陸軍と統合情報局(ISI)の拠点であるラワルピンディは、最近ではテロ事件が頻発する危険な場所になっている。2007年11月には、軍情報部要員の乗ったバスが、同地の複合軍施設であるハムザ・キャンプ入り口に入る直前に、爆弾を搭載した乗用車が突っ込み、軍関係者15人が死亡しており、さらにその直前には、ハムザ・キャンプから数マイル離れた陸軍本部施設前で自爆テロがあり、犯人は死亡、軍関係者3人が負傷している。


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2007/04/03

テリー・ジョーンズ:「あれで屈辱だと?」

元モンティ・パイソンのテリー・ジョーンズ英ガーディアン紙に書いた、かなり危険な最新コラムを以下に翻訳して掲載

危機的状況にあってここまで辛辣に皮肉を言う人がいるというのも、イギリスのすごいところだと思う。

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2007/03/31

イラン、イギリス、アメリカ:圧力はどちらを向いているか

2006年3月23日、イランの沿岸警備隊が、ペルシャ湾岸で“通常任務である密輸の監視をしていた”英海軍兵士15人を拘束した。イラン外相の説明によれば、英兵士達はイランの領海を侵犯していたとのことだった。

英海軍のチャールズ・スタイルズ中将はGPSデータを引用し、拘束された英兵達はイラク領海内で活動していたと主張。英ブレア首相はイラン側へ人質をただちに解放するよう求め、事態の解決を国連安全保障理事会に持ち込んだ。国連側は今のところ「イラン政府はただちに英兵士を解放するべき」と言いつつも、事態に対しては「重大な懸念を表明する」に留まっている

Iran's ambassador Rasoul Movahedian leaving the Foreign Office in London today. Movahedian was summoned to the Foreign Office today over the seizure of 15 British navy personnel by Iranian forces in the Persian Gulf.

英兵拘束事件をめぐりイギリス政府に召還され事態の説明に向かう駐英イラン大使。満面の笑顔に注目。(NYタイムズ紙

人質解放のための交渉を要求するイラン側は、ブレア政権の対応を批判し、早期に解放する予定だった女性兵士も拘束されたままとなっている。イラン国内でも事件への関心は高まっているが、イラン国民の中には「アフマディネジャード政権は約束どおり早く女性兵士を解放すべきだ」という政権批判も拡大しつつある。

一方でホワイトハウスの反応はどうかといえば、通常ならば「悪の枢軸」等お馴染みのボキャブラリーを駆使しつつ声高にイラン側を批判しそうなものだが、今のところブッシュ大統領本人は、ブレア首相への支持を表明するに留まっている。

中東諸国及びロシアは、この人質事件が英米両国にイラン爆撃・侵攻の口実を与えることになるのではと懸念している。3月26日、駐ロシア英大使アンソニー・ブレントンは、ロシア政府側にイランの人質解放に向けて協力を要請していると語った

しかしロシア政府筋は、米軍がイラン国境付近及び湾岸地区に戦力を集結させており、イラン本土内軍事施設への攻撃準備が整いつつあるとメディアにリークし始めた

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2007/02/14

米統合参謀本部議長、イラン政府の関与に疑問符

「イラン政府上層部がイラク国内武装勢力へ路肩爆弾を供与している」というニュースが配信されてまもなく、米統合参謀本部議長ピーター・ペース大将は訪問先のオーストラリアでインタビューに答え、イラン政府が武器供与に直接関与しているとの情報に否定的な見解を示した。(source:ワシントンポスト紙

ピーター・ペース大将は言う:「爆発物発射体がイラン国内で製造されているのはわかっているが、イラン政府がそれを知っているかどうかはわからない。イラン人が関与し、イランから資材が流入していることは間違いないが、私の知る限り、イラン政府側が共謀しているかどうかはまだなんとも言えない。」

また、米中央軍司令官ウィリアム・ファロン大将はCNNでインタビューに答え、「誰が実際に(武器供与に)関与しているのか私にはわからない」と言っている。

バグダッドの米駐留米軍記者会見場で「イラン政府上層部がイラク武装勢力への武器供与に直接関与している」と公表した「米軍当局者達」は、名前の公表を拒否していた。司令官達も知らない「証拠」を提示した「米軍当局者達」とは、一体誰なのか?今のところ、報道では明らかにされていない。

一方で、米国メディア業界では、イラン政府の武器供与疑惑を最初に配信したNYタイムズ紙への批判が広がっている。当該報道の担当記者マイケル・R・ゴードンは、NYタイムズの悪名高き記者ジュディス・ミラーとコンビを組んで「イラクには大量破壊兵器がある」というブッシュ政権のプロパガンダに直接協力した前歴がある。しかも、イラクの大量破壊兵器保有報道の失敗により、NYタイムズ紙は社内報道倫理規定を強化し、匿名情報源の乱発を戒めたはずだったが、イラン関連の報道ではあっさりその基準を破っている

議会調査部に勤務する中東専門家ケネス・カッツマンの説明によれば、イラン側から武器供与を受けているのはイラクのシーア派武装勢力で、彼らはそれをスンニ派武装勢力への攻撃に用いている。シーア派武装勢力の一部は米軍への攻撃に加担しているが、米軍側死傷者の大部分はスンニ派武装勢力の攻撃によるものとされている。

カッツマン氏は言う:「シーア派武装勢力は米国にとって主要な脅威ではない。なぜ米軍はこの件(シーア派への武器供与疑惑)をことさら問題にしようとするのか?私見では、これはイラクやレバノンでのイラン側の活動を封じ込めるための、さらなる広範な戦略の一部だと思う。」

カッツマン氏の観測する米政府の「広範な戦略」とは、結局のところイランへの軍事侵攻を指しているようである。

2007/02/12

イラン製爆弾?

複数の米英メディアが伝えるところによれば、イラン政府上層部はイラクのシーア派武装勢力に対して密かに路肩爆弾等の武器を供与しており、2004年6月以来そうしたイラン製の爆弾で米軍兵士170人以上が犠牲になったという。

米軍側はイラン製爆弾を押収したらしく、以下の写真を公開している。

Roadsidebomb

非常に素朴な疑問:イランがイラクの武装勢力向けに製造した武器の表記が英語?アラビア語もしくはペルシャ語あたりのほうが都合が良いだろうに。

追記:その後の情報によれば、問題の爆弾はパキスタン製との見解もあるらしい。)

2006/05/27

イラク外務大臣、イランの核研究を支持

5月26日、新政権が誕生したイラクとイランの間で初の閣僚級会談が行われ、ズィーバーリー・イラク外務大臣は、共同記者会見の席上で、平和的利用を目的とした核開発を行う権利があるとするイラン政府側の主張を支持する発言をした。source:ニューヨークタイムズ紙2006年5月26日付け報道

アメリカ政府側の反応を恐れたアバウィ・イラク外務審議官は、後に外務大臣の発言を訂正し、イランのウラン濃縮を支持する意図はないと説明し、イランの核研究について「非常に微妙な問題なので言及できない」と語っている。

2005/12/22

「アメリカとシリアなら、ロシアはシリア側につく」ロシア議員が激白

ロシアNovostiの報道によれば、ロシアの国会議員二人が、米国のシリア攻撃について挑発的なコメントをしている。以下に引用:

「戦略的な立場で選択するなら、ロシアは迷わずシリア側につくだろう。」
---シャミル・スルタノフ議員

「(レバノン首相)ハリリ氏暗殺の件でシリアを批判するのはアメリカにとって誠に都合が良い。なにしろ地中海の港からアクセスできるシリアは石油の宝庫だ。それに、イラクの問題から世間の目を逸らすために(シリア批判は)格好の材料となる。」
---ニコライ・レオノフ議員(ロシア国家安全保障委員会委員)

2005/12/19

イスラエル・シャロン首相、軽い脳卒中で意識不明、緊急治療へ

イスラエルのテレビ報道によると、シャロン首相が執務中に具合が悪くなり、病院へ向かう途中に意識不明となり、エルサレムのハダサ病院で緊急治療を受けているという。

病院関係者が匿名を条件に語った内容によれば、イスラエル首相は軽い脳卒中で倒れ、救急治療室に担架で運び込まれたが、現在は意識を回復しているとのこと。(source:AP通信2005年12月18日付報道

2005/10/19

米軍の侵攻から4年目:アフガニスタンとアメリカ

2005年10月12日、インド・パキスタンで発生した大地震の被災状況を視察に出かけたライス米国務長官は、そのままアフガニスタンにも足を伸ばした。彼女がカルザイ大統領との共同記者会見に臨むと、タリバン系武装勢力はアフガニスタン政府軍兵士6人と医者を含む民間人5人を殺害して、米国からの客人を歓迎してみせた。するとライスは、同国の現状について会見でこう評した

「(アフガニスタンは)民主主義の前進により、世界を奮起させています。」
ライスは皮肉を言っているのだろうか?以下にアフガニスタンの近況を示す資料を引用してみよう。

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2005/03/22

北朝鮮の核物質販売先はリビアではなくパキスタン政府?

ワシントンポスト紙2005/03/20付け記事より。まずは記事冒頭を翻訳して以下に引用する。(記事中リンク及びテキスト強調は訳者による)

米政府、北朝鮮の核物質輸出で同盟国を惑わす(U.S. Misled Allies About Nuclear Export)

北朝鮮が核物質を輸出した相手は、リビアではなくパキスタン(North Korea Sent Material To Pakistan, Not to Libya)

by ダフナ・リンザー記者:ワシントンポスト紙2005/03/20付け記事

今年年頭、北朝鮮への圧力強化を目指すブッシュ政権は、アジア各国首脳に対して、北朝鮮政府が核物質をリビアに販売していたと説明していた。それは重要な新情報であり、北朝鮮が新たな核兵器開発を開発中であるという具体的疑惑を初めて提起するものであった。

しかし、北朝鮮の核物質取引の詳細について知る2人の政府高官の説明によると、それは米国情報機関の報告内容と異なるという。情報部の報告によれば、北朝鮮は、核兵器に転用可能となる六フッ化ウラニウムを、当初はパキスタンに販売していた。米国にとって重要な同盟国であるパキスタンは、その六フッ化ウラニウムをリビアに転売した。政府高官の話によれば、パキスタンが核物質を転売していた事実を北朝鮮が知っていたかどうかについて、米国政府は証拠を掴んでいない。

政府高官が匿名を条件に本紙に語ったところでは、パキスタンが核物質の売り手と買い手の両方の役割を演じていた事実は、アル・カイダ幹部捜索活動の協力者という役割の隠蔽のために秘匿されたという。また、北朝鮮とパキスタンの間でそうした取引が行われていた件は米国政府にとって真新しい事実ではなく、主権国家同士のビジネス関係として、過去数年間見過ごされてきたとのことである。

北朝鮮の核物質取引に関する報告の際、基本的な詳細情報を省いたブッシュ政権の政策は、北朝鮮の孤立化を目的としたが、同盟国をますます懐疑的にさせてしまったと、米政府高官は外交官はインタビューで話している。先月の米国政府の説明に呼応して、北朝鮮は周辺各国協議から離脱を表明した。

関係修復を試みるべく、コンドリーザ・ライス国務長官は現在東アジア各国を歴訪し、6者協議再開のために各国首脳の説得を図っている。(中略)

今年1月末から2月初旬にかけて、米国政府は関係各国に対し北朝鮮に関する報告を行った。それからまもなく、米政府関係者が匿名を条件にワシントンポスト紙に話したところでは、北朝鮮が六フッ化ウラニウムをリビアに販売したとのことだった。その高官の説明では、アジア各国への報告会は、北朝鮮の核開発計画に関する交渉を鑑み、中国、韓国、日本との間で情報交換のために行われたということであった。

しかし最近、別の米政府関係者二人が本紙に語ったところでは、アジア各国への報告会は、中国と韓国が6社協議から突如離脱の意思表明をした直後に、大慌てで設定されたとのことである。報告会は大部分無駄なものであったが、北朝鮮政府との2国間協議を拒否するブッシュ政権は、そうした会談が北朝鮮の核開発を抑止する重大な役割を果たすと主張している。

パキスタンの取引に関する新たな詳細情報に関して、ホワイトハウスは言及を避けている。政権幹部の対応によれば、米政府は「北朝鮮の核拡散活動について、正確な説明を行っている」とのことである。

アジア各国への報告では、パキスタン側の特定人物については言及されていないが、政府関係者の話によれば、パキスタンの原子物理学研究第一人者アブドル・カディル・カーン博士のネットワークが使われたと明言されていたという。しかし報告会では、核物質がパキスタンによって購入され、北朝鮮から輸出される際もパキスタン政府所有のコンテナが使われている件を米国情報部が掴んでいる件は示されなかった。

また、六フッ化ウラニウムが或るパキスタン企業を通じて輸出され、アラブ首長国連合を経由してリビアに持ち込まれた事実についても、米政府は報告していなかった。それら事実は、リビアを独自調査していた国際原子力機関の説明と一致する。リビアは核兵器開発を2003年12月に断念している。

米国政府にとって、パキスタンはアル・カイダ幹部捜索活動において主要な役割を担うようになっているが、カーン博士がかつてムシャラフ政権の閣僚に名を連ね、同国の核開発に協力していた件について、ブッシュ政権はムシャラフ大統領に未だ説明を求めていない。

「米国の利益を損ねている最中のパキスタンに、米政府はやりたい放題させていたんです」2003年8月までブッシュ政権の北朝鮮特使を務めたチャールズ・L・プリチャード氏は語っている。「同盟国はそうした全体像を把握しているので、我が国の信頼性は揺らいでいる」
(記事引用ここまで、以下略)

米情報部と協力してビン・ラディンとアル・カイダ幹部捜索を行っているパキスタン政府機関といえば、パキスタン軍統合情報局(ISI)であることは誰でも知っている。今回のワシントンポスト記事の情報源は、まるでISIが北朝鮮との取引に関与しているとでも言いたげだ。

仮にパキスタン政府関係者、もしくはISI関係者が北朝鮮・パキスタン間の取引にも関与しているとすれば、CIA/ISIのアル・カイダ捜査活動の内実---ブッシュ政権にとって非常に都合悪い情報を含む---が北朝鮮側に漏れている可能性も・・・いや、まさかそんなことはないだろう。ライス国務長官が北朝鮮との2国間協議や経済制裁を避けているように見えるのは、単に慎重に行動しているだけのことだ。

過去に遡ってみよう。911同時多発テロ事件が発生した後、米情報部とISIは共同捜査を行うと宣言したが、直後の10月に、パキスタン側は当時のISI局長ムハマド・アーマッド将軍を更迭した。更迭理由は、ハイジャック犯の1人、モハメド・アッタ容疑者への資金提供疑惑といわれている。(911テロの朝、ワシントンでは上院・下院情報委員会の朝食会が開催されていたが、そこには、上院情報委員会委員長ボブ・グレアム議員と、ISI局長ムハマド・アーマッド将軍、そして偶然にも、当時の下院情報委員会委員長で現CIA長官のポーター・ゴスが同席していた

ビン・ラディン、タリバン、アル・カイダ、ムジャ・ヒディン・・・これらは全て、元々CIAとISIが大切に支援・育成してきた軍事ネットワークである。ISI幹部がアル・カイダと親密だからといって、米政府はそれを簡単には批判できない。ましてやパキスタンのムシャラフ将軍は米国の軍事産業にとって大切なお客様なのだ。

そんなわけで、米国はパキスタンの裏ビジネスに対して、もっとポジティブな態度で付き合うようになったのだろう。“北朝鮮から核物質輸入?うーん、まあいいや。その代わり転売先を教えてくれたら、悪の枢軸国認定作業が楽になるんだけどね”とか何とか。以上、本日の妄想終わり。

2004/10/06

アフガニスタンの危機:事実と統計

Center for American Progress2004/10/04レポートより。以下に全文翻訳して掲載。



アフガニスタンの危機:事実と統計(Afghanistan in Crisis – Facts and Figures)


(From: Robert O. Boorstin and Mirna Galic)

「タリバンはもはや脅威ではない」先週の第一回大統領選ディベートで、ブッシュ大統領は聴衆に語った。しかしながらこの不正確な声明は、アフガニスタンをバラ色に飾ろうとホワイトハウスが尽力している実例の一つに過ぎない。

ブッシュ政権が世界に売り込んでいるサクセスストーリーとは程遠く、アフガニスタンは依然として危機状態にある。10月9日の選挙を控えて、同国は一層危険且つ混乱状態を迎えている。麻薬生産は急上昇している。タリバンの攻撃も増加し、アル・カイダの活躍する範囲も拡大し、武装集団が国土を席巻している。アフガン住民は危機に直面し選挙に関する脅迫を受け、飢餓と慢性的な栄養失調に苦しみながら、不確実な未来像に女性たちは怯えている。

選挙の実施とアフガニスタンの安全で民主的な未来を考えるとき、事実を直視することはとても重要である。以下にアフガニスタン国内の現実を解説する:

タリバン勢力は再結集、攻撃は増加

2001年に米国主導の連合軍がタリバン政権を排除してから、同勢力は順調に回復しつつある。タリバン勢力による死傷者数は前年比45%増加し、タリバン指導者達は攻撃の矛先を10月9日の選挙に向け始めている。最近4ヶ月間で選挙実施担当者40人以上が死傷し、ごく最近も、カルザイ大統領はタリバンの暗殺計画から命からがら脱出している

アル・カイダの新勢力拡大

ブッシュ政権はアフガニスタン国内の潜伏先を破壊したと宣言しているが、アフガニスタンもしくはパキスタン国境付近の新しいアル・カイダ訓練施設を撮影したビデオが表面化している。アル・カイダ幹部達は、オサマ・ビン・ラディンも含めて、健在である。先月、エリック・オルソン陸将補は声明を出した:「アフガニスタン全土に渡り工作を展開するアルカイダ幹部達を確認している。彼等はアフガニスタン国内の攻撃計画に加担し、攻撃実施に直接関与することもあるようだ」

麻薬国家になりつつあるアフガニスタン

アフガニスタン駐在米大使ザルメイ・カリルザッド氏は最近警告を出した。「麻薬が国土を席巻する可能性はある・・・まるで麻薬国家だ」まさしく、新たな潮流として、アフガニスタンは麻薬製造からヘロイン精製へと急速に発展しつつある。その犯罪ネットワークの拡大がより一層現地の治安を脅かしている。

麻薬製造の最高記録更新の見込み

アフガニスタンの麻薬生産量は、すでに世界供給量の75%を占めるといわれ、今年はさらに記録的な生産量が予測されている。23億ドルのアフガニスタン麻薬産業はテロリズムの資金源となり、国内治安に深刻な影響を与え、アル・カイダ、タリバン、その他武装集団の地盤を固めている。

破壊を招く武装集団と市民軍

地域武装集団と協力体制にある米軍の方針が治安をより悪化させており、民主主義と法秩序の障害になっている。武装兵と市民軍は国土の大部分を制圧した結果、カルザイ大統領の威信はカブール以外では失墜して、暴力と治安悪化を招いている。カルザイはそうした武装集団をアフガニスタンが直面する最大の脅威と呼んでいる。人権調査と支持連合(Human Rights Research and Advocacy Consortium)の最新調査によれば、「(アフガンは)依然として武器を手にした者による陵辱と虐待の危機に晒されている。法秩序は国土全体では事実上存在せず、結果として法に咎められない文化が支配的である」

自由で公正な選挙も危機状態

10月9日に予定されているアフガニスタン大統領選挙は、すでに2回延期された結果であり、専門家は、治安の悪化とタリバンの暴力、投票への脅迫が選挙の正当性を貶めると危惧している。人権監査団体Human Rights Watchの最新報告によれば、「地方の有権者達はすでに武装集団と地域兵から投票の仕方について指導されており、典型的な政治的弾圧と民主的プロセスの欠如から、ほとんどが服従を強いられている」。国連の報告では、自由で公正な選挙実施のためには、国際的な治安補助が不可欠と警告されている。カルザイ大統領は繰り返し国際援助を唱えているが、NATO指導国の対応は3,500人ほどの兵士派遣に留まっている。

援助団体も撤退を強いられる

アフガニスタンの治安状態が極めて悪いことを示す事例として、24年間の戦争状態の中で活動を続けてきた国境なき医師団(Medecins Sans Frontiers:MSF)が、治安悪化のため今夏撤退を余儀なくされた事実がある。同団体が撤退を余儀なくされた国は、アフガニスタンが初めてである。MSFや他の援助団体の活動はアフガニスタンにとって非常に重要であり、アフガン政府は代替サービスを市民に提供することができない。

壊滅的な食糧不足を迎えるアフガン市民

国連の食糧支援計画によると、穀物の不作が拡大した結果、アフガン市民の21%以上が「越年のために食料補助が必要となる」。国民の半数が慢性的な栄養失調に苦しみ、栄養欠乏による病気が蔓延している。

女性の苦悩は続く

新たな法制により権利が保障されているにも関わらず、多くの女性はタリバン時代の規制と暴力に直面している地元権力者による女性差別が激しくなっている地域もあり、権利を主張する女性は脅迫と脅威にさらされている。権利擁護団体の指摘によれば、過去3年間に議会が承認したアフガニスタン向け基金の内、女性に充てられたものは3%に満たないという

女性と子供の劣悪な健康状態

ユニセフの最新報告によれば、アフガニスタンは妊産婦死亡率が世界で最も高い国のひとつであり、5歳以下の幼児死亡率も極めて高い。アフガン人家庭の60%は安全な水を入手することができない。基本的な医療サービスは限られていて、特に女性は、国務省の報告によれば「文化的障壁と資源不足により、医療機関へ頼ることを拒否され続けている。」


2004/05/28

エジプトの危険な最新ヒット曲「同じコインの表と裏、アメリカとイスラエル♪」

IsraelNationalNews2004/05/06付け記事より。

エジプトの歌手、シャーバン・アブダル・ラヒム(Shaaban Abdul Rahim)氏の最新曲「Hey Arabs Leaders」がアラブ世界の間でヒットしているというニュース。そのプロモーションビデオはポップで楽しいが、歌詞内容はあまりにも過激だ。イスラエルメディアが翻訳したという同曲の歌詞を以下に引用する。
(プロモーションビデオ(WMV):56kモデム用ADSL回線用

「同じコインの表と裏、アメリカとイスラエル♪
連中は世界をジャングルに変えて、導火線に火を点けた♪
アメリカは羽を広げて、全く気に留めていない♪
誰も連中を止められない、誰も捕まえられない♪
そのうち(ブッシュは)イラン、それからシリアについて言うだろう♪
しかし北朝鮮については沈黙する♪
あの(ツイン)タワーはな、皆さん♪
間違いない!アメリカの友人(イスラエル)が破壊したんだよ♪
何がテロリズムだ!
あと何年続くのだろう、アメリカとイスラエルの暴力は♪(以下略)・・・」

ラヒム氏には他に「I hate Israel(イスラエルは嫌い)」というタイトルのヒット曲があるらしい。まあ、なんというか、ストレートな性格の人である。

2004/05/26

「特殊任務あります」イスラエル情報機関モサド、公式サイトで人材募集

英BBC2004/05/24付記事より。

イスラエルの情報機関モサド(ISIS:Israel Secret Intelligence Service)が、公式サイトをリニューアルして人材募集を開始しているというニュース。モサドの情報収集能力がイスラエル国内で叩かれているというから、組織改革が始まったというわけだ。

技術職からドライバー、ウェイターまで幅広く募集中ということだが、圧巻なのはその公式サイト。トップページのデザインは独特のムード(?)を醸し出しているが、例えば「about us」のページにはこんなことが書いてある。


「諜報と特殊作戦の機関として、あるいはモサドとして知られる当機関は、イスラエル政府によって任命され、情報収集と解析、国境を越えた隠密活動の実行を任務としている。」
(The Institute for Intelligence and Special Operations, otherwise known as 'Mossad' has been appointed by the State of Israel to collect information, analyze intelligence and perform special covert operations beyond its borders.)

ここまで堂々と書かれると、なにやら普通の政府機関のように見えてくるが、イラクシリアニュージーランドで活動している同僚達を見ると、やはり普通の就職活動とは違う覚悟が必要だろう。

なにはともあれ、お申し込みされる方はモサド申し込みフォームまでどうぞ。